WeROCK 099 付録CDインタヴュー集〜Leopardeath編

WeROCK 099の付録オムニバスCDに参加したバンドのインタヴュー集を、このWeROCK EYESでもお届けするシリーズ企画。
今回は、2023年に配信限定シングルを発表したレオパーデスのインタヴューをお送りします。


メロデス直系で新しいレオパーデスにしたかった

——2008年に札幌で結成ということで、かなり歴史のあるバンドになりますね。
Masahiro
:レオパーデス結成前の高校時代から、僕とMasayoshiは一緒にバンドをやっていたんですね。結成時は、今よりもメロディック・スピード・メタル的な方向性だったんですが、結成時に作った「Pluto」(ファーストEP『Re:boot』収録)で、ツイン・ギターのメロデス、メタルコア系の曲+メロディアスなヴォーカルというバンドの路線が決まり、その時からクリーン・ヴォーカル+グロウルというスタイルが作られました。
purple:その初代ヴォーカル脱退後に私が加入しました。私は他にメタル・バンドをやっていたんですけど、その頃からレオパーデスと対バンもしていたし、ふつうにファンだったのでライヴも観に行ったりしていたんですよ。当時からカッコよかったし、曲が好きだったんです。私、ライヴを観に行っても後ろのほうで静かに観てるタイプなんですけど、レオパーデスの時は前に行って暴れたいという気にさせてくれる音楽だし、ライヴ・パフォーマンスだったんです。
——お客さんとしても観ていたバンドに、どうやって加入することになったんですか?
purple
:レオパーデスが活休している時に、Masahiro君を一緒に新しいバンドを作るからギターを弾いてほしいって誘ったんですよ。それがファンタジー・フォース・ユニオンというバンドで、1〜2年やって解散してしまうんですが、ちょうどレオパーデスが動き始める時にヴォーカルがいないので私を誘ってくれて。
——女性ヴォーカルにするには決断はいりましたか?
Masahiro
:あまりpurpleさんを女性ヴォーカルとして見てないんです(笑)。ひとりのヴォーカリストとして考えていたので、とくに男性だとか女性だとかの意識はなかったし、前ヴォーカルも、けっこう高いキーで歌っていたので、そのキーで歌えるヴォーカリストを必要としていたんです。
purple:じつは、声をかけてもらった時、私、すでに上京していて北海道にいなかったんです。でも、大好きなバンドだし、いちファンだったし……という気持ちと、“恐れ多いし、私が歌っていいんだろうか!?”という不安な気持ちがあって葛藤はしました。それでも歌ってほしいと言ってくれたので加入することに決めました。
Masahiro:最初は、ライヴが決まっていたけどヴォーカルがいないので、1回だけお願いする感じじゃなかったっけ?
purple:そうそう。
Masahiro:そのライヴ後にpurpleさんにメンバーになってほしいと打診して、加入に向けて動き出しました。
——2015年5月に正式加入となっていて、その年の9月にはミニ・アルバム『Re:boot』を発表してますね。かなりのハイ・ペースで音源を制作したんですか?
Masahiro
:正式加入を発表する前に、既存曲だったし“ちょっと録ってみない?”って言ってレコーディングしていたんですよ。
purple:私も知ってる曲だったのでレコーディングだからといって、そこまでたいへんさもなく歌ってみようかなという感じでした。たぶん、もう加入する前提でレコーディングしてたよね。
Masahiro:purpleさんの歌を聴いて、めちゃめちゃいいなって思いました。その前に一緒にやっていたファンタジー・フォース・ユニオンでも自分の曲はあったし、その時も自然な感じで歌えていたので、その延長みたいな感じですんなりといきましたね。
——そして、結成から11年目となる2019年7月に待望のファースト・アルバム「雪月風花」をリリースしました。
Masahiro
:それまでに作りためた楽曲を集めたアルバムになってます。「Darkness and Respond」と「Diva of Moon」という曲はファンタジー・フォース・ユニオン時代の曲ですね。
purple:前のミニ・アルバムも私が歌ってるんですけど、歌詞は前任のヴォーカリストが書いたものなんですね。私の中でのレオパーデスは、そのミニ・アルバムの印象が強かったので、『雪月風花』は私の歌と私の歌詞で作ることが大切だったんです。だから、ガンバらなきゃなという思いが強かったですね。
——ここまでのレオパーデスの楽曲は、日本語のタイトルだったりが多いじゃないですか。バンドのコンセプトでもあったんですか?
Masahiro
:昔、衣装で和服とかも着ていたりしたんですよ。前ヴォーカルの死生観や宗教観から、歌詞が日本語やお経に由来するようなものだったので、徐々に和装になっていったりしまして。
