レヴ・アンプリフィケーションの2台の歪み系ペダルを試奏!

高品質なアンプやエフェクターで知られる、カナダのレヴ・アンプリフィケーション。そのレヴから2台の歪み系ペダルが登場している。
ともに2種類の歪み系を1台に融合したといえるモデル。それぞれの試奏レポートをお届けしよう!

2機種の試奏動画


レヴ・アンプリフィケーション
Shawn Tubbs Tilt Overdrive
¥オープン

【仕様】
●コントロール:トレブル、ベース、ヴォリューム、ゲイン、ブースト、ティルトEQ、タイト・スイッチ(ハーフ/ノーマル/フル)
●入出力端子:インプット、アウトプット
●電源:9vDC (別売パワー・サプライ)
●消費電流:最小35mA〜
●外形寸法:112(幅)×51(高さ)×113(奥行き)mm
●重量:約379g

まずは、YouTubeチャンネルで数多くのペダルやアンプをレヴューしていることで人気のショーン・タブスがサウンドを監修した“ショーン・タブス・ティルト・オーバードライブ”だ。
一見すると通常のオーバードライブにブースト・セクションをプラスした仕様に見えるが、このモデルはブースト・セクション単体でも使えるので2台の歪み系エフェクトを1台にした、ギタリストにはおいしいペダル・エフェクターだといえる。しかも、右側のブースト・セクションだけでも、かなり良質なブースターとなっているのがうれしい。
さて、まずは左側のオーバードライブ・セクションから。
基本的に、かなり素直なオーバドライブという印象で、歪ませたアンプにブースター的に使うのもよさそうなタイプだ。単体ではゲインをフルにしてクランチになる程度の歪みで、ゲインを上げていくと低域の音圧が増してくるので、ベース・コントロールとのコンビネーションを考えてエディットしていくといい。トレブルはそれほど効くタイプではなくハイの抜けを調整するイメージで、あまりアンプやギターの音を脚色したくないギタリストにはちょうどいいオーバードライブとなっている。
そして、単体でも絶品なのが右側のブースト・セクションだ。
ティルトEQとタイト・スイッチで音抜け感と音圧が調整できる。左セクションをオンにしなくても、ブースト・セクションでオーバードライブしたアンプに使うと、かなり良質なトーンでブーストしてくれるのだ。ティルトEQは左に回していくとザクザク感が増していくようだ。ブーストを上げていくとベースも増えていくので、クリーン・ブーストなのだがタイト・スイッチとティルトEQとの組み合わせで、かなり抜け感と音圧の調整が可能になる。アンプの歪みを大切にするギタリストにはありがたいブースターではなかろうか。
さて、このペダルは、もちろん両方を同時にオンすることが可能なので、どちらも良質なのでなかなか使い方に困る(!?)。通常、こういったタイプだと、ソロ時にブーストをオンという使い方が多いだろうが、それだけではもったいないほどだ。常時オーバードライブはオン、ソロだけではなく、バッキングでさらに音を前に出したい時にブースト・オンという使い方もいいし、常時ブースト・オンで少し歪みとコンプレッション感が欲しい時にオーバードライブをオンにするとという方法もありだ。両方ともオフでアンプのみの音を使用すれば、ペダル1台で3つの歪みのテイストが作れるエフェクターとなってくれる。

オススメ・セッティング

オススメしたいのは、2つ同時に使うのもありだが、それぞれ単品で使用するセッティング。
タイト・スイッチはハーフにすると低域がスッキリしてバッキングにもグッドだ!

