【試奏動画連動】 リハもライヴも1台で完結! 〜本物 vs シミュレーター

近年はどんどん質のいいアンプ・シミュレーターが登場してきており、もはやアナログよりデジタルのほうが主流になってきたと言っても過言ではないだろう。そんなシミュレーターが便利なのは、重いエフェクト・ボードやアンプを必要とせず、1台で完結してしまうというところ。
WeROCK 096(2023年8月発行)で“101人の足元”企画として、ギタリスト&ベーシストのエフェクト・ボードを紹介していながら、なんと今回は大きなボードもアンプもいらないという“1台で完結”できるシミュレーターを試奏してみた。
試奏を担当したのは、Tribal Scream of PhoenixのShu。本人の真空管アンプとの対決動画も収録しながらの試奏だったわけだが、はたして勝者はどちらに?

◎今回の試奏記事について◎ 各モデルを試奏してみて、編集部の評価を星5つで表わしてみた。
レコーディング(DTMも含む)に向いてるのか、ライヴやリハーサルなどでの実戦に向いてるのか、コスト・パフォーマンスは? 使い勝手は? そして、この企画の目的である1台で完結するのかをWeROCK的にチェックしてみた。


真空管アンプ vs シミュレーター 試奏動画


この価格で実現する無限のアンプ数

IK Multimedia
Amplitube TONEX Pedal
¥69,300
(税込実勢価格)

【仕様】
●150種類のカスタマイズ可能なプリセッ
●24-bit /44.1 kHz の USB オーディオインターフェイスとしても動作
●コントロール:モデル・セレクト、プリセット・コントローラー、パラメーター・コントローラー、ゲイン、ベース、ミドル、トレブル、ヴォリューム、リバーブ、コンプレッサー、ノイズ・ゲイト、プレゼンス、デプス
●入出力端子:インプット、アウトプット(L/R)、ヘッドフォン・アウト、MIDI イン/アウト、EXT.コントロール、USB端子
●電源:9V DC(センター・マイナス)
●外形寸法:176(幅)×142(奥行き)×55(高さ)mm
●重量:906g

発売されると同時に、あっという間にソールド・アウトが続出したという話題のTONEX Pedal。
TONEXには、このペダル・タイプのモデルの他、ソフトウェア(プラグインとスタンド・アローンあり)や下で紹介しているTONEX Captureがあるのだが、今回の企画にピッタリなのは、このTONEX Pedalだ。簡単に言ってしまうと、この1台の中にさまざまなアンプが収録されており、ペダル・タイプのアンプと考えてもらえればいいだろうか。
エフェクトは、リバーブ、コンプレッサー、ノイズ・ゲイトだけなので、これは完全にコンパクトなボディに無限のアンプを収録した製品と理解してほしい。
で、なにがすごいかと言うと、大きなポイントはふたつ。
ひとつは、自分のアンプの音を取り込むことができること。アンプ・ヘッドからの音だけをキャプチャーすることもできるし、キャビネットにマイクを立ててキャプチャーすることも可能だ(しかも2本のマイクを融合した音を取り込める)。自分のアンプを持っているし、やはり自分のアンプの音で弾きたい……とは言うものの、もう大型アンプを運ぶのも疲れた……という方には、このコンパクトなペダルの中に自分のアンプをキャプチャーできるのは待望の製品ではないだろうか。
そして、もうひとつのポイントは、世界中のギタリストがアップしたアンプの音やデフォルトのシミュレートされたアンプの音を、このペダルに読み込ませることができるのだ。
PCのTONEXソフトウェアを使い、PCとTONEX PedalをUSB接続し、ドラッグ&ドロップで簡単に新たな音色を読み込ませることができるできる。TONEXソフトウェア上にあるToneNETというボタンをクリックすると、世界中のギタリストがアップロードした音が出てくる。毎日、どんどんアップロードされるので、いったいアンプの音がいくつ入ってるのかすごいことになってます。
ちなみに、TONEXソフトウェアは歪み系エフェクターのみの音もキャプチャーできるし、歪み系エフェクターを接続したアンプの音もキャプチャー可能。アンプとキャビネットの組み合わせなど、いろいろなパターンが、毎日、ToneNETに上がってくるので、これを聴くだけでも楽しくなる(PC上でデモ音源を試聴可能)。DTMなら、これで録音すれば完結なのだが、今回の企画はリハスタやライヴでの使用も想定しているので、これだけで終わらすわけにはいかない!

