WeROCK 093 付録CDインタヴュー〜Babbubble編

WeROCK 093の付録オムニバスCDに参加したバンドのインタヴュー集を、このWeROCK EYESでもお届け!
今回は2021年7月に結成された4人組ガールズ・バンドのバブバブルのインタヴューをお送りしよう。

MV「Kiss My Ass」

MV「The Spirit Carries On」


メロディはわかりやすく、音は重く強く!

——ジーナとさきゃもんは、バブバブルを結成する前のバンドで、WeROCK DVDの“バンド向上委員会(仮)”に出場し、メタル・マスターなどに厳しい意見を言われたとか(汗)!?
ジーナ
:いやいや、ありがたい建設的なご意見をいただきました!
私とさきゃもんはグリッター・ティアーズというバンドにいまして、そこをへて“大人の力を借りずにできるところまでやってみよう”と、ふたりでバブバブルを立ち上げました。そこに、同じコンセプトだったり、同じ方向性を目指したいと賛同してくれたふたりが加わって、2021年7月に結成したんです。初ライヴがその年の10月2日だったので、結成して1年ちょっとですね。
——ちょうどコロナ禍と被ってる頃に結成して活動を開始したんだ?
ジーナ
:そもそも、さきゃもん以外の3人は、コロナ禍になってからバンド歴が始まってるんですよ。なので、思うような活動ができないかと言われると、その前を知らないんです。なので、これまでがやり辛かったというよりも、これから本当のバンドの熱さとかよさを知っていく感じかなって。
青柳:もちろん、お客さんとしてライヴは観てきていましたけど、なんか違う世界のものだと思って観ていた感じで、じっさいに自分でやっていても“こうしなきゃいけない”とかプレッシャーがないんです。私が観てきたものと同じかと言えば、今は置かれたステージが違うかなって。
——メンバーには、キャラ設定があるんだよね?
ジーナ
:Rayが“クールヅカ”、青柳が“エキセントリックお洒落番長”、さきゃもんが“酒乱ギャンブラー”、私が“MAXハートきゅるるん”となってます。
——すみません、一個もわからないんですが(汗)。
Ray
:クールヅカというのは宝塚からきていて、メイクとか髪型とかも宝塚に寄せて。
ジーナ:私は、MVを撮ってる時に監督から“きゅるるん”だねって言われて。
さきゃもん:そこから、『ふたりはプリキュアMax Heart』というアニメから持ってきた造語ですね。
青柳は私服からオシャレだし、バンドのヴィジュアル・デザインもやっていて、いちばんファッションに長けてるので、そのキャラクターで。そして、私は、お酒とパチンコが大好きでやらせて頂いております(笑)。
でも、意外と私、マジメで、ライヴはちゃんとやりたいからライヴ前は飲みません!
——そのキャラ設定はありつつ、結成時に音楽的な方向性は決めていたの?
ジーナ
:私とさきゃもんでコンセプトを作り上げていて、メロディはわかりやすく見た目はカワイイ部分を追求しつつ、メタルが大好きなので、そこは譲りたくなくゴリゴリに重い音でできるところはやっていこうと。そこにRayと青柳が賛同してくれて、みんなの知恵を出しつつ出来上がったのが、昨年8月にリリースしたミニ・アルバム『Hello!Bubby!』です。
——とすると、みんなメタル好きで?
ジーナ
:私と青柳ですね。
Ray:私は、ロックは聴いてきましたけど、メタルはほとんど知らなかったんです。どちらかというとアニソンとかが好きで、ただアニソンって激しい曲もあるじゃないですか。なので、メタルを聴かせてもらったら“いいな!”って。
——バンド経験が浅いということは、レコーディング経験も少ない?
ジーナ
:なので、『Hello!Bubby!』の出来も満足できたとは思ってないんですけど、できる限り自分達でやりたくて、レコーディングもミックスもジャケット・デザインも歌詞カードのデザインも全部自分達でやりました。これから作品と一緒に成長していこうと思って、全部、初チャレンジです。
青柳:ジーナが、このためにミックスもマスタリングも勉強してね。
さきゃもん:私は、これまでにもレコーディング経験もあって、ドラムもバンド経験も10年近くあるのでヘタだったらヤバいな〜って。
青柳:私は、YouTubeに弾いてみた動画をアップしていたし、レコーディングも自宅で録ったので、あまり感覚的には変わらなかったかな。バンドをやりたいと思った時期が、ちょうどコロナが始まる頃で、なかなかやれる場所がなかったんです。そんな時に動画を始めて。もちろん、じっさいのレコーディングとは音量調整とか違う部分はありましたけど。
——もともとメタル好きだと言ってたけど、どんなバンドが好きなのかな?
青柳
:ベースを始めた時にいちばん聴いてたのは、ジャンヌダルクです。そこからDIR EN GREYを聴くようになり、海外のメタルに行きました。プレイ的には、90〜2000年代のヴィジュアル系の裏メロ旋律のベース・ラインが大好きで。
ジーナ:そのYouTubeを観て一緒にやりたいと思ったし、ノクターナル・ブラッドラストやメジブレイ、lynch.が好きというのも共通していて、ベースが裏で動くプレイヤーが理想だったんです。
——Rayにとっては、いろいろなことが初めての経験だったのかな?
Ray
:まず、ライヴとレコーディングでも声の出し方が違うと感じていて、レコーディングは初めてだったので、ふだんライヴで出している声をCDに落とし込むのが難しかったですね。
ジーナ:歌録りも自分達でやったので、やっぱり難しくて……。まさに勉強中という感じです。いつも“成長する私達を見てください”って言ってCDを渡してます。外注したらいいものができるのはわかってるし、もちろんそういう意見を言ってくださる方もいるんですが、自分達が出したい音は自分達でやらないとなって思っています。
さきゃもん:メンバーみんな、すごく順応するのが早いんですよ。たとえば、Rayに関して、ライヴで“もっと、こうしたほうがいいよ”っていう周りからのアドヴァイスがあると、ちゃんと飲み込んでそれを活かすスピードが早い。だから、この1年ちょっとの間なのに、しっかりとしたステージができるようになったのかなって。
もっと年数を重ねていけば、すごくいいバンドになるってホントに思っています。じつは、結成当時、もうひとりマニュピレーターのメンバーがいたんですね。
青柳:最初の頃は、同期音はもちろんのこと作曲もしていてくれていて、全体的なサウンド・プロデュースもしてくれてた人だった。ただ、初めてのライヴから2ヵ月後ぐらいに脱退してしまったんですね。その当時は、ジーナが1曲作ったぐらいで、みんな曲を作ったこともなければ同期とはなんぞやみたいな感じだったし、パソコンだけが取り残されていて(笑)。
ジーナ:そこから私達だけで曲を作り始めて、最初の区切りとして当時あった6曲をまとめたのが『Hello!Bubby!』です。
さきゃもん:今は、ベース、ギター、ドラムがそれぞれデモを作ってきて、それをみんなで固めていくという作曲方法に変わり、より自分達で表現した曲を作れるようになったかなって思ってます。
——という最新の曲が、今回の付録CDに収録されていると。
ジーナ
:いや、違います(笑)。あれは、いちばん最初の頃の曲です。いちばんライヴでも盛り上がる曲でね。
青柳:この曲のベースは、サビが3ヵ所あって、全部、フレーズが違うんですよ。自分がコピーしてきてイヤだった経験を、全部、詰め込んでみました(笑)。
さきゃもん:私、コーラスが得意で、叩きながらどんなフレーズでも歌えるんです。サビのコーラスは私なんですけど、歌いながら2バスを踏みつつライドのカップを不規則に叩いていて、そこが聴きどころかなって。そのサビのドラムも地味に難しいことをやってるので聴いてみてください。
ジーナ:バンドを結成して最初の曲だったので、みんなの気合いというか鋭い目つきが入ってるのが見えるんです。それが、みなさんにも伝わるといいなと。聴いて気になって頂けたら、1回、YouTubeを観てください。私、すごい笑顔で弾いてるんですね。笑顔までが自分のギターだと思っているので。
——付録CDを聴いて『Hello!Bubby!』を聴けば、バブバブルの成長ぐあいがわかるのかな?
ジーナ
:私達のガンバろうとしている姿が、ちょっとずつわかってもらえると思います。
青柳:いちばん新しい音源は、昨年末にYouTubeにアップした「Kiss My Ass」なんですけど、それを聴いてもらえれば、より音の進化がわかってもらえるかなと。
ジーナ:まだまだいろいろ模索中ですけど、“メロディはわかりやすく、かわいい見た目だけど音は強く”という部分は曲げずにやっていきたいなって思ってます。4月27日に青山リズムで初めてのワンマンを行ないますので、ぜひ、みんなに観てもらいたいですね。あと、ぜったいに武道館に行くって決めてやってるバンドということを言っときます!