purple:『Re:boot』の時は、私もそういうイメージでした。私が加入してからも、ちょっと間は私も和服を着てたんですよ。
Masahiro:『雪月風花』収録の「花嵐」が歌詞の世界観も変わっていたので、“今までの和装だと違和感があるよね”ということになって和装をしなくなったんだよね。
purple:そういうイメージでやっていかなくてもいいとなって、そうなると歌詞とか曲名も日本語じゃなくていいかなと思い、少しずつ英語を入れるようになって。
——その後、コロナ禍があってライヴ活動を自粛せざるを得ないことになってしまうんですね。活動を再開させたのが2023年4月で、6月に3年ぶりとなる音源「Start Screaming Again」を3曲入りEPとしてリリースしていますね。
Masahiro
:コロナ禍の時に作っていた曲で、その間に新しいものをやってみたいと思ったんです。これまではギターを弾きながら作ってきたのを、今回はタブ譜を書きながら作曲するという方法にしてみました。その結果、これまでの自分にはないリズムになったかなと。マンネリを脱却したいなと思っていたし、もっと歌メロも進化させたかったのでメロも大事にして作ってました。
purple:デモを聴いた時は“難しい!”と思いましたよ。リズムを変えたと言ってますが、“なるほど”って、今、思いました(笑)。歌入れの時、クリックを聴きながらでも歌えなかったりしたんですよ。“え!? 今のどういうこと!?”みたいになって苦労しましたね。
——今、リズムの話が出たんですが、ドラムもすごいですね! 札幌のメタル系ミュージシャンって、なんで、みなさんうまいでしょう?
Masahiro
:(笑)。HAYATO君はメロスピだったりパワー・メタル系が好きなんです。Arataはヴィジュアル系も好きだし、メタルコアも好きみたいですね。
——ちなみに、お二方は!?
Masahiro
:僕はメロデスやメタルコア、あとはジェントやデスコア、ブラック・メタルもすごい好きですね。ソロでワウを踏んでるんですけど、マイケル・アモット(アーチ・エネミー)の影響です。
purple:私は、メタルでいえばナイト・ウィッシュとかシンフォニックの女性ヴォーカル・バンドが好きです。歌い方的には、陰陽座に近いと言われたりするので、パワー系のハイ・トーン・ヴォーカルも好きですね。
——今回のオムニバスには、6月にリリースしたEPから「Start Screaming Again」を収録させて頂きました。これは、バンドにとってどういう位置付けの曲になりますか?
Masahiro
:この曲に関しては、前のアルバムから続くような曲にしたくて、ちょっと速めのメロデス直系の楽曲にしたかったんです。途中、少しジェント的な要素も入れて新しいレオパーデスにしようと思いました。それと、ずっと6弦だったんですけど、この曲だけ7弦を使ってレコーディングしたんです。
purple:歌詞としては、再び叫び始めるという訳になってます。コロナ禍でまったく活動していなかったので、もうレオパーデスの存在が忘れられているのではないかという不安もありつつ、“でも私達はちゃんといる”ということを思い浮かべて書きました。ここから新たに私達のことが認知されて広がっていけばいいなと思って考えた曲です。あとは、Masahiro君が作った新しい曲調ということで、コーラスとかもすごいことになってるんです。そのあたりもキレイに聴こえるように意識して録りました。でも、私自身としては、このバンドの聴きどころはツイン・ギターだと思ってるんですね。うちのツイン・ギターは最強だと思ってるので、そのメロディックな部分とふたりの寸分狂いのないハモリなどを聴いてもらいたいですね。情緒あふれる素晴らしいものなので、そこは押したいですね。
Masahiro:いやいや、purpleさんの歌が最強だと思ってるので、それに負けないギターを弾きたいし、もっと歌を聴かせられるような曲をどんどん作っていきたいなと思ってます。

▲左よりMasahiro (g)、Arata(b)、purple(vo)、HAYATO(ds)、Masayoshi(g&vo)

配信限定EP「Start Screaming Again
2023年6月10日
①Start Screaming Again
②Storia Blue
③Save You Eternally

オムニバス収録の①での音楽性とは、また違った側面の②を聴くとレオパーデスの懐の深さが垣間見れる。ザクザクしたギター・リフは共通しているが、違うバンドと思う方もいるのではないだろうか。その幅広さは③でも感じられ、3曲でいろいろなバンドのカラーが楽しめる1枚だ。

■レオパーデス 公式サイト■
https://leopardeath.jimdofree.com/