sebastianがスタジオ・ジュビリーに迫る!

プロ/アマ問わず、多くのギタリストが注目しているスタジオ・シリーズ。そのスタジオ・シリーズには、ガンズ・アンド・ローゼズのスラッシュが愛用していたジュビリーのタイプがある。スタジオ・シリーズをプロが弾く不定期連載のこの企画、今回はスラッシュを敬愛するブル・ゼッケン88のギタリスト、sebastianに登場してもらい、本家ジュビリーを弾きつつ、スタジオ・ジュビリーに迫ってもらった!
※WeROCK 076の掲載記事より。

左から、シルヴァー・ジュビリーの復刻モデルである2555X、中央はスタジオ・ジュビリー 2525H(ヘッド)+2536A(キャビネット)、右は上段がスタジオ・ジュビリー 2525C(コンボ)のブラック・スネイクスキン・ヴァージョンで、下段がノーマルの2525C(コンボ)

 

——もともと、スラッシュが大好きなんだよね?
sebastian:はい。なので、ジュビリーには興味がありましたし、スラッシュの音というのは永遠のテーマです。
僕の中で、ギターはレスポール、アンプはマーシャルという組み合わせが絶対条件で、そのマーシャルの中でもスラッシュが使っていたであろう当時のJCM800やJCM Slash、初期型ジュビリー、そして今回も試奏した復刻版のジュビリーは重要なんです。僕的なジュビリーの印象は、800よりも重心を低くして、なおかつゲインをアップした感じ。今回、試奏した復刻ジュビリーは、僕の印象では昔のモデルよりブライトだと思いました。
——昔のジュビリーを弾いたことがある?
sebastian:LAにいた時に弾いたことがあります。弾いた環境が違いますけど、当時のジュビリーはもう少しダーク寄りだったイメージがあって、現代のジュビリーはカラっとしてますね。それが、今日、持ってきたレスポールのピックアップのせいかもしれないのでなんとも言えないんですが、基本的な方向性はあの時のジュビリーのままです。
——今回、試奏してもらったスタジオ・シリーズのジュビリーは、それぞれどういう印象だった?
sebastian:とにかくレスポンスが速いんです。低域のモタりもないし、歪みのザラつき感が逆にヌケてくるし、これでレコーディングしたら、ぜったいにいい音がしますよ。どちらかというと、個人的に扱いやすいのは、スタック(2525H+2536A)のほうでした。コンボ(2525C)は、弾くまでは家庭用アンプの位置づけだと思ってたんですが、そうではないですね、うるさすぎです(笑)。これを家庭で弾いたらもったいない。これは、ふつうのスタジオに持っていって、床に直接置くのではなく、底上げして置いて弾けば、3ピースぐらいのバンドならぜんぜんいけますよ。
——スタジオ・シリーズは、出力を20wから5wに切り替えられるスイッチが付いてるけど、それはどう?
sebastian:ハイ(20w)よりロー(5w)のほうが音作りをしやすく感じました。もちろん、バンドで演奏するとローだと出力が足らなく感じるだろうけど、そういう時にハイを使うといいかなと。EQに関しては、アウトプット・マスターを7ぐらいにすると急激に変わりますね。なので、EQで音作りをするなら、一度、7ぐらいの大音量にしてからEQの効きを試して絞っていくといい。ゲインは7ぐらいが、いい感じでしたね。
——スタジオ・シリーズは、20wながらプリもパワーも真空管なんだけど、やはり自宅で使ってるという小型マーシャル(VSリーズ)とは違う?
sebastian:ぜんぜん違います。自宅で使ってるのはプリが真空管でパワーがソリッドステートなんですね。どちらかが歪むといえば、クリーミーに歪むのは自宅のマーシャルなんですが、スタジオ・シリーズのほうが音圧感があります。立って弾いてるだけで風が来る印象です。やっぱりフル・バルブは違うなと。あと、感動したのは、スタジオ・シリーズって、低域がもたつかないしツブれないんです。ゲインをあげていくとコンプレッションが激しくなって低域のツブが見えてこなくなるアンプがあるんだけど、それがない。すごくスッキリしているんです。低域がありすぎてゴワンゴワンしちゃうよりは、このぐらいスッキリしてくれたほうがヌケてきますから。
——スタックとコンボで、大きな違いはあった?
sebastian:コンボは低い位置にあるから、もう少し高い位置に持ってくれば、スピーカーが1発か2発かの違いはあるものの、そこまでの違いはないと思います。あえてトーンの違いを言うとすると、スタックのほうがミッドが強いかも。でも、いわゆる中域が強いという感じではなく、ジュビリーならではの音でありながらミッドも出てくれるというか。それと、スピーカーが2発あるためなのか、よくマーシャルの高域が苦手だという人でも安心なハイになってる。そういう意味でコンボのほうが音作りが難しいかもしれないですね。でも、めちゃくちゃ元気があります。
——ジュビリーのイメージは、どちらも継承している?
sebastian:ジュビリーってダークな印象を持つ人もいるじゃないですか? でも、僕にとっては元気があって、むしろブライトなイメージしかないんですよ。スタジオ・シリーズは、そのものですよね。たしかに、昔と比べると各パーツが進歩したおかげでクリアになってるかもしれないし、LAで弾いたのは120vで弾いていたから少し違ったのかもしれないけど、よりワイド・レンジになってる印象も受けました。でも、根本的なトーンは、ジュビリーですよ。
——クリーン・サウンドはどう感じた?
sebastian:いわゆるマーシャルのクリーンですね。クリーミーなトーンというよりも、真空管ならではのクリーンなんですよ。前に飛んでくる感じは秀逸です。もしかしたら、クリーンにオーバードライブをカマしてクランチ系に使うのもいいかもしれないですね。それだけで、充分、使える音が作れるんじゃないですかね。なんか、歪みもそうなんですけど、すごく扱いやすいんですよ。もっと扱いづらいマーシャルを知ってるから、すごく素直な印象です。もう、すごくいい(笑)。
——では、買うなら、どちら?
sebastian:スタックのほうですね(笑)。試しに、2525Hを1960Aに接続して鳴らしてみたんですが、また違うんですよ。どちらかというと、やはり2536Aとの組み合わせが個人的には好みでした。まあ、バンド・アンサンブルで弾いてみると、どうなるかはわからないですけど、ライヴ・ハウス・クラスでもこれにマイクを立ててやればいけると思う。これは、いいな〜、ホントに。
——その発言を聞いてると、20wクラスでも充分にプロの現場でも使える音だと?
sebastian:100wのアンプって、ホントにドライヴさせてあげないと、そのよさが出ないと思うんです。昔は、マーシャルにしてもフルに近く上げて音を出してたと思うんですけど、それを再現するのって現代では難しいんです。それが、スタジオ・シリーズなら、そこまで大音量にしなくてもベストなトーンが出てくれるし、100wほど音量が大きすぎないから、それこそレコーディング向きでもあるし、僕の印象としてはバンドでやってもぜんぜんイケるんじゃないかと。
じつは、僕も、ここに来るまで20wだと現場では使えないんじゃないかという印象があったんですけど、今日、試奏してみて、これだったらぜんぜんOKでした。20wで、これだけ音量が稼げるアンプを見たことなかったし、自宅の40wマーシャルと歪み方も違いますしね。自宅のやつは、もっとウェットな歪みで張り付き感はあるけど、スタジオ・シリーズのほうが20wなのにブライトで、目の前で鳴ってる感じなんです。芯があるので、ベースやシンバルが鳴っていても埋もれないと思いますよ。なんか、ゲインを上げてくれと言われて改造した800みたいな印象に近いです(笑)。で、他のメーカーが、そういう音を目指しても、やはりマーシャルの音にはならないけど、これは完全にマーシャルの音なんですよ。ぜったいに他のメーカーには出せない音です。
——スラッシュ好きが言うとするなら、この音はどのアルバムの時代(笑)?
sebastian:完全に『アペタイト・フォー・ディストラクション』ですね(笑)。あの時の音です。スラッシュになりたいなら、ぜったいに弾いたほうがいいし、これです。

