WeROCK 087付録CDインタヴュー〜SLAM CAVALLEY編

京都を拠点に活動しているスラム・キャバレー。彼らがレーベル・メイトのネイキッド・スパイとのコンビネーション・アルバム『DIVE!!』を4月16日にリリースする。
その新作から「ガラスのラビリンス」で参加してくれた彼らを代表してKYOJIが語ってくれた。

コンビネーション・アルバム『DIVE!!』
トレーラー映像

今の僕達にはないメロディアスさがある

——2019年2月発売のWeROCKのオムニバスCDに、バンド復活に合わせて参加してもらいましたが、そこからメンバー・チェンジがあったんですね。
KYOJI:そうですね。当時は4人編成だったんですが、ギターが抜けて、新しく2人が入ってツイン・ギターになりました。
——なぜ、ツイン・ギターに?
KYOJI:復活してからのスラム・キャバレーは、以前と比べて音がラウドになったんですよ。それで、音の厚みを求めてツインにしようと思い、まずKAZUTOがハプニング武田の紹介で加入したんです。ところが、その新しい方向性に前のギターがついてこれなくなって抜けてしまって。で、当時、ネットでもメンバー募集をしていたんですが、そのことを忘れていたんです(笑)。それを見て、SHINGOから連絡が来たんです。YouTubeに上げている僕達の動画なども見て、入りたいと思ったらしくて。ツイン・ギターにすることを諦めた矢先のことでした。狙いどおり、音がぶ厚くなってよかったと思います。
——逆に、90年代のスラム・キャバレーも含めて、変わらない部分はありますか?
KYOJI:やっぱり歌詞ですね。スラム街の言葉をメインに使ったりするんですが、そこは変わらないと思います。
——今のメンバーについて、KYOJIさんから簡単に紹介してもらえますか。
KYOJI:JUNZOはずっと長く一緒にやっていて、音楽性も僕と似ていますね。ポップなパンクや昔でいうビート・パンク、ロックン・ロール……バンドでいうとモトリー・クルーとかが好きなベーシストです。ハプニング武田は、じつはスラッシュ・メタルとかハードコアが好きなドラマーなんですよ。KAZUTOもそうですね。SHINGOは柔軟性があるギタリストだと思います。僕が影響を受けたのは、RCサクセションとかで、日本のロックがベースになっています。
——では、今回のオムニバスへの参加曲「ガラスのラビリンス」は現体制になってから作られた曲になるんですか?
KYOJI:いえ、違うんですよ。スラム・キャバレーは一度、1995年に解散しているんですけど、当時、僕が作っていて、世に出していない曲があるんですよ。その中の1曲です。で、2021年6月にアルバムを出したんですが、それは今のスラム・キャバレーらしいハードな作品なので、今の僕達を知っている人にとっては、今回の「ガラスのラビリンス」は驚くぐらいポップに聴こえると思います。
——ポップというかメロディアスですよね。
KYOJI:そうですね。僕はヘヴィに歌うのも好きなんですけど、メロディを歌いたいというシンガーとしての思いもあったんです。それで、この曲を世に出したいなと。
——古き良きハード・ロックン・ロールという印象を受けました。
KYOJI:まさに“古き良き時代”というか、90年代に作った曲ですからね。
——当時からアレンジした部分はあるんですか?
KYOJI:アレンジというか歌い方ですね。最近はハードな楽曲ばかり歌っていたので、こういうメロディアスな曲が歌いづらくなってたんですよ。当時は歌えていたのに、今は歌えないのが悔しくて、それであらためてヴォイトレに行ったりしたんです。それは、他のメンバーも同じだと思うんです。こういうメロディアスな楽曲を弾けるのか、表現できるのかと。でも、みんなガンバって曲に向き合ってくれました。
——今回の楽曲は、4月にリリースされるネイキッド・スパイとのコンビネーション・アルバムに収録されるとのことですが、なぜそういうアルバムを作ろうと?
KYOJI:まずは、自分達のレーベルとして、それぞれのバンドの存在を広げていこうということなんです。例えば、僕達が地元の京都でライヴをやった時に、お客さんがこのアルバムを手にしてくれると、ネイキッド・スパイの存在も知ってくれる。その逆にネイキッド・スパイが東京とかでライヴをやった時に、このアルバムがあればスラム・キャバレーを知ってもらえるキッカケになると。あと、スラム・キャバレーとしては、2021年の6月に発売したハードなアルバムと比べると、『DIVE!!』には自分達は「ガラスのラビリンス」のようなロックン・ロールやバラードとかいろいろな曲を入れる予定なんですね。そこで、前作とは180度違うメッセージ、スタイルを届けられるかなと思っています。あと、ネイキッド・スパイはヘヴィな楽曲を入れてくるだろうなと思い、そっちに沿うというのもありなんでしょうけど、あえてポップな曲やバラードを、というのもありましたね。聴く側からすると、2バンドともヘヴィだと飽きるかもしれないので。
——その『DIVE!!』から「ガラスのラビリンス」を今回のオムニバス参加曲に選ばれた理由は?
KYOJI:WeROCKのオムニバスって、ヘヴィな楽曲が多いと思うんですね。その中で、いい意味で聴いてくれる人の耳に残せるかなと思ったんです。曲を選ぶのもすんなりいきましたよ。J-ポップやJ-ロックを好きな人にも、この曲や『DIVE!!』を手にしてほしいですね。あと、歌入れがまだ残っているので、レコーディングは終わってないんですけど(笑)、この曲だけでなく、KAZUTOがガンバってくれたのが印象に残ってます。バラードとかポップな曲のギター・ソロもなんなくこなしてくれて。ハプニング武田もそうですね。2人について、新しい面を見た感じがします。

——4月には目黒ライブステーションでレコ発ライヴがありますが、それ以降の予定は?

KYOJI:7月に京都で、金谷幸久さんとのライヴが決まっています。京都以外でもライヴをやっていこうと思っています。

▲左下より時計回りで、JUNZO(b)、SHINGO(g)、KYOJI(vo)、KAZUTO(g)、ハプニング武田(ds)

■スラム・キャバレー 公式サイト■
https://www.slamcavalley.com/

アルバム『DIVE!!』
office V
¥2,000(税込) 4月16日
①MONSTER APPER(inst.)
②ROD 〜fish〜
③ガラパゴス
④WALK IN SADNESS
⑤侍SOUL
⑥1945
⑦マスカレード
⑧流した涙の数だけ
⑨ガラスのラビリンス
⑩DIVE!!
※②〜⑤はネイキッド・スパイ、⑥〜⑨はスラム・キャバレー。⑩はKEN石川(ネイキッド・スパイ)とKYOJI(スラム・キャバレー)のツイン・ヴォーカル曲。

◎オフィスV所属のネイキッド・スパイとスラム・キャバレーのコンビネーション・アルバム。今回のオムニバスには、本作から80年代〜90年代を彷彿とさせるロックン・ロールで参加してくれたが、この『DIVE!!』ではポップな曲やバラードなども聴かせてくれるという。

■ライヴ予定■
4月16日=目黒ライブステーション