マーシャル CODEで作るLOUDNESS 81-84の高崎 晃サウンド

WeROCK 081でお届けしたラウドネス40周年記念連載特集の第1弾。
その特集内で掲載したのが、マーシャルのデジタル・モデリング・アンプ、CODEでのシミュレーションだ。
初期のアルバム4枚における高崎サウンドをCODEで作ってみたぞ。
本人コメントも参考にチャレンジしてほしい!!

また、WeROCK 082(4月15日発売号)では、連載特集第2弾“LOUDNESS 85-88”に合わせて、KENTARO(ダイダ・ライダ)による『THUNDER IN THE EAST』から『JEALOUSY』までの高崎 晃サウンドをマーシャル CODEでシミュレート!

KENTAROによるサウンド・シミュレーション
“LOUDNESS 81-84 サウンド編”

サウンド・シミュレーション:水田“Shacho”俊一郎(レコーディング・エンジニア)

※KENTAROによる“CODEでLOUDNESS 85-88の高崎 晃サウンドを作る”もぜひチェックを!

【動画連動】 KENTAROがCODEでLOUDNESS 85-88の高崎 晃サウンドを作る


高崎本人が語る、
マーシャル CODEでの音作りポイント

高崎:俺も楽屋用のアンプとしてCODEを使ってる。いつでも手軽に同じ音が出てくれるから、めっちゃ便利なアンプだよね。真空管だと温めないといけないとかあるけど、CODEはスイッチを入れた瞬間に最後に残してた音が出てくれるから、いつでも弾けるでしょ。ディレイとかリバーブとかモジュレーション系なんかもプログラミングすることもできて、パッと切り替えられるし、すばらしいアンプだよね。
よく使う音は、プレキシだったり、最近のJVMだったりのモデリングかな。みんなが初期の俺の音をシミュレートするならプレキシのモデリングがいいんじゃないかな。当時の音は、そんなに歪んでないし、最近の“ズンズン”という歪みとも違うんだよね。当時は、そこにボスのOD-1を使ったり、82〜83年ぐらいにはグヤトーンのオーバードライブも使ってた。たしか、バッキングではグヤトーン、リードの時はボスにしたり、という使い方をしてたこともあるかな。なので、CODEのプレキシだけで歪みが足らないと思ったら、ODRを使うといいと思う。
あと、あの頃、ソロではMXRのラック式デジタル・ディレイを使ってた。それをステレオにして鳴らしてたかな。ライヴの時なんかは、バッキングで30msぐらいズラしたショート・ディレイをかけたりもしてね。それで、音の幅を出すのもおもしろいと思う。あとは、アンプのゲインをあまり上げすぎるとオーバードライブをかけた時にヘッドルームに余裕がなくなってしまうので、そこを気をつけて伸びやかな音を作れば似たようなトーンができると思う。

【高崎CODEセッティング公開!】
◎ゲイン=2.0、ベース=7.3、ミドル=4.9、トレブル9.5、ヴォリューム=9.6。プリアンプ=OD Silver Jubilee。パワー・アンプ=Classic Marshall 100w(プレゼンス=3.5、レゾナンス2.1)。ペダル=ODR(ドライヴ=7.2、トーン=3.0、レヴェル=7)。ディレイ=Vintage(タイム=440ms、フィードバック=3.7、エイジ=6.8、レヴェル=5.0)。リバーブ=Spring(ディケイ=4.1、プリ・ディレイ=3.0、トーン=5.1、レヴェル=5.0)。


マーシャル CODE 25
¥オープン

【仕様】
●出力
:25w
コントロール:ゲイン、ベース、ミドル、トレブル、ヴォリューム、マスター
●プリセット:ユーザー編集可能な100個のプリセット
フットコントローラー:4ウェイ・プログラム可能 (PEDL-91009、別売り)
ストンプ・ボックスFX:コンプレッサー、ディストーション(3種類)、オート・ワウ、ピッチ・シフター
プリアンプ・モデル:クリーン×5、クランチ×5、オーバードライブ×4、ナチュラル
モジュレーション系FX:コーラス、フランジャー、フェイザー、トレモロ
空間系FX:ディレイ×4、リバーブ×4
パワー・アンプ・モデル:クラシック・マーシャル100w、ヴィンテージ・マーシャル30w、イギリス製クラスA、アメリカ製クラスA/B
キャビネット・タイプ:全8種類
●接続:Bluetooth® 4.0 および USB 2.0
外形寸法:340(高さ)×350(幅)×215(奥行き)㎜
重量:6.1㎏