20wといえども、真空管はプリにECC83×2本、パワーにEL34×2本と、100wのジュビリーと同じタイプを搭載

アウトプット・マスターをプルすることで、チャンネル切り替えができる。付属のフットスイッチでも可能だ

▲出力切り替えスイッチを搭載。LOWは5w、HIGHは20wで、トーンをそのままに出力を下げることが可能だ

 

sebastianのお好みセッティング

sebastianが作ってくれたオススメ・セッティング。といっても、完全にスラッシュをイメージして作ってくれた音だ。“僕の鳴っている『アペタイト・フォー・ディストラクション』にしました”とのこと

Studio Jubilee 2525H
¥140,000+税

2536A
¥93,000+税

Studio Jubilee 2525C
¥160,000+税

“Black Snakeskin”ver.

※マーシャル・ショップ限定
http://www.marshallamps.jp/stockists/

【2525H & 2525Cの仕様】
●出力:20w/5w
●真空管:ECC83(プリ)×2、ECC83(フェイズ・スプリッター)、EL34(パワー管)×2
●チャンネル:クリーン/オーバードライブ
●コントロール:アウトプット切り替えスイッチ、プレゼンス、ベース、ミドル、トレブル、アウトプット・マスター(プルでクリーン・チャンネル)。リード・マスター、インプット・ゲイン(プルでリズム・クリップ)
●入出力端子:インプット、フット・スイッチ・イン、エフェクト・センド/リターン、DI出力、スピーカー・アウト×5(16Ω×1/8Ω×2/4Ω×2)
●2525Cのスピーカー:セレッションG12M-25 12インチ×1
●外形寸法:2525H=510(幅)×232(高さ)×220(奥行き)mm、2525C=490(幅)×475(高さ)×280(奥行き)mm
●重量:2525H=10kg、2525C=19kg

 

◎WeROCK EYESの過去記事で、スタジオ・シリーズの試奏レポートを掲載!
合わせてチェックしてみてください!!

○大橋隆志が最新マーシャルを試奏!
http://rockinf.net/eyes/?p=3903

○ルーク篁(CANTA)が最新マーシャルを試奏!
http://rockinf.net/eyes/?p=3638

○情次2号(元・犬神サアカス團)が最新マーシャルを試奏!
http://rockinf.net/eyes/?p=3165

○和嶋慎治(人間椅子)が最新マーシャルを試奏!
http://rockinf.net/eyes/?p=2687

○【試奏動画連動】大注目のマーシャル スタジオ・シリーズを弾き比べ
http://rockinf.net/eyes/?p=2563

○マーシャル最新アンプは、JCM800と1959を20wで完全再現!!
http://rockinf.net/eyes/?p=2301

問:株式会社ヤマハミュージックジャパン
http://www.marshallamps.jp/

セバスチャン:ブル・ゼッケン88のギタリスト。スラッシュ(ガンズ・アンド・ローゼズ)やザック・ワイルド、ダイムバッグ・ダレル(パンテラ)などを敬愛し、モダン・テイストあふれるブル・ゼッケン88のサウンドに、王道のギター・トーンを融合している。昨年11月にリリースした最新シングル「Re:Reset」でも、そのハイブリッドなサウンドは健在だ。

最新シングル:「Re:Reset」/ブル・ゼッケン88
Visureamo Records
VR88-008

ブル・ゼッケン88  公式サイト
https://bull-8.com/