JOE がパールの最新ペダル、デーモンXRをチェック!
パールから“速度”“反発力”“精度”を極限まで追求したペダル、デーモンXRシリーズが登場した!
発売以来、メタル・ドラマーから注目を集めるこのペダルをテクニカル・ドラマーのJOEがチェック! 合わせて定番の2機種も試奏!!
JOEによる試奏動画
パール P-3502D Demon XR Machined Double Pedal
¥121,000(税込)
【仕様】
●ドライヴ:ダイレクト
●フット・ボード:削り出しロング・ボード・アルミニウム
●ベアリング:NiNjAベアリング
●スプリング:エクストリーム・スプリング(ノーマル・スプリング同梱)
●ビーター:エクストリーム・インパクト・ビーター
●付属品:セミ・ハード・ケース
■デーモンXR〜最速を求めるドラマーやヘヴィな音を得たいドラマーに!
——第一印象はいかがですか?
JOE:まず、デザインがカッコいいですよね。何か盾みたいで、インパクトがありますよ。うっすらと光沢を感じるシルバーが基本で、リンクやビーターが赤いというのもカッコいい。あと、フット・ボードが長いですね。今は、これぐらいの長さのフット・ボードを持つペダルは他にもありますが、長いと足をいろいろな位置に置けるので、より自分が踏みやすいポジションを探せるんです。そこもいいですね。
▲デーモンXRと下で紹介しているデーモン・ドライヴ 3000シリーズと比べてみるとフット・ボードの長さの違いがわかるだろう。
なお、3000シリーズは、ボードの長さを2種類選べ、写真はショートでセットしたパターンだ
——踏んでみての印象は?
JOE:ジョージ・コリアスとの共同開発とのことなんですが、あの人のドラミングは異次元で(笑)。その異次元に踏み入れることができるペダルだなと。もちろん、あの人のレベルで踏むには、そうとうな練習は必要ですけど(笑)。
——細かく聞いていきたいのですが、まずビーターはこのデーモンXR用に開発されたそうです。
JOE:僕は今、パールのクォード・ビーターという4タイプを切り替えられるものを使っているんですけど、それと比べると重さが少しあるようですが、正直なところ、そんなに差は感じません。あと、面になっているためか、ヘッドに当たってから、そこからさらに押し込めるような印象がありますね。僕はクォード・ビーターのプラスティック素材の面で叩いているんですが、それと比べてもアタックがハッキリ出せるし、試奏に使っているバス・ドラム自体がいいため鳴りもいいですね。もちろん、クォード・ビーターも優れものなので、そこは好みの問題だと思いますけど。
▲硬質樹脂を採用したビーターの打面。平面のデザインにより、アタックの鋭さが増して、また低音も強調することができる
——スプリングも、エクストリーム・スプリングとノーマル・スプリングの2種類が同梱されています。
JOE:スプリングも踏み心地に大きく影響する部分なのですが、デフォルトでセットされているのがエクストリーム・スプリングですね。こちらは強めというか硬めというか、そのおかげで返りが速いんです。ただ、ここも好みの差があると思うので、少し重いなとか速すぎるなという方はノーマル・スプリングを使えばいい。そこが選べるのがいいですね。
▲セットされているのがエクストリーム・スプリング、手前の赤い丸で囲っているのがノーマル・スプリング。
サイズがかなり違い、フット・ボードが戻るスピードも速い!
——ダイレクト・ドライヴについてはどういう印象を受けましたか?
JOE:僕はふだん、パールのP-101という少し懐かしいペダルを愛用していて、それがチェーン・ドライヴなんですね。チェーン・ドライヴはキック・ペダルのスタンダードですが、踏んだ時に少し遊びというかタメがあるんです。そこが味でもありグルーヴにも繋がるので好きなところなんです。だから、今もP-101を使っているんですが、ダイレクト・ドライヴは文字通り、踏んだらそのままダイレクトに反応してくれます。チェーンと踏み比べると、その反応の速さの違いはわかると思いますし、超速のバス・ドラム・プレイが求められる今、合っていると思いますね。
——その超速プレイに焦点を合てて設計されているので、他の製品と比べ、あえていろいろ調整するところを減らしているらしいです。
JOE:他のペダルでも速いプレイ向けのセッティングはできるんですが、デーモンXRは最初から速く踏むドラマーのために設計されているから、わかりやすいですよね。調整するのは、スプリングの強さぐらいですから。まずはスピード系、足数系のドラマーに試してみてほしいですね。また、アタックのある音が出せるので、ハード・ロック全般に使えるし、ビーターを変えればポップスなどでも使えると思います。とにかく、反応が速く正確なので、プレイにしっかり付いてくるというか、体感としては自分が思っているより早くバス・ドラムが鳴る印象があるんですね。いいプレイができると思いますよ。愛用するP-101とは正反対みたいなペダルですが、ダイレクト・ドライヴならではの反応の速さも含めて気に入りました。ペダルはここまで進化したんですね。
■ジョージ・コリアスとは?
