WeROCK 111 付録CDインタヴュー集〜EYE 編
WeROCK 111の付録オムニバスCDに参加したバンドのインタヴュー集を、このWeROCK EYESでもお届け!
第2回は、昨年8月にサード・アルバム『Spark』を発表し、全国ツアーも成功させたEYE。
今回のオムニバスCDにはそのアルバムのタイトル曲を収録し、インタヴューではメイン・コンポーザーでありドラムやピアノ、サウンド・プロデュースも担当したKAZAMIにも参加してもらった!
MV「Spark」
令和の日本人が描くジャパニーズ・メタルです
——WeROCK 108で『Spark』について、EYEさんにインタヴューしたのですが、今回はアルバムのメイン・コンポーザーでありドラムやピアノもプレイされサウンド・プロデュースなども手がけたKAZAMIさんと一緒に話を聞かせてください。まず、EYEさんとKAZAMIさんとはいつ出会ったんですか?
EYE:“ラルク祭り”というイヴェントを主催されている篤人さんというドラマーがいて、そのイヴェントで篤人さんとまず知り合いになったんです。で、篤人さんが主催されている“DRUM☆GODS”という別のイヴェントにお誘いされ、観に行ったらKAZAMIさんが出演されていたので挨拶したのが最初ですね。
KAZAMI:その前に、僕はメアリーズ・ブラッドのライヴを観たことがあって、その時からすごいうまいヴォーカリストだなという印象はあったんです。女性だけど男らしいというか、シャープなカッコよさがあって、自分が作る曲にEYEのような声を乗せたいなというのが漠然とあって。それで、篤人さんのイヴェントをきっかけに知り合いになったし、メアリーズ・ブラッドが活動休止になると聞いたので曲を書いてみたいというのが、スタートですね。
EYE:2022年1月28日に私のバースディ・ライヴをやる時にドラムはKAZAMIさんに頼んだんですけど、その時に“せっかくだからオリジナル曲もやれば”と言われて、でも時間がなくて曲を作れないということで、「Open Your Eyes」(『GRAffITI』収録)という曲を書き下ろしてもらったんですね。そして、このバースティ・ライヴをやった時に1回きりで終わらせるのはもったいない、続けたい、でも、どういう方向性でやればいいんだろうと考えていた時に、KAZAMIさんが新たに「VENUS」(『GRAffITI』収録)を作ってきたんです。この曲のピアノのラインを聴いた時、鳥肌が立つぐらい感動して。メアリーで私も曲を書いていて、なかでもクラシカルな曲担当だったんですが、当時は美しくて、でも尖った部分や感情に訴えかけるようなピアノのラインを作りたくてもできなかった。それを具現化してくれたのが「VENUS」だったんです。しかも、自分がそういうオーダーをしたわけではないのに、この感性の合い方に感動したんです。「Open Your Eyes」もカッコよかったですけど、「VENUS」で早くもそれを超えてきた。これはおんぶに抱っこでこれからもKAZAMIさんにお願いしようと(笑)。
KAZAMI:(笑)。EYEはいろんな歌が歌えるヴォーカリストだというのはわかっていたから、俺もいろんなアプローチの曲を作っては“うーん……違うと言われたらどうしよう”と悩んでいたんです。その中で、こういう曲を歌えばカッコいいだろうな、メアリーではなかなかできなかったようなことを、このプロジェクトでやればいいんじゃないかなと思って作ったのが「VENUS」だったんです。その「VENUS」のピアノのリフがカッコいいと言われたのが、めちゃくちゃうれしかったですね。この部分がいいと言われたことは、俺の音楽のスタンスとか感性とかを理解してくれるんだなって思ったし、これからどんどん曲を作れるかもと思いました。逆に違う感想が返ってきたら、これは一緒に音楽を作るのは無理だと思ったかもしれないです(笑)。
——そして、最新作『Spark』を2025年8月にリリースして、ツアーも行ないました。リリースから半年たって、作品に対する印象は変わりました?