今回の目玉は、実際のアンプの音をキャプチャーして、それを元となったアンプと比べてみようというものだ。これで納得いけば、ライヴやリハーサルに自分のアンプを持ち込まないで、TONEX Pedalだけ持って行けばいいことになる。さっそくチャレンジしてみよう。
キャプチャーするアンプは、私の愛機であるオーバードライブ(TS系)→マーシャルJMP-1(プリアンプ)→マーシャル EL34 100/100(パワー・アンプ)→マーシャル MODE FOUR(スピーカー・キャビネット)だ。
ここに、SHURE 57(モディファイ)とAKG 414の2本のマイクを立てて、その音をキャプチャーしてみる。この組み合わせは、世界中を見渡しても、なかなかいないと思うので、見事にキャプチャーできたらToneNETに上げておこう。設定は、ソフトウェアの画面に従ってやっていけば簡単だ。なお、アンプ・ヘッドからキャプチャーする場合は、キャビネットを鳴らすかロード・ボックスを使用しないとアンプを痛めてしまうので注意しよう。

▲今回はTONEX Captureを使い、アンプ+キャビネット+マイク(マイクは2本立ててブレンド!)のサウンドをキャプチャーして、本物の音とも比べてみた

オーバードライブなどの歪み系エフェクトもキャプチャー可能だ。
アンプのトーン・モデルと歪み系のトーン・モデルを同時に使用することはできないので、一緒に使用するならオーバードライブを経由したアンプの音をキャプチャーするのがオススメ

アンプや歪み系エフェクターの音をキャプチャーする時に便利なIKマルチメディアのTONEX Capture( ¥44,000/税込実勢価格)。今回の試奏では、上図のようにアンプ+キャビネット+マイク×2本の音をキャプチャーしてみた


さて、いちばんクオリティの高い方法でキャプチャーしたのでわりと時間がかかってしまった(時短の方法もあり)。キャプチャーが終了するとTONEXソフトウェアの画面の下段にキャプチャーした項目が登場するので、それをTONEX Pedalに読み込ませれば完了。
まずは、TONEX Pedalにヘッドフォンを接続して弾いてみるとどうだろう? お〜! 自分の音が出てくれる!! レコーディングして、ミックス時に聴ける音だ〜。ヤバイな、これ。実際に自分のアンプを弾いてる時よりもゲインが少なく感じるのでTONEX Pedalのゲインで調整。ちょっと高域も足したいのでEQで補正すると、かなり好みの音になってきた。ノイズ・ゲイトが付いてるので、本物よりノイズがない……素晴らしい。ちょっとリバーブを足してやれば、すごく気持ちよく弾けます。すでにTONEXソフトウェアのほうにはこのトーン・モデルが入ってるので、DAWでプラグインとして読み込めば、もうリアンプする必要ないな……。レコーディング環境に左右されず、いつでも自分の音が出てくれるし、AmpliTube(プラグイン)と組み合わせると、さらに無限大な音作りができそうだ。
今回、なかなかグッドにキャプチャーできたので、“Shu_JMP-1+OD”という名前でToneNETにアップしておきました。ちなみに、今回はJMP-1のOD2を使用。こちらはレコーディング用のセッティングで、機会があればライヴ用のOD1を使ったキャプチャーもアップしたいと思います。
さて、このTONEX Pedalは、コンパクトで自分のアンプの音はもちろんのこと、世界中のギタリストがアップロードするアンプの音を読み込ませることが可能なので、とにかく便利なのはわかって頂けたかと思う。ただし、ひとつだけ難点が!? あくまでもアンプ・モデラーがメインなので、コーラスやフランジャーを使いたい、ワウもほしいとなるとオールインワンのシミュレーターには勝てない。
でも、MIDIも装備しているのでボードを組んで、多彩な音作りをしてみるのにも挑戦したいと思ってしまう1台だ。ボードにアンプも搭載してしまうという、これまたボード1個で完結!

