Rie a.k.a. Suzakuがブラックスター St. Jamesを試奏!
大型アンプからペダルまで、ロック・ギタリストを刺激する製品を数多く発表してきたブラックスター。
その最新アンプが、このSt. James(セイント・ジェームス)だ。
新たなフラッグシップ・モデルだという、このフル・チューブ・アンプにRie a.k.a. Suzakuが迫った!
Rie a.k.a. Suzakuによる試奏動画
BLACKSTAR
St. James 50 6L6 Head
¥217,800(税込)
【仕様】
●出力:50w / SAG / 2w
●真空管:ECC83 × 2本(プリ管)、6L6 × 2本(パワー管)
●コントロール:ヴォリュームⅠ、チャンネルⅡセレクト、ゲインⅡ、ヴォリュームⅡ、ベース、ミドル、トレブル、リバーブ、出力切り替えスイッチ(50w / SAG / 2w)、マスター・ヴォリューム、スタンバイ・スイッチ
●入出力端子:インプット、スピーカー・アウト、XLRバランスド・アウト、ラインアウト/ヘッドフォン・アウト(CAB RIG切り替えスイッチ付き)、エフェクト・ループ(レベル・スイッチ付き)、フットスイッチ・イン、USB
●外形寸法:535(幅)×259(高さ)×462(奥行き)mm
●重さ:12.8kg
St. Jamesのラインナップ
今回パワー管に6L6を積んだヘッドを試奏紹介しているが、同時に6L6搭載のコンボ、そしてパワー管にEL34を積んだヘッドとコンボ、そしてスピーカー・キャビネットが発売されている。コンボ(¥242,000/税込)はともに12インチ×1発、スピーカー・キャビネット(¥99,000/税込)は2発入りだ。また、EL34搭載モデルと6L6搭載モデル、チャンネルⅠのキャラクターは同じだが、EL34モデルのチャンネルⅡは1960年代のアンプをイメージさせるクラシカルなオーバードライブ・サウンドになっている。
この秋、新たに加わった12インチ×2発のコンボ(¥264,000/税込)。
※写真はEL34搭載モデル。6L6搭載モデルも同時発売
——ブラックスターのアンプを弾いたのは初めてですか?
Rie:そうですね。でも、ウリ・ジョン・ロートのライヴで見たり、ガス・Gが弾いているのは知っていて、ハイ・ゲインなアンプというイメージでした。
——実際のサウンドはどうですか? まず、クリーンのチャンネルⅠから試してもらいましたが。
Rie:すごい素直なクリーンだと感じました。弾きやすいし、音圧もしっかりありますね。EQの効きもハッキリしていて、かなりトーンを変えられます。トレブルはマックスにすると耳に痛いぐらい出てくれます。あと、リバーブもきれいですよね。
——チャンネルⅠのキャラクターは、1960年代のフェンダーのアンプをモチーフにしているようです。
Rie:そのあたりのアンプにあまり詳しくはないんですけど、使いやすいクリーンだと思います。
——チャンネルⅡは、どうですか?
Rie:まず、音が太いなと。チャンネルⅠと同じく音圧がありますね。歪みのキャラクターとしては、マーシャルの太さとも違うし、メサ・ブギーやピーヴィーとかともまた違うと思います。あと、ローがすごく前に出てくる印象を受けました。トレブルをマックスにしてもローが勝っている感じで、EQの効きというところではそこがチャンネルⅠと違いますね。
——チャンネルⅡのヴォイス・スイッチをオンにするとどう変わりますか?
Rie:オンにしたほうが好みですね。オンにすると、歪みの粒が細かくなって、モダンな音になる感じなんです。このヴォイス・スイッチをオン/オフすることで、70年代ハード・ロックっぽいオーバードライブから今のメタルまでカヴァーできると思います。あと、歪み系のエフェクターを使うとしたら、ガッツリとしたディストーションよりもブースターやオーバードライブで味付けする感じがいいと思います。このアンプで基本となる太い歪みが作れますからね。
——50wという出力に関しては?
Rie:充分ですね。マスター・ヴォリュームは半分も上げてないですけど、けっこうなヴォリュームで鳴らせました。個人的には、100wを使うよりも、50wのアンプを一生懸命鳴らすほうがアンプがしっかり鳴っている感じがしますし、ライヴでも充分に使えると思います。あと、出力を3段階で選べるのもいいですね。同じキャラクターのまま、音量が下がっていきます。2wでもしっかりヴォリュームがあります。
——あとは、軽いというのも大きなポイントです。
Rie:重要ですよ、そこ! フル・チューブで、これだけ軽いのはすごいです。以前、持っていたヘッドは重すぎて、持っている時にベルトが切れましたからね(苦笑)。ロゴが光るのもライヴ映えしていいと思います。そういうところも大切なんです。
——他に気に入ったポイントはありますか?
