【試奏動画連動】おうちで楽器!!〜midori × ヤマハ THR

コロナ禍で、自宅で楽しめるものが話題となっている昨今。
ならばWeROCKらしい“おうちで楽しめるロックな楽器”を特集しようではないか!
まずは、すでに話題となっているヤマハのデスクトップ・アンプを、なんと愛用ギタリストでもあるLOVEBITESのmidoriが紹介してくれた。ヘヴィ・メタルでも充分に使える小型アンプに注目!!
※WeROCK 080の掲載記事より。

■midoriによる試奏動画


ヤマハ THR30Ⅱ Wireless
¥オープン

【仕様】
●出力
30w(15w+15w)/バッテリー駆動時は15w(7.5w+7.5w)
●コントロール:アンプ・タイプ(ギター用15種類/ベース用3種類/アコースティック用3種類/フラット3種類)、サウンド・モード・切り替えスイッチ(モダン/ブティック/クラシック)、ゲイン、マスター、ベース、ミドル、トレブル、エフェクト、エコー/リバーブ、アウトプット(ギター&オーディオ)、タップ&チューナー・スイッチ、ユーザー・メモリー・スイッチ×5、ブルートゥース・スイッチ
●搭載エフェクト:コーラス、フランジャー、フェイザー、トレモロ、エコー、エコー/リバーブ、スプリング・リバーブ、ホール・リバーブ、デジタル・ディレイ※、コンプレッサー※、ノイズ・ゲイト※(※の印がついているエフェクトはTHR Remote上でのみ使用可能)
●入出力端子:インプット、ヘッドフォン・アウト(ステレオ・ミニ・ジャック)、AUXイン(ステレオ・ミニ・ジャック)、USB、DCイン、ライン・アウト(L/R標準フォン・ジャック)
●スピーカー:9cmフル・レンジ×2
●電源:ACアダプター、充電式バッテリー(駆動時間:約5時間)
●外形寸法:420(幅)×195(高さ)×155(奥行き)mm
●重量:4.3kg

上部にあるコントローラー一覧。
アプリを使うと細かいエディットが可能だが、これだけでも充分に音作りが可能だ

 

——自宅でTHRを使用しているそうですが、最初に手にした時の印象を覚えてますか?
midori
:ふつうに“めっちゃ、いい音”だと思いましたし、弾きやすいと感じました。あとは、スピーカーが2個入ってるじゃないですか。その効果で、リバーブとかディレイとかの空間系を使った時の広がり感がすごいんですよ。このサイズ感からは想像できないワイドな広がりを感じられて、弾いていて気持ちいいんです。これまで、10〜15wの小型アンプは使ったことがありましたけど、それに比べてもすごいなと思いましたね。それに、ルックスもかわいいです。
——デジタル・アンプではありますが、そのあたりはどうでした?
midori
:ふだんライヴでもデジタル・アンプを使ってますし、最近のデジタル・アンプは“デジタルくささ”がないじゃないですか。それよりもバンド・アンサンブルの中で抜けてくれたりしますし、THRもまったく違和感なかったですね。すごくジューシーな歪みだと思います。
——大きくわけると、モダン、ブティック、クラシックという3種類のモードがあります。それぞれ、どういう特徴がありますか?
midori
:アンプ・タイプがスペシャルの場合だと、クラシックはいわゆるブラウン・サウンドですね。ブティックは、音の太さや分厚さが特徴の歪み。モダンは、多弦で使うようなザラザラした歪みが作れます。スラッシュ・メタルとかもいける歪みで、好んで使ってます。アンプ・タイプでいうと、メタルならスペシャルとハイ・ゲインが、とくにお気に入りですね。

