究極&高音質のモバイル・インターフェイス、iRig USBが登場!

さまざまなオーディオ・インターフェイスが出ているなか、ギタリストに特化し、練習に便利で、手軽に持ち運べる究極のモデルがiRigシリーズだ。
今回、USB-Cに対応した新しいiRig USBが登場。まさに手のひらサイズのこのモデルの進化ぐあいに迫ってみよう。


IK Multimedia
iRig USB
¥12,100(税込)

【仕様】
●システム必要条件:Mac(64ビット)=Mac OS X 10.6 Snow Leopard 以降(空きUSBポート)、Windows(64ビット)=Windows 10 以降(空きUSBポート、iRig ASIO Driver for Windows)、iOS デバイス=USB-C端子を搭載するiPhone/iPad デバイスに対応【Lightning 端子搭載のiPhone/iPadで使用する場合はApple Lightning—USB 3カメラ・アダプタ(別売)とUSB-C—USB-Aケーブル(別売)が必要】、Androidデバイス=Android 5 以降が動作しUSBオーディオ機能を搭載しているモデル
●量子化 : 24ビット A/D、D/A 変換
●サンプルレート : 44.1kHz、48kHz
●デバイス接続端子 : USB Type-C
●入出力端子:ギター・イン、ヘッドホン・アウト、アンプ・アウト
●付属品:USB-C to USB-C ケーブル(60cm)
●外形寸法:99(奥行)x42(幅)x25(高さ)mm
●重量:54g

■いろんな場面で使用してみる
①スマホ or iPadで練習用に使う

まず、もっとも一般的な使い方が、この方法だろう。
iRig USBにiPhoneやiPadをUSB-C to USB-C ケーブルで接続し(Lightning 端子搭載の iPhone/iPadで使用する場合は、別売りのApple Lightning – USB 3 カメラ・アダプタとUSB-C – USB-A ケーブルが必要)、さらにギターとイヤフォンを接続する。
iPhone(iPad)のアプリで立ち上げたAmpliTubeなどのアプリを使えば、高品質なサウンドでギターの音が出てくれる。
なお、iRig USBを購入すると、AmpliTube CS for iPhoneとAmpliTube CS for iPad、AmpliTube TONEX SEがバンドルされている(くわしくは下記を)。

②PCと接続してレコーディングで使用

iRig USBは、低価格で超小型のオーディオ・インターフェイスながら、広い周波数特性とダイナミック・レンジを誇るので音質も保証されている。
もちろんPCに接続し、DAWへのレコーディングに使用することもできる。そうは言っても、“この価格と大きさで大丈夫?”と思われる方もいるだろう。そこで、じっさいに試奏班が、価格が10倍近くする某ハイ・パフォーマンスなオーディオ・インターフェイスと比べてみた。その結果は……かすかにミッド・レンジが違う、いやぜんぜん変わらない……すごいな、iRig USBは。歪ませた際のトーンでは、ほとんど違いを感じられなかった。

③スタジオ・リハ&ライヴでも活躍!

WeROCK試奏班が試したかったのが、この使用法だ。iRig USBを使って、アンプを鳴らす方法。すなわち、多数のエフェクト・ボードなどを持ち込まずに、iRig USBとiPhoneだけでスタジオ・リハ、さらにはライヴがいけるのか!?
今回はリハーサル・スタジオにて、常設されているマーシャルで実験。アプリはAmpliTubeを使用し、キャビネット・シミュレーターはオフにして、アンプのリターンに接続。
お〜! 充分すぎるトーンが出てくれる。もちろんアプリ側の設定に左右されると思うが、アンプのリターン接続したことでマーシャルの真空管を通ってるので、音圧ももちろんあるし、デジタルとアナログのハイブリッド仕様となって“使える音”が出てくれた。
リターン接続だけではなく、アンプのインプットにつなげても、もちろんOK。本物のアンプ側の歪みを生かしたいならばアプリのアンプをバイパスしてエフェクトだけ使うのもありだ。下記でくわしく説明するが、iRig BlueBoardというMIDIペダルを使うと、AmpliTube内のエフェクトのオン/オフができたり、プリセットの切り替えも可能。完全にエフェクト・ボードいらずになる。

