最小サイズで最高の音を！〜ミニミニ楽器大作戦!!

ロックな楽器といえば、一昔前では“重い”“大きい”“持ち運びがたいへん！”というイメージがあったが、ご存知のとおり、最近は小さいサイズでも高音質な楽器が増えている。ここでは、そんなミニミニ・サイズの楽器に注目。とくにアンプは、革新的なものも多く、かなり注目だ。その他にも、便利なものばかり！
※WeROCK 071の掲載記事より。

アンプ部門

IK Multimedia　iRig Nano Amp
￥6,000＋税（実勢価格）

まさに手のひらサイズのアンプ

今回、紹介するスピーカー付きアンプの中で、最小だったのが、このiRig Nano Ampだ。
まさに手のひらサイズの中に、電池駆動による3wのアンプとスピーカーを搭載している。ゲイン・コントローラーと、ノーマルとブライトを選べるトーン・スイッチが付いており、これだけでも弾けるのだが、このモデルのすごいところは、もうひとつのモードだ。
なんと、iPhoneやiPadを接続すると、アンプのモデリング・アプリである AmpliTubeが使用でき、さまざまなアンプやキャビネットをセレクトできるだけではなく、最大6個のエフェクター（ストンプ・ボックス）も組み合わせることも可能にしてくれる。マイキングもシミュレートできるので、手のひらからレコーディング・シミュレートしたギターやベースの音が出せるのだ。これは、すごい！

▲直接、ギターを接続するのみで音を出すこともできる他（写真上）、
iPhoneを接続すると、AmpliTubeアプリを使って、多様な音作りが可能（写真下）

〈仕様〉　●出力：3w　●コントロール：ゲイン、ヴォリューム　●入出力端子：インプット、ヘッドフォン・アウト、IOSデバイス・コネクター、スピーカー・アウト　●電源：-乾電池駆動（単3乾電池3本）　●外形寸法：159（幅）×89（高さ）×45（奥行き）mm　●重量：250g

問：IK Multimedia
https://www.ikmultimedia.com/products/irignanoamp/

Blackstar　FLY 3
￥10,000＋税

ミニだけど、高音質を実現

ぎりぎり手のひらに乗るサイズの、キャビネット付きの小型アンプがFLY 3だ。このサイズながら3wの出力を誇り、別売りのFLY 103と組み合わせることにより6wのギター・アンプとしてはもちろん、その優れたトーンを生かしてパソコン用スピーカーとしても活用可能だ。
驚くのが、そのトーン！　ゲイン、ヴォリューム、EQ、そしてディレイというシンプルなコントロールながら、ミニ・アンプとは思えないブラックスター譲りの迫力あるサウンドを出してくれる。これは、トーンを犠牲にすることなく独自の設計により、小さい音量でも大型ギター・アンプと同じ優れたトーンを出せるようにしたというブラックスターならではのこだわりだろう。歪みも充分で、いい音してます！

▲EQは、ブラックスターならではのISFコントロール。手軽に音色が変えられる

〈仕様〉　●出力：3w　●チャンネル：2（クリーン、オーバードライブ）　●コントロール：ゲイン、オーバードライブ・スイッチ、ヴォリューム、EQ、ディレイ・レベル　●入出力端子：インプット、AUXインプット、スピーカー・エミュレイテッド・アウト＆ヘッドフォン・アウト、ブルートゥース・コネクティヴィティ　●電源：ACアダプター DC19V、乾電池駆動（単3乾電池6本）　●外形寸法：170（幅）×126（高さ）×102（奥行き）mm　●重量：90g