KAZAMI:もともと手応えはすごくあったんです。YouTubeにタイトル曲の「Spark」のMVを上げているんですが、その反応も内容の濃い、こちらの意図を汲み取ったコメントが多いし、自分のまわりのミュージシャンや関係者の方から“『Spark』、いいね”と聞くことも多かったので。
EYE:KAZAMIさんが言ってくれたように、思っていた以上の反響があってうれしいし、作品として大成功だと思うんです。だけど、これは個人としての思いなんですが、発売した直後にNoB(山田信夫)さんが亡くなられて、そこで記憶が失われているんです。『Spark』まではソロだからメタルから離れないといけないという気もしていたんですが、KAZAMIさん、そして同じく作曲やサウンド・プロデュース、ミックス&マスタリングをやってもらったSinriさんとの3人での制作会議で“やっぱりメタルに戻ろう”となったんですね。そして、『Spark』で、新しいメタルのサウンド、世界観ができたし、みんなも納得してくれるだろうという自信があったんです。
いつも関係者のみなさんに完成したCDをお送りしているのですが、NoBさんには聴いてもらうことができなかった……NoBさんはフラットな視点でちゃんと評価してくれる身近なプロの1人だったのに、その評価を聞けないままツアーに入ったので、以前の自分とは違う感情でライヴをしていたんです。だけど、EYEバンドのメンバーとライヴを重ねていくうちに、どんどん曲のキャラクターや人間味みたいなものが成長していって、ツアー・ファイナルの時には自分は楽曲をちゃんと理解していなかったんだと思うぐらい曲のとらえ方が変わったです。そして、ツアーをへて、『Spark』はEYEというヴォーカリストが新しい一歩を踏み出せたアルバムになったという印象に変わったんです。
——今回のオムニバスにはその『Spark』からタイトル曲で参加していただきました。この曲のポイントを教えてください。
KAZAMI:ロック・シーン、メタル・シーンって何年か1回、変革の時が来るじゃないですか。あるバンドが出てきて、シーンの流れがそこからガラリと変わる瞬間が来るような。「Spark」は、そうしたこれまでの数々の変革を経過したからこその作品にしたかったんです。いろんなリスペクトを込めつつ、これからのハード・ロック、これからのメタルはこういうふうになっていくんだという最初の一歩になる曲にしたかったんです。それが第一のテーマでした。そして、同じように大事にしたことが“日本人”ということなんです。今の世界を見てても思うんですが、日本、あるいは日本人って独特の文化があると思うんです。ジャパニーズ・メタルという言葉もありましたけど、やっぱり日本人独特の感性で噛み砕いて作ったものは個性的だし、それこそが芸術だなと思ったんです。その日本人らしさ、日本っぽさを曲に盛り込もうと思ったんです。でも、それは三味線とか琴の音を入れるというような日本じゃない、そういうのは海外の人が思うお侍さん、ニッポンなんですね。そうではなくて、令和の時代の日本人が描くジャパニーズ・メタルというコンセプトもありました。
——コンセプトを日本にしようというアイディアはどこから生まれたんですか?
KAZAMI:きっかけのひとつとなったのは、2022年にEYEが着物で写真を撮るという……。
EYE:ああ、インテツさんのアート展ね。いつもアーティスト写真を撮ってもらっているインテツさんというカメラマンというか、彩冷えるのベーシストでもあるんですが(笑)、そのインテツさんがグループ展に出ると。その時に着物を着てモデルをやってもらえませんかと言われたんです。私、自分で着物の着付けもできるので。
KAZAMI:その写真を見て、“日本”というのもEYEの個性のひとつだなと思ってたんです。
EYE:歌詞も簡単な言葉でもいいけど、和言葉というか、あえて難しい言葉を使ったりとか、MVでも着物だけど近未来風な着方をしてみたりして、一歩先の日本というイメージで録っています。海外の人達に“日本、けっこうやるやん”と思わせたかったんです。そういうヴィジュアルなり言葉選びもしっかりと考えましたし、その結果、海外の方からの印象もよくて。この「Spark」、そしてアルバムがいい滑走路になったので、ちゃんと計画を立てて、海外でもライヴをやってみたいと思っています。旬を逃したらいけない、この勢いを止めてはいけないと思っているし、クオリティの高いアルバムを出すために2年、3年かかるのは遅いんです。だから、新作はアルバムでなくてもいいと思っています。
KAZAMI:そう思う。
EYE:私、いろいろなデザインもやっているし、視覚的にもイメージを伝えたいのでブックレットも作り込んでCD盤として出したいところはあります。でも、それを理由に旬を逃したら意味がない。1曲だけ配信でもいい。作曲をお願いします(笑)。
KAZAMI:構想は固まってきているから、早くそれを具現化したいし、映像としても落とし込みたい。2026年も作品を出そうかなと思っています。
EYE:おっ!
KAZAMI:「Spark」を超える、そして新たなベクトルというか、より重厚でEYEの個性が出る作品を年内に出せたらいいなと。それを引っ提げてのライヴもしたいですね。
——具体的なライヴの予定は?
EYE:まず、4月24日、渋谷エッグマンで行なわれるyucatさんのライヴにゲストで出演します。yucatさんは私のバースディ・ライヴにゲストで出ていただいたんですが、その逆オファーをいただきました。4 月22日には吉祥寺シータでのNoBさんの追悼ライヴにURUFGOMEの一員として出演します。8月にはまたワンマンをやるべく計画中です!
▲EYE、KAZAMI
アルバム『Spark』
¥4,500(税込) 2025年8月5日
①Ω
②Spark
③BLACK HEAVEN
④NeoN -album mix-
⑤深海
⑥Flames of Revenge
⑦Kill My Past
⑧DON’T Stop Me
⑨My Sweet
⑩Vivid
◎2022年4月のメアリーズ・ブラッドの活動休止後、ソロとして活動を続けるEYE(vo)のサード・アルバム。メタリックな側面のみならず、強さもたおやかさも含めた幅広い表情を見せてくれ、メアリーズ・ブラッドではあえて出していなかった表現も感じられる。同時にKAZAMIをはじめとするゲスト・メンバーの演奏にも注目したい作品だ。
■ライヴ予定■
4月22日(水)=吉祥寺シータ(“NoB追悼ライヴ”にUROGOMEメンバーとして出演)
4月24日(金)=渋谷エッグマン(ゲスト出演)
6月6日(土)、7日(日)=沖縄7thヘヴンコザ
7月3日(金)=青山リズム
8月22日(土)=名古屋・今池グロウ
8月23日(日)=心斎橋ジューザ
8月30日(日)=下北沢エラ
■EYE 公式サイト■
https://eye.bitfan.id/
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