メタルとお酒〜第5回 広瀬“JIMMY”さとし 編

大好評の本誌連載企画“メタルとお酒”。
第5回は、44マグナムよりJIMMYの登場だ! マーシャル・ビール企画なのに好きなのは日本のビールと……でも、今回も爆笑トーク!?


“今日はロック・テイストなのでマーシャル・ビール!”という選択

——もともとお酒は何派です?
JIMMY
:いちばん好きなのは日本酒。次に好きなのは赤ワインかな。
もちろん、基本的に最初にビールを飲んだりするから、ビールも好きだよ。ビールで好きなのはアサヒ・スーパードライかな。昔、『ACTOR』のレコーディングでアメリカに行って、アメリカのビールを飲んだわけ。バドワイザーとかさ。アメリカのビールって、軽くて手軽に飲めちゃう感じでそれはそれでいいんだけど、滞在中に酒屋に行ったら日本のビールがあってそれを飲んだら、“やっぱり日本のビールは最高!”って思った。ヨーロッパに行った時もそうだったけど、海外で飲む日本のビールは最高なんだよ。
俺、ビールは、日本のものがいちばんだと思ってる。マーシャル・ビールの取材で申し訳ないけどね(笑)。たまには海外のビールを飲むのも美味しいんだけど、毎日、飲むなら日本のかな。
——ちなみに、言える範囲で(笑)、何歳ぐらいから飲んでます!?
JIMMY
:初めて二日酔いになったのは、●歳の時かな。酒屋をやってるクラスメートがいて、そこにみんなで集まって遊んでるんだけど、倉庫からウィスキーを持ってきてくれるのね。もうグテングテンになって、“もう酒なんて、ぜったい二度と飲まない”と思った(笑)。
バンドを始めた頃も、みんなで飲んだりしてたけど、ホントの酒の味はわからなかったよね。そこまで酒が美味しいとは思わなかった。“気分がいいな”ぐらいだよ。それが、ある時、居酒屋で瓶ビールを飲んだら、急にカチっとスイッチが入ったわけ。いきなり“うまい!”って思ったの。あの時の衝撃は、今でも覚えてるよ。タバコとかもそうでしょ。最初は、味なんてわからず周りからの影響で吸ってたりするよね。そういう意味では、タバコのほうが味がわかったのは早いかも。
——そこから日本酒好きに移行していったのはいつぐらいになりますか?
JIMMY
:父親が、酒が好きでね。家で日本酒の熱燗をよく飲んでるのを見てたわけ。そんなのもあってか、自分の潜在意識の中に日本酒というのがあったんだと思う。なので、俺も居酒屋とかで熱燗とかを注文するようになって飲んでるうちにうまいなって。親が好きだった酒とかツマミとかの好みが、そのまま来てるんだ。
そういえば、デビューして東京に出てきた頃に住んでたマンションの下に、まだ当時はアルコールを売っていた自動販売機があってね。そこに缶チューハイが売ってたから、“これはいい”って飲んでたの。それまでは、ライヴの時、よくビールを飲んでたけど、それからは缶チューハイになって。
——ライヴの時に飲むと、なにか変わるんですか!?
JIMMY
:ドラマーとかベーシストってバンドの芯みたいな部分があるしタイム・キーパー的なところがあるよね。でも、ギタリストやヴォーカリストなどのリード楽器は即興性というのが必要だから瞑想というか、そういう部分が必要なんだよ。レコーディングとリハはシラフでやるけど、ライヴに関しては何かしらマジックがほしいわけよ。これは、俺の理屈だけど(笑)。
——リハとレコーディングでは飲まないんですね。
JIMMY
:だって、飲んだら続かないから(笑)。リハとかレコーディングって、ロジカルなものでしょ。アレンジだったり音質も考えなきゃいけないし。ライヴに関してはできあがってるものを再現するというか演出することだから。俺は飲んでも眠くなったりしなくて、どんどんハイになるタイプだからできると思うんだけど。でも、そんなに大量に飲むわけではないよ(笑)。
——曲作りの時とかはどうですか?
JIMMY
:曲はシャワーを浴びてる時とかに思いつくんだ。飲んでる時に考えたりはしないかな。飲んでる時は、最近、あまり音楽は考えない(笑)。
——80年代といえば、打ち上げとかもヤバかったですよね?
JIMMY
:ひどい時もあったね。目黒の飲み屋でホントにヤバい人達と乱闘になったり、六本木でチーマーと乱闘して入院しましたけど……でも、メンバー間でモメるとかはなかったよ。どんなに真剣な話をしていて口論に近い感じになっても手は出ない。そもそも、ミーティングで酒は飲まなかったからね。経験上だけど、ミーティングで酒を飲むと、いかに不毛なのかということをみんなわかってるわけ。ろくなことがない。ただ、俺とPAULに関しては、取材の時、飲んでたりしたかな。でも、今は、次の日、ライヴの時は飲まない。ライヴが始まったら飲むけど。