Rie:センド/リターンが付いているのもいいし、Cab Rigという機能でPCとつないで、いろいろなマイクやスピーカーのシミュレート・サウンドが鳴らせるのもいいですよね。試してみたら、マイクによって音の明るさが変わるし、スピーカー・キャビネットも個人的に2発入りが好きなんですけど、その中でもいろいろなタイプが選べます。マイクやスピーカーの組み合わせで、本当に好みの音を作り込めますよ。使ってみたら、マイクは414コンデンサーというのが好みでしたね。こもってもいなくて、ハイもキンキンしていない感じで、いいです。ヘンなデジタルくささもなくて、当たり前ですけど真空管の音がします。宅録に使いたいですね。アンプ本体が軽いからいろいろなところに持ち運びしやすいから、家からスタジオ、ライヴ・ハウスへの移動も楽ですしね。
——どういうギタリストにオススメですか?
Rie:クリーンからハイ・ゲインまで出せるので……でも、しっかりと歪むので、ガツガツとリフを弾くメタル・ギタリストですね。
▲Rieのお好みセッティング。メタルなバッキング・プレイに向いた音作りだ。
試奏動画でも、このサウンドが基本となっている
▲チャンネルⅡには、ヴォイス・スイッチを搭載。オンにするとゲインの量が増しつつ、歪みの粒が細かくなる。
“オンにするとモダンな印象になります”(Rie)
▲クローズド・バックとハーフ・オープンを変えられるキャビネット。マジック・テープで固定されているので、取り外しも簡単。
“開けると音に奥行き感が出ます”(Rie)
世界最軽量を実現した理由
セイント・ジェームスはなぜ、軽いのか? その理由をコルグの担当者が教えてくれた。
コルグ:チューブ・アンプが重い理由として、トランスの存在があります。それで、アンプを軽量化しようとすると、パワー部だけデジタル回路にしたりするんですが、このトランスを新たに開発したことで、フル・チューブでも軽くすることができたんです。
スピーカーも同様に、ネオジウムという磁石を使えば軽くできるんですが、どうしても求める音色にならないんですね。そこで、セレッションとともに新たな軽いスピーカーを開発したんです。フル・チューブならではの音色と軽量というのを両立させたので、Cab Rigを使ってもセイント・ジェームスの持つ、パワー管がサチュレーションする感じが生かせているんです。
さまざまなマイクやスピーカーを選べるCab Rig
セイント・ジェームスにはさまざまな特徴があるが、Cab Rig(キャブ・リグ)は最重要ポイントだ。
これは、新たに開発されたスピーカー・シミュレーターで、付属の無料のソフトを使って、PC上でさまざまなスピーカーやマイク、そのセッティングなどをコントロールできるというもの。基本となるサウンドは、セイント・ジェームス本体で作るので、真空管ならではのトーンを、さまざまなキャビネットで鳴らすという形となっている。今回の試奏でも、Rieが“デジタルくささがない”と語るのは、そのためだ。そのクオリティはWeROCK TVの試奏動画でチェックしてほしい。
左右で違うキャビネットやマイクの使用、マイクの位置や部屋の大きさ、他、好みの音を徹底的に追求できるという宅録派注目の機能だ。
■BLACKSTAR:ST. JAMESが通販で購入可能■
○ミュージックランド KEY
St. James 50 6L6 Head
https://www.musicland.co.jp/fs/musiclandkey/bkstr-st-james-50-6l6-head
St. James 50 6L6 Combo
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St. James 50 EL34 Head
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St. James 50 EL34 Combo
https://www.musicland.co.jp/fs/musiclandkey/bkstr-st-james-50-el34-combo
◎Rie a.k.a. Suzaku:ソロ・ギタリストとしてメタルからフュージョンまでジャンルを飛び越えて活躍中。新たに女性だけのフュージョン・バンドのMuses(ミューゼズ)を結成し、ファースト・アルバム『Muses』をリリースしたばかりだ。
最新作品:『Muses』(ミューゼズ)/2022年10月19日リリース
Rie a.k.a. Suzaku 公式サイト
http://www.poppin.jp/rie_web/
■BLACKSTARについて■
https://w.blackstaramps.com/jp