おうちで楽器!!〜KENTARO × ゼマイティス エレアコ

“おうちで楽器”というところで、手軽に弾けるアコギに注目してみよう。
なかでも、ロックに迫れるという面でも注目を集めているのがゼマイティスのモデルだ。今回は、発売されたばかりのカッタウェイ・ボディのエレアコとその兄弟機種に注目!
試奏してくれたのは、アコギの弾き語りライヴも展開しているKENTARO!
※WeROCK 081の掲載記事より。
※WeROCK 081の誌面では、KENTARO直伝の奏法企画“アコギでメタル”を掲載しています。


ZEMAITIS
CAF-80H(左)、CAF-80HCW(右)
¥オープン

【仕様】
●ボディ:ソリッド・シトカ・スプルース・トップ+ラミネイテッド・サペリ
●ネック:マホガニー
●指板:インディアン・ローレル、20フレット
●ピックアップ:アンダー・サドル・ピエゾ
●プリアンプ:EX-4(プレゼンス、トレブル、ミドル、ベース、ヴォリューム、チューナー)
●カラー:フォレスト・グリーン(写真左)、デニム・ブラック(写真右)、ナチュラル

——これまでもエレアコは手にされてきましたが、エレアコを選ぶ際のポイントは?
KENTARO:エレクトリックというところでピックアップの特性なども大切なんですが、エレアコって基本はアコースティック楽器なんですよね。だから、アンプをつなげずに弾いた時の生音の鳴りに注目します。生音がよくないと、アンプにつなげてもいい音がしないですから。
——現在、ソロの弾き語りでエレアコを使われていますが、そこに注目して選んでいるわけですね。
KENTARO:そうですね。あと、弾き語りではガーゴイル時代の曲も弾いたりするので、ハイ・ポジションの弾きやすさにも注目しますね。なので、ライヴではカッタウェイ付きのエレアコを使ってます。
——これまでに、ゼマイティスのアコギは使われていたんですか?
KENTARO:レコーディングでは使ってましたね。ただ、ライヴだと、さっきお話ししたハイ・ポジションの弾きやすさということがあって、ゼマイティスからもカッタウェイ付きのモデルが出ないかなと思っていたんですよ。そうしたら、2020年暮れにCAF-80HCWが出たんですよね。
——そのCAF-80HCWですが、弾かれてみてどうでしたか?
KENTARO:まず、デザインがゼマイティスらしいですよね。ハート型のサウンド・ホールやブリッジが、まさにゼマイティスで気に入ってます。ロックなエレアコという感じがします。ネックは、ほんの少しだけVシェイプを感じるCシェイプになるんですかね。指板のRの感じも含めて、エレキから持ち替えても違和感がないですよ。生音はナチュラルですね。
——生音は、他のエレアコと違いますか?
KENTARO:僕もそんなに多くのエレアコを弾いてきたわけじゃないんですが、グロス仕上げのエレアコは、比較的パリッとしたツヤのある音がする印象なんですね。でも、このモデルはマット仕上げなのでそれもあってかナチュラルです。“木”の音というか優しい音がします。そこは好みが分かれるところだと思うんですが、ナチュラルなアコースティック・サウンドを求めるギタリストにはいいと思います。
——CAF-80HCWに先がけて発売されていたCAF-80Hはスタンダードなシェイプです。弾き比べての違いはありました?
KENTARO:ボディ材などの仕様はすべて同じだし、ナチュラルなサウンドというところは一緒ですね。ただ、CAF-80Hは、カッタウェイがないぶん、ボディが少しだけ大きいじゃないですか。そのためか、ややローが出てくれる気がします。
——弾き心地の面ではどうですか?
KENTARO:ネックの握りも同じです。あと、CAF-80Hは、カッタウェイはないですけど、17フレットあたりまでは弾けますね。ガンバれば20フレットも弾けますけど、フレーズとしては難しいかな。ただ、アコースティックでそこまで使わないですからね(笑)。
——アンプをつないで弾いてもキャラクターは変わらないですか?
KENTARO:ええ。どちらも、自然なアコースティック・サウンドをそのまま増幅してくれます。いい意味でピエゾらしさがないです。あと、4バンドのEQがよく効いてくれるんです。もともと持っている音を自然に補正してくれます。ライヴ会場によっては、ローが出すぎてるなあとかいう時も手元ですぐにコントロールできますし、便利ですよ。つなげたアンプ側でもそうした音域の補正はできますけど、この自然なサウンドを生かすというところで、このEQは使えると思います。あと、チューナーも付いているんですけど、反応がいいんですよ。そこもポイントですね。
——CAF-80HCWとCAF-80H、それぞれ大きな差がないというところで選ぶポイントはどこになりますか?
KENTARO:弾くフレーズというかプレイ・スタイルでしょうね。僕のようにソロも多く弾くギタリストにはカッタウェイ付きのCAF-80HCWがいいだろうし、弾き語りというかコード・ストロークとかがメインの人はCAF-80Hがいいと思います。ハート型のサウンド・ホールもステージ映えしそうですし、実際に弾き比べて選んでもらえばいいと思います。
あとは、ボディ・カラーですね。ナチュラルや黒いデニム・ブラックの他に、今回試奏したフォレスト・グリーンという緑色もあるんですけど、エレアコでこの傾向の色って他には少ないと思うんです。そこも選ぶポイントではないでしょうか。デニム・ブラックもロックな印象ですし、どれも木目を活かしたフィニッシュになっているのもいいですね。
——おうち楽器としてもおすすめですか?
KENTARO:はい。生音でのヴォリュームもしっかりあるので、住宅事情でアコギが許されないというギタリストには正直難しいかもしれませんけど、手軽に弾けるし価格もお手頃とのことでチェックしてほしいですね。
※編集部注:2021年1月下旬現在、神田商会オンライン・ストアでは、CAF-80Hが¥49,500(税込)、CAF-80HCWが¥52,800(税込)で販売されている。
“歌ってみた”動画での伴奏用にもいいですし、自宅レコーディング用にもいいと思います。ステージでも映えるから、ライヴにもおすすめです。

