おうちで楽器/ペダル・アンプがすごい!〜タウラス編

最近、プロ/アマを問わず、ギタリストの間で話題を集めているのがフロアに設置するペダル型のアンプ・ヘッドだ。
そのペダル・アンプの始祖的ブランドと言えるのがタウラス。今回はそのタウラスの2機種をレポートしよう。


タウラス
StompHead 2 Classic
¥99,000(税込)

【仕様】
●出力:60w/25w
●スピーカー・インピーダンス:自動設定
●真空管:12AX7A×1
●コントロール:〈クリーン・チャンネル〉=ベース、ミドル、トレブル、クランチ、ヴォリューム 〈リード・チャンネル〉=ドライヴ、ベース、ミドル、トレブル、ヴォリューム
●スイッチ:チャンネル切り替えスイッチ、ミュート・スイッチ
●リア・パネル:インプット、スピーカー・アウト、入力ゲイン・ブースト、出力切り替えスイッチ、エフェクト・センド/リターン、プレゼンス・モード・スイッチ
●サイド端子:スピーカー・シミュレーション・ラインアウト、EXTコントローラー端子(クリーン/リードCH切替)
●外形寸法:290(幅)×80(高さ)×190(奥行き)㎜
●重量:1.8㎏

プリ部に真空管を搭載した
本格派のペダル・アンプ代表的モデル

フロア型のアンプ・ヘッドの元祖ともいえるのが、このタウラスだ。すでに登場から数年がたっており、先駆者として後発モデルの試金石にもなっている。こちらのストンプ・ヘッド2・クラシックは、そんな中でもプリ部に真空管(12AX7A)を搭載している貴重なモデル。シンプルに見えるが、2チャンネル仕様で、出力も60wと25wを選択でき、ライン・アウトにはスピーカー・キャビネット・シミュレートも搭載している、まさにおうちでもスタジオでも使える便利なモデル。
さて、試奏してみよう。今回は、おうち楽器企画なので、ライン・アウトからオーディオ・インターフェイスに接続して、そのキャビネット・シミュレートぐあいを確認してみる。このシミュレーターは、セレッション・ヴィンテージ30を搭載した4×12のスピーカー・キャビネットをシミュレートしている。なるほど、クラシックというだけあり、ブラウン・サウンド的なオーバードライブを出してくれている。クリーン・チャンネルは、透明感のあるクリーンと言うよりも、いかにもマーシャルでクリーン・トーンを作ったというような、強いピッキング時にはクランチぎりぎりの圧を出し、弱いピッキング時には暖かみのある真空管トーンを出してくれる。“あれ? 今、ラインじゃないよね?”と思わせてくれるのが、キャビネット・シミュレートの力だろう。
続いて、リード・チャンネルにいってみよう。お〜、さすがに真空管を採用しているだけあって、歪みがナチュラルだ。下で紹介しているストンプ・ヘッド3・ブラック・ラインとは、歪みのツブに違いが感じられる。クラシックというだけあり、そこまで劇的に歪むわけではないが、“これは、もしかして……”と思い、オーバードライブをブースター的なセッティングにして接続してみると……やはり、そうか! かなり極上なトーンになってくれる。そうか、これは、アンプなんだよね。シミュレーターじゃないから、オーバードライブがよく合ってくれるのも納得の音だ。

このモデルのいちばんの特徴は、真空管を搭載している点だ。デジタルとは違うんだよ、デジタルとは

リア・パネルに搭載されたプレゼンス・スイッチ。このスイッチにより、音の輪郭を変更できる

スピーカー・アウトからキャビネットへは、かならずスピーカー・ケーブルを使うこと

■タウラス:StompHead 2 Classicが通販で購入可能
○ミュージックランドKEY
https://www.musicland.co.jp/fs/musiclandkey/taurus-stomphead-2-cl

■タウラス:StompHead 2 Classicの詳細
http://www.electroharmonix.co.jp/taurus/stomphead2cl.html


タウラス
StompHead 3 Black Line
¥82,500(税込)