▲入出力端子はシンプル! これなら、ライヴやスタジオ・リハで悩むこともなくセッティングできるはずだ

コントローラーはシンプルで少ないながらも、プシュすることで切り替わったりペダルだけでも簡単に操作が可能だ

▲PCでエディットや、世界中のユーザーがアップロードするトーン・モデルを無制限にダウンロードできるソフトウェアの画面。TONEXは、基本的にシンプルなので、ソフトウェアも使い勝手がいい

ソフトウェアを駆使すればDTMでも手軽に自分のアンプの音が出せるのでレコーディングには重宝できそうだ。
ライヴやリハーサルなどの実戦向きという部分では、多くのエフェクターが搭載されているわけではないので悩ましいところ。そういう意味では、1台で完結しないギタリストもいるので“1台で完結度”は★が少なくなってしまった。

 

■IK Multimedia:Amplitube TONEX Pedalが通販で購入可能
○イケベ楽器
https://www.ikebe-gakki.com/Form/Product/ProductDetail.aspx?shop=0&pid=751716&bid=ec&cat=efx001010

○ミュージックランドKEY
https://www.musicland.co.jp/fs/musiclandkey/ik-tonex-pedal

■IK Multimedia:Amplitube TONEX Pedalの詳細
https://hookup.co.jp/products/ik-multimedia/tonex-pedal


使い勝手のいい簡単操作が魅力

Mooer
GE300
¥106,700(税込/想定売価)

【仕様】
●アンプ:108
●キャビネット:43
●エフェクト:164
●ビット深度:24bits
●サンプル・レート:44.1 kHz
●ダイナミック・レンジ:114 dB
●周波数特性:20Hz〜 20kHz、 +0/-1dB
● オーディオインターフェイス機能
●入出力端子:インプット、エフェクト・センド/リターン、AUXイン、アウトプット、XLRアウトプット、ヘッドフォン・アウト、MIDIイン/アウト、USB(タイプB)、EXP2タイプ
●電源:DC9V、3A(センター・マイナス)
●外形寸法:410(幅)×201(奥行き)×62(高さ)mm
●重量:3.0kg

今回の企画で、いちばんマルチ・エフェクターらしいモデルが、こちら、ムーアー GE300だ。合計10個のフットスイッチに、ペダルも搭載。モデリングされているのは、アンプが108、キャビネットが43、エフェクトが164で、さらにサードパーティ製のIR(2048 Sample Ptsまで)をロードでき、20ユーザー・スロットに加えられる。オーディオ・インターフェイス機能もあるので、もちろんDTMを初めとしたレコーディングにも対応可能だが、このGE300がその能力を発揮するのはライヴやリハーサルの現場だろう。
ディスプレイの視認性がよく、LEDのスイッチと合わせて、現在、どのエフェクターがオンなのかオフなのか一発でわかる。そして、そのLEDを押せば、すぐに各エフェクターやアンプなどのエディット画面に入ることができ、エディットも右側のコントローラーでアナログ感覚で操作できるのだ。初心者でも使いやすいし、フットスイッチへのアサインも自由度が高いので、これはいろいろな音色を駆使するギタリストには、重宝されるモデルだろう。そして、こちらのモデルにもキャプチャー機能が搭載されている。これは、アンプだけではなく、キャビネットはもちろんのこと、なんとギターのEQキャラクターもキャプチャーできるという多機能なものだ。
気になる音のほうだが、まずはオーソドックスなマーシャル JCM800のモデリングだと思われる音を試奏してみよう。うんうん、この音、この音。エディットしてみると実際の800よりも幅広いEQが可能なような気もするが(笑)、それだけ基本のトーンを保ったまま広い音作りが可能だ。そこにいろんなキャビネットを組み合わせることができるので、すぐに使いこなすことができる。デジタルものというと、アナログ人間にはなかなか頭が混乱するタイプのモデルが多いなか、この操作性はうれしい限りだ。
さて、ポイントとなるキャプチャー機能。こちらも自分のマーシャル JMP-1をキャプチャーしてみた。アンプの場合は、新しいアンプになるというよりもEQをプラスするような感覚で音を作ってくれる。それを元に本物のパワー・アンプに接続してキャビで鳴らしてみたのだが、充分に実戦に使えるトーンを出してくれたぞ。

ライヴやリハスタなどでの実戦でうれしいのは、すぐにエディットできること。
このGE300は、ディスプレイとLEDスイッチ、そしてツマミで手軽にエディットできるので、初心者にも扱いやすい

