MASAKIが作る、山下昌良やTAIJIなどの有名ベース・サウンド!

WeROCK 070でMASAKIによる試奏レポートをお送りしたギャリエン・クルーガーのベース用プリアンプ、BPLEX(ビープレックス)。WeROCK 072では、このBPLEXを使ってMASAKIが国内外の有名ベーシストのサウンドをシミュレートしてくれた。その記事をWeROCK EYESでも公開!
※WeROCK 072の掲載記事より。

BPLEX Preampとは?

ベース・アンプの名門ブランドであるギャリエン・クルーガー。そのギャリエン・クルーガーの最新プリアンプがBPLEXで、今年春から日本国内ガーの名機のサウンドを4種類搭載=ヴォイスと呼ばれるコントロールで、800RB、Fusion550、MB800、MB150という同社の有名アンプのサウンド・キャラクターを選べる。
②ギャリエン・クルーガー独自のアクティヴ4バンド・イコライザー&コントゥアーを内蔵=中域はロー・ミッドとハイ・ミッドに分けられ、さらに4バンドそれぞれにハイ・カットやプレゼンスなども備えられ、より細かい音作りが行なえる。
③コンプレッサーやオーバードライブを搭載=ヴォイスと同様に、コンプレッサーやオーバードライブもさまざまなキャラクターを内蔵し、個性的なサウンドも作り出せる。
以上の他にも、充実した入出力環境やチューナーの装備なども誇る多機能プリアンプであり、同時にシンプルで使いやすいというところもポイント。今回の音作りでもその実力がわかってもらえると思う!

BPLEXでの音作りについて

——今回の音作りは、どのような順番で行なったんですか?
MASAKI:まずはコンプから設定しました。それぞれの音のコンプのかかり具合をたしかめました。そこから、ヴォイスでその音に近いキャラクターのタイプを選んでいくという形でしたね。BPLEX全体としては、ギャリエン・クルーガーの代表的なアンプをモデリングした4種類のヴォイスが入っているし、EQで細かいキャラクターを設定できる。さらに個性的な歪みもあって、多機能なコンプも付いている。ふつうのプリアンプより、多彩な音色を作れるのが今回実証できたのではないかと。その多彩さが魅力だと思います。
——MASAKIさん自身も4ヵ月、BPLEXを使ってきたんですよね。
MASAKI:WeROCK 070で試奏してから、実際にCANTAの春のツアーなどでDIとして使ってきたんです。アンプはギャリエン・クルーガーのFusion 550がメインで、その前段に音質を補正するというEQ的な役割で入れて、PAにはBPLEXの音が行くようにしてました。PAエンジニアからは、よりベースらしい、いい音になったと評判でしたよ。

ギャリエン・クルーガー BPLEX Preamp
¥60,000+税

〈仕様〉 コントロール:ベース/バンプ、ロー・ミッド/コントゥアー、ハイ・ミッド/ハイ・カット、トレブル/プレゼンス、マスター/ヴォイス、レベル/ドライヴ、レベル/アタック、スレッショルド/レシオ、トリム/クリップ、オーバードライブ・スイッチ、コンプレッサー/チューナー・スイッチ ●入出力端子:インプット、アウトプット、エフェクト・ループ、DIアウト(リフト/グラウンド切り替えスイッチ、プリ/ポスト切り替えスイッチ)、USB、AUXイン、ヘッドフォン・アウト ●外形寸法:135.6(幅)×55.2(高さ)×142.3(奥行き)㎜ ※突起物を含まず ●重量:約856g ●電源:9vDC(アダプター付属)

山下昌良〈ラウドネス〉
〜ハイ・ミッドとナチュラルさがポイント

シミュレーション曲:「CRAZY NIGHTS」(『THUNDER IN THE EAST』/ラウドネス)

MASAKI『THUNDER IN THE EAST』から「CRAZY NIGHTS」の音を狙ってみました。当時のメタル・ベースを代表するサウンドであり、あのピック弾きの音をどうやって再現するのかがポイントになりましたね。特徴としては、ハイ・ミッドがしっかりと出ているんですよ。でも、カチカチとしたトーンにするとダメなんです。
コンプのアタック・タイプは2番の“ミディアム・アタック/ミディアム・リリース”を選び、レシオは2番の“4 to 1”、ヴォイスは1の800RBタイプで作っていきました。BPLEXは歪むのでドライヴは切って、ナチュラルな音にしました。

 

 

 

▲MASAKIによると、今回の音作りはコンプのタイプを選ぶことから始めたそうだ。
そして、ミッドのヌケのいいRB800のヴォイスを核にハイ・ミッドを上げている


スティーヴ・ハリス〈アイアン・メイデン〉
〜弦の“バチバチ感”を活かす!

