WeROCK 111 付録CDインタヴュー集〜FATE GEAR 編

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WeROCK 111の付録オムニバスCDに参加したバンドのインタヴュー集です。
第3回は、昨年末に10周年記念ベスト盤を発表したフェイト・ギア。
Mina隊長とHarukaが語るオムニバス収録曲「Epilogue(Remaster)」とフェイト・ギアのこれからとは?

MV「Scars in my Life(2025 remix)」


勝負の曲だし、私達の入り口の曲としてもいい

——WeROCK 110で10周年記念のベスト盤『BEST -Angelic Melodies』についていろいろ聞かせてもらいましたが、あらためてこの作品についての手応えを教えてください。
Haruka
:フェイト・ギアのアルバムやEPなどは、それぞれがストーリーに沿って作られているんですね。だけど、このベスト盤のこの曲順で聴くと、また別のストーリーが浮かんでくるんです。それがおもしろいなと感じつつ、1曲1曲単独で聴いてもいい曲だなと思いました。
隊長:作曲のこだわりとして、ストーリーに沿った曲を作るということとともに、捨て曲は作らないというのがあるんですね。このベスト盤には各アルバムのリード曲だけでなく、いろんな曲が並んでいるんですが、そのこだわりを再確認できました。
——今回のオムニバスCDには、そのベスト盤から「Epilogue(Remaster)」で参加していただきました。この曲を選ばれた理由は?
隊長
:ベスト盤でラストを飾っている曲であり、勝負の曲でもあるので。そして、キャッチーなので、フェイト・ギアの入り口の曲としてもふさわしいんじゃないかなと思い選びました。
——「Epilogue(Remaster)」の作曲はHarukaさんなんですよね。
Haruka
:そうですね。メロディもデモに入っていたものをそのまま生かしてもらいつつ、各パートのアレンジをそれぞれのメンバーにお願いする時に、隊長にまとめてもらいました。私、コードがよくわかっていないので(笑)、和音を使う楽器のアレンジは、隊長がギターでアレンジしてくれてます。
隊長:リズムに関しては、デモの段階でベースもちゃんと打ち込まれていて、かなり作り込まれていたんですね。まず、そこはそのまま生かしつつというのは考えて、ギターを中心にしたアレンジにはしなかったんです。あくまでも、リズム隊が中心で、ギターは乗っかっているという感じですね。
Haruka:デモ作りで、ギターも自分で弾いて入れようとしたんですが、ギターの音作りがよくわかっていないので、曲に合ったギター・サウンドが作れなくて、どうしても浮いちゃったんです。それでギターの代わりにピアノで入れて、基本のメロディはシンセで入れました。ギター・フレーズはこのピアノを参考にしてもらっています。
——オムニバスCD用の曲として選んだ理由として、キャッチーということを挙げていただきましたが、変拍子も入っていたり、フェイト・ギアらしい凝った面もありますよね。
隊長
:変拍子はデモの段階で入っていたんですが、曲全体を覚えるのが大変なんです(笑)。HarukaさんはHarukaさんで、レコーディングをしてた時、自分で作っておきながら“何で、こんなに難しいんだろ”って言ってました(笑)。
Haruka:そうなんです(笑)。デモでリズムを打ち込んでいる時は叩けると思っていたんですが、いざ叩いてみると手グセじゃないところがあったり、“あれ? 意外と速いな”と感じたり。自分でリズム・パターンを作ったから大丈夫だろうと思っていたら難しかったですね(笑)。
——ピアノのアレンジも隊長が?
隊長
:いえ、鍵盤というかピアノは(当時の乗組員/正式メンバーだった)黑咲ちゃんにお願いしました。すごくいい感じに入れてくれて。
Haruka:私、コードがわかっていないから、間違った音が入ってないかな? 大丈夫かな? と思っていたんですが、デモのニュアンスを汲み取って忠実な感じで弾いてくれています。そこにちゃんと黑咲ちゃんらしさも出ていて、完成した時、うれしかったですね。
——「Epilogue」はもともとフェイト・ギア用に作っていた楽曲ではなく、Harukaさんのデモのストックの中からフェイト・ギアに合うかもと隊長に聴かせたんですよね。
Hatuka
:フェイト・ギアの前のバンドの時から、何十秒程度ですけどメロディが浮かんだ時に打ち込んできたんですね。そうしたメモが10個ちょっとあって、その中のひとつをまとめているうちに2分ぐらいになったものがあって、「Epilogue」のもとになりました。この曲をフェイト・ギアで完成させたらおもしろいかなと思い、ダメ元で隊長に“こんな曲があるんですが、どうですか……?”って聴いてもらったら採用されたんです。
——その時、隊長から“他にも曲はある?”とかは聞かれなかったんですか。
Haruka
:それはなかったですね。もし言われても、10秒程度のメモしかないし、出せなかったですけど(笑)。
隊長:ちょうどEP『Killers in the Sky Part 2』(2022年11月)を作っていた時だったんですが、自分の中でもう1曲のアイディアがどうしても足らなくて。そのタイミングでHarukaさんから“こういう曲があるんですけど”と。聴いたら、明るめの曲を入れたいと思っていたし、EP全体の中に馴染む曲になったと思います。
——「Epilogue(Remaster)」の作曲者視点での推しどころはどこですか?
Haruka
