WeROCK 087付録CDインタヴュー〜BURNING SOUL編

メロディアスでハードなロックン・ロールで迫るバーニング・ソウル。彼らが3月25日にミニ・アルバム『HAYABUSA』をリリースするが、その新作からタイトル曲で参加してくれた。写楽が語る『HAYABUSA』とは?

ミニ・アルバム『HAYABUSA』から「僕は自由を買いました。」

みんなの心にいるヒーローについて歌ってます

——2021年は、バーニング・ソウルにとってどういう年でしたか?
写楽:新しいことを試しながら、それをライヴでもやっていった感じですね。コロナ禍もあって、お客さんは少ないですけど、反応はいいですよ。
——その新しいこととは?
写楽:メロディを際立たせるようなアレンジだったり、楽曲全体をキャッチーに持っていったり、あとはシンセサイザーの音も入れてみたりというところですね。
——なぜ、そういう変化を付けることにしたんですか?
写楽:踊れる感じの曲や華やかな感じが欲しくなったんですよ。だから、バンドの新しいロゴも蝶を使ったりしてますね。
——そうした新しい方向性はメンバー全員での共通した狙いだったんですか。
写楽:僕がこうしたいと言ったら、みんな付いてきてくれるので(笑)。
——そうした新しい試みは、2021年にMVを公開した「僕は自由を買いました。」と「ハヤブサ 2nd」という2曲の新曲からも感じられますね。
写楽:「HAYABUSA」は2種類のヴァージョンを作って、MVでは今回のオムニバスや3月下旬ぐらいに出す予定の5曲入りのミニ・アルバムには入らないほうのヴァージョンで、“2nd”と入っているんです。なぜ、先に公開した曲が“2nd”なのかというと、こっちのアコースティックなアレンジが2パターン目にできたからで、すぐにMVも作ったんです。
——ミニ・アルバムの制作はまだ終わってないんですよね?
写楽:あと少しですね。すでに配信はしていた曲とかをCDとしては出していなかったのでまとめつつと。前作の『THE ULTIMATE COLLECTION+』を出してから1年半ぐらい出していなかったですから、そろそろCDを出さないといけないなって。
——その新作から「HAYABUSA」でオムニバスに参加してもらいましたが、この曲のテーマは?
写楽:よくぞ聞いてくれました(笑)。“まわりがあきらめているから、自分もあきらめる”という風潮もあるじゃないですか。どこかからヒーローが来てくれないかなとか。でも、そうじゃなくてみんなの心の中にヒーローがいるんだよ、そのヒーローを自分自身で消してしまっているんだぜ”ということを歌っています。コロナ禍で、お客さんも減ったりしているんですが、それをしかたないよと諦めると自分で自分のヒーローを殺すことになるんだろうなと思って。
——一瞬ネガティヴに聴こえるけど、バーニング・ソウルらしい、前向きなメッセージ・ソングですよね。
写楽:そうですね、本質は俺節ですね。説教です(笑)。そういう曲、ウチには多いので。
——作曲面ではどうでしたか?
写楽:いつもアコギでコード進行とメロを作って、細かいところはメンバーに任せるんですけど、「HAYABUSA」も同じでしたね。メンバーを信頼してました。ただ、曲としてはアグレッシヴで、アガるものにしたかったですね。その前に発表した「僕は自由を買いました」とか、ゆるい感じの曲が続いていたので。
——「HAYABUSA」がアグレッシヴになったのは、写楽さんの言う“ゆるい”曲が続いた反動だったんですか? それともミニ・アルバム全体を見据えてのバランスを考えて、激しい曲を作ろうというところだったんですか?
写楽:うーん、どっちだろう。ゆるい曲、柔らかい曲が続いて、そういう曲ばかりだと自分達が飽きるし(笑)、リスナーも同じだと思うので。でも、「ハヤブサ 2nd」もゆるいんですけど(笑)。
——MVで先に公開されている「ハヤブサ 2nd」のイメージで、この「HAYABUSA」を聴くと、そのアグレッシヴというのがわかります。
写楽:ええ。だから、ぜひ聴き比べてほしいし、メンバーのアレンジ力みたいなものも感じでほしいですね。同じメロ、同じテンポ感でもこれだけ違って聴こえるんだよと。ライヴでは、アグレッシヴな「HAYABUSA」でやっていて、MVで「ハヤブサ 2nd」を聴いてもらったうえでも、アグレッシヴなほうが評判はいいみたいです。
——バーニング・ソウルのファンは、やはりアグレッシヴな4人や楽曲を求めているんですかね。
写楽:一概に言えないんですが、例えばパンクやハードコアが元気だった時代は、バーニング・ソウルもそっち寄りだったんですね。で、そうした時から応援してくれる人は最近の曲もいいって言ってくれるんですよ。“何か変わっちゃったね”とか“優しくなったじゃん”とか言われるかと思ったんですけど、根本が変わらないしチャラくてもカッコいいよって言ってくれるんです。24年目に入るんですけど、昔にこの曲が受けたからと言ってそういう曲ばかりやるのも違うし、新鮮さは必要だと思うんです。それに24年の間に、その時代時代に合わせて必要なことを歌い、残してきたと思うので、今回の変化も狙ったというより自然にそうなっているんですよね。
——さっきのメンバーのアレンジ力という点ですが、具体的な方向性は写楽さんが出すんですよね。
写楽:僕からは“グワッとさ”とか“ここはこんな感じで”とか口とか身振りで方向性を伝えてます。あとは各メンバーに任せれば大丈夫なので。まあ、ワンマン・バンドみたいな感じでやってます(笑)。
——そして、今後のヴィジョンですが?
写楽:11月ぐらいまではライヴの予定を立てています。コロナの影響はありますけど、曲を作ってライヴをしてというのは変わらずに続けていきたいですね。「HAYABUSA」の歌詞についての話もそうですけど、リアル・タイムな心情を歌にしてきたし、これからも続けていきますよ。

▲左上より時計回りで、悟(b)、写楽(vo)、達磨(g)、真央(ds)

■バーニング・ソウル 公式サイト■
https://www.burningarmy.com/

ミニ・アルバム『HAYABUSA』
BURNING SOUL
BSKJ-0012 ¥1,800(税込)
3月25日
①HAYABUSA
②生きてる限り
③僕は自由を買いました。
④アザレア」(未発表曲)
⑤ANSWER」

◎パンクなテイストも感じさせるメロディアスなハード・ロックン・ロールを軸にしたサウンドで迫るバーニング・ソウル。前作のセルフ・カヴァー+新曲をまとめた前作以降に配信されたシングルなど5曲が収録されている。メッセージ性の強い歌詞にも注目。