ケリー・サイモンがマーシャル Studioシリーズを完全制覇!!

20Wのフル・バルブ・モデルとして好評のStudioシリーズに加わったJTM!
試奏動画連動という形で、ケリー・サイモンにこのモデルを試奏してもらったが、その続編となるのがこの企画だ。
超絶試奏第2弾として、ケリー・サイモンによる“Studioシリーズ 完全制覇”をお届けしよう!


ケリー・サイモンによるStudio JTM試奏動画


マーシャル Studio Vintage Sv20H
¥176,000(税込)

【仕様】
●出力:20W/5W
●真空管:ECC83(プリ管)×3、EL34(パワー管)×2
●チャンネル:1=ハイ・トレブル/2=ノーマル
●コントロール:ラウドネス1、ラウドネス2、トレブル、ミドル、ベース、プレゼンス
●入出力端子:ハイ・トレブル高感度入力、ハイ・トレブル低感度入力、ノーマル高感度入力、ーマル低感度入力、エフェクト・センド/リターン、DI出力、スピーカー・アウト×5(16Ω×1/8Ω×2/4Ω×2)
●外形寸法:500(幅)×240(高さ)×230(奥行き)mm
●重量:9.25kg

マーシャル Studio Vintage SV20C
¥198,000(税込)

【仕様】
●出力:20W/5W
●真空管:ECC83(プリ管)×3、EL34(パワー管)×2
●チャンネル:1=ハイ・トレブル/2=ノーマル
●コントロール:ラウドネス1、ラウドネス2、トレブル、ミドル、ベース、プレゼンス
●入出力端子:ハイ・トレブル高感度入力、ハイ・トレブル低感度入力、ノーマル高感度入力、ーマル低感度入力、エフェクト・センド/リターン、DI出力、スピーカー・アウト×5(16Ω×1/8Ω×2/4Ω×2)
●スピーカー:10″ Celestion V-Type×1発
●外形寸法:500(幅)×460(高さ)×255(奥行き)mm
●重量:15.85kg

 

——前号に続いて、今回はこれまでに発表されているSTUDIOシリーズを試奏して頂きました。まずは、ケリーさんの愛機である1959モデルを再現したSV20Hはどうでした?
ケリー
:思った以上にモダンなトーンが作れました。イメージ的にはJTM(STUDIO シリーズ)が僕が使ってるマーシャル(1959)に近い歪みで、SVはもっと用途の広いジャンルで使える音でした。想像以上にハード・ロック/ヘヴィ・メタルでも使える音で、僕のマーシャルよりもモダン感があります。
もしヴィンテージ感を求めているなら、JTMのほうがいいのかもしれないし、JTMよりも扱いやすくて進化してる印象です。どちらかというと800に近い歪みで、かと言って1959っぽさが損なわれているわけではなく、このアンプにしか出ないトーンがあります。1959よりも、50Wの1987のほうが歪むので、そっちに近いかもしれないですね。
——コンボのSV20Cと違いは感じました?
ケリー
:基本的にコンボのほうが、自宅練習では弾きやすいイメージですね。少しマイルドになるというか。
音量的には、このコンボで小規模のライヴは充分に対応できますね。好みにもよりますが、100Wに近いトーンを求めているならSV20H、単純にこのトーンを求めているのであれば、どちらでもいいかなと思います。
——ケリーさんのイメージとしてはSVだと思うんですが、もしSTとどちらかしか使えないとしたら、どちらを選びますか?
ケリー
:どちらかしか使えないんですか(笑)? 迷いますね〜。より自分のテクニカルな部分を出すならSVになるんですけど、ギタリストとしてニュアンスを幅広く出そうとするならJTM(ST)ですね。すごくニュアンスが出しやすいんです。これだけクリーンがキレイに鳴ってくれると、いいですよね。他のSTUDIOシリーズよりもフェンダーのトーンに近いというか、JTMにしかないクリーンがありました。

▲全STUDIOシリーズ共通の20W/5Wの出力切り替えが可能なスイッチ。スタンバイ・スイッチのところで切り替える

▲4インプット・マーシャルならではのリンクも可能。しかし、ケリーはあくまでも行なわないとのこと!

▲SVモデルは、ゴールド・ロゴが渋い!

