マーシャル CODEで作るハロウィン・サウンド
好評企画のマーシャル CODEでのサウンド・シミュレーション。
今回はハロウィンに注目! アルバムの先行シングル「スカイフォール」とともに彼らの代表曲「イーグル・フライ・フリー」のサウンドも作ってみた。
参考にして、ぜひ王道のメタルを奏でてみてほしい!
マーシャル CODE 25
¥オープン
【仕様】
●出力:25w
●コントロール:ゲイン、ベース、ミドル、トレブル、ヴォリューム、マスター
●プリセット:ユーザー編集可能な100個のプリセット
●フットコントローラー:4ウェイ・プログラム可能 (PEDL-91009、別売り)
●ストンプ・ボックスFX:コンプレッサー、ディストーション(3種類)、オート・ワウ、ピッチ・シフター
●プリアンプ・モデル:クリーン×5、クランチ×5、オーバードライブ×4、ナチュラル
●モジュレーション系FX:コーラス、フランジャー、フェイザー、トレモロ
●空間系FX:ディレイ×4、リバーブ×4
●パワー・アンプ・モデル:クラシック・マーシャル100w、ヴィンテージ・マーシャル30w、イギリス製クラスA、アメリカ製クラスA/B
●キャビネット・タイプ:全8種類
●接続:Bluetooth® 4.0 および USB 2.0
●外形寸法:340(高さ)×350(幅)×215(奥行き)㎜
●重量:6.1㎏
■「スカイフォール」
左から聴こえるドライヴ・サウンド
歪み感がわりとモダンな感じなので、アンプはOD JVMを選択。パワー・アンプはクラッシック・マーシャル100w、キャビネットは1960Vを選んでみた。
38秒あたりのリフのサウンドをシミュレートしているが、オフ・マイクで収録したであろうキャビネットの箱鳴りとルーム・サウンドが大きく生々しい迫力あるサウンドに感じる。ミドルを少し上げ、トレブルは上げめにしつつ、アンプのプレゼンスは少し下げめ。低音部分がかなり迫力あるのでベース、アンプのレゾナンスもかなり上げている。そこにプリ・ディレイをかなり短くしトーンを下げめにしたルーム・リバーブをかけて部屋鳴り感を出してみた。
左のリフ単体以降は、前に出てくるサウンドになっているので、おそらくミックス時にオン・マイクの音量を上げオフ・マイクの音量を下げているのだと思われる。リバーブのプリディレイを3くらいに上げ、レベルを4くらいに下げて、アンプのプレゼンスを4〜5ぐらいにしてみてほしい。
■「スカイフォール」
右から聴こえるドライヴ・サウンド
右チャンネルは左チャンネルよりもエッジが立ったタイトで前に出てくるサウンドに感じる。左チャンネルと同じく歪みの感じが現代的に感じたのでプリアンプはOD JVMを選択。パワー・アンプはクラシック・マーシャル100w 、キャビネットは1960Vよりも中域の輪郭がはっきりしている1960HWにしてみた。
ゲインはやや高めにし、音色が左チャンネルと離れすぎないよう意識しつつ、エッジが立つようにトレブルを多めに出し、ベースも少し上げめ、ミドルはドンシャリにならない程度にやや抑えている。アンプ部分はプレゼンスを抜けが悪くならない程度に出す感じに設定してみた。レゾナンスはブリッジ・ミュートでの低音の迫力を出すために上げめにしているが、左チャンネルよりはタイトになるよう少しだけ抑えている。最後にオフ・マイクのルーム・サウンドに少しだけ低音の厚みを加えるため、トーンを下げ気味にした暗めで残響の長めなルーム・リバーブを薄くかけてみた。
■「スカイフォール」
クリーン・サウンド
中間部分のアコースティック・ギターと一緒に鳴っているクリーン・ギターの音だ。ツイン・リバーブのようなキレイな音というよりは、中域に張りがありながらもあまり癖がないストレートな音に感じられる。おそらく高域の部分はアコギの邪魔をしない音にしていると思われる。そこでプリアンプを癖がなさそうなClean JVM、パワー・アンプをクラシック・マーシャル100wにしてみた。キャビネットは高域の質感がいちばん近そうな1960Vを選択。
ゲインは太さと張りがありつつ歪まないように設定し、ベースを少し多めで、ミドルは抑えめ、トレブルは抜けが悪くならない程度に。アンプ部分でもプレゼンスは耳に痛くなくこもらない程度に、レゾナンスはスカスカにならない程度にそれぞれ上げている。FXのペダルでコンプレッサーを選びレシオ4.1で軽めにかけ、モジュレーションでコーラスを選び、スピードとトーンを抑えめに。さらに薄めにディレイ、ホール・リバーブをかけている。
■「イーグル・フライ・フリー」
リフ・サウンド
オールド・マーシャルと比べると、わりと細かめな歪みで、ブリッジ・ミュートの時もしっかりズンとした音が出ているので、プリアンプはJCM800を選んでいる。パワー・アンプはクラシック・マーシャル100w、キャビネットは1960を選択。ただJCM800だけだとゲインがほんの少しだけ足らないように感じたので、FXのペダルでMODE ODRを選択し、ほんの軽くブーストする意識でドライブとトーンを下げめ、レベルを上げめに設定し、ゲインを稼ぐとともにコンプレッション感とまとまり感を出している。
アンプのトーンはトレブルが上げめで、張りがなくならない程度に少しミドルを抑え、ベースは迫力が出るよう上げめに。アンプ部分は少しプレゼンスを上げ気味にして歯切れを出して、レゾナンスは太さが出るよう多少上げている。オフ・マイクで録音したと思われる部屋鳴りも少し聴こえるので、響きが明るくならないようトーンを下げめにしたルーム・リバーブを軽く足しているのもポイント。
■「イーグル・フライ・フリー」
リード・サウンド
最初のソロ、おそらくカイ・ハンセンが弾いているソロの音をシミュレートしてみた。基本的にはバッキングの延長にある音だと思う。ソロを弾くにはゲインが足らないと思うので、アンプのゲインをフルにしたうえ、FXペダルの設定をDISに変更して少し固くし、トーンとドライブ、レベルを少し上げてみた。バッキングよりは少しメタリックな感じもするので、トレブルをやや上げたうえ、そのままだと低音が出すぎになるので、アンプのレゾナンスを下げている。
リバーブの設定はそのままだが、ソロ終わりに少しディレイ音が聴こえるので、♩=382ms、フィードバックとレベルはディレイ音が2〜3回聴こえる設定のものを足してみている。後半のマイケル・ヴァイカートと思われるソロの時はプリアンプをSilver Jubileeに変更し、ベースを6〜7くらい、アンプのレゾナンスを3.5〜4.5くらいに下げる。そして、FXのペダルのトーンを4くらいに上げ、レベルを5〜6ぐらいに下げてみてほしい。
サウンド・シミュレーション:水田“Shacho”俊一郎(レコーディング・エンジニア)
■マーシャル CODEシリーズの詳細■
http://www.marshallamps.jp/products/amplifiers/code/
※マーシャル CODEで作るLOUDNESS 81-84の高崎 晃サウンド
http://rockinf.net/eyes/?p=4866
※マーシャル CODEで作るLOUDNESS 85-88の高崎 晃サウンド
http://rockinf.net/eyes/?p=4973