プリアンプのコントロール部。ナチュラルなサウンド・キャラクターをそのままに補正してくれる4バンド・イコライザー、ヴォリューム、チューナーという構成だ

ハート型のサウンド・ホールに沿って、指板のエンド部を加工

▲17フレットあたりまでは違和感なく押さえることができる

▲バッテリー・ケースとアウトプット・ジャックはボディ・エンド側だ

 

■CAF-80Hが通販で購入可能■
○神田商会オンラインストア
フォレスト・グリーン
https://store.kandashokai.co.jp/c/gr462/gr475/gr699/00016-00107006
デニム・ブラック
https://store.kandashokai.co.jp/c/gr462/gr475/gr699/00016-00106506
ナチュラル
https://store.kandashokai.co.jp/c/gr462/gr475/gr699/00016-00106504

■CAF-80HCWが通販で購入可能■
○神田商会オンラインストア
フォレスト・グリーン
https://store.kandashokai.co.jp/c/gr462/gr475/gr699/00016-00108521
デニム・ブラック
https://store.kandashokai.co.jp/c/gr462/gr475/gr699/00016-00108523
ナチュラル
https://store.kandashokai.co.jp/c/gr462/gr475/gr699/00016-00108522
○御茶ノ水楽器センター
フォレスト・グリーン
https://www.gakkicenter.com/SHOP/00016-00108521.html
デニム・ブラック
https://www.gakkicenter.com/SHOP/00016-00108523.html
ナチュラル
https://www.gakkicenter.com/SHOP/00016-00108522.html

 


ZEMAITIS
CAM-80H
¥オープン

【仕様】
●ボディ:ソリッド・スプルース・トップ+ラミネイテッド・サペリ
●ネック:マホガニー、600mm
●指板:ローレル、20フレット
●カラー:ナチュラル(写真)、フォレスト・グリーン、デニム・ブラック

——CAF-80HCWに続き、“パーラー・ギター”と呼ばれるタイプの小ぶりなCAM-80Hも発売されました。こちらは純粋なアコースティック・ギターですが、弾かれてみてどうですか?
KENTARO:ボディが小さいから鳴りがしょぼいのかなと思ったんですが、まったくそんなことないです。ネック・スケールが600mmで短めなんですけど、そのぶんアコギならではのテンションのきつさが緩和されているんですかね、ラクに弾けます。エレキを弾いている感じもしますよ。手の小さい人や女性にもおすすめですし、男性が弾いても違和感はないんじゃないかな。
——音のキャラクターは?
KENTARO:自然ですよ。ボディ全体が鳴りきっている印象ですね。あと、裏側がやや丸くなっていることで、ボディ内の反響がストレートにサウンド・ホールから出ているそうなんです。それもあって、見た目よりも音量もあるんですよね。
——おうち楽器にもいい感じですか?
KENTARO:はい。まあ、このギターも生音がまあまあ大きいですけど。でも、小ぶりだし、身近なところに置いといて、弾きたい時にさっと弾けると思うので
編集部注:2021年1月下旬現在、神田商会オンライン・ストアで、CAM-80Hが¥44,000(税込)で販売されている。

CAM-80H(左)とCAF-80H(右)を並べてみた。ひとまわり小さいのがわかる

スケールは600mmと一般的なショート・スケールよりさらに短い

ボディの裏側はゆるやかなラウンド・バック。このおかげで、小さいボディながら豊かな鳴りが得られる

 

■CAM-80Hが通販で購入可能■
○神田商会オンラインストア
フォレスト・グリーン
https://store.kandashokai.co.jp/c/gr462/gr475/gr480/00016-00108524
デニム・ブラック
https://store.kandashokai.co.jp/c/gr462/gr475/gr911/00016-00108526
ナチュラル
https://store.kandashokai.co.jp/c/gr462/gr475/gr911/00016-00108525
○御茶ノ水楽器センター
フォレスト・グリーン
https://www.gakkicenter.com/SHOP/00016-00108524.html
デニム・ブラック
https://www.gakkicenter.com/SHOP/00016-00108526.html
ナチュラル
https://www.gakkicenter.com/SHOP/00016-00108525.html

 

■ゼマイティス 公式サイト■
http://www.zemaitis-guitars.jp/

 

KENTARO1993年にガーゴイルに加入し、2018年の脱退まで、数多くの音源制作、ライヴ活動を展開。メタル・シーンに確固たる地位を築く。現在はダイダ・ライダやさまざまなセッションで活躍しつつ、ソロの弾き語りライヴ“唯我独奏”も定期的に開催している。

最新作品:配信限定アルバム『綴』(ダイダ・ライダ)/2020年8月25日配信

KENTARO 公式ツイッター
https://twitter.com/rockentaroll