最新のキラー ファシスト & ファシスト・ヴァイスをチェック!
キラー・ギターのプライムに続く代表モデルであるファシストが、劇的進化を遂げた!
さらにはファシスト・ヴァイス・ミルキー・ウェイも23年ヴァージョンとして登場。
その2本を、自らもファシストを愛用するTSP、そして幻覚のギタリストとしても活躍するShuが、愛機とともに比較してくれた。
ルーク篁参謀(聖飢魔Ⅱ)の証言
参謀:魔暦23年(2021年)に。新しくファシストの24フレットができたけど、本活動時にも24フレットのファシストは使っていたよ。
「Maquerade」で24フレットまで使うソロをレコーディングしたんだけど、黒ミサでその曲を弾くためにKG-Fascist Viceのミルキー・ウェイとカメレオンという2種類のギターを作ってもらってね。一昨年に新しくできてきたファシストについては、試してみたら音がよくてそのまま使えるものだった。だから、“いいよな、これ”と言いながら、その年のヴィデオ黒ミサの収録でさっそく使ったよ。
キラーギターズの証言
キラー:Fascist ’23は、先行していたPRIME ’21 THE SPIRITの仕様を盛り込み、木工から組み立てまで日本生産の製品となります。
Fascist Vice Milky Way ’23は、旧Milky Wayから大幅に寸法の変更が入っています。また、EMGなどのピックアップ乗せ換えに対応できるよう、バッテリーのスペースもあらかじめ設けてあります。こちらは木工、塗装は海外で行ない、日本で組み立てている製品になります。ボディが、アッシュからアルダーに仕様変更をする時にメイプルを組み合わせて重量バランスを取りました。
Fascist ’23のピックアップには、ダンカンのカスタム・ハイブリッドを搭載していますが、これはTSPのShuさんが使用していてよさそうだと思ったので採用しました。音は、ハイがくっきりした感じになっているかと思いますね。
KILLER
KG-Fascist ’23
¥オープン
【仕様】
●ボディ:アルダー・トップ+メイプル・バック(3°アングルド)
●ネック:ハード・メイプル、648mm、アシンメトリカルVシェイプ、ディープ・インサート・ジョイント
●指板:エボニー、22フレット
●ピックアップ:キラー LQ-500(フロント)、セイモア・ダンカン TB-16 59 Custom Hybrid(リア)
●コントロール:ヴォリューム、ピックアップ・セレクター、ダイレクト・スイッチ(ヴォリューム・キャンセル)
●ブリッジ:フロイド・ローズ R2
●ボディ・カラー:メタリック・ブルー(写真)、デリシャス・レッド、ギャラクシー・ブラック、パール・ホワイト・イリュージョン
●付属品:キラー ロゴ入りソフト・ケース
▲試奏を担当したShu
もう20年以上愛用させて頂いているファシストが、ボディ材などの仕様を変更してモデル・チェンジした。今回、試奏させて頂いたのは、KG-Fascist ’23とKG-Fascist Vice Milky Way ’23だ。
まずは、僕のカラーでもあるブルーのファシスト・ニュー・モデルからいってみよう。持った感じの重量感は、自分のモデルよりも軽い印象だ。ボディ材が、これまでのアッシュからアルダー・トップ+メイプル・バックの2層構造となったので重くなると予想していたが、以前のモデルより軽量な感じ……と言っても、僕のモデルはサスティン・ブロックやスプリング・ハンガーをクリエィティフィニティ・パーツのブラス・タイプに替えるなどして中低音を稼ごうとしているため、そのあたりもあるのかと思いつつ、それにしては軽くていい。ライヴやリハーサルの長時間だと、重量のあるモデルは疲れるのでね(汗)。
さて、心配なのは、音まで軽くなってないかというところだ。さっそく、歪ませたアンプで鳴らしてみると、おっと、かなりいい音! ピックアップは前モデルから変更されて、リアに僕のファシストでも採用しているセイモア・ダンカンのTB-16 59 Custom Hybridを搭載。このピックアップは、59とカスタムのいいところを取っていてクリアな高域とパワフルな低域を兼ね備えたモデルで(ガルネリウスのほうのSYUから勧められました!)、なんと今回のファシストのほうが高域の抜けが素晴らしくいい。中域と低域のよさはそのままに、プレゼンス部分をスコーンと気持ちよく出してくれているのだ。これは、ボディ材の違いからなのだろうか!? やばい、このモデルに浮気したくなってきた。僕のモデルは、フロイド・ローズのインサート・ブロックやナットのロック・ネジもチタンのものに変更して、その影響で硬めのトーンも出てくれているはずなのだが、比べてみると明らかにニュー・モデルのほうがハイが抜けてくれている。かと言って、失われている部分もないのだ……。