:フェイト・ギアでは初作曲なので、メンバーのみんなが表現してくれた前向きなアプローチと一緒によく聴いていただけたらうれしいです。また、フェイト・ギアの曲は歌詞とメロディが特に好きなんです。ファンタジーも入っているのに、聴いた人それぞれが、どこか自分のことを歌ってるように思える感じがして。「Epilogue」もリスナーのみなさんが前向きになれるような素敵な歌詞です。だから、この曲が入っている『Killers in the Sky Part 2』もぜひ聴いてほしいです。あのアルバムの流れで聴くと、また違った印象を受けると思いますから。
——「Epilogue(Remaster)」はフェイト・ギアの入り口にふさわしいとのことですが、リスナーにこの曲の次におすすめする作品を挙げてもらえますか。
隊長
:やっぱり、まずは今回の10周年記念ベスト盤ですね。合わせて、YouTubeもチェックしてほしいんです。映像だと、私達の“ガールズ・スチーム・メタル楽団”という世界観が伝わると思うし、そこからお気に入りの楽曲を見つけていただくのもいいかなと思います。
——なかでも隊長オススメのMVは?
隊長
:人気の曲で、かつ新しめのMVです挙げるならば「Kill the Shadow King」です。
Haruka:私も、やはりベスト盤をおすすめします。そして、ベスト盤の中から特にお気に入りの曲を見つけてもらって、その曲が収録されている作品を聴いていただくというルートもありだと思います。
隊長:また、今回のベスト盤に入っていない曲からおすすめを挙げるなら「Headless Goddess」(『Headless Goddess』収録)ですね。ライヴの定番曲の1曲ですし、ぜひ押さえていただきたいです。ベスト盤の豪華盤にはライヴDVDが付くのですが、それにも収録されています。あと1曲いいですか?
——どうぞ(笑)。
隊長
:あえてカヴァーを挙げますが、ラウドネスの「Soldier of Fortune」(『Killers in the Sky』収録)のカヴァーも何気に人気曲で、フェイト・ギア流のカヴァーになっています。そちらも聴いていただきたいです。
Haruka:フェイト・ギアには、本当にいろんなタイプの曲があるんですね。例えば、ヴィジュアル系も好きという方なら今回のベスト盤に入っている「Get lost in Hades」を気に入ってもらえるだろうし、他にも「suicidal heart」(『Killers in the Sky Part 2』収録)も好きになってもらえると思います。
——え、ヴィジュアル系っぽいですか?
Haruka
:あ、ヴィジュアル系もいろいろありますよね。だから、メロディアスで泣けるような曲という感じです。
——『BEST -Angelic Melodies』は10周年記念ベスト盤の第1弾ですが、第2弾はいつぐらいに発表されそうですか?
隊長
:ベスト盤第2弾の前に新曲のアルバムを4月に出して、第2弾は夏頃に出そうと考えています。
——ということは、もうレコーディングに入っているんですか?
隊長
:いえ、まだこれからです(笑)。その4月発表というのは、全国流通ではなくて、M3-2026春(4月26日=東京流通センターで開催)という、いつも出展している音楽の即売会でリリースできればと考えているんですね。全国流通じゃないので、3月中にレコーディングが終わればそこからプレスしても4月26日に間に合うんです。そのM3で発売した後に、全国流通と考えています。
——曲は完成している感じですね。
隊長
:いえ、これもまだデモ状態です(笑)。そのデモも、Harukaさんや他のメンバーに投げてもいないです。でも、いつもこんなスケジュールなので(笑)。
Haruka:(笑)。レコーディングはいつも楽しくできているし、今回もデモが楽しみです。
隊長:まだ発表できないのですが、次のアルバムで、初めてゲスト参加してもらうと考えているヴォーカリストもいるんです。ファンのみなさんには、驚いてもらえる方なので、そちらも楽しみにしていてほしいです。
——作風としては、どんなアルバムになりそうですか?
隊長
:2024年までに出してきたアルバムやEPなどの続編というか、ストーリーの続きを描きます。サウンドとしては、今までよりも激しい路線をとるかもしれないです。
——というのは?
隊長
:私が最近、デス・ヴォイスもやっていて、海外ツアーでも歌ってきたんですね。しかも、ギターは弾かずに同期で流して、デス・ヴォイス・オンリーというスタイルで。だから、次のアルバムでは、私がデス・ヴォイスで歌う曲も入れたいと思っています。
——デス・ヴォイスはどうやって習得したんですか? 誰かに教わったりしたんですか?
隊長
:いえ、練習してたら何となく出るようになったんです(笑)。
——5月にはオーストラリアのANAとの東名阪ジョイント・ツアーも決まっていますね。
隊長
:ANA側から、来日公演のパートナーとしてオファーをもらったんです。
——その東名阪ツアーでは、隊長のデス・ヴォイスを活かした新曲も聴けそうですね。
隊長
:いや、そこは迷っているんです。というのは、ANAというバンドが女性ヴォーカルのシンフォニック・メタルなので、私達も今回のベスト盤に入っているようなクリーン・ヴォーカルの楽曲を中心にセット・リストを組んだほうがいいのか、あえて違う方向に行くのがいいのかと。
——以前、近年は海外公演が多く、国内であまりライヴができなかったので、2026年は国内でのライヴを増やしていきたいと話されていました。
隊長
:そうですね、しばらく北のほうに行けてなかったので、そちらにも行きたいなと思っています。
——そして、先ほど聞いたように夏にはベスト盤の第2弾がリリースされると。
隊長
:はい。第1弾がクリーン・ヴォーカルの曲によるベストだったので、第2弾は違うものになります。こちらも楽しみにしていてほしいです。