——ヤバかったお酒の失敗といえば……。
JIMMY
:若い時は、メンバーから“JIMMYには飲ますな!”って言われてた(笑)。次の日のレコーディングに影響したりとか、締切に間に合わなかったりとかもあったからね。まあ、俺の認識としては、そんなにひどいことってないと思うんだけどな。あ、『STREET ROCK’N ROLLER』(84年)の頃かな? 昼間にライヴがあったんだけど、ライヴ前に飲みすぎちゃいまして……ちゃんと演奏もできなければPAスピーカーにもたれながら弾いてたり、気がついたらステージで寝ながら弾いたりとか途中から覚えてないぐらい(笑)。
44マグナムがいちばんちゃんとしなきゃいけない時期で、終わってからメンバーとマネージャーをはじめ、全員に叱られましたね。でも、44は、よく飲んでたよ。みんなでご飯食べる時は、かならず晩酌してたし。東京に出てきた時、それまでは実家ぐらしだったのに一人暮らしが始まったでしょ。“もう、自由だ!”って思って、毎日、飲みに行って、1週間のうち4日間は二日酔いだったかな、なんか話をしてると恥ずかしくなってきた(笑)。
——歳とともに落ち着くものですか?
JIMMY
:そういうことがつまらなくなってくるんだよ。20代前半は、音楽と仲間と遊ぶことが好きだったでしょ。ところが、20代後半になると音楽中心だけではなく、他のカルチャーも好きになってくる。本を読んだり映画の好みも変わってくる。そうなってくると、今まで音楽仲間が多かった交流関係も変わってきて、歳上の方とか音楽ではない他のジャンルの人と出会うようになって幅が広くなってくる。そうすると、これまで行っていたお店とは違うところに行くようになって。そこからいろいろとインスパイアされて楽曲のあり方も、初期44マグナムのシンプルな方向性ではなく、もっとヴァリエーションのあるものがやりたくなったりするわけ。
歌詞に関しても、その後にやったspAedやTOPAZ、φ(PhI)なんかでもこだわるようになってきたし。トータリティが生まれてくるんだよね。でも、酒は飲んでたよ。ただ、週に4日間とか二日酔いになると人との付き合いができなくなるからやらなくなった(笑)。“今日は抜かないと明日楽しめないな”という引き算を覚えてくる。それは、ギター・プレイにも言えることだね。
——さて、話を戻して、そんなJIMMYさんは、マーシャル・ビールを飲んでどんな印象を持ちましたか?
JIMMY
:イギリス製のビールだから、やっぱりライヴの時とかテンション上がる時に飲みたいビールだね。味は重厚で、日本で言えば地ビールに近いと思った。好きな人ならたまらないだろうね。俺的には本数を飲むというより、濃くてインパクトあるビールだし、グラマラスな味だよね。“今日はロック・テイストなビアー!”という時にはベストな選択かな。

マーシャル アンプト・アップ・ラガー
3本セット(写真)=¥1,815(税込)、
3本セット×8=¥14,520(税込)、
8本セット=¥4,840(税込)
16本セット=¥9,680(税込)
※希望小売価格

【原材料】麦芽、ホップ
【アルコール】4.6%
【内容量】330ml
◎マーシャルの公式ビール。金麦色で、フレッシュで心地いい柑橘系のホップが香るラガービールだ。
スコットランドにて生産されている。

JIMMY’s TASTING

 

問:株式会社 都商会
http://miyako-shokai.com

 

◎広瀬“JIMMY”さとし1983年にメジャー・デビューを飾った44マグナムのギタリスト。1989年にバンドは解散するが、その後もTOPAZやspAedなどで活躍。2001年には44マグナムを再結成し、並行してソロ活動も精力的に行なっている。44マグナムは9月9日に梅田アムホール、9月16日に新宿ブレイズでのワンマン・ツアーが発表されている。

44マグナム  公式サイト
https://www.44magnum2001.com/

広瀬“JIMMY”さとし  公式サイト
https://www.44magnum2001.com/jimmy/index.html

 

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