トーク・セッション開催決定! メタルとお酒 〜柴田直人 編

WeROCK 085から、いきなり始まってしまいました連載企画!
ロックとは切っても切り離せない関係(!?)のお酒にまつわる話を、ミュージシャンのみなさんに聞きつつ、試飲していただくというコーナーだ。
第1回目のゲストは、自らのお酒も発売しているアンセムの御大、柴田直人!


アンセム再結成後の2枚ぐらいは
飲みながら曲を書いていたよ

——アンセムといえば、春からの35周年記念ツアーでもビールやワインを発売したり、ちょっと変わったバンド・グッズを考案してますよね?
柴田:それ以前でいえばライヴで実際にカレーを作って販売したり、売り切れてしまったけど今回はレトルト・カレーを販売したりね(笑)。
バンドのグッズって定番のものがあるけど、僕がファンだったらそれだけだとおもしろくないなと思ってさ。ふだんの生活により密着したもので“洗濯ネット”とか“タンブラー”を考えたりヴァリエーションを面白味のあるものにしようと考えてるんだ。だから、お酒もやりたいなと。
——ミュージシャンとお酒というと、打ち上げのイメージだったり、朝まで飲むみたいな印象がありますが、柴田さんは車を運転されるのもあるし、あまり打ち上げで酔っ払ってる姿を見たことがないですよね?
柴田:もともとアンセムってライヴが終わった後って体力が残ってないから、昔から打ち上げをやらないというのが定番だったんだ。でも、お酒が嫌いなわけではないんだよ。今はコロナ禍だからしないけど、その前は地方公演に行った時には、その土地の美味しいもの食べに行ったり飲んだりするよ。まあでも、コロナ禍とは関係なしに、ふだんは家で飲むほうが多いな。
——昔のメタル界隈は、はちゃめちゃな打ち上げの印象もありますが、80年代から変わらず?
柴田:アンセムは変わらないよ。ライヴを全力でやって、その後に軽くミーティングをやると酒を飲む気力がないの(笑)。基本的にはおとなしく帰って家で飲む感じかな。むちゃ飲みをするほど暇じゃなかったし、朝まで飲んでも、あまりいいことはなかったね(笑)。
——現在、アンセムのビールとワインが発売されてますが、もともとは何党なんですか?
柴田:ビールとワイン党(笑)。焼酎も日本酒もウイスキーも嫌いじゃないけど、日頃、飲むのはビールかワイン。
ワインでも、よく飲むのは年代物の芳醇なものとかよりスパークリングとか軽いやつね。でもまあ15%ぐらい度数があるので、調子に乗って飲んでるとヤバいよ(笑)。
——と言いつつ、第4期ラウドネスの時は、飲みながらライヴをやってませんでしたか(笑)?
柴田:ライヴをやりながらお酒をガンガン飲んでたのは、あの頃だけだな。13時頃に会場入りしてリハまで飲み、リハが終わってから本番まで飲んでた(笑)。で、本番中もステージ・ドリンクがお酒だったこともあるよ(笑)。あの頃はホントによく飲んだ。アンセムとは曲調やステージングが違ったというのもあるのかなぁ。ものすごく飲んでやったライヴがアルバムになってるのね(『LOUD’N’RAW』1995年6月10日発売)。あとで音源を聴いたら、弾いた覚えのないフレーズがいっぱい入っていて(笑)、ベロンベロンのはずなのに研ぎ澄まされた演奏なうえに、あまりふだんではないようなタイム感でフィルを弾いたりしてる。なかなかシラフでは出てこないプレイだよ。
あと、ギターから入る「HOWLING RAIN」という大好きな曲があったんだけど、ロッキンfのイヴェントに出演した時、最初、元曲よりかなり遅くて、このままいくと止まるんじゃないかというテンポだったの(笑)。ところが、それがなかなかいいプレイでね。あれは、シラフじゃできないかもね。お酒に頼るという意味じゃなくて、適度に飲めば集中しながらリラックスもできるからね。
ただ、なんにしても限度はある(笑)。リッチー・ブラックモアはスコッチを瓶に傷をつけて“ここまで飲む”と決めて、飲んでからライヴに臨むと聞いているよ。
——曲作りの時に飲むと、シラフの時とは違うアイディアが降りてきたりとかは……。
柴田:アンセムを再結成してから最初の2枚ぐらいは、自宅で夜中の12時から朝方6時ぐらいまで飲みながら曲を作ってた。少なくともあの頃は、作曲にすごく役に立ってたと思うな。余計な邪念が飛んで、自然にやりたいことに集中できたんだ。ただし、あのパターンは若い頃しかムリだ(笑)。今、同じことをやると、寝て起きてから録音を聴いて絶望するような曲ができてると思うよ(笑)。
——さて、今年になって、数種類のアンセム酒を発売していますが、それぞれの違いを教えてください。
柴田:5月〜6月に行なった35周年記念ツアーの時にラガービールを発売して、あっという間に完売してしまったので、今回のツアーでは新たにアルトビールを発売しているんだ。最初のラガービールの時に、都商会さんといろいろミーティングをしてね。ビールでもいろいろあって、濃くてクセのあるタイプって海外で飲むと美味しいのに、なぜか日本で飲むといまいちだと思っていたんだ。なので、誰でも好んで飲めるようなライトなビールをリクエストしたんだよ。
でも、日本で飲めるような普通のタイプとは少し違っていて、もっとホップが効いていながら喉越しが軽いものを求めてこれに行き着いたんだ。今回のアルトビールは、前回のものよりもさらにスッキリとした喉越しで、さらにコクもあるタイプなんだ。
ワインに関しても、前のツアーで発売していて、それに続く、いわば秋ヴァージョンになってる。やはり今回のワインのほうが、前回よりも飲みやすくなってると思うよ。いろんな方に飲んでもらいたいので、クセが強くなく一般の人でも飲みやすい仕上がりになってる。
——では、試飲していただきましょう!