ここで、モダン、ブティック、クラシックという3つのモードをセレクトできる。
左はアンプのタイプを選択するコントローラー


——スペシャルとハイ・ゲインの違いというと?
midori
:ハイ・ゲインは、すごくツブ立ちがいい印象です。クラシックとかモダン・モードで使うのが好きですね。モダンでハイ・ゲインを使うと、ツブがそろいやすいのでソロに向いてると思います。それに比べてモダンでスペシャルを使うと、ザラザラした歪みでタイトなバッキングにピッタリですかね。それをハイ・ゲインに変えると、ツブ立ちがよくてクリーミーになる感じです。
——ゲイン・コントロールの効きなどは、いかがですか?
midori
:すごく歪みますね。ズンズンさせた時のチャグい感じとか、モダンなメタルとかにありそうな歪みが充分に出ます。ブティック・モードも、その名前のイメージから歪みには使いにくいかと思われるかもしれませんが、ガッチリと歪みますし、けっこう好きなトーンなんですよ。この歪みがあれば、歪み系のエフェクターなんてなくていいですね。EQコントローラーの効きもいいので、ミッドを足すこともできるし、ベースもすごく効いてくれるから音作りの幅がすごいです。
——今回のモデルは、ワイヤレス仕様でケーブルいらずじゃないですか? 自宅でもワイヤレスで使ってますか?
midori
:はい、めんどくさがり屋なので(笑)。なんか、ケーブルを使うと、足元がグッチャリしちゃうし、家でいろいろと作業をしてるとケーブルが増えがちじゃないですか。それが、少しでも減るとラクですし、鏡の前とかでパフォーマンスの練習をする時などジャマにならなくていいんですよ。ギターを持ったまま、隣の部屋にウロチョロと行ったり、ドリンクを取りに行ったりできますから(笑)。それに、これ、THRにトランスミッターを挿すだけで充電されるんですよ。ギターを弾いて、寝てる間に充電してくれるのはいいですね。

▲別売りのワイヤレス・トランスミッター、Line6 Relay G10T 。
差し込むだけでチャンネル設定と充電までしてくれる


——そして、先ほど、チラッと言ってましたが、空間系のエフェクトなど、その広がり感がハンパない、と。
midori
:これ、動画でも伝わらないかもなんですが、ホント、すごいんですよ。THRをオーディオ・インターフェイスとしてDAWで録音して、ちゃんとしたモニター・スピーカーで聴くとクリーンのアルペジオを弾いた時など、すごく立体感あるサウンドで録れるんです。まさに“空間系”という感じの音で録れます。生で聴くのがいちばんですが、その空気感を再現してくれると思います。

本体のコントローラーだけでも、手軽にエフェクトを調整できる。
空間系のかかり方は、かなりゴージャスです!

 

——クリーン時にオススメのモードはありますか?
midori
:クリーンで好きなのはクラシック・モードですね。他のモードだと、やや硬めのクリーン・トーンなんですけど、クラシックだとそこも抑えられていていいんですよ。その音色に、コーラスとエコー(ディレイ)、リバーブを足すと気持ちいいです。私は、アプリを使ってエディットするんですが、そのアプリがまた優秀なんですよ。かなりわかりやすくて使いやすいんです。ツマミと同じ感じで直感的に上げ下げができるし、細かく数字にこだわってエディットもできまるんですよね。
——アプリでしかエディットできない項目もありますね。とくに、キャビネットを選べるのは、うれしいですよね。
midori
:キャビネットの選択で、すごくトーンが変わりますからね。もちろん、デフォルトで選択されてるのが、いちばんベーシックなパターンだと思うのですが、そこからキャビを変えてEQを調整すると、また違った方向の音ができるのでぜひ試してもらいたいところですね。すごく音作りの幅が広がるので、おもしろいと思います。

Bluetoothを使ってスマホのアプリと連動する他、スマホに入ってる曲をステレオとして再生することができる。練習に便利だ

 

