思わず注目してしまうマニアック・ペダル〜その3
楽器店に行ったり、WeROCKなどで目に止まってしまうのは、やはりマニアックなエフェクターだ。“マニアック”と言っても、そのルックスが示すものから、音的なもの、プロ・ミュージシャンがこだわって製作したものなどさまざま。
そんなマニアックなペダル・エフェクターを集めたのが、今回の特集だ。
その3では、飛び道具系などを紹介しよう。
※WeROCK 082の誌面では、今回WeROCK EYESで紹介している以外のペダルも掲載しています。ぜひ、誌面をチェックしてみてください。
※その1はこちら
※その2はこちら
〈歪み+α部門〉
ワウにディストーションを組み込んだ
ハイブリッド・モデル
モーリー
20/20 Distortion Wah/MTPDW
¥18,700(実勢税込価格)
■20/20 Distortion Wah/MTPDWが通販で購入可能■
○ミュージックランドKEY
https://www.musicland.co.jp/fs/musiclandkey/morley-mtpdw
多くのプロ・ギタリストに愛用されているモーリーのワウに、ディストーションをプラスしてしまったモデルだ。
部門に“歪み+α”と明記しているが、ふつうならば“ワウ+歪み”だろうと思うところ。しかし、今回は歪みをメインに持ってきてみた。その理由のひとつとして、このワウ(と書いてるが)、ワウを踏むとディストーションがかかるわけではなく、ディストーション単体のエフェクターとしても使用可能で、右のフットスイッチでディストーションのオン/オフができるのだ。3つ付いているコントローラーも、すべてディストーションのツマミで、それぞれレヴェル、ドライヴ、トーンとなっている。
その歪みぐあいだが、ひじょうにナチュラルだ。ディストーションというよりはオーバードライブにも近いかかり方で、過剰なコンプレッション感もなく、アンプをナチュラルにブーストしてくれる歪み系モデルといえる。
ワウのほうはモーリーならではの踏んだ瞬間にオンになるスイッチレス仕様で、さらにこれまたモーリーならではの好評のバッファも搭載されているので、これ1台あればワウと歪みペダルがまかなえるという、たいへん便利なモデルとなっている。便利度は高いが、そのぶんマニアック度は低い!?
■製品の詳細■
https://hookup.co.jp/products/morley/mtpdw
〈ピッチ部門〉
使いこなせばマニアックなソロに
なること間違いなし
デジテック
Whammy Ricochet
¥25,300(税込価格)
■Whammy Ricochetが通販で購入可能■
○神田商会 オンライン・ストア
https://store.kandashokai.co.jp/c/gr208/gr210/00156-00101617
○御茶ノ水楽器センター
https://www.gakkicenter.com/SHOP/00156-00101617.html
マニアックで飛び道具的なエフェクターとして登場し、世界的に注目されたワーミー・ペダルも、誕生から30年をすぎている。となると、もはやマニアック・ペダルではなく“定番ペダル”と言っても過言ではないわけだが、そのワーミーの中でもマニアックな部類に入るのが、このリコシェだろう。
これまでのワーミーがヴォリューム・ペダルのようにピッチをペダルで操作していたのに対し、こちらはフット・スイッチによりワーミー効果が得られるというモデルだ。音程は、2nd、4th、5th、7th、1オクターヴ、 2オクターヴ、1オクターヴ+ドライ音、という7種類から選択可能。RANGEスイッチで、ベンド・アップかダウンを決めて、MOMENTARYスイッチをONでフットスイッチを踏むと、ワーミーと同様にアーミング的な効果が楽しめる。そして、フットスイッチを離せばスムーズに原音まで戻ってくれる。BALLISTICSコントローラーは、指定したピッチまでの到達時間と原音に戻るまでの時間を調整するツマミ。横にあるLEDでピッチの変化が表示されるのだが、これもまた楽しくなる。単音用のClassicモードと、和音を保ったままベンド可能なChordsモードの2種類選択できるのも便利だ。
YouTubeのWeROCK TVでは、TSPのShuがリコシェ使った興味深いプレイをしているので、ぜひ、そちらを参考にしてほしい。
■製品の詳細■
http://www.kandashokai.co.jp/flos/digitech/effectors/whammy/ricochet.html
変則チューニングで苦労するなら
これで一発解決!!
デジテック
Drop
¥25,300(税込価格)
■Dropが通販で購入可能■
○神田商会 オンライン・ストア
https://store.kandashokai.co.jp/c/gr208/gr210/00156-00045141
○御茶ノ水楽器センター
https://www.gakkicenter.com/SHOP/00156-00045141.html
最近は、変則チューニングのバンドや曲があたり前となっている時代だ。バンドでプレイする時も、そのたびにチューニングやギター自体を変更しなくてはならず、けっこう困ってしまう。そんな悩みを解決してくれるのが、このエフェクター・ペダル。チューニングの変更は、半音階で最大1オクターヴ下までのダウン・チューニングが可能だ。また、OCT + DRYは、1オクターヴ下の音程と原音を出力してくれるので、オクターバー的な使い方もできる。
今回のマニアック・エフェクターとは少し違う部類に入ってしまう……というか曲間に使うものではない、と思われる方も多いと思うが、このエフェクターをマニアックに使う方法もあるので紹介しておこう。
MOMENTARYスイッチでフットスイッチの動作を選択できるのだが、このスイッチをONにセットすると、フットスイッチを踏んでいる間だけエフェクトがオンにになる(押している間だけオフにすることも可能)。この機能を使えば、たとえばライヴ時に曲間やソロで、いきなり1オクターヴ下の音程でフレーズを弾いたり、すぐに戻したりというプレイが可能になる。上記のワーミー・リコシェとは違い経過音が出るわけではないが、まだまだこの方式を使いこなしてるギタリストが多いわけではないので、最先端のプレイができるかも!?