▲左から、さきゃもん(ds)、青柳ナツヲ(b)、Ray(vo)、ジーナ(g)

ミニ・アルバム『Hello!Bubby!』
BBL-001
¥2,500(税込) 2022年8月11日
①(SE) Maximum Overture〜Shooting Stars
②Alive
③Luster
④Puppet
⑤D.A.W.N

結成して約1年半どころか、まだバンド経験も浅いメンバーがいるなか、ミックスやマスタリングまで自分達だけで行なったというミニ・アルバム。ハードなバックにメロディアスな歌が乗るというサウンドを基本に、これだけバンド歴が浅いメンバーが作り出したとは思えない可能性が詰まっている。これがスタートとするならば、末恐ろしい才能を持ったメンバー達だ。

■ライヴ予定■
3月25日(土)=柏サムアップ
4月8日(土)=沼袋セクション9
4月15日(土)=新宿クラブサイエンス
4月27日(木)=青山リズム(ワンマン)
5月6日(土)=新宿ワイルドサイド・トウキョウ

※お詫びと訂正
WeROCK 093のP.4のバンド紹介欄で、青山リズムでのワンマン・ライヴの日程に誤りがありました。
正しくは4月27日です。
読者のみなさま、バンド・メンバー、関係者のみなさまにお詫びし、訂正させていただきます。

■バブバブル 公式サイト■
https://babbubble.aremond.net/