WeROCK 105 付録CDインタヴュー集〜スーパーブラッド 編

WeROCK 105の付録オムニバスCDに参加したバンドのインタヴュー集を、このWeROCK EYESでもお届けするシリーズ企画。
第4回は、昨年10周年を迎えたスーパーブラッドのインタヴューをお送りします。
MV「RUNAWAY TRAIN 14」
自分達がやりたいロックが詰まった楽曲です
——今回のオムニバスにはミニ・アルバム『I SEE THE LIGHT』から「I SEE YOUR LIGHT」で参加していただきました。まず、このミニ・アルバムから振り返ってもらえますか?
OKAHIRO:このミニ・アルバムは、わりとライヴを意識して作ったところが大きくて、実際にライヴでやってもいい反応をもらえています。
RYO:とくに「I SEE YOUR LIGHT」は、スーパーブラッドの曲の中でも展開が多いほうなんですが、その展開や転調のところも盛り上がってもらえるし、やりごたえのある曲になってきています。自分達がやりたいロックが詰まった曲でもあります。
RYUSUKE:ミニ・アルバムに入っている曲すべて、熱さが増してきていますね。「DON’T BREATH」はジャパニーズ・メタルへのオマージュ、リスペクトを込めた曲だというのを以前の取材でもお話ししましたけど、ライヴでもそのことをMCすることで一体感がより生まれるんですよね。
——曲のタイトルは「I SEE YOUR LIGHT」ですが、なぜミニ・アルバムのタイトルは『I SEE THE LIGHT』なんですか?
RYUSUKE:僕が決めたんですけど、曲はパーソナルなものと思っていて、聴いている“あなた”のことを歌っているんですよと。でも、作品全体としては広く届けたいという意味で『I SEE THE LIGHT』にしたんです。
——当時の作曲の背景を思い出していただけますか?
OKAHIRO:まず、この「I SEE YOUR LIGHT」ができたことが、ミニ・アルバム全体の道標になって他の曲もわりとスムーズにできていった覚えがあります。
RYO:最初は、イントロのツイン・リードのフレーズは入ってなかったんですね。でも、OKAHIROさんの原曲を聴いた時に、シン・リジィのようなツイン・リードが入るといいなと思ってOKAHIROさんにアレンジを考えてもらって。
OKAHIRO:最初にできた時はドラムとベースのイントロにギターのリフが入ってくるという曲だったんですけどね。でも、イントロやAメロのコード進行とかがシン・リジィっぽいってRYO君が言ってきて。自分もおもしろいなと思って、すぐにツイン・リードのアレンジを考えてやってみたら、バッチリだった。
——ただ、作曲した当時はシン・リジィは想定していないですよね?
OKAHIRO:うん。だから、目から鱗っぽいところもありましたね。
RYUSUKE:シン・リジィは、自分も大好きですし、スーパーブラッドの前のメタル・デトックスの時からカヴァーしたりしていたので、個人的にはシン・リジィがこの4人を繋げてくれたと思ってもいます。
RYO:そうした偉大な先人達の音楽、エッセンスを取り入れるのも自分達は得意ですから。
——このアルバムは、そうした面がありつつ、ジャンル的にも広いですよね。
RYUSUKE:「FREE BIRD JAM」はファンクっぽいところもありますし。
RYO:もともと、スーパーブラッドというバンド名も、ジャンルや国境を越えたバンドにしたいというところから名付けましたしね。
——このミニ・アルバムの楽曲は、ライヴを想定して作られていったとありましたが、昨年の全曲ライヴではどの曲もライヴに向いているなと感じました。
RYO:11月2日、目黒鹿鳴館でやった10周年記念のライヴですね。これまでリリースした楽曲の全曲をプレイしようという自分の無茶振りを、メンバー全員が快諾してくれて。今後もライヴは精力的にやっていきます。
——何か具体的に発表できることはありますか?
RYO:とくに大きな動きとしては、自分達と交流しているタイの有名なバンドで、ストーン・メタル・ファイアっているんです。その彼らとのコラボレーションとして、ストーン・メタル・ファイアの楽曲のジャパニーズ・ヴァージョンを3曲レコーディングしています。日本からするとタイのメタルを知らない人が多いし、逆に日本のメタルやロックを知らないタイ人も多いんです。だから、自分達が日本とタイの音楽の裾野を広げられればと思っているんです。
——自分も不勉強なのですが、タイのロック・シーンってどういう感じなんですか?
