WeROCK 099 付録CDインタヴュー集〜Risky Melody編

WeROCK 099の付録オムニバスCDに参加したバンドのインタヴュー集を、このWeROCK EYESでもお届けするシリーズ企画。
今回は2024年2月にシングル「いたいいたいあい」でメジャー・デビューを飾ったリスキー・メロディのインタヴューをお送りしよう。

MV「いたいいたいあい」

遊び心と真っ直ぐさと激しさを持った楽曲

——2023年10月にサード・アルバム『Reflection』をリリースしましたが、振り返ってみるとどんな作品でしたか？
ALICE：結成から9年間の集大成になるようなアルバムにしたいと思っていたんです。「Risky Melody」というオープニングの曲は、いちばん最初にリリースした曲で、それをリアレンジして入れたことで改めて“リスキー・メロディがこういうバンドだったんだ”というのを自覚できるアルバムになってるかなって。
HaRU：その前のアルバムである『ESPERANZA』を作った時に、それまでライヴでやってきた曲を詰め込んだいい作品ができたなと思っていたんですね。それを超えられるかという不安はあったものの、お客さんの反応を見てるといいものができたんだなって感じました。
“今のリスキー・メロディはこれだ！”というものが出せたというか、あの時のリスキー・メロディの名刺となるアルバムができたんじゃないかと思ってます。
Asumi：1曲1曲に、作った当時のストーリーが詰まっていて、それまで2年間アルバムを出せてなかったんですけど、その間の思いが凝縮されていて私達的にも“Reflection”になるんです。私が作った「フタシカ」と「Keep on Running」という2曲も、初めて音源に入ったのでうれしかったです。
AYA：インディーズ最後のアルバムということで、リスキー・メロディとして形にしたかったものがギュって詰まったかなと思います。
ayae：ドラムに関しては、これまでのリスキー・メロディに比べて、さらにパワー・アップした音源になってるかなって思いますね。
ALICE：私はオリジナル・メンバーなんですけど、ずっとやってると、自分達がどういうバンドなのかわからなくなることってあるじゃないですか。どういう存在で、どういうものを人に届けられるんだろうって考えた時に、『Reflection』でそれが作れたな、見つけられたなって思うんです。そのあとにメジャー・デビューに進められるのも、自分達自身のことが、よりわかったこのアルバムのおかげかなって。
——2024年2月14日には、メジャー・デビューとなるシングル「いたいいたいあい」をリリースしましたが、そのアルバムのリリース後に制作に取り掛かったんですか？
ALICE：ツアー中に作ってました。「いたいいたいあい」は、相川七瀬さんに作詞して頂くことは決まったものの、カップリングが合計4曲あるわけで（シングルはタイプAとタイプBに分かれている）。その4曲をどういうふうに作ろうかと。
今年で結成10周年になるんですけど、今年のテーマを“愛”にしようと決めたんです。10年間、みんなのいろんな愛のおかげでリスキー・メロディは生き残れたということで、愛をテーマにした曲を書こうと。それで、Asumiも含めて今までリスキー・メロディの楽曲を作ってきてくれた作曲家さんに1曲ずつお願いして、「いたいいたいあい」以外は私が詞を書きました。
Asumi：私の曲は、「記憶の岸辺」というタイプAの2曲目ですね。
ALICE：最初、「アイのカタチ」という曲ができてたんですね。次に「Place of Destiny」という曲が来て……“リスキー・メロディの愛の曲を作るとこうなる”という、それぞれの作家さんが色を出してくれて、Asumiはすごく悩んだ結果、バラードを出してくれてね。最後に、Nickyさんというリスキー・メロディの今の楽曲の方向性を一緒に作ってくれた方が「Love is…」といういちばんリスメロっぽい曲を作ってくれました。「いたいいたいあい」は、もっと前から作られていた曲ですね。
——「いたいいたいあい」は、これまでのリスメロの方向性とは違うと感じたので、いちばん新しい楽曲かと思ってました。
ALICE：違うことをしようと意識してはいました。そもそも相川七瀬さんとやりたいと思ったのも、メジャーということを意識したからなんですね。
ayae：相川七瀬さんというレジェンドというか有名な方にお任せして、どんなものになるのか楽しみだったよね。
AYA：バンドとは関係ないんですが、母がめちゃめちゃ喜んでました（笑）。やっぱり世代なので。曲的には、今までのリスメロのシンセとはまた違う音色で、懐かしいんだけど新しいって思いました。
HaRU：新しいものが来たって感じで、これからが楽しみになりました（笑）
Asumi：相川七瀬さんの世界観ってあるじゃないですか。それが、リスキー・メロディとコラボするとどうなるのかなってワクワクがすごくありました。完成したものを聴いた時は、驚きとともに相川さんの曲だなって感じるものがありました。
——ALICEの歌い方も、これまでとは違いますよね？
ALICE：これまで、ここまで歌謡曲っぽい曲ってなかったんですよ。もっと速いテンポ感で言葉もいっぱい入ってる感じの楽曲が多かったんですけど、ゆったりとしていて、しっかりと日本語が聴こえるロックになってる。相川さんがレコーディングにも立ち会ってくれてディレクションして頂いたんですが、私のクセを取るところから始めて。相川さんの中で歌詞に出てくる主人公の像があって……たとえば、私のクセとして語尾でシャクったりヴィブラートをかけたりするのがあるんですが、そうすると女々しくなるのでやめようと。もっとブレないように歌ってほしいとかアクセントの位置などもけっこう細かく指示して頂きました。
自分達をアーティストとして“こういうふうに見てほしい”というエゴではなく、ちゃんと曲を伝えること、聴いてもらうことが大切なんだって。そこが難しかったですし、楽しかったですね。なので、今までの歌い方と違うって感じられたのかもしれないですけど、これはこれで相川七瀬さんと一緒に作った主人公の像があるなって思います。
——メジャーになるから変わらなきゃいけないという気持ちもありましたか？
ALICE：変わらなきゃいけないという部分と、変わっちゃいけないという部分もあると思うんですね。それが、けっこう私達の中でのお題でした。もちろん、新しいことに挑戦しようというのはあったんですけど、そうしようとすることによって逆にバンドの価値に気づいてしまったんです。それで、ホントは全曲新しい作家の方とやる可能性もあったんですが、カップリングの4曲に関しては、これまでのリスメロを作って来てくれた作家の方々でやろうとなりました。
HaRU：とはいえ、「アイのカタチ」は新しく入った作家の方の曲で、これが難しくて（笑）。どのパートもたいへんだったと思うんですけど、“この曲は新しい挑戦なりそうです。
Asumi：「アイのカタチ」ではソロも弾いてるんですけど、今までいちばんテクニカルかもしれないんです。レコーディングはいいけど、ライヴでどうしようって（笑）。
ALICE：歌も1曲1曲、テーマによって歌い方を変えたりしました。今回、愛がテーマだったから、同じ愛としても歌い手として曲ごとに色を付けたかったんです。
——今回のオムニバスは、『Reflection』収録曲である楽曲を提供して頂きましたが、これはバンドにとってどういう位置づけの曲になりますか？
ALICE：記憶とか思い出を振り返って嫌なことも辛かったことも楽しかったことも、全部を抱きしめて先に進もうという歌なんです。激しい楽曲でみなさんにも気に入ってもらえると思うし、前向きで力強い曲だと思います。
ayae：イントロのドラムはキックを3連打で入れてるので、そこを聴いてほしいです。
HaRU：リズムの変化も激しいのです。ライヴでも楽しいです。
Asumi：ギターは刻みが多くて、その細かい刻みがバスドラとリンクしていて、聴いてて楽しくなるフレーズがいっぱいあるんじゃないかなって思ってます。自然とヘドバンしてしまうかと。
AYA：そうそう、どう考えてもヘドバンしながら弾く部分があるんですよ。そこも聴きどころですね……って、それは見どころですかね（笑）。
ALICE：遊び心と真っ直ぐさと激しさを持った楽曲ですね。