【仕様】
●出力:60w/50w/40w
●スピーカー・インピーダンス:4/8/16Ω
●コントロール:〈クリーン・チャンネル〉= クランチ、ベース、ミドル、トレブル、ヴォリューム/ 〈リード・チャンネル〉 =ドライヴ、ベース、ミドル、トレブル、ヴォリューム/〈マスター〉=ブースト、マスター
●スイッチ:クランチ・オン/オフ・スイッチ、チャンネル切り替えスイッ チ、ブースト・オン/オフ・スイッチ
●リア・パネル:出力切り替え、インピーダンス切り替え
●入出力端子:インプット(スタジオ/ステージ切り替 えスイッチ付き)、エフェクト・ループ、ライン・アウト、スピーカー・アウト
●外形寸法:385(幅)×70(高さ)×190(奥行き)mm
●重量:2.4kg

2チャンネルながら
多彩なトーンを使い分けられる実戦派アンプ・ヘッド

こちらは、上で紹介しているモデルを少々多機能にしたモデルだ。
チャンネルは2つなのだが、クランチ・スイッチとブースト・スイッチを装備している。クランチ・スイッチはクリーン・チャンネル側に搭載されており、オンにするとクランチ・コントローラーで設定された歪みを出してくれる。ブースト・コントローラーも組み合わせると、2チャンネルながら4チャンネル的な感覚で使用できるのだ。
さて、こちらもキャビネット・シミュレーターが入ったライン・アウトを搭載しているので、今回は、オーディオ・インターフェイスに接続して、その実力を測ってみよう。
ストンプ・ヘッド2との最大の違いは、こちらは真空管ではなくトランジスタ仕様というところだろう。
“う〜ん、真空管の後に弾くべきではなかった……”と後悔しつつ弾いてみると、ビックリ。こちらのほうが歪みます!かなりハイ・ゲインなディストーション・サウンドで、マーシャルでいえばJCM2000ぐらい歪んでくれます。それに、真空管シミュレーション回路を搭載しているため、トランジスタっぽさがなくダイナミクスもある。歪みのツブが細かいタイプなので、ストンプ・ヘッド2と好みは分かれるところだろうが、倍音も豊かだし、4チャンネル的に使用できることも考えると、より実践的なフロア型アンプといえるので、ストンプ・ヘッド2よりもリハスタに向いているかもしれない。
こちらのクリーン・チャンネルは、わりときらびやかなタイプで、もちろん素直にピッキングに反応してくれるので、クランチ・コントロールと組み合わせることでクリーン→クランチ→リード・チャンネルの幅広い音色で弾くことができる。なお、このモデルは、出力も40w、50w、60wと3種類選択できるので、リハスタの大きさによって便利な使用法が考えられるだろう。

クリーン・チャンネルには、クランチ・コントローラーを搭載。フルにすると、けっこう歪んでくれます

▲こちらのモデルもセンド/リターンを装備している。おうちもいいけど、かなり実戦向きなモデルといえる

ブースト・コントローラーを使うと、音圧が一段アップしてくれる

 

■StompHead 3 Black Lineの詳細
http://www.electroharmonix.co.jp/taurus/stomphead3bl.html


コンパクト・エフェクターと組み合わせてボード化する

さてさて、フロア型アンプ・ヘッドのいちばんの利点は、エフェクト・ボードの中に組み込めるという点だ。
今回、ストンプ・ヘッド2を使って上のようなボードを組んでみた。ストンプ・ヘッド2はオーバードライブとの相性がいいので、インプットの前にオーバードライブを使い、コーラス系とディレイはセンド/リターンに接続。こうすることで、揺らし系&空間系はキレイにかかってくれる。キャビさえあれば、どこでも同じ方向性のトーンが出せるのはうれしい限り!

▲センド/リターンが付いているのもうれしい。というか、アンプなんだな〜と納得してしまう

 

■タウラスの詳細
http://www.electroharmonix.co.jp/taurus/index.html