RYO:タイにはカッコいいメタル・バンド、ハード・ロック・バンドが多いし、最近はオルタナ系のバンドも増えています。素敵なライヴ・ハウスもたくさんありますね。
——コラボレーションした3曲について、もう少し詳しく教えてください。
RYO:もともとタイ語の歌詞も付いていたんですが、それを直訳ではなく、RYU(SUKE)の色も入れた形での日本語の歌詞を付けて、楽器陣もOKAHIROさんがスーパーブラッド節を入れた形でアレンジしてくれてます。ストーン・メタル・ファイアの代表曲3曲をスーパーブラッドがアレンジしてカヴァーした形です。RYUが悩みに悩みながらすごくガンバって、ガッツリ歌い上げてます。
RYUSUKE:タイ語の歌詞を日本語に訳して歌ったことが今までなくて(笑)。
——普通はなかなかないと思います。
RYUSUKE:例えば、忌野清志郎が「デイドリーム・ビリーバー」に日本語の歌詞を付けてカヴァーされていたじゃないですか。あれが大好きなんですよ。元の曲の世界観を壊さずに、清志郎さんの世界観もしっかり入っていて。そういう形のカヴァーっていうんですかね、いつかはチャレンジしてみたいと思っていたし、タイ語と日本語って語尾の感じが違ったりして、交わりにくいんですけど、すごくガンバりました。
——その3曲は、いつ頃リリースされるんですか?
RYO:今、いろいろ調整しているんですね。権利関係も含めて、クリアになり次第、すぐにでもYouTubeで動画を公開できる体制になっています。もし可能だったら、今回のオムニバスにも、そのコラボレーション曲で参加したかったですし、早くみなさんに聴いてもらいたいと思ってます。
——曲調としては、どんな感じなのでしょうか?
RYO:1曲はオジー・オズボーンっぽいのかなあ……。オジーの重いエイト・ビートの曲のイメージがありますね。
OKAHIRO:メタルがベースになっているけど、聴きやすい曲になっていると思いますよ。実際にタイでブレイクした楽曲ですしね。
RYO:YouTubeで何百万と再生されているんですよ。
RYUSUKE:あと、10年以上演奏してきた「ンガイ・グーン・パイ」という曲あるんですね。去年の1月にタイに行った時も演奏したんですが、特に心を込めてレコーディングできました。
——並行して、オリジナル曲の制作も進められているとか?
OKAHIRO:こっそりと作ってます。まだ、誰にも聴かせていないですけど(笑)。
——ライヴについてはどうですか?
RYO:近いところでは、2月22日に岡山クレイジーママ・キングダム、23日に心斎橋ショヴェルでのライヴが決まっています。そして、今年も新宿ロフトで主催ライヴ“GOLDEN ROCK FESTIVAL”を行ないます。今回は、アースシェイカーのデビュー日である6月21日にそのアースシェイカーをメインに、セックス・マシンガンズ、スーパーブラッド、ネイキッド・マシーン、ヴェルズ・ファイアの出演が決定しています。次の6月22日には都内某所でのワンマンも決まっています。
RYUSUKE:11周年目の新しいスーパーブラッドを、そのワンマンで見せられると思います。
OKAHIRO:早くくわしい場所を発表したいんですけど……聞くと“おっ”となると思います。
RYO:おかげさまで『I SEE THE LIGHT』の評判もいいので、もしまだお聴きじゃないという方は、ぜひ今回のオムニバスをキッカケに『I SEE THE LIGHT』をチェックしてみてください。そして、ライヴを重ねてきて、この5曲もより熱く深くなってきているし、ぜひライヴに来て生でこれらの曲を聴いてほしいですね。
OKAHIRO:じつは10周年を迎えたタイミングで燃え尽き症候群みたいになったことがあって。僕は10年間、同じバンドで活動したことがなかったし、これで一区切りかなとも思ったんです。だけど、今はまだまだ続けるぞという思いなんです。だから、こっそり曲作りもやっているんです(笑)。
▲左より、RYO(b)、RYUSUKE KAWAMOTO(vo & g)、MAD OHUCHI(ds)、OKAHIRO(g)。photo by Yutaka Umetsu
ミニ・アルバム『I SEE THE LIGHT』
¥2,200(税込) 2023年8月25日
①RUNAWAY TRAIN 14
② I SEE YOUR LIGHT
③RIDE THE TIDE
④FREE BIRD JAM
⑤DON’T BREATH
◎コロナ禍に対してのメッセージを込めた「RIDE THE TIDE」(2022年1月配信)に続いて2023年に発表された5曲入りミニ・アルバム。ハード・ロックン・ロールを基盤に、ファンク的な要素を取り入れた④、メタリックな⑤など、自身達のルーツを消化した骨太サウンドを聴かせてくれる。
■ライヴ予定■
6月21日(土)=新宿ロフト
6月22日(日)=某所
■スーパーブラッド 公式サイト■
https://www.super-blood.com/
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