WeROCK 087付録CDインタヴュー〜GOLGOTHA編

地獄より出でし神々の楽団——それがこのゴルゴダ。真のデス・メタルを追求し、海外からも評価の高い彼らが2月2日にシングル「Slaves of Metal/生贄の丘へ・・・」を発表した。
そのシングルから「METAL! POWER! METAL! … and POWER!/鋼鉄の掟」で参加してくれた彼らに迫った!

覚悟しろ、ゴルゴダにひざまづけ

——まず、ゴルゴダの歴史について簡単に教えて頂けますか?
タナトス:てめえ、くだらねぇ質問してんじゃねぇよ。そんなことはCDのライナーに書いてあんだよ。
ヘラクレス:タナトス、まあ落ち着け。いきなり堅気の人をビビらすんじゃねえよ。俺達結成までいろいろと複雑な事情あるから、それはCDを買って読んでくれ。そこに書いてないことをひとつ教えてやるよ。俺は「悪路血」(オロチ)って族の3代目総長やっていて、こいつは敵対していた「露武」(ロブ)の親衛隊長だったんだ。
こいつ、素手でケンカ相手の鎖骨を引き抜くのを得意としていて俺のダチが何人も再起不能にさせられたが、じつはギターの名手ってことも噂で知ってたんだ。それでバンドを始動させようとした時にまず頭に浮かんだのがタナトスのギターだった。ある日、天竜川の土手近くを単車転がしてたらタナトスがアコギを弾いていて、聴いたらモービッド・エンジェルだぜ。これで決まったなと。その後でギターを叩き壊してブン投げてたのもよかったぜ。
タナトス:あの日、お前からバンドを組まないかって言われた時のことは忘れてないぜ。くだらねえって一瞬鎖骨に手が伸びたけど、気がついたら握手してた。何度も拳で殴り合ったヤツだから心で通じ合っていたんだろうな。ヘラクレスの目にバーニング・スピリッツを感じたぜ。デス・メタルで天下を取ったら矢沢永吉の『成り上がり』を超えるストーリーになるだろ。ドアの向こうにデス・メタルがあるなら、ドアが開くまで呪い続けるんだ。平成6年6月6日に結成ってことも覚えておけ。
——シングル「Slaves of Metal」がリリースされますが、制作中のエピソードはありますか?
タナトス:レコーディングの時にヘラクレスに弦楽器隊全員がシメられたことかな。“ギターがトガってない”とかいきなりぶん殴ってきたからな。
最初は“音がトガってないのか”と思ってたんだが、ギターの形とか言い出しやがったからクラっときたぜ。おかげで殺気を音に込められたから感謝だな。
ヘラクレス:何事もビシっとしたカッコから入らないと気合なんか入んねえんだよ。それでレコーディングの時、こいつらのギターを見たらどれも角が丸くてイッキに血が噴き出しそうになってボコボコにしてやったよ。
タナトス:そのレコーディングの帰りに俺達弦楽器隊は全員ギターを変えたけどな。
ヘラクレス:次はヴォーカルである俺のレコーディングになったんだが、今度はこいつらが“マイクなんて全然トガってねぇじぇねえか”っていきなりハンマーを手に殴りかかってきやがった。顎の骨が砕けて口の中から血が噴き出したが、そのおかげで無駄な力が抜けて最高のパフォーマンスになったな。最後の曲を歌いきった後にぶっ倒れたが、最高のメンバーが集まったとベッドで痛みにうなされながら思ったぜ。
タナトス:あの後、残りのメンバーで病院に行ったら笑って感謝していたからな。こいつがリーダーで正解だなって改めて思ったぜ。だから血の血判状をその場で書いてゴルゴダへの永遠の忠誠を誓ったってわけさ。
ヘラクレス:ドラマーのポセイドンもドラムなんて丸い楽器叩いていい気になってんじゃねえってお前らリンチしたろ? 気をつけろよ、あいつはまだお前らのこと恨んでいて復讐のチャンスを待っていてナイフを懐に忍ばせてるぜ。
——オムニバスへの収録曲を選んだ理由は?
タナトス:これにはちょっとしたイタズラを仕込んだ曲だからな。聴いたヤツらが狂っちまうんじゃないかって楽しみな曲だからだ。
ヘラクレス:逆回転で再生してみろよ。そうしたら俺達からお前らへのメッセージを聴くことができるぜ。そのメッセージを聴いたら最後、どうなるかは悪魔のみぞ知るだ。覚悟して聴けよ。
——ところであなたたちはコープス・ペイントをしていますが、ブラック・メタルとデス・メタルと混同しているのではないですか?
タナトス:ハハハ、俺達はブラスト・ビートがどうとか音楽スタイルがどうとか、ペイントしているとか、そんなどうでもいいことを超越してデス・メタルをプレイしているのさ。
ヘラクレス:逆に質問するがお前は音楽に何を求めている?
——感動とか興奮だと思います……。
ヘラクレス:普通はそうだろう。だが、俺達はそんな抽象的で甘ったるいものを与えているつもりはない。俺達がお前らに与えるものはもっと現実的で絶対的なものだ。それは“死”だ。だから、俺達が真のデス・メタル・バンドと言えるな。
タナトス:ペイントしている理由は言えねえが素顔じゃ外を歩けないからな。これまでに俺らの素顔を見た人間は何人かいるが、かわいそうなことにそいつらの心臓はもう動いてないぜ。
ヘラクレス:俺達の素顔を知りたければ、それなりのペナルティが必要ってことさ。
——では、読者へメッセージをお願いします。
タナトス:己の運命を呪うんだな。覚悟しろ、ゴルゴダに跪け!
ヘラクレス:悪魔とともにあらんことを。
取材:別府“Veppy”伸朗

▲左より、 Helios “DAVE” AKIRA(Death Guitar)、Poseidon “腐煮鋼” Masuda(Blast DRUM)、Heracles Shunsuke(Death Voice)、Thanatos Naoki(Death Guitar)、Prometheus TANIGAWA(Death BASS)

■GOLGOTHA 公式ツイッター
https://mobile.twitter.com/golgotha_jp

シングル「Slaves of Metal/生贄の丘へ・・・」
SHOTGUN records
SGCD-1012
¥1,320(税込) 2月2日
METAL! POWER! METAL! …and POWER!(鋼鉄の掟)
Biggining the operation(未だ見ぬ夜明け)
Down Picking Warriour(男は黙ってヘヴィメタル)
THE DEVIL WEARS METAL(メタルを着た悪魔)

どこまでが真実か不明な謎めいたバンド、ゴルゴダのシングルだ。資料には“21st SINGLE”とあるのだが、これも打ち間違いなのか本当なのかわからない……。さて音源のほうは、スピード感あふれまくるデス・メタルだが、かなりのテクニック集団というもわかる轟音だ。