▲SV20C(右)とSC20Cのリアを比べてみた。両方とも、ハーフ・オープン・バックだが、その開き方に違いがある点に注目!

■Kelly’s setting

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SV20Hでのケリー・セッティング

▲SV20Cでのケリー・セッティング


マーシャル Studio Classic SC20H
¥176,000(税込)

【仕様】
●出力:20w/5w
●真空管:ECC83(プリ管)×3、EL34(パワー管)×2
●チャンネル:1
●コントロール:プリアンプ・ヴォリューム、マスター・ヴォリューム、トレブル、ミドル、ベース、プレゼンス
●入出力端子:ハイ・インプット、ロー・インプット、エフェクト・センド/リターン、DI出力、スピーカー・アウト×5(16Ω×1/8Ω×2/4Ω×2)
●外形寸法:510(幅)×240(高さ)×240(奥行き)mm
●重量:9.4kg

マーシャル Studio Classic SC20C
¥198,000(税込)

【仕様】
●出力:20w/5w
●真空管:ECC83(プリ管)×3、EL34(パワー管)×2
●チャンネル:1
●コントロール:プリアンプ・ヴォリューム、マスター・ヴォリューム、トレブル、ミドル、ベース、プレゼンス
●入出力端子:ハイ・インプット、ロー・インプット、エフェクト・センド/リターン、DI出力、スピーカー・アウト×5(16Ω×1/8Ω×2/4Ω×2) ●スピーカー:10″ Celestion V-Type×1発
●外形寸法:500(幅)×460(高さ)×255(奥行き)mm
●重量
14.55kg

 

——続いて、“JCM800 2203”をベースに開発されたSCシリーズですね。
ケリー
:20Wになっているぶん、本物の800よりパワーが出しやすく歪みやすくなってます。800って、そうとう音量を上げないと歪まないじゃないですか。それがマスター・ヴォリュームが6ぐらいで充分な歪みが得られるかなと。
歪みのポイントは、マスターとプリアンプ・ヴォリュームで、マスターを下げたらプリアンプを上げるのがいいですね。たとえば、マスターを10にするとしたら、プリアンプは5〜6ぐらいで充分です。トーン的には、ハイが出るのでプレゼンスとトレブルの使い方がポイントになります。
800って、あの時代のマーシャルにするとキンキンなハイが出るイメージがあったじゃないですか。それを抑えるのにボスのOD-1とかをカマせて中域を押し出したりするセッティングがハヤったんですよね。そういう意味でも、このぐらいハイが出てくれるのは800ならではです。コンボのほうが、ややハイが抑えられてるイメージで弾きやすい感じがしました。SVと同じで、コンボのほうが扱いやすいと感じるギタリストが多いのではないですかね。ライヴではスタックがいいけど、自宅で楽しむならコンボでも充分かなと。
——歪みぐあいはどうですか?
ケリー
:ブースターなしでも、けっこういけますね。5Wの出力にしても、ほとんどトーンは変わらなかったです。
マスター・ヴォリュームが付いてるので、小さな音でも楽しめるという利点があるんですけど、僕はマスターを8ぐらいにして弾きたくなりますし、リードを弾くにはブースターが欲しくなる歪みですね。バッキングとかなら、なしでも充分です。

▲STUDIOシリーズ最大の特徴は、プリ部もパワー部も真空管を搭載しているところだろう。
デジタルでは出せないアナログならではの音圧と空気感が得られる

▲本物の(!?)JCM800(下段)と比較すると、サイズ的にはこのとおり。
キュートなヴィジュアルに感じるが、音もキュートかと思ったら度肝を抜かれる!?

▲SCモデルにはマスター・ヴォリュームを搭載。これにより、低めの音量でも適度な歪みを得ることが可能となっている。
5Wモードと組み合わせれば、自宅でも心地いい歪みが得られるぞ!