■『THE BIRTHDAY EVE 〜誕生前夜〜』
サウンド

初期の頃は、オールド・マーシャル1959を使用していたとのことで、プリアンプはPlexi、パワー・アンプはClassicMarshall 100w、キャビネットは4×12の中で質感がいちばん近そうな1960xを選んでみた。
ストレートなマーシャル・サウンドといった印象で、CODE25のPlexiだと、やや歪みが足らないように思えたので、歪みすぎないよう注意しつつFXのペダルでODRを選択し、ドライヴをかなり抑え、レベルを上げ気味にしてゲインを稼いでいる。
多少ドンシャリ気味にも聴こえるのでミドルを少しだけ抑えて、アンプのプレゼンスを上げ気味にしているのもポイントだ。また、ブリッジ・ミュートをした時のズンといった低音部の膨らみも感じるので、音のヌケが悪くならない程度にアンプのレゾナンスを上げてFXで薄くホール・リバーブをかけてみた。ソロの時はFXペダルのレベルを8.5〜9.5くらいに上げて、ディレイを足すといい感じで似た方向性のサウンドができるだろう。

 

■『DEVIL SOLDIER 〜戦慄の奇蹟〜』
サウンド

基本はマーシャルのフル・アップだと思われるが、CDでの音は前作よりもミドル寄りに感じられる。おそらく、ミックス段階でこういうトーンになった可能性もあるのだろう。そこで、トレブルを抑え目にしつつ、ミドル、ベースを上げ気味にし、アンプ・セクションでもプレゼンスは抑え目に設定したうえでFXのペダルでGUVを選択してドライヴを低め、レベル高めでブーストしてみた。まとまり感とミドルの張りを出している。
オフ・マイクっぽい部屋鳴りも感じるので、バッキング時でもルーム・リバーブを軽くかけているのがポイントだ。
ソロの時はバッキングよりもヌケのいい音に感じるので、FXペダルをODRに設定し、ドライヴを1.5くらい、トーンを上げ目の6〜7、レベルは9.5〜10にするといい。
「LONLY PLAYER」を参考としているが、曲によっては少しトレブル、プレゼンスを上げてミドル、ベースを下げるとのもいいだろう。その際、ソロの時はFXペダルのトーンを少し下げ目にするといい。

 

■『THE LAW OF DEVIL’S LAND 〜魔界典章〜』
サウンド

前2作品に比べ、ロー・エンドがかなりスッキリしていてブライトに感じるので、EQの設定を変更している。また、FXのペダルをGUVよりハイが出るODRに設定し、トーンを少し上げ目で軽くブーストしている。かなり歯切れのよいサウンドに感じるので、ギターによってはゲインとミドルを少し抑えてみるのもいいだろう。
このサウンドでも部屋鳴りっぽさを出すため、薄くルーム・リバーブをかけている。ソロ時はドライヴを1〜1.5くらい、レベルを6〜7ほどに上げてみるのもいい。また、ルーム・リバーブのプリ・ディレイを0.6くらいに設定し、レベルを5くらいに上げるとアルバムのソロ・サウンドの雰囲気に似てくる。
「IN THE MIRROR」を参考に設定しているが、曲によってはホール・リバーブに変えてディレイを薄めにかけるといいだろう。「SPEED」のソロ後半は、ディレイ・タイプをヴィンテージに変え、タイム=0425、フィードバック=2.3、エイジ=10、レベル=8.5でバッチリ!?

 

■『DISILLUSION 〜撃剣霊化〜』
サウンド

『魔界典章』と比べると、ロー・エンドはタイトながらも太くミドルの張りを感じながらも、ヌケのいいサウンドになっている。前作よりもハイが抑えられているので、痛くならない程度にEQを設定してみた。ブリッジ・ミュート時などでズンとした低音部分はそれほど出ていないように聴こえるので、レゾナンスは下げ気味に設定している。
このサウンドでもFXのペダルはODRを選択。ドライヴは低めで、レベルを上げ気味にしてゲインを稼いでいる。トーンは、ハイが出すぎないよう中間ぐらいの設定。バッキングの時も多少リバーブ感を感じるので、FXでプリ・ディレイを少し遅めに設定したホール・リバーブを薄くかけてみた。ソロの時はPEDALのディストーションのレベルを8〜9くらいに上げ、リバーブのレベルをやや上げてディレイをかけるといいだろう。
「CRAZY DOCTOR」のソロ前半部分は、ディレイをスタジオにして、タイムを340ms、ホール・リバーブのレベルを6.9くらいに上げると似てくるだろう。

 

■マーシャル CODEシリーズの詳細■
http://www.marshallamps.jp/products/amplifiers/code/