WeROCK 093 付録CDインタヴュー〜FrozeN CakE BaR編
WeROCK 093の付録オムニバスCDに参加したバンドのインタヴュー集を、このWeROCK EYESでもお届け!
第3弾はフローズン・ケーキ・バー。
リリースされたばかりのアルバム『GROWL OF MXTRC』について、さべすとSSBMV、Hirokiの3人が語ってくれた!!
アルバム『GROWL OF MXTRC』トレイラー映像
ロック度強めで満足のいくアルバムが完成!
——昨年にもアルバムをリリースしたし、コロナ禍であっても精力的に音源をリリースしているでしょ? その原動力はすごいよね。
Hiroki:以前から曲を作るペースは早かったんですけど、Arawのラップが加わったことによって音楽性の幅がとてつもなく広がっていて、何をしても新鮮に感じられるんです。
前作『CARNIVAL OF THE DEAD』のリリース・ツアーをへて成長した今、自分達にどんな曲が作れるのか楽しみしかなくて。1年は新曲出さないって決めていたのに、そろそろ少しずつ作り始めようかとなってから、勢い余ってイッキにアルバムができてしまいました(笑)。このメンバーになったからこそのスタイルが確立されて来ているのかなと思います。
ざべす:昨年は、“ホントにこれだけのことが1年で起きたの?”というぐらい、いろんなことがあったんです。メンバーの脱退もあって、SSBMVもベース&ヴォーカルになって……。
SSBMV:ちなみに、昨年、取材して頂いた時は、俺、スクラッチとスクリームでした(笑)。スクラッチするために機材も揃えたんですけど、あっという間にいらなくなりました。
ざべす:SSBMVは、つねにギルメン(ファン)のことを考えていて、それにメンバーのことを安心させるためにも止まらないという思い、今のメンバーでの曲をどんどん増やしていく、という思いがあるんじゃないかなって。
SSBMV:甘かったのは、もともとギタリストだったからベースはいけるだろうと思ったら、ぜんぜん違うんですよ。
ざべす:SSBMVの性格は知ってるので、ちゃんとやってくるだろうとは思っていたんですけど、想像以上にHirokiともリズム的にも合っていて驚かされました。
SSBMV:今はベーシストです。ベースはおもしろいですね〜。
——今回のオムニバスに入ってる楽曲を聴くだけでも、めっちゃいいベースを弾くよね? もともとギタリストだったけど未練はない?
SSBMV:でも、曲を作る時はギターを弾くし、ギターを辞めたわけではないですからね。
ざべす:曲を作ってる時にギターを弾いてると思ったらベースを弾いていて、気づいたらマイクを持って歌ってるという、ひとり何役もやってるんですよ。
——とすると、アルバム『GROWL OF MXTRC』は、ほぼSSBMVの曲?
Hiroki:「BEAT YOURSELF!!」の元ネタは僕ですね。SSBMVの裏技を教えてもらいながら、ストイックにレコーディングしてました(笑)。「Brave」も原曲は違ったような?
SSBMV:そうだね。「OPPAI」は、すでにSNSで人気曲になってるんですけど、じつはこれまでに何度も曲出ししていたのに落選しまくっていた楽曲なんですよ。
——しかし、この短期間で、よく多くの楽曲を作ったり、パートをチェンジしたり、企画を考えたり発想がすごいよね。
Hiroki:曲も企画に関しても、ライヴ本数が多いので、まずはいつも来てくれているギルメンを飽きさせるわけにはいかないんですよね。とはいえステージからの発信だけがすべてだと思っているわけではなくて、フロアのみんあとともに空気を作り上げるのが楽しいんですよ。そのための発想力がズバ抜けているのがSSBMVで、僕はSSBMVを遊びの天才だと思っています(笑)。0を1にするのが得意で、特にギルメンを楽しませようというモードに入った時の発想力は半端ないです。
SSBMV:でもね、俺の曲じゃない「Brave」は、これまでのフローズンにはない方向性で、いいんですよ〜。
——意表をついたバラード的な楽曲だよね? サビでのざべすのヴォーカルが、すごくよかった。
SSBMV:じつは、現在、ざべすの喉が壊れていて……。その壊れる寸前に録ったのが、今回のアルバムなんです。このアルバムを作り終えて、喉がご臨終しました(笑)。
——それだけ、気合いを入れたアルバムだった?
ざべす:今回のヴォーカル・レコーディングに関しては、SSBMVのディレクションがかなり厳しくて……。たぶん、ヴォーカリストざべすとして、より先を見てくれているんでしょうね。これまでと違う部分を出そうとしてくれたのか、たとえば「Brave」のサビ部分はSSBMVも褒めてくれたんですけど、私は、最初、ぜんぜんしっくりきてなくて。
——どんどん進化してるよね? すごくエモーショナルになってる。
SSBMV:そこなんですよ。昔はボカロみたいな感じだったんだけど、今は激情型というかね。
ざべす:レコーディングでも、“ピッチやリズムより気持ちを込めろ”と。“歌詞の意味をちゃんと理解して歌え”って。これまでできてたことが、すべて違ったというか……よりヴォーカリストになるための歌を録れたかなって。
——前作から、そういう部分を垣間見せてたよね?