■Kelly’s setting

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SC20Hでのケリー・セッティング

▲SC20Cでのケリー・セッティング


マーシャル Studio Jubilee 2525H
¥176,000(税込)

【仕様】
●出力:20w/5w
●真空管:ECC83(プリ管)×2、ECC83(フェイズ・スプリッター)、EL34(パワー管)×2
●チャンネル:クリーン/オーバードライブ
●コントロール:アウトプット切り替えスイッチ、プレゼンス、ベース、ミドル、トレブル、アウトプット・マスター(プルでオーバードライブ・チャンネル)、リード・マスター、インプット・ゲイン(プルでリズム・クリップ)
●入出力端子:インプット、フット・スイッチ・イン、エフェクト・センド/リターン、DI出力、スピーカー・アウト×5(16Ω×1/8Ω×2/4Ω×2
●外形寸法:510(幅)×232(高さ)×220(奥行き)mm
●重量:10kg

マーシャル Studio Classic SC20C
¥198,000(税込)

【仕様】
●出力:20w/5w
●真空管:ECC83(プリ管)×2、ECC83(フェイズ・スプリッター)、EL34(パワー管)×2
●チャンネル:クリーン/オーバードライブ
●コントロール:アウトプット切り替えスイッチ、プレゼンス、ベース、ミドル、トレブル、アウトプット・マスター(プルでオーバードライブ・チャンネル)、リード・マスター、インプット・ゲイン(プルでリズム・クリップ)
●入出力端子:インプット、フット・スイッチ・イン、エフェクト・センド/リターン、DI出力、スピーカー・アウト×5(16Ω×1/8Ω×2/4Ω×2
●スピーカー:Celestion G12M-25 ×1発
●外形寸法:490(幅)×475(高さ)×280(奥行き)mm
●重量:19kg

 

——そして、87年に発売されたシルヴァー・ジュビリーをベースにした2525Hはいかがでしたでしょう?
ケリー
:このモデルは、インプット・ゲイン、リード・マスターにアウトプット・マスターと出力のコントロールが多彩なんですけど、音はほぼ決まってるというモデルだと思いました。独特なミッド・レンジに個性があって、誰が弾いても“あの音(スラッシュ)”が出てしまう(笑)。レスポールが似合うというか、たぶん相性がいいんじゃないですかね。ハムバッカーに合う気がします。
——おすすめセッティングでは、ヴォリューム類をプルしないセットでした。
ケリー:それでも充分に歪んでくれたし、それぐらいのほうが僕には隙間があってよかったです。もちろんリードの時に、プルするのもありだと思いますが、バッキングならこのほうが粘り気が出やすかった。
——他のSTUDIOシリーズと、歪みの質も違うように感じましたね。
ケリー
:中域に特徴があるので、むしろレンジが狭めに感じるんですけど、そのぶんバンドで音を出した時に埋もれないトーンだと思います。そこがギタリストとしていちばん重要な部分ですからね。
プレゼンスが重要と思ってるのは、実際には聴こえないかもしれない帯域なんですけど、ミドルをちゃんと残すためにあるレンジなんです。ただ、このジュビリーに関しては、ミドルに特徴があるので誰が聴いてもその部分は残ってくれます(笑)。ふつうのアンプには、ここまでのミドルはないので、そこに個性を出してると感じました。ここまで弾いてすぐにわかる音というのは、ジュビリーならではですよね。
——コンボのほうはどうでした?
ケリー
:他のシリーズと違って、コンボのほうがモダンになった感じなんですよ。他のシリーズはコンボのほうが高域がまろやかになるイメージだったんですけど、ジュビリーはコンボのほうがハイが出ますね。一段階、モダンになってるというか。リイシュー・モデルの“2555X シルヴァー・ジュビリー”に近いと感じました。
リイシューって、やはりヴィンテージより新しい音がすると思うんです。そういう意味では、どのSTUDIOシリーズであっても、元のモデルよりどこか新しいトーンを感じるんですけど、それは高域の部分だったりするんですね。それがスタックよりコンボになると高域が落ち着く印象でしたが、ジュビリーはスタックのほうが落ち着いた高域になっていて、むしろオリジナルのジュビリーに近いのかなって思います。まあ、もしかしたら、今回、試奏させて頂いたモデルは新しいので、弾き込めばハイが落ち着いてくるのかもしれないですけどね(笑)。

