キラー エクスプローダーの破壊力!!
キラー・ギターの代名詞である高崎 晃(ラウドネス)シグネイチャー・モデル“プライム”。
その形状を継承しつつ、価格を抑えたモデルという印象なのがエクスプローダーだ。
現在は第2形態としてモデル・チェンジ。さらには、メタラーなら思わず目を奪われるブラック仕様のBIBも登場した。そのBIBを中心に、エクスプローダーの魅力に迫ってみよう!!
合わせて、TSPのShuによる試奏動画もチェックしてほしい!
本日発売WeROCK 095のキラー・ギター企画にて、新型KG-Exploderの試奏をさせて頂きました!
欲しくなる〜!!詳細は、https://t.co/634dd8an01まで!#KillerGuitars#WeROCK#LOUDNESS pic.twitter.com/U2g7nPzXTF
— Shu@TSP (@Shu_gtr) June 15, 2023
現行のKG-Exploder スペック一覧
KILLER
KG-Exploder Ⅱ
¥242,000(希望小売価格/税込)
今回、試奏に用意されたキラーからの刺客は4本のエクスプローダーだ。まずは、基本となるであろうエクスプローダーⅡから試奏してみよう。
いきなりアンプをオーバードライブさせて弾いてみると、とにかく音の抜け感がすごい印象だ。ミッド・レンジを抑え目にして、ハイを強く押し出した感じのトーンで、これはメイプル・ボディが作り出す音色なのだろうか。このモデルはタップ機能を搭載しており、ヴォリューム・ノブをプルすることでシングルコイルになるのだが、それで弾いてみると、さらにシャリーンと高域が際立ってくれるのがわかる。フロント・ピックアップで弾いてみても、まろやかになりすぎず、やはりボディ本来が持ってるトーンの特徴なのかハイの抜けを感じられた。このぐらいハイが抜けてくれると、アンプのプレゼンスはゼロでも充分なほどだ。倍音も気持ちいいほど出てくれる。このトーン……そう、80年代のLAメタルを彷彿とさせる音色といえばわかりやすいだろうか。搭載されているキラー・オリジナルのピックアップであるダイナバイトは、さほどパワーがあって歪むタイプではないようで、PAFなどに近いと感じた。ピッキングのニュアンスをダイレクトに伝えてくれる印象だ。ナローUシェイプのネックは弾きやすく、太くもなく細くもなく誰でも弾きやすいと感じるシェイプだろう。
■KG-Exploder Ⅱの詳細■
https://www.killer.jp/guitar/kg-exploder-ii.html
KILLER
KG-Exploder Musha ’22
¥313,500(希望小売価格/税込)
続いては、前号でも特集させて頂いたMushaだ。
持ってみると、他のエクスプローダーに比べて軽さに驚かされる。こちらはアッシュ・ボディを採用しており、この軽さはライヴなどで有効だし、ずっと弾いていても疲れなさそうだ。さあ、この軽さだと、先ほどのエケスプローダーよりローがなくなってしまうんじゃないかと思いきや……音を出すとビックリ! ノーマルのエクスプローダーよりもミッド・レンジがガツンと来て太い! これは、ピックアップが、新しいキラーのものになっている恩恵だろうか。ローはスッキリしてるので、よりモダンなトーンと言える。ネックの弾き心地などは同様だが、このモデルのポイントは、他のモデルよりエグられたハイ・ポジションだろう。接合部も他のモデルとは違い、とにかく弾きやすくなっている。軽量で扱いやすいのに音はミッドがゴンっとくる。音作りもしやすいし、かなり上質なモデルだ。ノーマルのエクスプローダーⅡに戻って弾いてみると、歪みの強さもMushaのほうがあると感じられた。
▲Musha(左)のみ、ハイ・ポジションのカッタウェイがさらに深く掘られていることがわかる
▲左のMushaのみ、ネックの接続にボディ裏から2点、フロント・ピックアップの下部から1点の計3点止めトライ・ポイント・ジョイントを採用。
その他のモデルは、セミ・ディープ・インサート方式となっている
▲Mushaのみ、ダイレクト・スイッチを搭載している。
瞬時にヴォリュームをキャンセルできるスイッチだが、ヴォリュームをフルにした時よりも音にダイレクト感があるぞ
■KG-Exploder Musha ’22の詳細■
https://www.killer.jp/guitar/kg-exploder-musha-22.html
KILLER
KG-Exploder Ⅱ Flame Top
¥264,000(希望小売価格/税込)
今度は、トップとバックにフレイム・ラミネイトが施されたフレイム・トップ・モデルだ。
その他の仕様はホワイトのモデルと変わらないのだが、試奏に用意されたこちらのモデルはハイが出すぎることなく、ミッドもローも出てくれてフラットな印象だ。同じピックアップなのに不思議。コンプ感もあり、試奏したモデルが、ホワイトよりもピックアップの位置が高くセッティングされていたので、そのためかもしれない。
■KG-Exploder Ⅱ Flame Topの詳細■
https://www.killer.jp/guitar/kg-exploder-ii-flame-top.html
KILLER
KG-Exploder Ⅱ BIB
¥330,000(希望小売価格/税込)
そして、最後は、今回、新登場したBIB!
