マーシャル CODEで作るsun-goサウンド

WeROCK 084でお届けしたSHOW-YA特集。
その特集内で掲載したのが、このsun-go with Marshallというページだった。
最新アルバム『SHOWDOWN』でドライヴした音を響かせているsun-goのマーシャル・サウンドの秘密に迫るため、本人のインタヴューや愛用マーシャルの紹介も行なった。
まずは、WeROCKではすっかりお馴染みとなったCODEによるシミュレーションからお送りしよう。

写真協力:SHIGEYUKI USHIZAWA

CODEで作るsun-goサウンド

マーシャル CODE 25
¥オープン

【仕様】
●出力
:25w
コントロール:ゲイン、ベース、ミドル、トレブル、ヴォリューム、マスター
●プリセット:ユーザー編集可能な100個のプリセット
フットコントローラー:4ウェイ・プログラム可能 (PEDL-91009、別売り)
ストンプ・ボックスFX:コンプレッサー、ディストーション(3種類)、オート・ワウ、ピッチ・シフター
プリアンプ・モデル:クリーン×5、クランチ×5、オーバードライブ×4、ナチュラル
モジュレーション系FX:コーラス、フランジャー、フェイザー、トレモロ
空間系FX:ディレイ×4、リバーブ×4
パワー・アンプ・モデル:クラシック・マーシャル100w、ヴィンテージ・マーシャル30w、イギリス製クラスA、アメリカ製クラスA/B
キャビネット・タイプ:全8種類
●接続:Bluetooth® 4.0 および USB 2.0
外形寸法:340(高さ)×350(幅)×215(奥行き)㎜
重量:6.1㎏

■『SHOWDOWN』で聴ける
メイン・サウンド

1曲目の「EYE TO EYE 」のシミュレート・サウンドだ。
歪ませすぎずに音の芯がしっかり残ったサウンドに感じる。アンプは、sun-goがここ最近使用しているJVM410、キャビネットは1960Vを選択。コモらない程度にプレゼンスは少し上げ、ブリッジ・ミュート時の低音部分はわりとタイトなので、レゾナンスはあまり上げないようにしている。
歪みの量が少なめなタイトなサウンドなので、ゲインは下げめに。トーンは中域が張り出しつつ抜けがいい音なので、抜けが悪くならない程度にミドルを出している。また低音の太さも感じられるので、レゾナンスを上げていないぶんベースを上げ気味に設定。下の図はソロ時の音で、ペダルでODRを選びブーストし、そこにディレイとホール・リバーブを加えると弾きやすくなる(FXはバッキング時はすべてオフにして、ソロの時のみオン)。他の曲の場合も基本的には同じ方向の音だと思うので、曲によってアンプ部分のプレゼンスを上げ下げしてみてほしい。

■名曲「限界LOVERS」の歪みも
CODEで再現してみる

リリース当時は、メサ・ブギーを使用していたらしいので、パワー・アンプをメサ・ブギーのパワー管にも使われている6L6をシミュレートしたAmerican ClassA/Bにしてみた。プリアンプはJCM800を選びキャビネットは1960Vを選択。American ClassA/Bだとハイ・エンドとロー・エンドが少しおとなしく感じたので、プレゼンス、レゾナンスはともに上げ目にしている。
JCM800なのでわりとゲインは高めに設定。こちらのサウンドもミドルが張り出して感じるので、トーンは全体的に上げめにしながらも抜けが悪くならない程度にミドルを出した設定にしている。また、ややルーム・マイクの音も聴こえるので、ルーム・リバーブをかけている。
ソロの時はペダルでODRを選び軽くブーストし、印象的なディレイはマルチを選択し916msでレベルを大きめにした(ディレイの各設定は下図を参照)。また、リバーブをホール・リバーブにして、Decay 5.7、Pre-Delay 1.1、Tone 5.5、Level6.4にすると似た雰囲気になる。

サウンド・シミュレーション:水田“Shacho”俊一郎(レコーディング・エンジニア)

■マーシャル CODEシリーズの詳細■
http://www.marshallamps.jp/products/amplifiers/code/


五十嵐“sun-go”美貴、マーシャルを語る!