問：株式会社コルグ
https://www.blackstaramps.com/jp/ranges/fly

VOX　amPlug 2
￥オープン

ギターに直付け！
ヘッドフォン・アンプの革命児

スピーカーは搭載されていないものの、今回の最小アンプが、こちらのモデルだ。
これは、ギターのアウトプットにそのまま差し、ヘッドフォンを接続すればギターの練習ができてしまうというもの。音もアナログ回路にこだわった本格サウンドで、さらにコーラス、ディレイ、リバーブというエフェクトまで内蔵しているこだわりよう。
今回、紹介しているMetalというモデルを含めて合計7モデル発売されており（ベース用も1種類！）、ヴォックスならではのAC30をシミュレートしたモデルから、ヴィンテージ系の歪みを再現したモデルなどなど、ほしい音に合わせてモデルを選択するヘッドフォン・アンプとなっている。
音も充分にちゃんとしていて、夜中に練習したり（AUXインもある！）、他のメンバーに迷惑にならないように楽屋で指鳴らしするのにぴったりだ。なお、amPlug 2 Cabinet というキャビネット付きのタイプもある。

▲コントロールは、ゲイン、トーン、ヴォリュームにFXでエフェクトも選べる

▲電源スイッチがモード・スイッチも兼ねており、
Metalモデルではミッド・カットを選択できる

〈仕様〉　●コントロール：ゲイン、トーン、ヴォリューム、FXスイッチ（Chorus x 3、Delay x 3、Reverb x 3）　●モード・スイッチ：Mid cut off／Mid cut 1（Lo）／Mid cut 2（Hi）※METALモデル　●入出力端子：AUXインプット、ヘッドフォン・アウト　●電源：乾電池駆動（単4乾電池2本）　●外形寸法：86（幅）×31（高さ）×38（奥行き）mm　●重量：40g

問：株式会社コルグ
https://www.voxamps.com/amplug2

VOX　anPhone
￥11,000＋税

まさにヘッドフォンのアンプ

上で登場している便利なヘッドフォン・アンプは、ヘッドフォン自体は自前のものを挿して使用しなくてはならない。であるなら、“ヘッドフォン自体をアンプにしちゃえばいいのでは？”という発想を現実化したのが、こちらのモデルだ。
中身はamPlugにも共通しており、ヴォックス王道のAC30タイプを再現したAC30、UK製アンプからUS製ハイ・ゲイン・アンプまでを再現したLead、ヴォックスのクラシカルなベース・アンプAC100をモデルに現代にも対応するトーンを実現したBassの3タイプのヘッドフォンからセレクトできる。
ター用にはコーラス／ディレイ／リバーブ、ベース用にはコンプレッサーのエフェクトを内蔵しているのもうれしい。さらに、通常のヘッドフォンとしても使用可能で、オーディオ・テクニカ製のヘッドフォンを採用しているので、サウンドも折り紙つきだ。

▲ゲイン、トーン、ヴォリュームというコントロール類は、ここに搭載

▲エフェクトもダイアル式となっている。その奥にはAUXインも！

〈仕様〉　●コントロール：ゲイン、トーン、ヴォリューム、エフェクト、スタンバイ・スイッチ　●入出力端子：ギター（ベース）・インプット、AUXインプット　●電源：乾電池駆動（単4乾電池2本）　●外形寸法：195（幅）×50（高さ）×160（奥行き）mm　●重量：230g

問：株式会社コルグ
https://www.voxamps.com/amphone

IK Multimedia　iRig Micro Amp
￥18,500＋税（実勢価格）

スマホと組み合わせて多彩な音を

最初に紹介しているiRig Nano Ampの大型版といえばわかりやすいだろうか？　もちろん、大型と言ってもミニミニ・サイズ。さらに、IKマルチメディアということで“デジタル・アンプ？”と思いきや、アナログ3チャンネルの小型モデルとなっているのだ。
基本的なコントロールは、ゲイン、ロー、ミッド、ハイの4つのみで、プラグ・イン・ソフトであるアンプリチューブゆずりの暖かみのあるサウンドが特徴。さらに、こちらもiPhone、iPad、MacなどのPCと接続してサウンドが作れることはもちろん、録音も可能で、バンドルされているソフトウェアと組み合わせると幅広い音作りが可能となっている。
iRig Nano Ampと同様に、iPhone、iPad 用の AmpliTube CS アプリを使えば10種のアンプと26種のストンプ・エフェクトが使用できる。

