クロウリーがニュー・アルバム『FRIDAY』を発表!

80年代のインディーズ・メタル・シーンを代表するバンドのひとつ、クロウリー。
一時解散するも、2017年8月に劇的復活! 以来、着実に新作のリリースやライヴ活動を重ねてきた。
その彼らが約2年ぶりとなる新作『FRIDAY』を発表した。
WeROCK 097にはリーダーであるHIRO(ds)のインタヴューを掲載したが、そのダイジェスト版をここにお届けしよう。
また、リリースに伴うツアーの追加公演として、12月30日(土)=名古屋ell. FITS ALLが発表されたことも付け加えておこう。

■アルバム『FRIDAY』からMV「DANCE WITH THE DEVIL」


『FRIDAY』でクロウリーの完成形を見せることができた

——新作の『FRIDAY』ですが、制作前にHIROさんが描いていたテーマを教えていただけますか。
HIRO
:正直なところ、テーマを持って制作に入ったわけではないんです。前作の『悪魔がにくい』(2021年12月22日)がミニ・アルバムだったので、間を空けずに作ろうというのはあったんですが、コンセプトは特に設けなかったんです。あと、これまでもそうだったんですが、明確に発売日を決めずに、まずは曲を作っていって、全体像が見えてきたら発売日を決めて、レコーディングに入ったという感じです。
『悪魔がにくい』の時は、僕が入院している時にYouTubeで原曲を見つけて、“あ、この曲をクロウリーでカヴァーするとおもしろい”というところから始まったんですが、今回はまずは曲を作っていこうと。
——その新曲作りはどのような形で進めたんですか?
HIRO
:だいたい、まずKENT(g)とスタジオに入って、いろいろアイディアを練るところから始まるんですが、今回はなかなか浮かばなかったんです。そんな中で、『EVIL BRIDE』(2020年7月)の制作の時、KENTが持ってきた曲があったのを思い出したんですよ。
当時は、岩井(vo)の歌まで入れたデモも作ったんですが、結果的にアルバム全体のバランスをみて外したんですね。でも、あの曲のコード進行とか歌メロを変えるとよくなるんじゃないかという話をして、構築し直して。それが「Living Dead Soldier」という曲です。
——80年代のクロウリーの楽曲を構築し直した曲もあるんですよね。
HIRO
:ええ。でも、古い曲をほじくり返そうという意図ではなかったんです。ただ、80年代に僕が脱退した後にカセット・テープで出していた「Dead Face」とかも最近のライヴでやっているんですけど、お客さんからの反応がいいんですよ。それで、今のクロウリーで練り直して入れてみようとなったんです。
「Dead Face」と「Fridey」、「Freedom」が昔のクロウリーの曲ですね。「Dead Face」はちゃんとした形でリリースされていないし、「Friday」と「Freedom」は作品として世に出ていないので録ってみようと。ただ、当時のままではダメで(笑)。
——前作もそうだったんですが、アルバム全体の流れとしては、新しい側面を感じさせる楽曲からだんだんとクロウリーとしての濃さを感じさせるものになっているなと感じます。
HIRO
:そうですね。そこはこれまでの作品でも目指しているところでもあります。
今回だと「Dance with the Devil」がメイン曲になるんですけど、この曲はクロウリーの中では新しいところを入れているんですね。サビで哀愁のあるメロディはスタンダードなロカビリーのメロディを多少取り入れてたりして、キャッチーになってます。
クロウリーの曲って、なんだかんだ言ってもポップでキャッチーだと思うんです。メタル自体、そういう曲が多いと思いますし、岩井という歌えるヴォーカルがいるので、そこは意識して歌メロを主体にして曲を作っています。だから、今回、過去の曲を構築し直しているんですが、歌メロがいい曲を選んで入れているんです。
もちろん、例外もあって、「The Breath of Life」はKENTのリフが元になっていますね。彼がリフのネタをいろいろ作って持ってきた中に、この曲の元となったリフがあって、“これ、いいじゃん。この続きを俺が作る”という形で完成させたんです。
——アルバム全体としてポイントを挙げていただくとどこになりますか?
HIRO
:こういう言い方が合っているのかどうかわからないんですけど、クロウリーは岩井の歌が入っている以上は歌もののバンドだと思っているんです。“どうだ、このプレイは!?”って、聴く人を演奏で驚かせようというバンドじゃないんです。もちろん、このドラムがカッコいいですねと言われるのは僕としてはうれしいですけど、いちばん大切なのは歌なんです。
次にフィーチャーしたいのはKENTの華やかなギター・プレイ。僕と三芳のリズム隊はタイトかつグルーヴィであること。それが僕の中でのデフォルトですし、アルバム全体のポイントだと思っています。
あと毎度こだわっているのは作品の音質やバランスですね! 今の時代、大メジャーなバンドが酷い音質の作品をリリースしていたりするけれど、ああいうのは本当に信じられない。そして、我々はマイナー・シーンの帝王を目指していないし、メジャーな活動を目指しているんです。そこにまだたどり着いていないのが悔しいですけど、僕らが目指しているのはメジャー感のあるバンド、上質な音楽なんです。『EVIL BRIDE』と『悪魔がにくい』をへて、今回『FRIDAY』を日本語の歌詞をベースに作ってみて、ようやくクロウリーの完成形が見せることができた。満足度は高いし、より多くの人に聴いてほしいと思っています。

▲TAKASHI IWAI(vo)
▲KENT(g)
▲SHUNJI MIYOSHI(b)

▲HIRO(ds)

アルバム『FRIDAY』

DROPOUT MUSIC ENTERTAINMENT
DME-030
¥3,000(税込) 2023年10月13日

①Revived
②Dance with the Devil
③Living Dead Soldier
④The Breath of Life
⑤Trars of the Witch
⑥Breaking the Curse
⑦Dead Face
⑧Friday
⑨Green Manalishi(With the Two Ptonged Crown)
⑩Freedom

■ライヴ日程■
11月10日(金)=大阪・阿倍野ロックタウン
11月17日(金)=池袋エッジ
12月30日(土)=名古屋ell. FITS ALL(追加公演)

■『FRIDAY』と同時に『NOCTURNE』の日本語歌詞ヴァージョンも発表■

アルバム『NOCTURNE -JAPANESE LYRICS EDITION-』

DROPOUT MUSIC ENTERTAINMENT
DME-031
¥3,000(税込) 2023年10月13日

■クロウリー 公式サイト■
https://www.crowley.jp/