WeROCK 087付録CDインタヴュー〜DEATH☆LAND編

大阪を拠点に活動するデス☆ランド。女性ヴォーカルを擁し、ジャパニーズ・メタルを追求する彼らがWeROCKオムニバスCDに初参戦!
ヴォーカルのYATCH熾宰がバンドの歴史とオムニバス収録曲「CYBER EYES」について語ってくれた。

破滅的な状況に立ち向かう、攻撃的な曲です

——まず、デス☆ランドの歴史を簡単に教えてください。
YATCH熾宰:デス☆ランドの建国は、2001年になります。初期の構成員がそれぞれ別のバンドを組んでいて、イヴェントで知り合いになり、天太総帥が中心となって、ジャパニーズ・メタルを指向して新たに立ち上げたのが始まりですね。
——YATCH熾宰と天太総帥がいわゆるオリジナル・メンバーとして活動されてきて、他の構成員がチェンジしてきた感じですね。
YATCH熾宰:そうですね。先日脱退してしまったんですが、ベースのAKIRA少佐も19年ぐらい在籍していたので、ほぼオリジナル・メンバーといえますね。
——YATCH熾宰と天太総帥、それぞれの音楽的なルーツは何になるんですか?
YATCH熾宰:女性ヴォーカリストとして、浜田麻里さんやSHOW-YAになります。洋楽だとキャメロットとかヨーロッパ、MR. BIG、ハロウィンとかです。天太総帥をはじめ、過去のメンバーも含めて、ほとんど全員、聖飢魔が好きですね。もちろん、私も好きです。
——メンバーのことを構成員とされていたり、バンド名も聖飢魔Ⅱの曲名からきているのかなと思いました。
YATCH熾宰:やっぱりわかりますよね(笑)。バンド名は天太総帥が付けたんですが、死ぬ気になれば何でもできるというモチベーションでやるバンドだというところから付けたようです。もちろん、聖飢魔の楽曲からも来ていると思いますが。天太総帥もギタリストとしてジェイル大橋代官を目指しているようですし。
——そして、今回のオムニバスには「CYBER EYES」で参加してもらいましたが、この楽曲自体は2021年11月の襲撃(ライヴ)で限定で発表されたもので、現在は入手できないんですよね。
YATCH熾宰:そうなんです。ベースが脱退する最後の襲撃の時に配布したCDに入っていました。じつは進めていたレコーディングが頓挫してしまい、コロナ禍もあって次はいつ動けるかわからなかったので、AKIRA少佐が作った「TRAGIC ILIOS」とマスタリングまで終わっていた「CYBER EYES」の2曲を収録したCDを配布して。
——なぜレコーディングがストップしてしまったんですか? やっぱりコロナ禍の影響ですか?
YATCH熾宰:いろいろ理由があって……もともと2021年6月が建国して20周年だったので、そこに向けて半年とかその少し前からレコーディングを始めていたんですね。でも、コロナ禍が収まらず、レコ発の襲撃のことも考えると無理して6月にこだわらなくてもいいかとなったんです。だから、ミックスまでは終わってたんですが、時間的な余裕が生まれたのでコーラスを足そうとかアレンジを練り直したりしたんです。それで、コロナ禍も収まりつつあったから再開しようかとなった時に、AKIRA少佐が脱退することになってしまって……。私としては、全体の7割は終わっている感覚なので、ベーシストの件やコロナのこともありますけど、再開したらすぐに完成させられるイメージがあります。
——「CYBER EYES」の作詞作曲のテーマとなっているのは何ですか?
YATCH熾宰:作曲は天太総帥なんですが、破滅的な状況、追いつめられた状況でもそれに向かって立ち向かっていく、攻撃していくということをテーマにしたそうです。そのテーマも、昨日初めて知ったんですけど(笑)。作詞と歌メロは私が考えたんですが、同じような感じです。いつもそうなんですが、天太総帥の曲を聴いて、そのイメージに沿って私が歌詞を書いていて。天太総帥から具体的にこういう歌詞を書いてとかの指示はないんですが、曲のテーマと作詞の内容が外れたことはないですね。
——では、現在ストップしているニュー・アルバムですが、どういう作風になりそうですか?
YATCH熾宰:20年もやってきたので、変化を付けようとなったんですね。それで、今後のライヴも含めて、楽曲の幅を広げるために鍵盤を入れようと。レコーディングを進めている曲もそうですね。近年のライヴでは2名のサポート・ドラマーに代わる代わるお願いしてきたんですが、同期をコントロールできるドラマーにはそれもやってもらって、できないドラマーの時にはキーボーディストも呼ぼうと思っています。まだ、状況は見えないですけど、年内にはリリース、そしてレコ発の襲撃ができればと思っています。
——今回のオムニバスを通じて、バンドのどういった部分をアピールしたいですか?
YATCH熾宰:まず、聴かず嫌いじゃないですけど、バンド名からデス・メタルだと思われることがあるんですね。まあ、逆もあってデス・メタルかと思って聴いたら違うじゃんという反応もあるんですが(笑)。でも、この「CYBER EYES」で、そうじゃないことがわかってもらえると思うし、これから新しくなるデス☆ランドにも期待してほしいです。ジャパニーズ・メタルの全盛期を知らない若い層にも広がってほしいですし、今、ガールズ・メタル・バンドは多いですけど、私達のようなサウンドで女性ヴォーカル・バンドというのは少数だと思うので、注目してほしいですね。

▲左より、AKIRA少佐(b/現在は脱退)、YATCH熾宰(vo)、天太総帥(g)

■デス☆ランド 公式サイト■
http://deathland.o.oo7.jp/

アルバム『新世紀創造伝説』
¥2,500(税込) 2011年6月2日

①TRIUMPH
②VOICE OF HEART
③STORMY…
④DOOMSDAY
⑤TOP OF THE WORLD
⑥ISOLATION
⑦ALICE
⑧DOLL PLANT
⑨AGITATION
⑩I’m ALIVE

今回のオムニバス収録曲「CYBER EYES」は2021年11月に行なわれたライヴで限定で発表されたCDに収録されていたため入手不可。そこで、ここでは彼らのファースト・アルバムを紹介しよう。本作にはメロディックなジャパメタが満載。制作中の次作が待たれる。