メタルとお酒〜甲斐貴之 × マッド大内 × 反町哲之 編
大好評の本誌連載企画“メタルとお酒”。
今回は、メタル・シーンの重鎮3人が集結!
マーシャル・ビールを片手に、当時のエピソードや現在の交流などを楽しく語り合っていただきました!!
“マーシャル・ビールは自分でも買って、何度も飲んでるよ(甲斐)
——今日は12月29日に川崎クラブチッタで開催される“Rock’nRoll Overdose”に出演するバンドを代表して集まってもらいました。
YUKI:これまで、渋谷や大阪、名古屋、札幌とやってきたんだよね。最初の渋谷エイジアは、3年か4年ぐらい前だっけ?
マッド:コロナ禍もあって、間が空いちゃったけどね。
甲斐:イヴェントに出るのは大好きだから、最初に誘われた時から喜んで出ています。
YUKI:みんな知り合いだしね。とにかく楽屋が楽しい。冷蔵庫には山ほどビールが入っているしさ(笑)。
甲斐:そのビールをティルトの連中が飲みまくる(笑)。
YUKI:俺や俺のスタッフが買ってきたビールをほとんどティルトが飲んじゃう(笑)。
マッド:1回目の渋谷でさ、あの時、ティルトもビールを山ほど買ってきてたけど、楽屋にあったデカいゴミ箱が空き缶だらけになってさ。あれだけ飲んでも、まだ打ち上げで飲むからね。
——最初に、それぞれお会いしたのはいつぐらいだったんですか?
YUKI:マッドとは渋谷の屋根裏かな。アンセムとサブラベルズのパッケージ・ライヴというのを屋根裏でよくやってて、俺はそれを観に行ったりしてたから。リアクションを組んだ頃だったね。
マッド:YUKIとは大塚のペンタでもよく会ってた。そこでアンセムはリハをしたり、デモ・テープを録ってたんだけど、店長がUME-chan(梅澤康博/リアクション)でさ、みんなの溜まり場みたいになってたんだよ。あと、よく覚えてるのは野球大会。UME-chanが仕掛けたんだけど……。
YUKI:ペンタ主催という名目でね。
マッド:アンセムとヴェイルと……。
YUKI:十二単、ムルバス、リアクション。あと、シェラもいたよ。東京のメタル・バンドが集めた感じでね。その打ち上げで、とあるヤツが酔っ払って、厨房に入っていって包丁を振り回してさ。
マッド:“剣の舞”って言ってた(笑)。
YUKI:もう40年ぐらい前だよね。
——その頃、アースシェイカーはデビューしていたんですか?
YUKI:いや、まだだと思う。アースシェイカーが新宿ジャムとかに出ていた頃だから。俺、ジャムに観に行ったんだよ。
甲斐:ホント? 懐かしいな。
YUKI:まだ、東京でライヴをし始めた頃だと思う。友達から“大阪だか京都だかからカッコいいバンドが来るよ”って聞いて、観に行って。その頃は、メロディアスというよりバリバリのハード・ロックでね。
甲斐:初期はそうだったね。
マッド:俺がアースシェイカーと最初に出会ったのはクロコ(原宿クロコダイル)。俺、5Xのローディをやってたんだけど、そこでアースシェイカーと5Xがいっしょにやる時があってね。その時に事件が起きたんだよ。
——マッドさんは事件が多い(笑)。
マッド:(笑)。本番前に、俺の師匠でもある原田ジュン(ds/5X)に楽屋にタオルを忘れたから取ってきてと言われて、急いで戻ったのね。で、外に出る時、途中まで降りてたシャッターに気づかず、頭からガッシャーンって突っ込んでさ。マンガみたいに星が目のまわりに見えたよ(笑)。で、タオルを取って楽屋に入ったら、アースシェイカーの出番が終わったばかりで、伊藤政則さんやメンバーが“どうした?”って叫ぶわけ。鏡を見たら血まみれ(笑)。それがアースシェイカーとの最初の出会い。
甲斐:覚えてる、覚えてる(笑)。
“マーシャル・ビールは本格的な味だよね。重厚さもある(MAD)
——アースシェイカーとアンセムで共演したこともありますよね。
マッド:デビュー前だけど、イシバシの新宿のショールームみたいなところで、アンセムが前座をやらせてもらったこともあったり、デビューした後にはアースシェイカーの渋公3デイズにアンセムもオープニングとして出させてもらったり。あの時、他に誰が出ましたっけ? 聖飢魔Ⅱか。
甲斐:そう。あと、誰だっけ? アンセムは覚えているけど。
YUKI:俺は、アンセムの前座をやったことあるよ。ヴォーカルがまだTOMO(岸本友彦)の頃。
マッド:(目黒)鹿鳴館でリアクションといっしょにやったのも覚えている。
YUKI:アースシェイカーとは、大阪南港でのイヴェントで一緒になった覚えがある。他、SHOW-YAとか出てたイヴェントでね。
甲斐:BOØWYとかも出てた、いろんなジャンルのバンドが集まったイヴェントでね。
マッド:対バンは少なかったけど、よく飲んではいた(笑)。
YUKI:新宿ロフトは、ライヴを観に行く場所じゃなくて、飲みに行く場所でね(笑)。
マッド:打ち上げでね。
YUKI:フラッと行くと、誰かがいて。
——当時はアースシェイカーとアンセムはマジメなイメージで、リアクションはヤンチャなイメージでしたけど。
マッド:シェイカーはマジメじゃないよ(笑)。まあ、リアクションはバッド・ボーイズのイメージがあったしね。
YUKI:実際、そうだったけど(笑)。
甲斐:楽屋でUME-chanとYUKIが殴り合ったと聞いて、怖いバンドだなって(笑)。
YUKI:UME-chanとはないよ、JUNYA(加藤純也)とはあったけど(笑)。
マッド:いや、ゴールデン街かションベン横丁だかでUME-chanと殴り合いになったって聞いたぞ。
YUKI:あ、あったな。“歳上だからって偉そうにしてんじゃねーぞ”“うるせー、このガキ”って。そう言えば、アンセムとリアクションは仲が悪いって噂もあったよな?
