WeROCK 093 付録CDインタヴュー〜BURNING SOUL編

WeROCK 093の付録オムニバスCDに参加したバンドのインタヴュー集を、このWeROCK EYESでもお届け!
今回は、昨年のWeROCK 087のオムニバスCDに引き続き2023年も参加してもらったバーニング・ソウルのインタヴューをお届けしよう。

配信シングル「ハヤブサ 2nd」


コロナ禍の世界観を色濃く反映しています

——2022年のWeROCK 087のオムニバスCDに「ハヤブサ」で参加してもらい、今回は「ハヤブサ 2nd」というヴァージョン違いでの参加ですね。まず、この曲を選んだ理由は?
写楽
:「ハヤブサ 2nd」は配信では発表していたんですが、CDには入れてこなかったんですね。だから、CDで聴きたいという人には喜んでもらえるかなと。今後も、バーニング・ソウルとしてのCDに収録する予定もないですし。
——なぜ、ヴァージョン違いの「ハヤブサ 2nd」を作ったんですか?
写楽
:もともと「ハヤブサ」と「ハヤブサ 2nd」の2パターンを並行して作っていて、先に「2nd」が完成して。先にできたのに、タイトルはなぜか「2nd」ですけど(笑)。狙いとしてはエモいというか速い曲で仕上げたかったけど、ゆるい「2nd」が先にできてね。
真央:曲をバンドでまとめている時に、イメージが2種類浮かんできたんですね。写楽はストレートな感じを求めていたのかもしれないんですが、おしゃれな感じも浮かんできて。それで、先に「2nd」がまとまっていって、まずはこの曲を配信で発表して、MVも作ろうと。勢いのある曲を目指していたから、先に「2nd」を楽器隊として完成させた時、イヤだったかもしれない。
写楽:いや、これはこれでいいじゃんと。で、曲ができたんだから先に発表しようって。歌もハヤブサが飛んでいる感じで悠々と歌っています。
:写楽から最初のアイディアを聴いた時、いい曲だなと。僕は1stというか速いほうの「ハヤブサ」推しなんですけど、どちらの曲もそれぞれ聴く人に響くアレンジができたと思っています。あと、個人的には「2nd」は初めて5弦ベースを使った曲でもあります。
達磨:「2nd」はスローなんですよね、けしてバラードではないけど。で、スローだからこそ、リズム隊はよりタイトにやらないといけないし、そうしないとハヤブサのイメージからズレてしまうと考えてました。ギターに関しては、カッティングを大事にしようと。それで、これまではライヴもレコーディングもレスポール・カスタムばかりだったんですけど、「2nd」ではストラトを使ったし、それが楽しかったですね。
:各パートのフレーズやアレンジは、それぞれに任せられていて、“俺はこう弾きたいけど、お前はどうする?”って感じでやってますね。
達磨:とは言え、僕は会話で意思疎通というよりはフレーズをぶつけ合って、“たぶん、こうじゃないかな”ってお互いを読み合うのが多いかと。読み違えることもあるんですけどね(笑)。悟と真央はよく会話してますけど。
真央:達磨は伝えベタなんですよ(笑)。
——それをまとめるのが写楽さん?
:いや、楽器隊が揉めている時はリーダー(写楽)はいないんで(笑)。達磨と真央が音楽的に揉めた時にその橋渡しをするのが自分なのかなと思っています。それぞれの主張を聞いて、じゃあ俺がこうすればまとまるよねって感じですね。「2nd」はストレートなロックではないですけど、この形に仕上がったのも、達磨と真央がそれぞれをぶつけ合ったからだと思います。
写楽:ちょっと音楽っぽい話になってるよね(笑)? 前回のオムニバスCDに「ハヤブサ」で参加した時、俺、音楽に関係ない話をひたすらしてたから(笑)。まあ、バンドだからメンバーそれぞれがやりたいことをやったほうがいいと思うし、それをまとめるのがバンドですからね。そこだと思います、続くバンドと続かないバンドの違いというのは。ただの遊びだったらケンカして終わるだろうし、そこは仕事じゃないですけどシビアにバンドに向き合ってやらないとダメだと思っています。
——「2nd」にはストリングスの音も入っていますね。
達磨
:僕ですね。シンセを手に入れて、使ってみたいと思ってて。そういうのもあって、「2nd」のアレンジが生まれたのかなと思います。ただ、レコーディングが前すぎて、細かいところを覚えていなくて(笑)。
写楽:レコーディングでギターをいろいろ並べてたし、実際にいろんな音が入っているし、新しいことをやっていると思いますね。
——さっき、悟さんは速いヴァージョンのほうを推しているとのことでしたが、「1st」と「2nd」でお客さんの反応はどうなんですか?
写楽
:この2曲を比べると、「1st」はノリがいいですよね。
真央:「2nd」は同期があるので、ライヴでもクリックを聴きながら叩いているんですが、「1st」はより勢いが出るように叩いていますし。