多くのフットスイッチを搭載しているという点からみても、実戦向きであることは間違いない。まさに、これ1台で完結するので、この2項目は満点! エディット方法も簡単なので使い勝手も満点。レコーディング向きの部分で★2つになっているが、オーディオ・インターフェイス機能もあるので、自宅でのDTMであれば十二分に活躍してくれるはずだ。

 

■Mooer:GE300が通販で購入可能
○LEP INTERNATIONAL 公式サイト
https://mooer.jp/products/mooerge300

■Moore:GE300の詳細
https://lep-international.jp/products/mooerge300


間違いなくデジタル・アンプの最高峰

Fractal Audio Systems
FM3 MARK Ⅱ Turbo
¥242,000(税込)

【仕様】
●アンプ:310モデル以上
●キャビネット:ファクトリーIR = 2,237、ユーザーIRエリア = 1,024
●エフェクト:33以上のエフェクト・ブロックに369タイプ(v.7.00時)のエフェクターを搭載
●ビット深度:24bits
●サンプルレート:48 kHz
●ダイナミック・レンジ:114 dB
●周波数特性:20Hz〜 20kHz、 -0.01 to +0.01 dB
● オーディオインターフェイス機能
●入出力端子
インプット1=1/4 ″、インプット2=1/4 ″ (バランス)、アウトプット1=ステレオXLR、アウトプット2=ステレオ1/4 ″フォン、USB 2.0、MIDIイン、MIDIアウト/スルー、S/PDIFアウト、ヘッドフォン・アウト
●その他の端子 : PEDAL1&2、 FASLINK II接続端子、USB(AUDIO/PC)
●外形寸法:281(幅)×236(奥行き)×103(高さ)mm
●重量:3.3kg

“1台で完結”企画、最初にして最強の1台を登場させてしまおう。
そう、ケンパーと並びモデリング・アンプの本家と言っても過言ではない、フラクタルの最新モデルだ。少し前のフラクタルといえば、ラック式のイメージが強い人も多いと思うが、FMシリーズはフロア・タイプのモデルで、その最新モデルがこのFM3 MARK
Turboになる。この筐体に、これまで培ってきた技術と機能を凝縮し、音色的にも上位機種に引けを取らないトーンを実現している。
いきなりフラクタルを登場させるのは反則のような気もするが(汗)、じっさいに試奏してみよう。まあ、とにかくプリセットの数がすごいです。さらに、モデリングの数も驚愕! PC上で行なうDTMでのギターの音作りすべてが、この1台に凝縮されてると言えるのではないだろうか。
手っ取り早く音作りするにはエディター・ソフトである“FM3-Edit”を使うと簡単なようだが、それではライヴやリハーサルの現場で使おうという今回の企画の趣旨に反してしまうので、ガンバってハードのほうだけでエディットにチャレンジだ。ハードだけですべてを操作しようとすると、あまりに機能がもりだくさんで、完全に理解するには数時間を要するかもしれない。それだけ細かく奥が深いのだ。
基本的なマーシャル JCM800と1960キャビネットの組み合わせを探し出して、まずはヘッドフォンで弾いてみると……すごい! これはシミュレーターじゃなくて、アンプを鳴らしてる音だよね? デジタル特有の張り付き感もないし、真空管っぽいピッキングのニュアンスまで再現されている。このままレコーディングしても、モデリング・アンプの音だと気づく人がいるのだろうか、というトーンだ。
さて、ではリハーサルやライヴで、どの程度のアナログ感があるのか試してみよう。フラクタル内のキャビネット機能をオフにして、本物のマーシャル・アンプのリターンに接続。これでパワー・アンプのみを使って本物のキャビを鳴らす設定だ。弾いてみると、これまた完全に驚きです。パワー・アンプという真空管を通っていることもあるが、本物のマーシャルのみを鳴らした時と比べてトーンの違いがわからない。空気感まで再現されているというか、この音は驚くしかないぞ!

