WeROCK 093 付録CDインタヴュー〜PARADOXX編

WeROCK 093の付録オムニバスCDに参加したバンドのインタヴュー集を、このWeROCK EYESでもお届け!
今回はパラドックスのインタヴューだ。
2月15日に、結成2周年とともにサード・シングル「Day’s eye」もリリースした彼女達の結成から現在まで辿ってみた。

セカンド・シングル「Keep my temper」(short ver.)


「Prologue」はメロディアスでライヴ化けする曲です

——パラドックスは2021年2月に結成されたけど、どういう経緯でこの5人が集まったの?
KAOЯI
:私がガールズ・メタル・バンドを組もうと思い、まずメンバー募集のサイトを通じてSHONOと知り合ったんですね。SHONOと最初のやりとりで、メタリカの曲を叩いているライヴ動画を送ってくれて、めっちゃいいじゃんと思ったんです。その後、陽奈が加わり、ほぼ同時ぐらいにMaikoは知り合いを通じて紹介してもらいました。
SHONO:私はガールズ・バンドを組みたくて、何人かお会いしたんですけど、KAOЯI以外の人とは音楽性が合わなかったんですね。
——その音楽性とは?
SHONO
:海外のヘヴィ・メタルとか昔のメタル・バンドが好きだったこともあって、そういうバンドを組みたくて、そこがKAOЯIちゃんと合ったんですよね。
——もともとツイン・ギターにしたかったの?
KAOЯI
:そうですね。ツイン・ギターで5人編成という絶対的なイメージが私の中にあって。最後にAMANEが入ったという流れです。
——サウンド面での理想は?
KAOЯI
:王道に重きを置いていたし、メンバー募集のサイトでもそういうことを書いてました。で、陽奈はメタルをあまり知らなかったんですけど、ウチらと話していて一緒にやってみたくなったんだよね。
陽奈:そうですね。もともとあまりメタルをかじっていなかったし、ガールズ・バンドって怖いイメージがあったんです。でも、実際に会ってみたら、このキャラだったので一緒にやってみたいなと思って。
Maiko:私はメタルやハード・ロック・バンドをやりたいのに、違うジャンルのバンドをやったりしていたんですね。そういう時に、知り合いからガールズ・メタル・バンドがリード・ギタリストを探していると紹介されて、ちょうどバンドもやってなかったしチャンスだと思ったんです。
KAOЯI:4人が揃ってからAMANEに決まるまで、けっこう時間がかかったよね?
SHONO:何人か会ったよね。妥協したくなかったし。
KAOЯI:私が最初、AMANEとやりとりしてたんですけど、考え方も合うなと思ったし、実際にスタジオに入って歌を聞いてみて、入ってほしいと思ったんです。会った時も意気投合したし。
AMANE:私は、次にやるバンドで最後にしよう、もしパラドックスに加入しない、できないなら音楽を辞めようと思ってたんです。そういう思いをメールでもKAOЯIに伝えていたし、会った時もうざかったと思うんですけど(笑)。
KAOЯI:そんなことなかったよ。
AMANE:私がかけている思いを語って、それでダメだったらもう音楽を辞めようと。だから、最後に入った私ですけど、パラドックス愛はめちゃめちゃあります。
——メンバーそれぞれ、音楽的な背景とか影響を受けた人を教えてもらえる?
SHONO
:私は父親ですね。父がバンドをやっていて、母も楽器屋で働いていて、音楽な家庭で育ったんです。まわりがミニモニとかを聴いている時に、エアロスミスを聴いてたりして(笑)。ずっとハード・ロックが好きで聴いてきて、いちばん好きになったドラマーはシェーン・ガラスですね。
Maiko:私は逆に家にプレイヤーもないような環境だったんですけど、たまたま小学校の時に先生にBOØWYを教えてもらって、カッコいいと思ってギターを始めたんです。そこから、洋楽も聴き始めて、最近だとジーノとかジョン・サイクスとかが特に好きです。
陽奈:私はクラシックのピアノを弾いていたり、中高も吹奏楽部で、ずっと音楽と一緒だったんですね。それで、高校を卒業した時に楽器を続けていないと落ち着かないなと思ったし、吹奏楽でアンサンブルのおもしろさを知ったので、ひとりでピアノというのも物足りないと思ったんです。それで、オーケストラだと気軽に始められないけどバンドならいけると。椎名林檎とか東京事変、シドなどを見て、バンドをやりたいなと。高校の時はトロンボーンを吹いていて低音とか下で支えるおもしろさを知ったので、バンドを組むならベースだなと思ったのが最初ですね。
KAOЯI:私は中学ぐらいの時、母親の影響でルナシーを知って、楽器をやるならギターだなって漠然と思っていたんですね。それで高校の時にクラスの女子がベースを買ったと話してくれて、じゃあ私も買うってノリでギターを買って、文化祭じゃないですけど、お祭りに出るバンドを組んだんです。その頃から重い音楽にも興味が出てきて、アンジェラ・ゴソウ(元アーチ・エネミー)を知ってこんな女性がいるんだとか、チルドレン・オブ・ボドムとか聴いたり、他にもグラインド・コアやデス・メタルとかを聴いたりしてましたね。影響が大きいのはハードコアやメタルコアかと思います。バンドで言うと、バイオハザードとかイン・フレイムスとかですね。