——他に、おもしろいと思った機能はありますか?
midori
:チューナーは便利ですね。THRだけあれば、もう、他には何もいらないってことです(笑)。それに、自分の設定した音を5つ登録できるのもいいし、私はオーディオ・インターフェイスとしてDAWに直結して使ったりもしてるので、インターフェイスなしで使えるのもありがたいです。あとは、アンプ自体が充電式なので電源アダプターなしでも使えるんですよね。これなら、ツアー中の楽屋だったり、みんなで外でわちゃわちゃしてる時にも使えたり、スマホとペアリングすればスマホに入ってる曲をオーディオとして流すこともできるんですよね〜。ちゃんとステレオ仕様なので、曲を流して合わせて弾くこともできるし、アンプ側でオーディオ出力とギター出力のバランスも調整できるんです。

▲このボタンを長押しするとチューナー・モードが起動し、音もミュートされる。
完全にオールインワンのアンプだ


——では、総合評価として、このTHRはメタルにも合うと思いますか?
midori
:メタルにも、バッチリ合うと思います。ヴィンテージなメタルから現代的なものまで幅広く作れて、おうちで使うには充分だと思います。本体のみでも多彩ですが、アプリを使えばさらに作り込めますし、音にこだわりのある方やこれからこだわりを探したい方にはとくにおすすめですね。とても素晴らしいアンプなので、ぜひ試してみてほしいです。


■midori=アプリ版オススメ・セッティング

①クリーン・トーン
midori:気持ちいいクリーン・サウンドです。ローを少なめにしても膨よかな低域が出てくれます。キャビネットもいろいろ試してみましたが、デフォルトがいちばんでした。クラシック・モードが、いちばん好みでしたね。

①THRならではの空間系エフェクト+クリーン・サウンド

 

②オールマイティに使えるディストーション・サウンド
midori
:ブティック・モードを使ったオールマイティに使える音で、ミッドが多めで歪みも多めなんだけど潰れないトーンです。オールマイティに使えるようにと思って、エコーとリバーブもかけています。キャビもデフォルト。アンプ・タイプにスペシャルを選んだのは、攻撃的でもあったしソロも弾きやすくてオールマイティだと。

②オールマイティに使えるディストーション・サウンド

 

③ソロに最適なディレイを加えたサウンド
midori
:最初は、このハイ・ゲインのモダン・モードをよく使ってました。この数値で充分なローが出ます。キャビネットは、わりとザクザクした音で、ディレイ(エコー)を深めにかければギター・ヒーローになれます!

③ソロに最適なディレイをプラスした歪み

 

④これこそ王道のブラウン・サウンド!
midori
:私的なブラウン・サウンドです。スペシャルのクラシックがブラウン・サウンドを追求したトーンらしいんですが、私的にはこの“Vintage”キャビが合っていてよかったですね。ハード・ロック寄りの曲に合うサウンドです。LOVEBITESの曲でいえば「Dancing With The Devil」とかのハード・ロックなチューンですかね。

④王道の歪み! ブラウン・サウンド!!

 

⑤スラッシュ・メタルや多弦にも最適な歪み!
midori
:多弦にも合うサウンドです。ゲイトも使って、バチっと音が止まるように設定してます。私自身、こういうサウンドも好きで、「Thunder Vengeance」とかスラッシュ系の曲に似合う音ですね。

⑤ザクザクと刻むスラッシュ・サウンド

▲THR-Ⅱファミリー。
左奥がTHR10Ⅱ、左手前がTHR10Ⅱ Wireless、右がTHR30Ⅱ Wirelessだ

 

■THR-Ⅱシリーズの詳細■
https://jp.yamaha.com/products/musical_instruments/guitars_basses/amps_accessories/thr-ii/index.html

 

◎midori:2016年に結成されたLOVEBITESのギタリスト。王道のメタル的なアプローチを軸にアグレッシヴなプレイを聴かせ、miyakoとのツイン・ギターにも注目だ。最新作はBD/DVD/CDの3形態で発表されたライヴ作品『FIVE OF A KIND – LIVE IN TOKYO 2020』。3月20日にはミニ・アルバム『GLORY, GLORY, TO THE WORLD』がリリース予定!!

最新作品:ライヴBD『FIVE OF A KIND -LIVE IN TOKYO 2020』(LOVEBITES)/2020年12月9日リリース

LOVEBITES  公式サイト
https://lovebites.jp/