あまりにいろいろできてしまうので、本体だけだと、その操作に戸惑う方もいると思うが、このように5個のツマミを動かしてアナログ的にエディットできるのはうれしい

◎音のクオリティがすさまじい。これ1台でギターのレコーディングは完結してしまう装備が備わっている。
あえて難点をいうとするなら、見た目より重量があるのと、使い勝手という意味では、とにかくエディットの幅が広いので思いのほか理解に時間がかかる人もいるかもしれない。しかし、このトーンと機能で、もちろん“1台で完結度”は満点だ。

 

■Fractal Audio Systems:FM3 MARK Ⅱ Turboの詳細
https://www.okada-web.com/fractal-audio-systems/fm3-mark-ii-turbo


これは反則!? リハもライヴも手軽すぎる1台

XSONIC
XTONE PRO
¥36,300(税込実勢価格)

【仕様】
●サンプルレート:44.1k、48k、88.2k、96k、176.4k、192kHz
●ダイナミック・レンジ:114 dB
●周波数特性:20Hz〜 20kHz、 -0.01 to +0.01 dB
●入出力端子:ライン・インプット、エクスプレッション・ペダル・インプット、マイク・インプット(ファンタム電源)、USB パワー・インプット(5V DC)、9V DC、MIDIイン/アウト、ヘッドフォン・アウト、バランスド・アウト、ステレオ・アウト(LR)
●外形寸法:123(幅)×195(奥行き)×60(高さ)mm
●重量:650g
※動作条件 iOS=iOS 10 以上で、Lightning または USB Type-C interfaceを搭載したiPhone、iPad Mac=OS X 10.6 以上。Android=非推奨
※ AndroidデバイスではAmpliTubeのみが動作します。Windows=Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、Windows 10
※動作条件は予告なく変更になる場合があります。

この企画の反則技のひとつかもしれないXTONE PROの登場だ。
商品自体は、上の写真右側のモデルで、アンプ・シミュレーターではなくストンプ・タイプのオーディオ・インターフェイスなのだ。すなわち、このXTONE PROだけでは音も出なければライヴもリハーサルもできない。必要なのが、スマートフォンやiPadなどで、そのスマホ内のアプリをXTONE PROで操作してしまうのだ。なので、音的なことは、アプリに委ねる形になるため、企画的にどうなのかとも思ったのだが、今やほとんどの人がスマホを持つ時代。とすると、XTONE PROとギターさえあれば、リハスタでもライヴでも音を出せてしまうのである。
さて、実験してみよう。今回は、iPadにダウンロードしたBIAS FX2アプリをXTONE PROで操作するという手法を取ってみた。さらに、反則なのだが、じつはBIASは、PCのソフトウェアであるBIAS AMPを使うと自分の音をキャプチャーできるという方法がある(WeROCK TVでも実演映像あり)。そこで、XTONEでも紹介した私のアンプ&キャビネットの音をキャプチャーしており、それをBIAS FX2に持ってきて音を出すわけだ。
要するにBIAS AMPやBIAS FXソフトウェアがあれば、キャプチャーも音作りも1台で完結してしまうのだ。あとは、XTONE PROにギターとiPadを接続すればOK。
ほとんど、BIASアプリの説明になってしまったが、XTONE PROはBIASだけではなくAmpliTubeなどのアプリも、もちろん操作可能だ。無料のアプリもあるので、XTONE PROさえあればOKの可能性もある。XTONE PROには6つのフット・スイッチが付いており、これにエフェクターのオン/オフやプリセットの切り替えなどをアサインしてあげれば、ライヴなどでは瞬時に音色切り替えが可能になる。
さて、肝心の音色だ。今回は、ラインでの音も録ってはみたものの、これはプラグイン上でやればいいので意味を感じられない(汗)。楽しみだったのは、XTONE PROのアウトから本物アンプのリターンに挿してキャビネットを鳴らしてみた時の音色だ。なんと、ぜんぜん、イケる! 信じがたい方は、ぜひ動画を観てほしい。BIAS FX2の音は、こちらもToneCloudにアップしておきます。

▲あまりにいろいろできてしまうので、本体だけだと、その操作に戸惑う方もいると思うが、このように5個のツマミを動かしてアナログ的にエディットできるのはうれしい

XTONE PROに限ってみると音色での評価はできないので、ご了承いただきたい(汗)。まず、レコーディング向きかと言うと、今回の使い方では向いてないというか、レコーディングならば使わずにプラグインで対応するべき。しかし、その他の項目は、低価格でリハにも持っていきやすい、そしてスマホさえあれば1台で完結!(スマホが必要なので★1つ)

 

■XSONIC:XTONE PROが通販で購入可能
○ミュージックランドKEY
https://www.musicland.co.jp/fs/musiclandkey/xsonic-xtone-pro

■XSONIC:XTONE PROの詳細
https://hookup.co.jp/products/xsonic/xtone-pro