◎デーモンXRシリーズをパールと共同開発したドラマー、ジョージ・コリアス。アメリカのテクニカル・デス・メタル・バンド、ナイルのドラマーとして活躍中で、ツー・バスの連打の速さと正確さは世界でもトップ・クラス。もちろんプレイ全体も圧倒的で、数多くの若手ドラマーからの信望も厚い。
▲こちらはシングル・ペダルのP-3500D Demon XR Machined Single Pedal(¥48,400/税込)
■パール デーモンXRシリーズの詳細■
https://pearldrum.com/ja/products/drum-pedals/demon-xr-3500-series/
■デーモン・ドライヴ〜踏み心地は軽く、サウンドは重く!
パール
P-3002C Demon Chain Double Pedal
¥111,100(税込)
【仕様】
●ドライヴ:ウルトラライト・チェーン
●フット・ボード:デュオ・デック・コンバーチブル
●ベアリング:NiNjAプレシジョン・スケートボード・ベアリング
●ビーター:コントロール・コア
●付属品:セミ・ハード・ケース
——続いては、パールの定番ペダルであるデーモン・ドライヴ3000シリーズのチェーン・ドライヴを踏んでもらいました。第一印象はどうですか?
JOE:これまでも試したことはあったんですが、あらためて踏んでみても、やっぱり、すごいです。ペダル界に革命を起こしたのがデーモンだと思います。
——それはどういった点ですか?
JOE:まず、踏み心地ですね。ドラマーならわかると思うんですが、踏んだ瞬間に音が鳴ってくれる。当たり前だろと思うかもしれないですが、昔のペダルって音が遅れる感覚があるんです。あと、ツイン・ペダルで速い連打をした時の2発目のスムーズさがすごいし、踏めば踏むほどパワーが出てくる印象ですね。
——では、なぜこれまで使ってこなかったんですか?
JOE:すごくいろんなことが調整できるんですね。そこが自分にとってのネックだったんです。使うならとことんまで研究して、自分に合ったペダルにしたいんですけど、そこが少し大変かなと思って使ってこなかったんです(笑)。僕はスプリングの強さとビーターの角度などを重視するんですが、それだけでなくフット・ボードの長さも変えられますよね。基本は、僕はボードの真ん中あたりを踏んでいるですけど、ボードの長さが変わると、踏み込む位置も変わってくる。もっと言えば、足を置く位置でサウンドも変わってくる。この調整はなかなか大変だぞと(笑)。逆に言えば、突き詰めることで理想のペダルが手に入れられるということです。
——ボードの上の丸いところを回転させることでも、踏み心地を調整できます。
JOE:そうなんですよね。好みの滑らせ方に合わせることができます。
——ビーターはフェルト・タイプですね。
JOE:フェルトらしくないアタックというかパワーを感じますね。
——どういうタイプのドラマーにオススメですか?