■Kelly’s setting

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2525Hでのケリー・セッティング

▲SC20Cでのケリー・セッティング

▲アウトプット・マスターをプルすることで、オーバードライブ・チャンネルに切り替わる。
また、インプット・ゲインもプルすることでリズム・クリップが起動する

▲20Wといえども、真空管は、プリにECC83×2本、パワーにEL34×2本と、100Wのジュビリーと同じタイプを搭載している点にも注目だ


——合計8台のSTUDIOシリーズを弾いて頂きましたが、どのモデルでも、やっぱり根底にはマーシャルならではのトーンがありますね。
ケリー
:そうなんですよ。中域もそうなんですけど、プレゼンスの部分にマーシャルっぽさを感じるんです。フェンダーにはなかった高い領域のトーンだと思うんです。この帯域をうまく操ることがマーシャルの醍醐味なんです。ロック・バンドならではというか、大音量のドラム……とくにシンバルなどは、いちばんトレブルが出る楽器じゃないですか。あの音に負けない周波数を出せるのがマーシャルなんです。だから、逆に言うとマーシャルだけで聴くと“ちょっとハイがキツイんじゃない?”という人もいるかもしれないんですよ。
でも、ひとたびシンバルがバーンって鳴ると、そのハイが耳から消えるんです。その時に残る音が、僕はめちゃめちゃいいアンプだと思ってる。他のアンプだとコモってしまったりヌケが悪いなって思うのは、他の楽器とのアンサンブルが原因なんです。現代的な全部を加工して作られてしまったデジタルの音では、そこはわからないんですが、その部分まで再現してくれるのがマーシャル・アンプですし、このSTUDIOシリーズもしっかり受け継いでいますね。“シャー”ってノイズが出ると言われるけど、それだけトレブルが出てるんです。あれをカットしたらコモるだけなんでね。今どきのアンプは、そこを出さないように考えるから、結果的にコモってしまう。あのノイズがあるから、バンドで抜けてくれる音を作ってくれるんですね。STUDIOシリーズは、そういう大切な部分もしっかり継承されていて、サイズがコンパクトになっただけでサウンドは充分マーシャルでした。やっぱり、この独特な抜け感は他のアンプでは得られないですよね。


■関連記事

【試奏動画連動】ケリー・サイモンがマーシャル Studio JTMに迫る!

マーシャル Studio JTM ST20H
¥176,000(税込)

【仕様】
●出力
:20W/5W
●真空管:ECC83(プリ管)×3、5881(パワー管)x 2
●チャンネル:1
●コントロール:ノーマル・ヴォリューム、ハイ・トレブル・ヴォリューム、トレブル、ミドル、ベース、プレゼンス
●入出力端子:ノーマル & ハイ・トレブル・チャンネル×各2、エフェクト・センド/リターン、DI出力、スピーカー・アウト×5(16Ω×1/8Ω×2/4Ω×2)
●外形寸法:500(幅)×240(高さ)×230(奥行き)mm
●重量:9.25kg

マーシャル Studio JTM ST20C
¥198,000(税込)

【仕様】
●出力:20W/5W
●真空管:ECC83(プリ管)×3、5881(パワー管)x 2
●スピーカー:セレッション G12M-65(Creamback 12”)x 1
●チャンネル:1
●コントロール:ノーマル・ヴォリューム、ハイ・トレブル・ヴォリューム、トレブル、ミドル、ベース、プレゼンス
●入出力端子:ノーマル & ハイ・トレブル・チャンネル×各2、エフェクト・センド/リターン、DI出力、スピーカー・アウト×5(16Ω×1/8Ω×2/4Ω×2)
●外形寸法:500(幅)×460(高さ)×265(奥行き)mm
●重量:17.8kg

▲JTM ST20Hのリア・パネル。スピーカー・アウトは、16Ω×1、8Ω×2、4Ω×2を装備。
その他、元祖JTMにはなかったDIアウトや、FXループも搭載(全STUDIOシリーズに搭載)。故きを温めつつ、しっかりと現代のニーズにも対応できるモダンさを兼ね備えている

■マーシャル Studioシリーズの詳細■
https://www.marshallamps.jp/products/amplifiers/studio/


▲ケリー・サイモンズ・ブラインド・フェイス/アルバム『OVERTURE OF DESTRUCTION』
(キングレコード)

◎ケリー・サイモンケリー・サイモンズ・ブラインド・フェイスやソロとして活躍。“超絶”と称されるテクニックで注目を集める。最新作はアルバム『OVERTURE OF DESTRUCTION』(17年4月発表/写真)。現在は、マーク・ボールズとのプロジェクトを進行中。こちらにも期待が高まる!

■ケリー・サイモン 公式サイト■
https://www.kellysimonz.com/