マッド:よく飲んだりしてたけどね。
甲斐:マッドとはよく飲んでたよ、僕も。
マッド:俺、一度だけ飲みすぎで倒れたことがあるけど、それは甲斐さんのせいだからね(笑)。ロフトにスナイパーを観に行ったんだけど、その打ち上げで出たウィスキーが余っちゃったから、宿泊先で部屋飲みしようということになってさ。それで、スナイパーの機材車に乗って、宿泊先までいっしょに行ったのね。その時、機材車の中でウィスキーの回し飲みが始まって、ホテルに着いても飲んでたんだけど倒れちゃってさ。あの時、甲斐さんもいたんだけど、甲斐さんは酒に強くてさ(笑)。
——甲斐さんはお酒の失敗は?
甲斐:いっぱい、ありますよ。
YUKI:でも、よく一緒に飲んだけど、乱れる印象はないけど。
甲斐:乱れることはないけどね。でも、ツアー先で目を覚ますと、ホテルの部屋の入り口にジーンズがあって、ベッドに近づくにつれてTシャツとかがあって、どんどん脱いでいったんだなって。で、ロビーに降りると、メンバーがみんな笑ってて(笑)。記憶にないけど、ヘンなことをやったんだろうなって。
YUKI:シェイカーのメンバーは、飲んでもドッカーンって荒れない気がする。
マッド:いや、工藤(義弘/ds)ちゃんはすぐ脱いだりしてた(笑)。
——YUKIさんもお酒、強そうですよね。
YUKI:強いかどうかわからないけど、今でも健康診断では肝臓はオールA。
マッド:すごいね。
YUKI:酔っ払うけど、ケツがないというか、ずっと飲んでる。
マッド:この前、赤羽でいっしょに飲んだけど、YUKIはすごいペースで飲むからね。
YUKI:あの次の日は、さすがにダメだった。
マッド:水みたいに飲んでたからな。ぜんぜん大丈夫に見えたけどね。
——YUKIさんのお酒での失敗談は?
YUKI:書けないことはいっぱいある(笑)。
マッド:フェルナンデスのカタログ写真でさ、YUKIがアゴを押さえて写っているカッコいい写真があるんだけど、あれ、アゴを押さえている理由、知ってるぜ(笑)。
YUKI:あったね。撮影の前の日、ライヴがあって、その打ち上げで酔っ払って、その後、ボウリング場に行ったんだけど、レーンまで走っていってさ。で、滑って、アゴを打って3針縫って。だから、その傷とむくみを隠すためにアゴを押さえてた(笑)。
——今もお酒を愛するみなさんですが、お気に入りのお酒は何ですか?
YUKI:俺はビール派。スーパードライとサッポロのクラシックが好き。生ビールだと10杯でも20杯でもいけるけど、お腹いっぱいになる前に焼酎とかウィスキーに変える。日本酒を飲むと暴れるから、外ではあまり飲まない(笑)。
甲斐:僕もビールかな。ただ、量を飲むから、身体のことを考えて、プリン体ゼロとかのビールを飲むようにしている。あと、やっぱり身体のことを考えて、焼酎も飲むようにしている。日本酒は避けてるというか、飲みすぎると翌日つらいから。
マッド:俺も、ふだんはほとんどビール。でも、日本酒もよく飲むよ。今、いろんな蔵元から美味しい日本酒がいっぱい出ているから。あとは、締めに赤ワイン。赤ワインは薬だと思っているから。
“マーシャル・ビールは味そのものを楽しむものだと思う(YUKI)
——ビール党のみなさんにとって、マーシャル・ビールはどうですか?