■製品の詳細■
http://www.kandashokai.co.jp/flos/digitech/effectors/guitar_products/drop.html
〈便利部門〉
スイッチひとつで6弦ギターを
12弦に変えてくれる魔法の箱
デジテック
Mosaic
¥33,000(税込価格)
■Mosaicが通販で購入可能■
○神田商会 オンライン・ストア
https://store.kandashokai.co.jp/c/gr208/gr214/00156-00045145
○御茶ノ水楽器センター
https://www.gakkicenter.com/SHOP/00156-00045145.html
こちらは、マニアックというよりも“便利な”と言ったほうがいいペダル・エフェクターだろう。なんと、6弦のギターをエフェクターで12弦仕様にしてくれるというのだからおもしろい。さっそく試奏してみると、レヴェルとトーンという、たったふたつのコントローラーで、見事に12弦サウンドを再現してくれる。歪んだ音よりも、やはり基本的にはクリーン・トーンで使用するのがいい。
レヴェルは元音との音量差の調整に使い、トーン・コントローラーで響きの音色を決める。コーラス・エフェクターで広がりを出すのとは、また一味違ったニュアンスがある。今回はエレキ・ギターで試奏してみたが、エレアコで弾いてみるとどうなるか、じつに興味深い。エレキよりも、より12弦っぽいサウンドになるんじゃないかと思うので、12弦を持っていないギタリストならレコーディングなどでも重宝するエフェクターになるはずだ。
▲レヴェルとトーンというふたつのコントローラーのみで、6弦ギターを見事に12弦のトーンに変えてくれる
■製品の詳細■
http://www.kandashokai.co.jp/flos/digitech/effectors/guitar_products/mosaic.html
〈飛び道具部門〉
どんなフレーズも(!?)
ロボット・ヴォイスに変化!!
デジテック
Dirty Robot
¥25,300(税込価格)
■Dirty Robotが通販で購入可能■
○神田商会 オンライン・ストア
https://store.kandashokai.co.jp/c/gr208/gr214/00156-00101616
○御茶ノ水楽器センター
https://www.gakkicenter.com/SHOP/00156-00101616.html
今回の企画の中でも、かなりマニアックな一品! いわゆるエンヴェロープ系シンセ・エフェクトで、ギターをロボット・ヴォイスにしてくれます。かなり使いこまないと、コントローラーもいっぱいだし、音色も多彩すぎて、どうやって音作りしていいかわかりません(笑)。しかし、ありえない音を作ってくれて、すごくおもしろい。
基本となるヴォイシングは2種類。エンヴェロープ・フィルター的なタイプと、レンジを可変できるタイプ。どちらのヴォイシングも、元の音はクリーン〜クランチ・サウンドにして作り込むといいようだ。歪ませたトーンだと、もう混沌としすぎて、ものすごいことになります(汗)。今回は、ギターでの試奏だったのだが、これはベースでスラップに混ぜて使うとかなりおもしろそう。もちろんエンヴェロープ・フィルター的な設定も可能なので、シンセ・サウンドにも聴こえるトーンと混ぜることで飛び道具として使えば、まさにマニアック・エフェクターの最高峰と言えるだろう。
▲2層式のコントローラーがふたつ搭載されている。
2モードのスイッチとの組み合わせで、かなり無機質なサウンドが作れる!
■製品の詳細■
http://www.kandashokai.co.jp/flos/digitech/effectors/guitar_products/dirty_robot.html
リング・モジュレーターに
ディストーションを搭載!
DOD
Gonkulator
¥33,000(税込価格)
■Gonkulatorが通販で購入可能■
○神田商会 オンライン・ストア
https://store.kandashokai.co.jp/c/gr246/00156-00100003
○御茶ノ水楽器センター
https://www.gakkicenter.com/SHOP/00156-00100003.html
上で紹介しているデジテック:ダーティ・ロボットを、もう少しシンプルにして使いやすくしたエフェクターといえる、こちらはリング・モジュレーターだ。
と言いつつ、じっさいに音を出してみるとまったくの別物。ダーティ・ロボットがエンヴェロープ・フィルターの要素が強いロボット風サウンドを出すモデルだったのに対し、こちらはディストーションを搭載し破壊的なロボット・サウンドも作り出せるモデルとなっている。上段のコントローラーはディストーション・サウンドを作り出すツマミで、下段の2個がリング・モジュレーターとしてのコントローラーになるので、音作りもわかりやすくなっている。
FREQとRINGコントローラーのエディット加減でどれだけロボットになるか決めて、あとはGAINとDISTコントローラーで破壊度を決めれば音作りは可能! マニアックなエフェクターだが、簡単に音が作れるのも魅力だ。
▲2層式のコントローラーがふたつ搭載されている。
2モードのスイッチとの組み合わせで、かなり無機質なサウンドが作れる!
■製品の詳細■
http://www.kandashokai.co.jp/flos/digitech/effectors/dod/gonkulator.html