WeROCK 105 付録CDインタヴュー集〜サイセイガ 編

WeROCK 105の付録オムニバスCDに参加したバンドのインタヴュー集を、このWeROCK EYESでもお届けするシリーズ企画。
第2回は、昨年11月にサード・アルバム『THE BLACK HOLE』を発表したサイセイガ。作曲チームのKatsuki(b)と桐子(ds)に話を聞きました。
MV「STRANGE RAIN」
サイセイガの新しい軸になりました
——昨年11月にリリースされた『THE BLACK HOLE』から「STRANGE RAIN」で参加していただきました。まず、アルバム全体の手応えはどうですか?
Katsuki:自分達が“こう受け取ってほしいな”という思いどおりに聴いてもらえている印象ですね。というのは、それまでのサイセイガの世界観とは変えるというチャレンジの作品でしたし、そのチャレンジに対して好意的な反応が多かったんです。YouTubeでの海外からの反応もよかったし。だから、ライヴももっとやっていきたいところなんですが、そこはこれからですね。
桐子:このアルバムを出す前は、「HANABI」という明るくてキャッチーな曲がメインだったんですね。ステージ衣装も全員バラバラで、カラフルな感じだった。でも、今回はダークな世界にイッキに行ったので、お客さんを戸惑わせてしまうかもっていう不安がほんの少しだけあったんです。だけど、いざステージに立ったら、よりまとまった印象で受け止めてもらっているみたいだし、ライヴ全体の見せ方もレベル・アップできたと思います。
——そのまとまりとともに、これまで作ってきたものも土台として感じられました。
Katsuki:もちろん、完全な別コンセプトでやりましょうとか方向性を変えましょうという感じではないし、今までの自分達をうまくミックスさせるのが目的でもあるので。
桐子:Regan(vo)で言えば、このダークなスタイルのほうが以前よりもしっくりきているように感じます。明るく扇動していく感じもいいんですけど、作り込まれた世界観を歌や全身で表現するというのがマッチしている気がします。
Katsuki:Reganに関しては、彼女がもともとやりたかったことと今のサイセイガが近い感じはしますね。Wakkun(g)は、どうだろ? でも、彼も今のスタイルのほうが合っている気がします。ライヴなどで、感情を表に出して弾くというタイプではなくクールに弾くタイプなので。僕とは真逆なので、そういう意味で今のライヴ運びは自分にとっても勉強になっていますね。
——今回の参加曲「STRANGE RAIN」についてくわしく教えてもらえますか?
Katsuki:アルバムの代表曲であり、今のサイセイガがやりたいことが詰まっている曲であり、もっとも押している曲ですね。
——作曲のテーマやモチーフは?
Katsuki:モチーフはないんですよ。もともと、ネタ作りというか、いろいろリフとかを考えているんですね。そのネタを組み合わせていったのが最初の形なんです。そういう意味では、好きなことをやった結果であり、メンバーに渡してそれぞれの色を乗せていって完成させました。もちろん、ヘヴィなことはやりたかったですけど、ただそれだけだと退屈だし、オッと言わせるものにしたかったんですね。
桐子:最初にKatsukiのデモを聴いた時、“新しいな”というのと“個性が際立っていて、他の曲に埋もれないな”と思ったんです。キャッチーだけど聴きなれないイントロやヘヴィさがいい具合にミックスされている、何にも似ていない曲だなって思い、サイセイガの新しい軸になるなと感じましたね。
Katsuki:まず、メンバーの反応が大切なんですね。メンバーがイマイチだなって思う曲はダメなんですけど、「STRANGE RAIN」は反応がよかったし、プリプロも対ドラム、対ギター、対ヴォーカルでそれぞれやったんですが、スムーズでしたよ。Reganがやりたいことと僕がやりたいことで違う部分もあったんですが、Reganが納得するまで作り込めました。
——まだ、『THE BLACK HOLE』がリリースされたばかりですが、次のヴィジョンも見えていますか?
Katsuki:それは、これからライヴをやっていく中で見えてくるものだと思います。ただ現在、しっかりした手応えを感じていますし、この方法がサイセイガに合っているんだなと思っているんですね。音楽の色合いとしてはわからないというか、ヴァラエティに富んだものになるのかもしれないし、もっと鋭いものになるかもしれない。
桐子:“メロディック・グルーヴ・メタル”ということを掲げているし、この先もその範疇にはいると思うんですけど。
Katsuki:そうだね、そこは守りたい。
桐子:次のアルバムのリリースはまだ先にはなるとは思うんですが、新しい曲の発表というところではなるべく時間を空けないで進めたいですね。
——では、もう次のマテリアルを作っている?
Katsuki:いろんな音楽を聴いて、いろいろ考えている段階ですけどね。だけど、桐子が言ったように新しいものは出し続けていきたいので。
桐子:ライヴについても、去年はアルバムの制作があったので少なかったんですよ。いつも45本とかやっていたので、今年はライヴという現場をメインに活動していきたいです。
Katsuki:うん、ずっと言ってきてますし、どんなバンドもそうでしょうけど、ライヴに来てほしいですね。あとは、海外にもチャンスがあればどんどんライヴをやっていきたいです。
▲左より、Wakkun(g)、桐子(ds)、Regan(vo)、Katsuki(b)
アルバム『THE BLACK HOLE』
¥3,300(税込) 2024年11月6日
①STRANGE RAIN
②Catharsis
③W.O.L.F
④voice
⑤BUTTERFLY
⑥Eclipse
⑦Equinox
⑧Tracker
⑨轟音爆散TORNADO
⑩零-instrumental-
◎『サイセイガ史上、もっともダーク&ヘヴィなアルバム』をコンセプトに制作されたサード・アルバム。そのコンセプトどおりのサウンドや世界観が展開されるが、Reganが新たなヴォーカル・スタイルを披露するなど、本来彼らが持つ多彩な面も聴かせてくれる。演奏陣の充実ぶりに注目したい。
■ライヴ予定■
3月15日(土)=大阪・寺田町ファイアーループ(ワンマン)
3月22日(土)=沖縄・嘉手納基地
4月6日(日)=巣鴨・獅子王
4月12日(日)=吉祥寺クレッシェンド
5月10日(土)=吉祥寺クレッシェンド
5月11日(日)=下北沢レッグ
5月17日(土)=大阪・寺田町ファイアーループ
5月31日(土)=西川口ハーツ(ワンマン)
■サイセイガ 公式サイト■
https://www.saiseiga.com/
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