もう、ルックスがカッコよくて、それだけで魅力的だ。では、音を出してみよう。お! トーンは、いちばんフラットじゃなかろうか。そこにプラスして、ピックアップの違いからか他のよりもブライトというか、各弦の分離がすごくよい。他のピックアップとは一味違い、その倍音感やバイト感がクセになりそうなトーンを出してくれる。なかなか文章で説明するのが難しいのだが、倍音の質感が違うのだ。とくに1〜3弦のブライトさに個性を感じる。音域的には、今回のモデルの中でいちばんフラットと感じるのだが、そこに個性が見えるのだ。フロント・ピックアップは、フロントならではのまろやかなトーンに抜け感も足されており、これまたクセになるトーンだ。このモデルのみ、指板はエボニーを採用。マット・ブラック的なフィニッシュと相まって、かなりインパクトのあるモデルに仕上がっている。インパクトのあるヴィジュアルなので、そちらに目が行きがちだが、サウンド的にもオススメしたい1本といえる。
今回、4本を弾き比べて、音色的には、ハイが強い順にノーマル・エクスプローダーⅡ⇒Musha⇒フレイム・トップ⇒BIBといったところか。とはいえ、弾き手にしかわからないぐらいの差なので、実際に楽器店などで試奏して、その弾き心地やトーンは感じてほしい。間違いなく言えるのは、どのモデルも上位機種であるプライムに匹敵するトーンを持っていた。もちろん、価格を抑えるための努力はあるものの、充分に実戦でも使えるモデルに仕上がっているのだ。やはり、キラーのクオリティは恐ろしすぎる……。
▲BIBのネックはナロウUシェイプを採用。細すぎず太すぎずの絶妙な弾き心地がいい
▲KG-Exploder BIBとKG-Exploder Ⅱ、KG-Exploder Ⅱ Flame Topはヴォリュームを引くことでシングルコイルになるタップ・スイッチを搭載。サウンドの幅を広げてくれる
▲キラー・ギターの特徴でもあるロー・アングル・セッティング。エクスプローダーにも、もちろん採用されている。
このセッティングで弾いてしまうと他のモデルが弾けなくなってしまうほどの弾き心地だ
■KG-Exploder Ⅱ BIBの詳細■
https://www.killer.jp/guitar/kg-exploder-ii-bib.html
キラーギターズの証言〜
スラッシュ・メタルからオールマイティに使えるのがBIBです
キラー:プライム型の普及モデルとして、かつてパイレーツやスタリオンというモデルがありましたが、エクスプローダーはその後継モデルとして開発しました。Ⅱとなり、ネックの着色と表面仕上げが木材が自然に日に焼けた感じのカラーに着色変更したのと半艶仕上げにしてさらっとした手触りに変更しました。また、ボディ厚みが45mmに増えてより全体のしっかり感が増したと思います。
プライムとは、ぱっと見は同じように見えますが、寸法データなどまったく違っていて書ききれないほどです。プライムはフラッグシップ・モデルとしてこだわりが詰まっています。ぜひ楽器店でプライムと弾き比べてほしいです。
BIBは、“スラッシュ・メタルなどで使いたいのだけれどメイプル色のネックではないプライムやエクスプローラー型はないのか?”との意見から製作しました。LACE Alumitoneピックアップは、電池を使用しないパッシヴ・ピックアップですが、ノイズが少なくエフェクターとの相性もいいようです。通常のパッシヴ・ピックアップとは仕組みが異なり、アルミのフレームで弦信号を受けて小さなトランスで増幅する仕組みのピックアップとなります。
BIBは、スラッシュ・メタルなどの刻むタイプのギタリストにお勧めです。変形ギターの部類に入るかと思いますが、わりと基本に忠実なのでオールマイティにも使用できるかと思います。