▲左より、HaRU（b）、AYA（kb）、ALICE（vo）、ayae（ds）、Asumi（g）

アルバム『Reflection』
￥3,300（税込）　2023年10月4日
①Risky Melody
②VOLCANO
③フタシカ
④Keep on Running
⑤銃口に花束を
⑥MIRAGE
⑦To Survive
⑧PHOENIX
⑨ALL AS ONE
⑩Reflection
⑪Endless Dream

◎2023年にリリースしたサード・アルバム。2014年にリリースしたファースト・シングル「Risky Melody」もリアレンジ＆リレコーディングして収録され、インディーズ時代のベスト的な作品となっている。

▲タイプA

▲タイプB

シングル「いたいいたいあい」
徳間ジャパン
￥1,500（税込）　2024年2月14日
【タイプA】（TKCA-75208）
①いたいいたいあい
②記憶の岸辺
③Love is…
④いたいいたいあい Instrumental

【タイプ B】（TKCA-75209）
①いたいいたいあい
②アイのカタチ
③Place of Destiny
④いたいいたいあい Instrumental

◎2024年2月に発表されたメジャー・デビュー・シングル。サウンドの進化に注目だ。

■ライヴ予定■
3月14日（木）＝下北沢ヴォイスファクトリー
3月16日（土）＝青山リズム
3月17日（日）＝下北沢ろくでもない夜
3月20日（水・祝）＝小田原・姿麗人
3月24日（日）＝下北沢ヴォイスファクトリー
3月30日（土）＝仙台ロッカテリア
3月31日（日）＝新潟リヴァースト
4月9日（火）＝稲毛K’sドリーム
4月14日（日）＝下北沢ヴォイスファクトリー
4月15日（月）＝六本木アンラベル
4月17日（水）＝青山リズム
4月24日（水）＝名古屋ホリディネクスト
4月25日（木） & 26日（金）＝心斎橋クラッパー
4月27日（土）＝西九条ブランニュー
4月30日（火）＝青山リズム
5月1日（水）＝下北沢ヴォイスファクトリー
5月2日（木）＝渋谷13会場サーキット・イヴェント
5月31日（金）＝青山リズム
7月18日（木）＝青山リズム