甲斐:マーシャル・ビールはライヴの差し入れでもらったり、自分でも買ったりして、何度も飲んでる。最初に飲んだ時は黒ビールかと思って。
YUKI:あ、そうかも。
マッド:いや、味はエール・ビールっぽいよ。俺は大好き。
YUKI:俺はヨーロッパ系のビールとかフルーティさがあるビールはあまり好きじゃないんだよね。で、マーシャル・ビールは去年、鹿鳴館でやった時に差し入れでもらって初めて飲んだんだけど、あ、美味いなと。フルーティさがあるから、少し苦手は苦手だけどね。個人的には甘みがもう少し抑えられているといいかなって思う。
甲斐:僕は、その甘みってのがよくわからなくて……だから、グラフは“?”にしてください。
マッド:俺にとって、グラフ的にはどこかが突出しているわけではなく、バランスのいいビールだなと思ったよ。
甲斐:僕は黒ビールも好きだし、黒ビールが好きなら美味しく飲めると思う。
YUKI:味に個性があるから、どんな食べ物にも合うかというと合わないものもあると思う。だから、ビールそのものを楽しみたいビールだと思う。
マッド:本格的な味だよね。ドシッとした重厚さもあるし、マーシャルのイメージに合っている。マーシャルの音を聴いて育ったし、マーシャルは大好きだからね。
——今後のそれぞれの予定について教えてもらえますか。
甲斐:12月はアースシェイカーのツアーがあります。12月の土日は、どこかでライヴをしています。
マッド:俺はいろいろあって、月に12本ぐらいライヴしてるよ。スーパーブラッドも活発にやっているけど、及位Candy平というヤツとTHA PINO NOIR(ピノ・ノアール)という2人組をやってて、それも精力的にやっている。
YUKI:リアクションはこの前の札幌で店じまいして、リアクション・アコースティックも今回の川崎で店じまいかな。今はYUKIお礼参りBASS旅というのを続けていて、サポート・キーボードと地方を回って、映像を流してそれに合わせてインスピレーションでベースを弾いたりしている。
マッド:健康じゃないと、ロックとかお酒とか不健康なことはできないからね。
YUKI:いいね、名言だね!
マッド:(忌野)清志郎さんの言葉なんだけどね。
マーシャル アンプト・アップ・ラガー
3本セット(写真)=¥1,980(税込)、
3本セット×8=¥15,840(税込)、
8本セット=¥5,280(税込)
16本セット=¥10,560(税込)
8本セット+16本セット(スタック・セット)=¥15,500(税込)
12本入りシュリンク・パック=¥7,260(税込)
※希望小売価格
【原材料】麦芽、ホップ
【アルコール】4.6%
【内容量】330ml
◎マーシャルの公式ビール。金麦色で、フレッシュで心地いい柑橘系のホップが香るラガービールだ。
スコットランドにて生産されている。
3人のTASTING
問:株式会社 都商会
http://miyako-shokai.com
◎甲斐貴之:1980年、アースシェイカーに加入し、1983年6月にアルバム『EARTHSHAKER』でメジャー・デビュー。1986年1月にはジャパニーズ・メタル・バンドとして、初の日本武道館公演も成功させる。1994年にアースシェイカーは解散するも、1999年に再結成、以来、現在までリリースとライヴを重ねてきた。ツボを押さえたベース・プレイとコーラス・ワークでアースシェイカーを支えてきたベーシストだ。
アースシェイカー 公式サイト
http://www.earthshaker.jp/
甲斐貴之 公式ブログ
https://ameblo.jp/kai-official
◎マッド大内:1981年に結成されたアンセムのオリジナル・メンバー。1992年のアンセム解散後は、バンビィノやヴードゥー・ハワイアンズ、HEESEY WITH DUDES、5X、他、多方面で活躍。現在はスーパーブラッドをはじめ、新たにスタートさせたTHA PINO NOIRでも活動中。
スーパーブラッド 公式サイト
https://www.super-blood.com/
MAD大内 公式サイト
https://madohuchi.com/
◎反町哲之:1983年にリアクションを結成。1989年の解散後はデビルスやG.D.フリッカーズ、他で活躍。2006年にリアクションが再結成。2008年に斉藤康之が、2015年に梅沢康博が亡くなってしまうが、残された反町と木村直樹にサポートを加える形で2021年にアルバム『Farewell』をリリースし、ラスト・ライヴも行なった。
反町哲之 公式フェイスブック
https://www.facebook.com/tetsuyuki.sorimachi
リアクション 公式サイト
https://reaction2021.com/
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