フロント・ピックアップには、キラー・オリジナルのLQ-500を搭載。自分のモデルはダンカンなのだが、こちらのピックアップもフロントながらハイの抜けがよく感じらるので、これはやはりボディ材の違いからくるものだろうか。とにかく、1音1音のツブ立ちがよく、適度なコンプレッション感があって弾きやすい。
さらにヤバイのは、ネックの弾き心地だ。最新の僕のモデルと違い、シン・アンバー(木地着色)というオイル・フィニッシュに近い感触に仕上げられている。好みの差はあると思うが、この感触がたまらなく弾きやすいというか、しっくりくる。
いいことづくめで、これまでのファシストを愛用していた者からするとショックなのだが、ひとつだけ自分のモデルが“勝った!(?)”と思った点を発見。フロイド・ローズがアーム・ダウン方向のみに可動するセッティングになっていた! 自分は、アップも使うので“これなら自分のモデルのほうがいい”と心に言い聞かせて納得させた(アップも可能なセッティングもできるような気もするが……)。
▲ファシスト’23のネック・シェイプは、アシンメトリカルVシェイプというタイプを採用。
Vシェイプに近い握りなのだが、Vシェイプが苦手な人も違和感ないはず
▲ボディ・トップには、6弦を支点に1弦に向かって3度の角度がつけられている。
肘の部分の角度と相まって、たまらなく弾きやすい!
■KG-Fascist ’23の詳細■
https://killer.jp/guitar/kg-fascist-23.html
KILLER
KG-Fascist Vice Milky Way ’23
¥352,000(希望小売価格/税込)
【仕様】
●ボディ:アルダー・トップ+メイプル・バック
●ネック:ハード・メイプル、648mm、シンUシェイプ、セミ・ディープ・インサート・ジョイント
●指板:エボニー、24フレット
●ピックアップ:キラー LQ-500(フロント)、セイモア・ダンカン TB-5 Custom(リア)
●コントロール:ヴォリューム、ピックアップ・セレクター、ダイレクト・スイッチ(ヴォリューム・キャンセル)
●ブリッジ:フロイド・ローズ 1000
●ボディ・カラー:ミルキー・ウェイ・ブラック(写真)、ミルキー・ウェイ・ホワイト
●付属品:キラー ロゴ入りソフト・ケース
続いては、KG-Fascist Vice Milky Way ’23だ。こちらは、ルークさん仕様のMilky Wayをお求めやすい価格に設定したモデルで、ファシストとは大きく異なっている点も多い。
まず、リヴァース・ヘッドで、指板はエボニー、さらに24フレット仕様。リア・ピックアップは、セイモア・ダンカンのTB-5 Customが搭載されており、弾いてみると先ほどのファシストよりも中低域を抑え、より高域に特徴を持ったトーンになっている。ボディ材は同じなので、ピックアップの違いによるところが大きいのだろうか。
ネックの握りもファシストがアシンメトリカルVシェイプに対して、こちらはシンUシェイプを採用。クセがなく、手の大きさに関わらず弾きやすさを感じさせてくれるネックで、ファシストよりも、ややガッチリ感がある握りだ。ブリッジは、ファシストがフロイド・ローズ・オリジナルであるのに対し、こちらはフロイド・ローズ・サウザンドを搭載。このあたりでコスト・ダウンをはかっているのだろうが、見た感じも弾いた感じも、さほど違いがないのに驚かされる。ネックのジョイントがセミ・ディープ・インサートになっていたり、微妙な違いはあるのだが、弾き心地やトーンなど、ほとんど差などなく感じられるクオリティ。さすがのキラー品質だと思えた。
どちらも、1ヴォリューム、ピックアップ・セレクター、ダイレクト・スイッチというシンプルなコントロール類で、高品質なモデルなのは間違いない。24フレットもいいな……。そして、やっぱり新しいファシストが欲しい。
もし、僕が次回のライヴで新しいファシストを持っていたら、“さすがのキラーの音!”と思ってもらえることでしょう(おねだり)。
▲エボニー指板のヴァイス(上)との弾き心地の違いは好みのわかれるところだろう
▲ヴァイスは24フレット仕様!
22フレット弾きギタリストにとってはズルい仕様!?
■KG-Fascist Vice Milky Way ’23の詳細■
https://killer.jp/guitar/kg-fascist-vice-milky-way-23.html