シミュレーション曲:「パワースレイヴ〜死界の王、オリシスの謎」(『パワースレイヴ』/アイアン・メイデン)

MASAKI:スティーヴ・ハリスの音って、あの弦高も含めてのバチバチした感じが特徴なんですよね。そのバチバチ感をしっかりと出そうと思い、作ったのが今回の音です。
コンプのアタックは3番の“ミディアム・アタック/スロー・リリース”を選び、レシオは2番“4 to 1”。そして、ヴォイスは2のFusion 550タイプですね。弦が当たる感じを出すために右上のトレブルのツマミを押して“プレゼンス”を選んで、アップしています。弦のアタック・ノイズをあえて活かしつつ、それが完全な個性になるという独自サウンドです。

 

 

 

 

▲ポイントとなるのは右上のトレブル/プレゼンス。
ツマミを押すことでLEDが青く光り、プレゼンスが選ばれる。
ここを上げて、弦の“バチバチ感”を活かしている


TAIJI〈X、他〉
〜ハイ・ポジションでのメロディ感を際立たせる音作り

シミュレーション曲:「Endless Rain」(『BLUE BLOOD』/X)

MASAKI:TAIJIさんには、いろいろな音色があるんですけど、今回はメロディックなベース・ラインから入る「Endless Rain」の音を作ってみました。バラードということで、Xの他の曲と比べると、まろやかというか柔らかいトーンになってますね。
コンプのアタックは4番の“スロー・アタック/スロー・リリース”を選び、レシオは2番“4 to 1”。ヴォイスは4番のMB150タイプです。高域をやや削り気味にして、ハイ・ポジションでのメロディ感が際立つようにしています。ハイを上げすぎると硬さも出てしまうので注意してください。

 

 

 

「Endless Rain」のベース・トーンに近づけるため、ハイ・ミッドのツマミを押して
ハイ・カットを選択し、その中から1番を選択している


ビリー・シーン〈MR. BIG、他〉
〜強めにかけたコンプが特徴!

シミュレーション曲:「ヤンキー・ローズ」(『イート・エム・アンド・スマイル』/ディヴィッド・リー・ロス)

MASAKIMR. BIGではなく、ここはビリー・シーンの名を広めることとなった『イート・エム・アンド・スマイル』での音を作ってみました。ビリー・シーンの音って歪んでいる印象があるんですが、この曲のメイン・フレーズはわりとクリーンなんですよ。そして、コンプの強さが特徴だと思います。
コンプのアタックは4番の“スロー・アタック/スロー・リリース”、レシオは2番“4 to 1”で、それぞれ強めにしました。ヴォイスは2番のFusion 550タイプです。全体的にはクリーンめの音に仕上げています。

 

 

 

 

MASAKIのコメントにあるようにコンプを強めにかけたセッティングとなっている。また、EQも全体的にセンターより上げ目にしている


フリー〈レッド・ホット・チリ・ペッパーズ〉
〜メタル・スラップの原型サウンド

 

シミュレーション曲:「ハイヤー・グラウンド」(『母乳 -Mother’s Milk-』/レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)

MASAKI現代のメタル・スラップの原型といえるのが、フリーではないでしょうか? その彼のサウンドを作ってみました。で、フリーのサウンドって思ったほどは歪んでいないんですよね。そこで、ナチュラル感を出しつつ、ドンシャリめのスラップ・サウンドにしています。
コンプのアタックは2番“ミディアム・アタック/ミディアム・リリース”、レシオは2番“4 to 1”です。ヴォイスは、あえてフラットな0番を選んで、全体的にはクリーンめの音に仕上げています。これで親指で叩いた音も人差し指で弾いた音もヌケる感じになりました。

 

 

 

 

EQのところで、ロー・ミッドを押してコントゥアーを選択し、
2番の“500Hzで8dBカットする”をチョイス。ハイ・ミッドやトレブルとともにセンターより上げ気味だ


MASAKI〈CANTA、他〉
〜メタル・サウンドの中でも抜けてくるドンシャリ・サウンド

シミュレーション曲:「VERTIGO」(『PIT-LOW2』/MASAKI)

MASAKI最後は僕のソロ・アルバムから1曲選んで、作ってみました。「VERTIGO」という曲のイントロでスラップを入れているんですが、そのサウンドですね。
コンプのアタックは4番“スロー・アタック/スロー・リリース”、レシオは2番“4 to 1”です。ヴォイスは、3番の“MB800”を選びました。そして、BPLEXならではのファズ的な粗さも出せる歪みを入れるため、ドライヴの2番“ロー・ドライヴ”を選んで、モダンなスラップが映えるドンシャリな音にしています。バンド・サウンドの中でも抜けてくる音ですね。

 

 

 

 

 

ベース・ツマミを押して“バンプ”から1番の“6dBブースト@65Hz”、
トレブル・ツマミを押して1番“6dBブースト@1kHz”を選択。よりドンシャリさを際立たせている

■MASAKIによる試奏動画

▲YouTube内のWeROCK TVでは、このBPLEXの試奏動画も公開中!
そして、WeROCK EYESの過去記事で、MASAKIによるの試奏レポートも掲載!
合わせてチェックを!!
http://rockinf.net/eyes/?p=2509

 

■通販で購入可能■
○御茶ノ水楽器センター
https://www.gakkicenter.com/SHOP/00113-00105773.html

問:株式会社神田商会
http://www.kandashokai.co.jp/flos/gallien_krueger/effectors/bplex_preamp.html

◎MASAKI。CANTAやダイダ・ライダ、ソロ、他、多方面で活躍する“ギター殺し”ベーシスト。9月7日からCANTAの全国ツアーが始まる!

MASAKI公式サイト
http://www.masaking.com/

アルバム
Did I make it?』/CANTA
ワードレコーズ GQCS-90714 ¥3,000+税