■TONEXと組み合わせてリアルなサウンドで弾く

WeROCKでも何度も取り上げさせて頂いているTONEX。そのソフトウェアであるAmpliTube TONEX SEがiRig USBにはバンドルされているのだ。このアプリを使えば、日々、世界中からToneNETにアップロードされるアンプ、キャビネット、ペダル(ディストーション、オーバードライブ、ファズ、EQ、ブースト)などのトーン・モデルを、iRig USBを使って試すことができる。
iPhoneやiPadではアプリとして、MacではスタンドアローンだけではなくプラグインとしてもTONEXソフトウェアが使用可能なので、そのままレコーディングにも活用可能だ。
さらに、下で解説しているAmpliTubeのPC版だと、AmpliTube内にTONEXを持ってこれるので、多数のエフェクトと組み合わせることができる! WeROCK試奏班的には、“なぜ、iPhoneアプリのAmpliTube版では読み込めないんだ!”と嘆いているのだが、素晴らしい機能なので、ぜひ今後のアップデートに期待したいと思っております。


▲WeROCK Vol. 097時の企画で、TSPのShuが自らのアンプの音をキャプチャーした音がToneNETからダウンロードできる。
ToneNETにて、“Shu_JMP-1+OD”で検索してみよう

■AmpliTubeを使って最強のシステムを構築

iRig USBに、あらかじめバンドルされているもうひとつのアプリが、AmpliTube CS for iPhoneとAmpliTube CS for iPadだ。
これは、ギター/ベース用にモデリングされたエフェクターやアンプ、キャビネット、マイクに至るまでの機材を自由に組み合わせて、リアルなサウンドで演奏することを可能にしてくれるアプリ。無料版とはいえ、選べるストンプ・エフェクトは17個、アンプは8台にキャビネットも10モデル、さらにはマイクのモデリングまで……もう練習用には充分すぎる内容となっている。
ちなみに、2トラックのレコーディングまで可能にしてくれるので、ちょっとリフを思いついた時など、ギターを接続してすぐにレコーディングすることまでできてしまう。ちょっと贅沢すぎやしませんか!?

もちろんチューナーも搭載されているので、かなり便利に使えるぞ!

FX/THRUスイッチを活用しよう!

横に搭載されているスイッチは、アンプ出力の信号を、FX(アプリで作ったサウンド)かTHRU(ダイレクト音)か選択できるスイッチだ。これを使えば、すぐにバイパス音が出力できるので、アンプでの音作りに役立つ。

■iRig BlueBoardを使えばスイッチャーも不要

上記の接続イメージ③で紹介しているのが、ブルートゥースMIDIペダルであるiRig BlueBoardだ。
iPhoneやiPad、Mac対応のワイアレス・スイッチで、たとえばAmpliTubeで使用すると、プリセットの切り替え、パッチの変更、エフェクトのオン/オフなどができるようになる。さらに、下の写真にあるようにエクスプレッション・ペダルを接続すると、AmpliTubeに搭載されているワウやヴォリューム・ペダルを割り当てることも可能だ。

操作は、デバイスにiRig BlueBoard用のアプリ(写真下)をダウンロードしてペアリングし、アプリ内でコントロールしたいエフェクトなどにパラメーターを割り当てればOK。バンクを切り替える時はAかBのスイッチを長押しする。編集部試奏班は、BIAS FX2アプリでも試してみたのだが、しっかりと切り替わってくれた。

試奏班は、より実戦で使えるように、iRig USB+iRig BlueBoardでシンプル・ボードを作ってみた(写真下)。オーバードライブ・ペダルを入れると、さらにアナログ・ライクな音になり、チューナーも加えれば、Amplitubeと組み合わせることで、実戦的でクリーンから歪み、エフェクティヴな音まで多彩な音を出せるシステムが完成する。

好きな歪み系エフェクトと組み合わせることで、アナログっぽさをプラス。
キャビシミュは使わず、アンプのリターン接続がオススメだ

■iRig USBの詳細■
https://hookup.co.jp/products/ik-multimedia/irig-usb


■まだまだあるぞ! iRigカタログ!!