▲左より、橋村 姫(ゲストvo)、Haruka(ds)、Mina隊長(g、b、vo、etc.)、Erika(ゲストb)

▲「Epilogue(Remaster)」はゲスト・ヴォーカルのNANAが歌っていて、これは「Epilogue」のオリジナル・ヴァージョンが収録されている『Killers in the Sky Part 2』発売時のバンド写真だ。
左から、Erika(ゲストb)、Haruka(ds)、Mina隊長(g)、NANA(ゲストvo)、黑咲(kb)。なお、黒咲は現在脱退しているが、1月31日=福岡ビートステーションでのライヴで一夜限りの復帰を果たした

アルバム『BEST -Angelic Melodies』
¥4,950(税込/豪華版/写真)、¥3,300(税込/通常盤)
2025年12月10日

①New Gate Ver. 2025
②Scars in my Life Ver. 2025
③Romancer feat.KOKOMI Ver. 2025
④カルミア Ver. 2025
⑤Dancing in the Moonlight feat. 羽鳥玲
⑥Winds of Fall feat.NANA, KOKOMI(Remaster)
⑦Get lost in Hades feat.荊 Single ver. 2025
⑧7years ago feat. Nico, 大山まき
⑨Fate Gear feat. 橋村姫
⑩Force of the Holy feat. 橋村姫 2025
⑪天空の比翼 feat. IBUKI 2025
⑫Epilogue (Remaster)

2025年にMina隊長を中心に始動したフェイト・ギアの10周年記念ベスト盤。クリーン・ヴォーカルによる、メタリックでメロディアスなスピード・チューンを中心に収録。多彩なゲスト・ヴォーカルの参加もありヴァラエティさがありつつ、フェイト・ギアらしい1本の太い軸を感じさせる。なお、このベスト盤は第1弾とのことで、違ったテーマでの第2弾も予定されている。

■ライヴ予定■
5月8日(金)=吉祥寺クレッシェンド
5月9日(土)=名古屋ハートランド
5月10日(日)=心斎橋パンヘッドグルーヴ

■フェイト・ギア 公式サイト■
https://fategear.jp/


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