ざべす:ですね。昔の自分から考えると、まさかこんなヴォーカリストになるとはぜんぜん想像してなかったですけど、これは一緒に続けているメンバーからもらえたものでもあるし、今のメンバーになって得られるものが大きいなって思ってます。
SSBMV:これまでは、ピッチやリズムを気にしすぎてたなって。CDを聴いた時にヘッドフォンをしながらマイクに向かって歌っている風景が見えたんですけど、それがイヤだった。もっとライヴをしている感覚の歌い方のほうがいいから、今まで気にしていた部分を、一回、捨ててもらったんです。改めて、歌詞を理解して歌うことの大切さもわかったし、もともとピッチは悪くないので、感情を込めて歌うことでさらに気にしていた部分もよくなるんですよね。
——これまで以上に、音で勝負しようというのが感じられるよね? これまでは遊び心が多かったじゃない?
SSBMV:そうですね、飛び道具というか。昔のラッパーでは、真っ向勝負が出来なかったというのもあるんですけど、今のメンバーなら音で勝負できるだろうと。
Hiroki:以前は同期に頼っている時もありました。でも、今は余りにも骨組みがしっかりしたというか、SSBMVがベースになってリズム隊がパワー・アップしたことにより、バンド・サウンドをより前に押し出せるようになったと思います。ネタや効果音に頼らなくてもバンド本来の圧力で空間を支配できるんです。
——モダンな方向性だけではなく、懐かしさを感じる部分もあるよね。
SSBMV:ベースのフレーズもそうなんですけど、ギター・リフに関しても、古き良き部分を入れようと思いつつ古臭くならないようにというのが難しかった。
——これまでの代表曲でありリメイク曲である「にゃごや無双」が浮いちゃうほど、他の曲がロックしてるよね?
SSBMV:完全に浮いちゃってますね(笑)。でも、売れる売れないは置いといて、やっぱり楽しいほうがいいなって。
——その楽しさも、以前とは違う方向性に感じたけど?
SSBMV:昔は“遊び”の楽しさで、今は“音遊び”の楽しさですね。
——オムニバス収録曲である「ZGZG」も、いろんな音遊びが考えられてるよね? 1番と2番で展開を変えたりしていても、聴いていると複雑に聴こえない。
Hiroki:同じことを繰り返すくらいならそのセクションは必要ないと思うんです。複雑に感じさせないのはもう……SSBMVマジックです(笑)。
SSBMV:この曲は、このアルバムを作ろうと思った時に最初にできた曲で、これまでのフローズンらしさもありつつ、ロックな部分を前面に押し出したナンバーになってると思います。今回のアルバムのキッカケとも言える曲で、これがあったからこういう硬派な方向のアルバムにしようって思いましたし。
Hiroki:『GROWL OF MXTRC』のリード曲は「ZGZG」になるだろうとメンバーみんな思ってましたが、いざアルバム全曲出そろってみると、そうとも限らないなと(笑)。やっぱり音源を聴くだけでは判断できないんですよね。フローズンはライヴバンドなので、ライヴで演奏してみて微妙と感じてしまったら、平気で1軍と思われる曲でも降格していくので。逆に昇格していくパターンもありますしね。どうなっていくのか楽しみです。
——アルバムでは、ざべすがラップをするところもあって、男性陣とのラップ・バトル的なのも、すごく刺激があるよね?
SSBMV:ジャジーな展開もあったり、ただラップだけじゃないミクスチャーな部分も込めたアルバムになってるかと。今までと違ったロック度強めで満足のいくアルバムが作れました。
ざべす:今、いちばん聴いているのが「Brave」なんですね。まさか、自分の歌がしっくりきてない曲が気に入ってるというのが不思議なんですけど、ライヴでやれるバラードって思えるんです。SSBMVは、遊ぶ楽しさから“音を遊ぶ”楽しさになったと言ってたじゃないですか。もちろん、これまでの楽曲も好きなんですけど、どんどん聴いてもらいたい層を増やすためには受け入れてもらえる楽曲を作らないといけないじゃないですか。そんな楽曲が収録されてるアルバムになってると思います。
▲左より、SSBMV(b)、Hiroki(ds)、ざべす(vo)、なみ(g)、Araw(mc)、
アルバム『GROWL OF MXTRC』
Black dot Records / FCB ENTERTAINMENT
KRGS-0021
¥3,000(税込) 2023年2月18日
①Open Za GROWL
②ZGZG
③tRiCk BaLl
④BEAT YOURSELF!!
⑤OPPAI
⑥HATE
⑦N58M(にゃごや無双)
⑧Brave
⑨burton
⑩MXTRC
◎過去の彼らを知っているならば“別バンド?”と思えるほど、硬派なロック・サウンドを前面に押し出したアルバムだ。本格的なラップを取り入れることで、リンプ・ビズキットっぽさも感じられる。
なお、付録楽曲のみ、TSPのShuがリミックス&ゲスト参加している。
■ライヴ予定■
3月12日(日)=滋賀U☆ストーン
3月14日(火)=広島セカンドクラッチ
3月15日(水)=福山ケーブル
3月17日(金)=長崎スタジオDo!
3月19日(日)=鹿児島スピードキング
3月20日(月)=佐賀ガイルズ/佐賀スピリッツ
3月21日(火・祝)=山口BBB
3月25日(土) & 3月26日(日)=名古屋・柴田アヒル
3月26日(日)=名古屋・柴田アヒル
4月2日(日)=仙台スペースゼロ
4月16日(日)=広島リード
4月30日(日)=名古屋・八事サウンドノート
5月1日(月) & 5月2日(火)=名古屋・今池スリースター
5月3日(水・祝)〜5月6日(日)=名古屋ホリディネクスト
5月7日(日)=名古屋・今池スリースター
6月25日(日)=松山サロンキティ
■フローズン・ケーキ・バー 公式サイト■
http://frozencakebar.com/