——今回のアルバムでも、マーシャルを使用されていますね?
五十嵐:ヘッドがJVM 410Hで、キャビは1960B(デイヴ・ムステイン・シグネイチャー・モデル)ですね。
——JVMは、おもにどこのチャンネルを使ってるんですか?
五十嵐:3チャンネルのレッドですね。
——sun-goさんのマーシャル・サウンドというのは、どこがポイントだと思いますか?
五十嵐:まず、中低域。プレゼンスはゼロだし、あまりハイはうるさくない感じだと思う。そのかわり、レゾナンスを4ぐらいに上げてます。
——他のEQ類は、どんなセッティングですか?
五十嵐:JVMを使う時は、ほぼセンターの12時ぐらいで、場所によって耳に痛いなと思ったら、そこからトレブルとミドルを下げます。
——ゲインは?
五十嵐:12時になってないぐらいかな? 音色は、バッキングに関しては、どの曲もほぼ一緒ですね。空間系のエフェクトは卓のほうでかけてもらうんですが、レコーディング時にも弾きやすいように卓でかけてもらいつつ弾くんですよ。
——ライヴなどでsun-goさんの音色の特徴として、空間系のエフェクトの印象がありますが。
五十嵐:ディレイかな? 私、バッキングとソロで音色を変えてないのね。ソロでオーバードライブ・エフェクトを使うとかもしてないので、基本、そのままの音でずっと弾いてるんです。ディレイは、その時々で変えてますが、歪みはアンプ直の音です!
——「限界LOVERS」など、あの時代のサウンドは、自分自身でどう思っていますか?
五十嵐:今、聴くと、自分が思ってるよりも低域がないなって。ただ、バランス的にはいい感じなんですよ。『HARD WAY』では、エンジニアがアンプのマイキングをこだわってましたね。それで、すごくいい音でギターが録れたと思います。
——sun-goさんは、マーシャルのどこが好みでしょうか?
五十嵐:全部です。今、使っているJVM410だと4チャンネルあるわけですよ。その中で、クリーンとクランチ、それとディストーションに、音量を上げたい時のディストーション・チャンネルという4パターンそのまんまが作れる。歪み系エフェクトを入れなくてもバッチリの音に仕上がってくれるし、すごく便利なんです。
昔のマーシャルって、トレブリーすぎるのも特徴だったけど、JVMはその部分もコントロールしやすいし、レゾナンスがあることでEQの幅も広い。ひとつのチャンネルで3つのモードもあるし、かなり重宝してます。今、いろんなセッションもやってるので、そんな時でもいろんな音が作れるんですよ。大きなボードを組んだり、エフェクトのループ・スイッチャーを組んでる人には関係ないかもしれないんですけど、私みたいにアンプ直でやってるギタリストには、これほど素晴らしいアンプはないですね。
——では、sun-goさんの音をシミュレートする際のコツは?
五十嵐:できればハムバッキングを使って、音が細くならないように、アンプで歪みが得られるモデルがいいと思います。それと、中高域よりも低域をコントロールできる状態にしておくと、より近づくかな。あとは「限界LOVERS」を弾くなら24フレットが必要(笑)。

▲もう長年愛用しているメイン・アンプ、マーシャル JVM410H。
メインで使用しているのは3チャンネルのレッド・モードだ。その他、よく見ると、細かいマーキングがされているのを確認できる

▲キャビネットは、デイヴ・ムステイン(メガデス)のシグネイチャー・モデルである1960BDMを使用

▲専用フットスイッチには、さまざまな音色が明記されている

※マーシャル CODEで作るLOUDNESS 81-84の高崎 晃サウンド
http://rockinf.net/eyes/?p=4866

※マーシャル CODEで作るLOUDNESS 85-88の高崎 晃サウンド
http://rockinf.net/eyes/?p=4973

※マーシャル CODEで作るハロウィン・サウンド
http://rockinf.net/eyes/?p=5150