■Shawn Tubbs Tilt Overdriveが通販で購入可能
◎神田商会オンラインストア
https://store.kandashokai.co.jp/c/gr9812/gr1577/gr1527/00153-00109978
◎御茶ノ水楽器センター
https://www.gakkicenter.com/SHOP/00153-00109978.html

■Shawn Tubbs Tilt Overdriveの詳細
https://www.kandashokai.co.jp/flos/revv_amplification/products/shawn_tubbs_tilt_overdrive.html


レヴ・アンプリフィケーション
Northern Mauler
¥オープン

【仕様】
●コントロール:バイト、ブレンド、グロウル、ヴォリューム、トレブル、ミッド、ベース、ギヴァー
●入出力端子:インプット、アウトプット
●電源: 9vDC(別売パワー・サプライ)
●消費電流:最小20mA〜
●外形寸法:113(幅)×52(高さ)×113(奥行き)mm
●重量:約361g

続いては、これまた北米のサウンド・エンジニアでYouTuber(!?)のグレン・フリッカーがサウンドを監修したディストーションだ。こちらは、左側に80〜90年代のメタル系ディストーション(かなりドンシャリなのでボス HM-2系?)、右にレヴ・アンプのモダン・ハイ・ゲイン・アンプをモデリングした2種類を1台に搭載。そして、搭載されているこの2種類を、好みでブレンドできるという仕様になっている。左のセクションはチェーンソー・サウンドと呼ばれるスウェーデンの暴力的なトーンを作り出してくれ、ここのセッティングが音作りのポイントになるだろう。
まずは、右側のアンプ・セクションを試奏してみよう。右側だけの音にするには、ブレンド・コントロールを右側にフルにする。モダンなアンプをシミュレートしているとのことで、基本的にはかなり現代的なディストーション・サウンドで、GIV’Rコントロール(いわゆるゲイン)で歪みの量を調整するのだが、12時の位置でもハイ・ゲインで心地よい歪みを作り出してくれる。そこから上げていっても歪みの量が増していくというよりも音圧が増えていく印象だ。トレブル、ミドル(MIDSと表記されている)、ベースは、どれもかなり幅の広いイコライジングをしてくれる。トレブルはフルにするとドンシャリ気味な音が作れ、ミドルはセンターより上げるとロー・ミッドがアップし下げるとドンシャリ気味になる。ベースは、かなり低域に効いてくれて全体の音圧に関わってくれる印象だ。左セクションでドンシャリ気味のトーンを足せるので、ここではヴィンテージ系より少しモダンな感じのトーンにしておくのが音作りのポイントだろう。
さて、左のセクションにいってみよう。ブレンド・コントールをいちばん絞ると左のチェンソー・セクションのみの音になる。右のアンプ・セクションの音がないとトーンが作りにくいと思いきや、ここだけでもしっかりとディストーション・サウンドが作れる。アンプをクリーンにして試奏しているのだが、名機HM-2系エフェクトを連想させてくれるドンシャリなディストーションだ。
BITEは高域を調整するコントロールで、コントロールの幅が広すぎるぐらい広い! それは中低域を調整するGROWLも同様で、いちばん絞った時とフルの時のトーンの違いがすごすぎる。センターの位置から適度に調整するのがオススメだろう。なお、ヴォリュームとGIV’Rコントロールは左右両方のマスター的にかかるので、左右のセクションを決めてブレンド・コントロールで混ざり具合を調整してから決めるのもありだ。GIV’Rコントロールはアンプ・セクションの時に決めてしまえば、それで行けそうだ。
最初に紹介したティルトと比較すると、こちらはアンプをクリーンにしてこのペダルだけで音を作り込むのに適してる印象。どんなアンプでもクリーン・セッティングにしてこのペダルを接続すれば、いつでも自分好みのディストーション・サウンドを出してくれる良質なディストーション・ペダルと言えるだろう!

オススメ・セッティング

▲アンプをクリーンにセッティングし、モダンなメタルをプレイするのに最適なセッティング。
バイト・コントロールがポイントだ

使用するセッティング。
タイト・スイッチはハーフにすると低域がスッキリしてバッキングにもグッドだ!

■Northern Maulerが通販で購入可能
◎神田商会オンラインストア
https://store.kandashokai.co.jp/c/gr9812/gr1577/gr1527/00153-00110201
◎御茶ノ水楽器センター
https://www.gakkicenter.com/SHOP/00153-00110201.html

■Northern Maulerの詳細
https://www.kandashokai.co.jp/flos/revv_amplification/products/northern_mauler.html