▲基本的には、３チャンネルのアナログ・アンプとして、ふつうに使用できる

▲iPhoneやiPadだけではなく、PCと接続してのAmpliTube 4を使えば、
さまざまなアンプとエフェクターで音作り可能だ

▲さらに驚くことに、スピーカー・アウトを使うことで、
外部のキャビネットを鳴らすことができてしまう

〈仕様〉　●出力：15w（乾電池使用時は 7.5w）　●チャンネル：3（クリーン、ドライブ、リード）　●コントロール：ゲイン、ロー、ミッド、ハイ　●入出力端子：インプット、ヘッドフォン・アウト、AUXインプット、スピーカー・アウト（4Ω）、iPhone、iPad、Mac / PC接続用USB　●電源：ACアダプター DC19V、乾電池駆動（単3乾電池6本）　●外形寸法：210（幅）×125（高さ）×155（奥行き）mm　●重量：1.26kg

問：IK Multimedia
https://www.ikmultimedia.com/products/irigmicroamp/

VOX　MV50シリーズ
￥25,000＋税

このサイズでアンプ・ヘッドなんです!!

写真を見てアンプと言われても“まあ、プリアンプでしょ？”ぐらいな感じで思う方も多いだろう。ところが、なんと、50wのアンプ・ヘッドなのだ。しかも、デジタルではなく、徹底的にこだわったアナログ回路を採用し、プリ部には真空管の新企画であるNutubeを搭載している。
Nutubeとは、コルグとノリタケ伊勢電子の共同開発により誕生した新真空管で、従来の真空管と同様に豊かな倍音を生み出してくれる。その特性のおかげで、この小さなヘッドからスピーカー・キャビネットに接続するだけで、パワフルなサウンドを出せるのだ。
モデルは、ハイ・ゲイン・サウンドを出してくれるHigh Gain（写真）、ブティック系のトーンにこだわったBoutique、幅広いヘッド・ルームを持つクリーン・サウンドが特徴のClean、ヴォックス伝統のクランチ・サウンドが特徴のAC、王道のディストーション・サウンドが魅力の Rock、という全5種類。
その音を聴いたら、きっと驚くだろう!!

▲プリアンプ部には、蛍光表示管技術を応用した新真空管Nutubeを搭載。
暖かみのあるトーンを出してくれる

▲わずか540gのサイズながら、なんと50wの出力を誇っている

▲キャビネット・サイズに応じて最適なサウンドが得られるEQスイッチや
キャビネット・シミュレーター回路を搭載したライン／ヘッドフォン・アウトも装備

〈仕様〉　●出力：最大50w（4Ω）、25w（8Ω）、12.5w（16Ω）　●プリアンプ：Nutube 6P1　●コントロール：ゲイン、トーン、ヴォリューム　●入出力端子：インプット、ライン＆ヘッドフォン・アウト、スピーカー・アウト　●電源：ACアダプター DC19V　●外形寸法：135（幅）×75（高さ）×100（奥行き）mm　●重量：540g

問：株式会社コルグ
https://www.voxamps.com/MV50

エフェクト部門

JIM DUNLOP
CBM535Q Cry Baby Mini
￥28,000＋税

ワウもこのサイズで！

WeROCK 070でアンセムの清水昭男が使用しているとのことで話題となったクライベイビーのミニ・シリーズ。こちらは、その最新版で、535Qをミニ・サイズにしてしまったモデルだ！
通常のワウを踏みなれてるギタリストだと最初は踏むのにコツが必要だが、なによりもエフェクト・ボードのスペースを取らずに、または持ち運びにも便利になっているのがうれしすぎる。この大きさにして、ブースト・スイッチやレンジ切り替えなども可能になっており、通常のモデルよりワウのかかりがエグく感じるのは気のせいだろうか!?
清水氏は、そのエグさを気に入り、あえてミニ・シリーズを使用しているとのことだ。