AMANE:音楽が好きだったし、学生の時、クラシック・ギター部に入部したんです。それで、陰陽座のコピー・バンドをやろうという話になって、女性ヴォーカルがいないし、お前が歌えと言われ、やってみたら“けっこうイケんじゃね”ってまわりが言ってくれたのがキッカケで。ただ、ギター・ヴォーカルとかできないというか、どっちか1本しかできないということでヴォーカルになったんです。だから、陰陽座には大きく影響を受けていますね。そして、私の中で大きいのはhideさんです。
——さて今回のオムニバスCDにはセカンド・シングル「Keep my temper」から「Prologue」で参加だけど、この曲のポイントは?
SHONO
:メロディアスな曲でありつつ、パラドックスの曲の中でかなりライヴ映え、ライヴ化けする曲だと思っているんですね。だから、音源で聴く「Prologue」もカッコいいんですけど、ライヴで聴くとまた全然違うんです。「Prologue」を聴いて気に入ってもらえたら、ぜひライヴでも聴いてほしいですね。
Maiko:曲を作った時、最初に本編部分を仕上げて、けっこう時間を空けてからツイン・ギターを押し出したくて導入部分を書いたんです。その導入部分、音源だとイン・テンポなんですけど、ライヴだとSHONOテンポになるんですね。
陽奈:あのイントロはCDとライヴで聴き比べてほしいです。
KAOЯI:この曲、AMANEの歌詞を乗せる時、Bメロのキメを1番と2番で逆にしたんだよね?
AMANE:この曲は、初期からあったんですけど、レコーディングする時に歌詞を書き直したんです。
KAOЯI:それでその歌詞をちゃんと聴かせるためにそうしてね。ただ、逆にしただけだと前後の辻褄が合わないから、じゃあ、ここはこうしようとかけっこう考えて。あと、私自身で言えば、サビとか2番のAメロでガンバっている(笑)。さり気ない感じなので、誰も気づかないかもしれないけど(笑)。
Maiko:私、多フレットのギターを使っているんですけど、ギター・ソロは多フレットの見せ場だと思っているので、聴いてほしいです。
——そして、1月中旬現在、サード・シングルを制作中なんだよね。
KAOЯI
:ミックス作業中です。
——資料には「Day’s eye」はライヴで披露されるやいなや、たちまち高い評価を得たと書いているけど。
KAOЯI
:こそばゆいよね(笑)
Maiko:この曲は、聴いてくれた人が覚えやすいメロディと全体的に壮大な曲調にしたいと思って作りました。
KAOЯI:デモを聴いた時、“メロスピ、持ってきた!”と思った。
Maiko:メタル・バンドならやりたいなと思っていたから。
——もう1曲の「FREAKY CAT」もパラドックスとして意外というか、王道すぎるハード・ロックだよね。
KAOЯI
:ベタですね。B面感というかカップリング曲らしいです。
Maiko:ライヴでやって楽しめる曲です。
——結成して2年、次が3枚目のシングルになるけどアルバムは?
KAOЯI
:もちろん視野に入れてます。
Maiko:この5人だから出せる音があるし、それを大事にしたいですね。
陽奈:5人の中で、ルーツとしていちばんメタルから遠いのが私で、ライヴやレコーディングのたびに新しい発見があるんです。これからもそういう発見があると思うし、その進化を見てほしいですね。
SHONO:ガールズ・メタルを新しく聴く人を増やしたいし、そのきっかけとして幅広く活動していきたいですね。
AMANE:パラドックスだからできるグルーヴ感があるし、そこが他のバンドにない強みだと思っています。

▲左より、KAOЯI(g)、陽奈(b)、AMANE(vo)、SHONO(ds)、Maiko(g)

シングル『Day’s eye』
FLYINGCAT RECORDS
FLCA-0007
¥1,870(税込) 2023年2月15日
①Day’s eye
②FREAKY CAT
③Day’s eye(Instrumental)
④FREAKY CAT(Instrumental)

◎今回のオムニバスCDにはセカンド・シングルから「Prologue」で参加してくれたパラドックス。こちらは最新音源となるサード・シングルの「Day’s eye」。メタリックな疾走チューンの表題曲、そして王道のハード・ロックを彷彿とさせる「FREAKY CAT」とそれぞれ異なる表情を見せてくれる。

■ライヴ予定■
3月12日(日)=西心斎橋ショヴェル
3月26日(日)=磐田市タワーレコード ららぽーと磐田(インストア・イヴェント)
4月1日(土)=上野音横丁
4月22日(土)=浜松・窓枠

■パラドックス 公式サイト■
https://paradoxx.tokyo/