メタルとお酒〜第4回木暮“shake”武彦編

大好評の連載企画“メタルとお酒”。今回登場するのは、2月に行なったレッド・ウォーリアーズのライヴも大成功に収めた木暮“shake”武彦。
マーシャル・ビールを片手に、お酒にまつわるエピソードを語ってもらった!

マーシャル・ビールは、
音楽が好きな人に飲んでほしい

——今日はマーシャル・ビールを楽しみながら、いろいろお酒にまつわるエピソードを聞かせてください。早速ですが、まずはテイスティングからお願いします。
シャケ：キレは感じますよ。苦味はそんなにないかな。口に含んだ時、柑橘系の感じもするし、爽やかで上品な感じもしますね。いいビールの感じがするなあ。うん、美味しいですよ。気持ちよく飲めるビールだと思います。
ビールの味がわかる人に教えてあげたいし、缶や箱のデザインもいいから音楽が好きな人、マーシャル・アンプのことを知っている人に飲んでほしいなと思います。
——ブログを拝見すると、シャケさんはよくビールを飲まれている印象ですが？
シャケ：暖かくなると飲みたくなりますね。
——そうした中で、お気に入りのビールはあるんですか？
シャケ：自分でよく飲むのはサッポロビールですね。黒ラベルって言われるヤツ。自分にとってはまろやかに感じて、好きなんですよ。
あとは、ザ・プレミアム・モルツってビールもよく飲んでいるかな。普通に売っているビールの中では、そのあたりが好きですね。
——昔からビールが好きだったんですか？
シャケ：アメリカにいた頃は、メキシコのビールとか、よく飲んでいましたよ。あと、イギリスのパブのラガー・ビールとかドイツのビールも好きだったなあ。
——ビールに詳しそうですね。
シャケ：いや、全然（笑）。微妙な味の違いとかまで考えて飲んでないですよ。で、イギリスってビールを冷やさないで飲むんですよね。真夏でも常温で飲んでいる。最初は気持ち悪いなと思いながら飲むんですけど、それを通り越すとすごく美味しく感じるようになって、ずっと飲んでいたくなる（笑）。
——マーシャル・ビールからもイギリスのビールらしさを感じますか？
シャケ：いや、今は冷やして缶から直接飲んでいるから、やっぱり違うかな。さっきも話したけど、マーシャル・ビールは上品なビールって感じがします。
——ビール以外のお酒もよく飲まれますか？
シャケ：日本酒が多いですね。あとは、最近はウォッカとかラムとかも飲みますね。
——若い頃から、飲めるクチだったんですか？
シャケ：飲んではいたけど、昔は美味しいんだか何だかわからなかったですよ。ツアーしてライヴが終わったら飲むのが普通だったし。ツアー先でいろんなお酒を飲んだけど、酔っ払ってしまって何だかわからないというね（笑）。味よりも気分を楽しんでいた感じでしたよ。
——レッド・ウォーリアーズは、当時すごい数のライヴをやっていたじゃないですか。
シャケ：そう、だからずっと飲んでましたね（笑）。ツアーをしているとずっと気分がハイになっちゃって、ホテルに帰って大人しく寝るって気持ちになれなくて。メシを食いながらガーッと飲んで、その後、ショット・バーとかプール・バーに行ったりとか、飲んではしゃいでないと嫌だったんですよね（笑）。
——休肝日なんて知らねえよって感じですね。
シャケ：だいたい、そんな言葉もなかったですしね（笑）。自分達のツアー以外にもイヴェントもあったし……80年代の終わりに“東北ロックサーキット”というイヴェントがあったんだけど、それで10バンドぐらいでツアーした時は、出演者もどんどん仲良くなっていくし、ライヴの後はお客さんも一緒に街を飲み歩いて、街全体がすごいことになってたのを覚えてますよ。
——レッド・ウォーリアーズには「バラとワイン」とか「Morning After」というお酒にまつわる歌があって、どちらもシャケさんが作詞もされていますね。
シャケ：そうですね。お酒はすごい身近なものでしたね。
——じゃあ、飲まないのはレコーディングの時ぐらいでした？
シャケ：ええ。あとは取材の時とか家にいる時とかは飲まなかったし。お酒を楽しむようになったのは40歳の頃からかな。何か、お酒の味がわかるようになって。
——若い頃にお酒で失敗したこととかありますか？
シャケ：特にないですよ（笑）。まあ、ずっと飲んでて、朝になって公園の噴水に飛び込んだりとかあったけど（笑）。ただ、若い頃はバンド・メンバーだけでなく、照明とかPAとかのツアーのスタッフも一緒になってバカ騒ぎしてましたけどね。
——では、今のお酒の楽しみ方を教えてもらえますか。
シャケ：今は富士山の麓で暮らしているんですが、地元の知り合いと飲んだりしてますよ。音楽関係者でもなんでもない、10歳ぐらい上の方ですが、その方と月に2回ぐらい飲みに行ったりとか。誰かとゆっくりお酒を飲みながら話していると、自分の奥底にある気持ちが出てきて、ちょっと哲学的な考え方になったりしていいんですよね。まあ、今はコロナでお店も開いてないし、家でゆっくり飲むことが多いですね。夕方に外で飲むのが好きなんですよ。夕日が沈むのを見ながらね。すごい安らぐんです。
——さて、先日はレッド・ウォーリアーズの35周年記念ライヴやご自身の還暦＋2ライヴも行なわれましたが、今後の予定はどうなっていますか？
シャケ：（ダイアモンド☆）ユカイ君と始めたDiamond Shakeのレコーディングに5月から入るんですが、その前に久々にソロとしてのツアーをやりますね。
——Diamond Shakeのアルバムはどんな感じになりそうですか？
シャケ：ロックン・ロールっていろんなタイプがあって、パーティっぽい曲やパンクっぽい曲、ブルースっぽい曲とか……ユカイ君とやる時はそういう曲や、バラードっぽい曲、フォーキーな曲とかになるよね。夏頃にはリリースして、ライヴもやりたいです。昔は、がむしゃらに“やってやるんだ！”という気持ちたっだけど、今は楽しみたいという気持ちが大きい。
ロックン・ロールって、どこか自分の中でテンションを上げてガンバってやっているんだけど、やればやっただけ力が湧いてくるし、人生にとって有意義なものだと思う。それは聴いている人もそうだし、やっている自分達もそう。70年代の匂いがするロックン・ロールって今の日本にはないし、ストーンズはまだやっているけど、世界にもほとんどない。じゃあ、つまらない音楽かというとそうではない。今でも飛び抜けていると思うんです。愛のある音楽だと思います。
——最後に、現在のシャケさんとお酒の関係を教えてもらえますか。
シャケ：今は、自分の中で6時までは音楽の仕事をして、6時になったら飲んでもいいと決めていて、その後は飲みながらリラックスして音楽に触れたりしていますね。
——今日の取材も、その時間帯ですね。
シャケ：そうですね（笑）。あと、晩メシを食べた後は飲まないようにしているので、飲むのも2〜3杯です。あと、昼間からは飲まないようにしていますけど、たまに友人と昼間にワインを飲もうという会があって、そういう時のお酒はすごく美味しい（笑）。今日は堕落していいんだって、すごくリラックスしながらお酒を楽しんでます。お酒を飲む時間は、1日の安らぎになっています。