WeROCK 087付録CDインタヴュー〜SUPERBLOOD編

グルーヴィーなロックン・ロールを聴かせるスーパーブラッド。
彼らが最新シングルの「RIDE THE TIDE」で参加してくれた。
メンバー4人が語る制作秘話をお届けしよう。

コロナを乗り越えようという勇気を与えたい

——久々の新曲リリースですね。この曲は、どのようにして生まれてきたんですか?
OKAHIRO:これまでのように、まずRYOから曲を作ってくださいというリクエストがあって(笑)。
——具体的には、どんなリクエストを?
OKAHIRO:ぶっちゃけるとAC/DCみたいな曲を書いてくれと(笑)。で、自分もAC/DCは好きで通ってきたし、あらためて何かを参考にしようというのはなくてね。
あと、今までスーパーブラッドでいろんなリズムの曲を作ってきたけど、ミディアム・テンポの曲がないねという話になって、そう言われてみればそうかと。それで、ミディアム・タイプで、ライヴでお客さんもみんなで歌える曲を作ろうという感じだった。
——AC/DCが裏テーマなんですね。個人的には、2本のギターの絡みとかがエアロスミス寄りかなとも思ったんです。
OKAHIRO:そういう面もあるのかな。でも、エアロスミスは頭になかった。たしかに、AC/DCはもっとギターがシンプルだもんね。左右のギターで違うことをするっていうのは、狙ったわけじゃなく録りながら自然とそうなっていって。最初はもっとシンプルでAC/DCっぽかったと思う。
——そのデモを聴かれた時、どう感じました?
RYO:僕のリクエスト通りだなと。
MAD:きっちりとしたデモというより、鼻歌みたいな感じだけどね(笑)。OKAHIRO:いちおう、譜面は付けたけどね。
MAD:あ、そうか! 譜面ももらったんだ。ゴメン、ちゃんとしてたわ(笑)。
RYO:そこからスタジオでみんなでまとめていって。
——がエアロスミス寄りかなと思った理由のひとつに歌い出しにスティーヴン・タイラーっぽさを感じたことがあります。
MAD:ああ(笑)。レコーディングで、みんなちょこちょことデモから変えていくんだけど、歌もそうだったね。
OKAHIRO:曲を作った俺としては、その変化も期待しているしおもしろいし、それがバンドだからね。歌メロも作ったけど、レコーディングでどんどん変わるしね。今回もRYU(RYUSUKE)が歌い出した瞬間、これはハマったと思ったし、たしかにエアロスミスっぽいね。
RYUSUKE:あれは狙ったわけじゃなく、曲の雰囲気で自然にああなったんですよ。
OKAHIRO:全体的にはライヴに近いよね。レコーディングしてるとみんなのテンションがどんどん上がっていって、マインドがライヴをやっている感覚になるんだよね。ロックがロールしてて、これが本当のロックン・ロールの姿なんだなって、毎回思う。
——歌詞はRYUさんが書いていますが、テーマは?
RYUSUKE:歌録りは別日だったんですが、その前日がライヴだったんです。で、もともとの予定では、もっと早く歌録りするはずだったんですが、僕がコロナにかかってしまって、歌録りが延期になっちゃったんですよ。
で、入院したりして、そういう精神状態で歌詞が書けなくなって……何かコロナに引っ張られた歌詞にしたくなくて。それで、レコーディング前日のライヴの日まで歌詞を書けなかったんですね。
OKAHIRO:え、そうだったの?
RYUSUKE:そうなんですよ。でも、久々にお客さんの前でメンバーと一緒にライヴができて、“ロックン・ロール!”ってやった瞬間にいろんなものがあふれてきたんですよ。その夜に家に帰って、その勢いのまま歌詞を書き上げて、仮歌も歌ってみんなに送って、レコーディングに入ったんです。
テーマとしては、どうしてもコロナに関係してしまうんですが、第5波とか第6波とかいうじゃないですか。その波をメンバーと応援してくれるみんなで乗り越えていこうというところです。
——各メンバーの押しポイントは?
RYO:新しいベースで録りました。新しいと言っても、グレコのGOBというジャパン・ヴィンテージなんですが、その音が曲にぴったりでいい音で録れたことですね。最近のライヴでも使ってます。
OKAHIRO:RYOがその70年代のグレコのベースを手に入れた時、気合を感じたし、音に出ている。いい音してるよ。ギターはね、やっぱりリフを聴いてほしい。RYOからAC/DCというリクエストがあったので、シンプルでカッコいいリフにしようと。このリフは、シャワーを浴びてる時に思い浮かんで、慌ててシャンプーも流さないまま部屋に戻って、ギターを弾いてそのアイディアを録音したのを覚えてる(笑)。そのリフから広がって、サビも出てきたし。
RYUSUKE:歌は、さっき言ってもらった歌い出しです。ストレートに始まるのではなく、こうした歌い方にすることで楽しんでもらえると思います。
MAD:リズムは得意なパターンなので、すっと録れたんだけど、唯一悩んだのが、バス・ドラムを4つ打ちで入れるか、1拍目と3拍目に入れるかというところ。で、実際にやってみたら4つ打ちにしたら曲が台無しになるなと思って、1拍目と3拍目に入れることにして。
OKAHIRO:いつも通り、最初にMADのドラムと俺のギターから録ったんだけど、ドラムが入った瞬間に、この曲はいけると思ったよ。
——ところで、この曲は1ヵ月前に配信が始まったばかりじゃないですか。その曲で参加してもらって、申し訳ないやらありがたいやらで。
RYO:さっきRYUが言ったんですけど、これまでもいろんな波を乗り越えてきたし、今の困難な状況も読者のみなさんも巻き込んで一緒に乗り越えていきたくて。この曲で勇気を与えることができればうれしいです。

▲左より、MAD OHUCHI(ds)、RYUSUKE KAWAMOTO(vo & g)、OKAHIRO(g)、RYO(b)

■スーパーブラッド 公式サイト■
https://www.super-blood.com/

配信シングル「RIDE THE TIDE」
YCN Records
1月15日
①RIDE THE TIDE

配信されたばかりの新曲で参加してくれたスーパーブラッド。王道のロックン・ロールを下敷きにしつつ、彼ららしいグルーヴで聴き手を鼓舞してくれるナンバーに仕上がっている。4月に行なわれるアースシェイカーとのツアーや6月のイヴェントへの期待も高まる1曲だ。

■ライヴ予定■
4月9日=名古屋E.L.L.
4月10日=大阪・十三ガブ
4月23日=目黒鹿鳴館
6月18日 & 19日=札幌スパイス