ANTHEM アルトビール

2本セット/¥1,600(税込)

【原材料】麦芽、ホップ
【アルコール】5%
【内容量】330ml

アルトとはドイツ語でoldという意味で、文字通り伝統的な手法でつくられたデュッセルドルフ発祥のエール・タイプのビール。
ルビー色の外観と、コクがありつつも苦みを抑えたフレッシュな後口が特徴的だ。口当たりがよく、ゴクゴクと飲めるビールとなっている。

柴田:下のラガーよりもコクがあるんだけど、ホップの苦味が抑えられていて、すごく飲みやすい。秋に発売することも考えたテイストになってるよね。飲みやすくて軽いのにコクもしっかりある。
キレはラガービールと同じで、コクはさらにアップしている。コクがあるぶん、少し甘みも多く感じるかな。そのぶん苦味が抑えられてる。香りも豊かだから、ラガービールよりもライトで飲みやすくなってると思う。どんなツマミにも合うビールだよ。

 

ANTHEM ラガービール

2021年4〜5月のツアーで発売。現在は完売

【原材料】麦芽、ホップ
【アルコール】5%
【内容量】330ml

ラガー・タイプの中でも、日本人が慣れ親しんだジャーマン・タイプのピルスナー。
キレのあるホップの苦みとモルトの味わいとのバランスのよさ、美しい黄金色が特徴となっており、シャープな苦みが油を使った料理にベストマッチする。

柴田ふつうに売ってるラガービールよりも喉越しが軽くてゴクゴク飲める。僕の好みを徹底的に伝えて選んだビールなんだ。かなりキレがあるタイプで、爽やかに飲めるね。
最初に発売したビールで、まずラガーにするのが絶対条件だった。キレがあって飲みやすくて、ホップの苦味が効いている地ビールのよう。平均的なラガービールよりも、キレ、苦味、香りがプッシュされてる。ツマミにはチーズと柿の種が最適!

 

ANTHEM スパークリング ワイン
-Autumn version-

¥2,700(税込)

 

【原材料ぶどう
【アルコール】11%
【内容量】750ml

ワイン王国イタリアの中でも特にトップクラスの生産量を誇る北部のヴェネト州とエミリア=ロマーニャ州。
コルテ・ヴィオラ・ブリュットは、自然に恵まれ、高品質なワイン造りのメッカでもあるこの2つの州で栽培された白ワイン用のブドウ品種、ガルガネーガとトレッビアーノを使用。

柴田ワインを販売するうえでの条件は、スパークリングワインであることと飲みやすさだった。
料理に合わせて飲むというよりは、お風呂上がりにサッと美味しく飲めるイメージのワインだね。5〜6月のツアーで発売したのとは違う銘柄で、秋にピッタリの爽やかでフルーティな風味。邪道かもしれないけど、氷を入れたグラスに注いで飲むのが好きなんだ。ゴクゴク飲めるワインで、僕はよく寝る前にそうやって飲んでいるんだ。


マーシャル アンプト・アップ・ラガー
3本セット(写真)=¥1,815(税込)、
3本セット×8=¥14,520(税込)、
16本セット=¥9,680(税込)

【原材料】水、大麦麦芽、ホップ、酵母
【アルコール】4.6%
【内容量】330ml

マーシャル公式ビール。金麦色で、フレッシュで心地よい柑橘系のホップが香るラガービールだ。スコットランドにて生産されている。

柴田マーシャル・ビールも、1日じっくりと冷やしていただきました!
結論から言うと美味しい、そしてパッケージ・デザインがカッコいいです。味覚はかなり個人差があるので飲んだ感想をあくまでも直感的に書くと、あまり濃い重いビールとは違い飲みやすく喉越しも爽やか。ホップの苦味と香りがかなりしっかりと感じられるので、キレもあるね。
僕なら、これをガッチリと冷やしておいて肉系の食事をとりながら飲みたい感じかな。

▲こちらは16本入りセットのケース。

問:株式会社 都商会
http://miyako-shokai.com

 

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