達磨:「1st」と「2nd」で何が違うかと言うと、ライヴ映えなんですよ。どっちの曲も家で聴いてもカッコいいんですけど、「2nd」は落ち着いて聴ける環境に向いているというか。コロナ禍になって、ライヴそのものも配信になったりしたじゃないですか。でも、それを悲観しててもダメで、音楽自体を好きな人はいっぱいいると思うし、ライヴじゃないところでロックを楽しみたいという人に「2nd」が機能しそうだなと思っています。
写楽:「2nd」もMVも上げているし、ライヴでもみんなに知ってもらえているのは伝わってきますね。あのMV、よくないですか?
真央:撮影の時は、ドローンも飛ばしてね。
写楽:夜明け前から待機して、日の出とともに撮影を開始して。ペスト・マスク(クチバシ型のマスク)もいいし。
——そのペスト・マスクは、やはりコロナ禍に対しての表現なんですか?
写楽
:そうですね。今もそうですけど、曲を作っていた時もコロナ禍でしたしね。それで思い出したんですけど、コロナ禍の前はライヴがたくさんできて、そのステージで起爆剤となるような速くてパワーのあるガツンと来る曲を作ろうというのが、最初だったんですよ。でも、ゆるい感じの「2nd」が先に仕上がってきて、自分は何か違うなあと思いつつも、これもありかと。で、いわゆる「1st」が出来上がってきて、“これだ、これ!”だと思ったのを覚えてます。でも、ガッツリとライヴもできなくって、「2nd」のゆるい感じもいいなと思ったんですよね。
あと、バーニング・ソウルとしてのハードル、クオリティを上げたくて、そのバンド力を上げるために1ヵ月でいい2曲を作って、MVを作るところまで突っ走ろうというチャレンジもあったのを思い出しました。
達磨:コロナ禍の中で作った曲だし、歌詞の世界観もそれを色濃く反映したものになっていると思います。で、俺の記憶が間違ってなければ、「1st」はかなり早い段階でテンポも決めてギターもまとまっていたんですよ。その後、写楽がリハーサルに来れなかった時、「1st」を練り上げている時に、この「2nd」のパターンが生まれてきたんです。で、「2nd」は不透明な現状でも生きていくということを音に反映させたいと思って、ギターだけでなく、鍵盤でもいろいろ練っていたのを思い出しました。
真央:ドラムに関しては、「1st」と「2nd」でやっていることにそんなに差はないんですね。でも、曲として聴いた時に、すごい差があるなと感じるし、それが自分達でもすごいなと思っています。「2nd」はギターやベースのアレンジが違うだけでこんなにも違う。そこを聴いてもらえたらいいなって思います。
:ベースとしては、さっき言いましたけど、5弦ベースを初めて使ったことがポイントですね。“男は4弦だ”と思っていたんですけど、「2nd」には5弦の低音が必要だなと思っていたし、そのタイミングで5弦ベースを入手することができたんです。あと、「2nd」のミディアム・テンポ感が最近は心地いいというか、より感情を込められるんですよね。
真央:ベースは「2nd」のほうがおいしいよね? 5弦が映えるアレンジになったと思っているし。
:5弦はジャマだなと思ってもいるんですが(笑)、今後、バンドの可能性を広げるためにも使っていくと思います。ただ、スラップではなく、あくまでもピック弾きですけどね。そこは譲らないです。
——さて、バーニング・ソウルは25周年とのことですが、今後の予定は?
写楽
:お陰様で25周年です、ありがとうございます。で、ライヴは11月ぐらいまで予定が入っているので、随時発表していきます。25周年だし、それに合わせてリリースもしたいですね。
達磨:制作の面では、まだ明言はできないですが、ライヴ映えのことだけを考えていない、新しい曲も作っています。それがボツにならなければ(笑)、発表していくと思います。
:勢いでバーンという曲だけではなくなってきたし、そこが楽しいんですよ。20代前半の時は若さ一直線みたいなベースが好きだったんですけど、歳をとるのと並行してバンドも曲も自分に寄り添ってきているのが楽しい。ガンガン弾くのも好きですけどね。
写楽:俺が元曲を書くんですけど、そこからのアレンジの方向性は無限なんですよね。楽器隊の3人がカッコいいと思う方向に進んで、それがうまくまとまると世に出ます(笑)。20周年の時は何とも思わなかったけど、25周年はちょっと感慨深いというか、長くやってきたなと思いつつ、まだまだという感じですね。自分だけでやってたら飽きて辞めていたかもしれないけど、まわりがバーニング・ソウルが必要だとかいろいろ言ってくれますしね。

▲上より時計回りで、真央(ds)、達磨(g)、写楽(vo)、悟(b)

配信シングル「ハヤブサ 2nd」
2021年10月2日
①ハヤブサ 2nd

◎2022年のWeROCK 087のオムニバスCDでの参加曲「ハヤブサ」と対を成す「ハヤブサ 2nd」。写楽(vo)は“ゆるい”と語るが、これまでの彼らにはなかった曲調であり、各パートのプレイや歌詞など、全般的に曲の持つ世界観が強く伝わってくる仕上がりになっている。

 

■ライヴ予定■
3月17日(金)=

■バーニング・ソウル公式サイト■
https://www.burningarmy.com/