◎iRig 2 ¥7,700(税込)

イヤフォン端子を搭載した時代のiPhone、iPad、Macなどに対応したモバイル・オーディオ・インターフェイス。
ヘッドフォン・アウトはもちろんのことアンプ・アウトも装備している。入力ゲイン調整用ダイヤル、FX / THRU切替えスイッチも搭載している。

■iRig 2の詳細■
https://hookup.co.jp/products/ik-multimedia/irig-2

◎iRig HD2 ¥18,480(税込)

96kHzのサンプル・レートに対応した高品位なモバイル・デジタル・オーディオ・インターフェイス。
24bit A/Dコンバーターを搭載したモデルとなっており、LightningケーブルとUSBケーブルが同梱されているので、すぐにiPhoneやiPad、Mac、PCと接続することができる。
アンプ出力は、エフェクト/バイパスの切替も可能で、低ノイズで高解像度の高品位なギター・プリアンプを内蔵している。iOSデバイス、またはUSBから電源供給可能な低電力設計も魅力だ。

■iRig HD2の詳細■
https://hookup.co.jp/products/ik-multimedia/irig-hd-2

◎iRig HD X ¥22,880(税込)

iRigのギター・インターフェイス・シリーズのフラッグシップ・モデルが、こちらのiRig HD Xだ。
コンパクトなボディから、 24bit/96 kHzによる高品質なサウンドを作り出せる。Lightning、USB-C ケーブルが同梱されているので、 iPhone、iPad、Mac/PCなど多くの機器に直接接続が可能だ。
広い周波数特性とダイナミック・レンジを持つクリアな音質のプリアンプを搭載しており、高品質なトーンのままアンプへの出力もできる。さらに、操作は中央のツマミのみで、ヘッドフォン・ヴォリュームの調整から、アンプ出力の FX/THRU切り替え、ヘッドフォン出力でのダイレクト・モニタリング機能のON/OFFの他、チューナーも装備!
LEDは入力レベル・インジケーターの他、チューナーとして機能するという至れり尽くせりのモバイル・オーディオ・インターフェイスだ。

■iRig HD Xの詳細■
https://hookup.co.jp/products/ik-multimedia/irig-hd-x

◎iRig Pro I/Oシリーズ

iRig Pro I/O ¥29,700(税込)

■iRig Pro I/Oの詳細■
https://hookup.co.jp/products/ik-multimedia/irig-pro-io

iRig Pro Duo I/O ¥40,480(税込)

■iRig Pro Duo I/Oの詳細■
https://hookup.co.jp/products/ik-multimedia/irig-pro-duo-io

コンパクトながらプロ仕様のオーディオ&MIDIインターフェイスが、iRig Pro I/Oシリーズだ。現在、上記の2種類発表されている。
上より、iRig Pro I/O。24-bit/96kHzのスタジオ・クォリティのデジタル・オーディオ・インターフェイス機能と、MIDIインターフェイス機能をポケット・サイズで実現したモデル。コンデンサー・マイク、ダイナミック・マイク、ギター、ベース、キーボード、MIDIコントローラーなどなど、あらゆる入力ソースに対応している。
iRig Pro Duo I/Oは、2チャンネル対応のモデル。ファンタム電源対応のXLR/標準コンボ入力端子を2つ装備している。

■IK Multimediaの製品の詳細■
https://hookup.co.jp/products/ik-multimedia