JOE:同業者というか、プロのドラマーにオススメですね。バス・ドラムの速い連打もずっしりとしたミドル・テンポもできるドラマーにオススメです。あとは、他のペダルにも言えるんですが、いいペダルを使うと上達も早いと思うので、初心者にも使ってほしいですね。
▲標準装備のビーターの他、別売となるがウッド・ビーター(右側)もラインナップ
▲フット・ボードの丸い部分を自由に回して、滑り具合やバランスを調整できる。また小さい5つの丸いパーツを外すことも可能だ
▲デーモンには、ダイレクト・ドライヴ・モデルもラインナップされている。
チェーン・ドライヴと比べてよりロスのないペダル・ワークが行なえる。写真のツイン・ペダルは¥111,100(税込)、シングル・ペダルは¥44,000(税込)となっている
■パール デーモン・ドライヴ・シリーズの詳細■
https://pearldrum.com/ja/products/drum-pedals/demon-drive-3000-series
■エリミネーター〜進化したロング・セラー・ペダル
パール
P-2052C Eliminator:Redline Double Drum Pedal
¥89,100(税込)
【仕様】
●ドライヴ:スプロケットレス・ダブル・チェーン
●フット・ボード:レッドライン・リヴァーシブル・トラクション・プレート
●ベアリング:NiNjAプレシジョン・スケートボード・ベアリング
●ビーター:コントロール・コア・クォード・ビーター
●付属品:セミ・ハード・ケース
——エリミネーターは、長く人気を博しているペダルですね。
JOE:どこか、僕が使っているP-101に近いところがありつつ、パワー感やスピードが向上しているという印象ですね。P-101と同じ、チェーン・ドライヴだから踏み心地が近いと感じるのかな。ただ、P-101はシングル・チェーンで、エリミエーターはダブル・チェーンなので、そのぶんパワーを伝えやすいし、安定していますね。音量も稼げます。あとは、やはりカムがポイントでしょうね。
——4種類のカムが標準装備されていて、踏み心地を変えられるんですよね。
JOE:今回はもっともスタンダードなタイプの真円の黒いカムで試してみたのですが、充分にパワーのあるサウンドを鳴らせますよ。以前、4つともカムを試したことがあったんですが、白いカムは、黒カムより少し大きくて踏み心地が軽くなるんですよね。以前、青と赤はそれぞれ軸が中心からずらされていて、青は途中からスピードが速くなるんですよ。赤は細かく踏むフレーズに向いていた記憶がありますね。僕はスタンダードな黒がいちばん使いやすかったです。
▲エリミネーターには踏み心地が異なる4種類のカムを同梱。発売当時、カムを付け替えられるという斬新なアイディアに驚いたドラマーは多かった
——ビーターはフェルトとプラスティック、それぞれ線で当てるタイプと面で当てるタイプで4種類を切り替えられますね。
JOE:P-101でも形は少し違うんですが、この4タイプを切り替えられるビーターが付いていて、僕はプラスティックのほうが音が硬くて好みですね。フェルトは音が少しマイルドになるので、そこは好みで選べばいいと思います。
▲標準装備されているクォード・ビーター。アタックや音質をより好みのものにできる
——ボードの上の部分の楕円形のところの向きを逆にして、滑りを変えることもできますしね。
JOE:そこもいいですね。なめらかに足を滑らせたいのか、そうでないのかは、プレイに直結しますから。
——どういうタイプのドラマーにオススメですか?
JOE:パワーのあるサウンドを求めるドラマーですね。もともと力強く踏めるドラマーに向いているんですが、パワーがないけどそういうサウンドを求めるドラマーにいいと思います。
——というのは?
JOE:とにかく調整幅が広くて、パワーを補える調整ができるんです。とくにカムですね。カムって重要なパーツで、踏み心地を大きく左右しますからね。あと、ダブル・チェーンなのでブレがないし、初心者にも向いているし、上級者の細かい好みに応えられる。ジャンルも問わないペダルだと思います。
▲こちらはシングル・ペダルのP-2050C Eliminator :Redline Single Bass Drum Pedal(¥59,400/税込)
■パール エリミネーター・シリーズの詳細■
https://pearldrum.com/ja/products/drum-pedals/eliminator-2050-series
https://pearldrum.com/ja/products/drum-pedals/eliminator-solo-series
▲ダイダ・ライダ/アルバム『一閃』
(ワルキューレ・レコード)
◎JOE:1997年にセックス・マシンガンズに加入、1998年にメジャー・デビュー。身体の故障のため、一時音楽活動から離れるも2004年にマシンガンズに再加入(2006年に脱退)。並行して、ダーザインやエレガンズなどで活動を続け、2011年からはダイダ・ライダでも活躍中。
■ダイダ・ライダ 公式サイト■
https://daidalaida.site/
■エレガンズ 公式サイト■
https://elleguns.tokyo/
■ダーザイン 公式サイト■
https://dasein-official.com/