【動画連動】ボード製作の鍵は電源にあり!

プロ/アマを問わず、広く愛用されているヴァイタル・オーディオの製品。
そのヴァイタル・オーディオのパワー・サプライであるPOWER CARRIERシリーズにVA-05 Mk
が加わった。
そこで、今回は人気モデルのVA-08 Mk
とともに、この2機種の紹介動画とボード製作実践例をお届けしよう!


KAOЯI(パラドックス)による紹介動画


ヴァイタル・オーディオ POWER CARRIER VA-05 MkⅡ
12,100(希望小売価格/税込)

【仕様】
●ポート:9V/12V/18Vの可変ポート×2、9Vポート×2
●外形寸法:111.5(幅)×21.3(高さ)×60(奥行き)mm
●重量:134g

▲VA-05 MkⅡには、エフェクターと接続するためのDCケーブル(60cm S/L)が5本付属する

■VA-05 MkⅡが通販で購入可能
◎ミュージックランドKEY
https://www.musicland.co.jp/fs/musiclandkey/vtlaud-va-05-mk2

■VA-05 MkⅡの詳細
https://hookup.co.jp/products/vital-audio/va-05mk2

ヴァイタル・オーディオ POWER CARRIER VA-08 MkⅡ
17,050(希望小売価格/税込)

【仕様】
●ポート:9V/12V/18Vの可変ポート×2、9Vポート×6
●外形寸法140(幅)×30(高さ)×70(奥行き)mm
●重量:238g

▲VA-08 MkⅡには、8本のDCケーブル(60cm S/L)の他、昇圧用のYケーブルも付属。
例えば、写真のように2口の9Vのポートを使えば、18Vの供給が可能で、可変ポートを18Vにセットすれば最大36Vまで昇圧できる。また、分配用のYケーブルも同梱されていて、同じ電圧で2機種のペダルに分配することもできる

■VA-08 MkⅡが通販で購入可能
◎イケベ楽器
https://www.ikebe-gakki.com/Form/Product/ProductDetail.aspx?shop=0&pid=501994&bid=ec&cat=efx008001
◎ミュージックランドKEY
https://www.musicland.co.jp/fs/musiclandkey/vtlaud-va-08-mk2

■VA-08 MkⅡの詳細
https://hookup.co.jp/products/vital-audio/va-08mk2


まずはヴァイタル・オーディオや今回注目するパワー・サプライについて、株式会社フックアップの伊藤氏に解説してもらった。
——ヴァイタル・オーディオとはどういうブランドなんでしょうか?
伊藤:フックアップが立ち上がった時に、同時に発足したブランドなんですね。これまでにシステムを構築するために欠かせないギター・ケーブルなどを開発、販売してきて、現在はパワー・サプライやスイッチャーなどもラインナップしています。
——ユーザーのターゲットはどのように考えていますか?
伊藤:プロからアマまで、ですね。ただ、価格帯を考えると初級者から中級者までをターゲットにした製品が多いのですが、中身はプロ・ユース・レベルになっています。今回のパワー・サプライも他社さんの同等のスペックのモデルと比べるとかなりリーズナブルですし、ケーブルなどにしてもただ価格を抑えるだけでなく品質にこだわり開発してきています。
——そして、今回新たに登場したパワー・サプライがVA-05 MkⅡですね。
伊藤:もともと、VA-05 ADJという小型で薄型のパワー・サプライがあったのですが、その改良版と言えます。
——どのような点を改良したんですか?
伊藤:VA-05 ADJは小型で使いやすく人気がありました。このMkでは過剰に電流が流れたり発熱した時に備えての保護回路をより強化したり、安定した電源供給ができるようにリファインしました。あとは、最近の傾向として3台や4台のエフェクターで小さなボードを組まれる方も多いので、ADJのポイントであった小さくて薄いというところは変えていないというのも特徴です。大きなボードを組まれる方の追加電源としてもオススメです。
——既発のVA-08 MkⅡも人気です。
伊藤:そうですね。初代のVA-08からノイズ対策としてフル・アイソレート仕様にしたり、電力不足や過負荷に対する保護などの改良を施したのがMkになります。初代のVA-08はヴァイタル・オーディオを代表する機種として開発が始まり、そこで培った技術がその後のVA-05やスイッチャーのENCOUNTER / VAPS-4に繋がっています。VA-05 MkもVA-08 Mkも、初心者からプロまで幅広く使ってもらえるパワー・サプライですね。

VA-05 MkⅡは、9Vのポートを3口、9V/12V/18Vの可変ポートを2口備えている。
電圧の切り替えはリア側で行なう

先代のVA-05 ADJで好評だった小さくて薄いというのはそのままに、性能を向上させたVA-05 MkⅡ

こちらはVA-08 MkⅡのリア部。
VA-05 MkⅡと同じく9V/12V/18Vの可変ポートを2口備えていて、リアのスイッチで切り替えを行なう

 

VA-05 MkⅡを使い、シンプルな直列パターンのボードを製作!

——まずは、VA-05 MkⅡを使ってのボード製作です。
伊藤:コンプレッサー、歪み系、チューブ・アンプのサウンドが得られるUAFX Dream ’65 Reverb Amplifier、リバーブ&ディレイのUAFX Del-Verb Ambience Companionを、直列に繋いだ形で組んでみました。“自宅からスタジオ、ライヴ・ハウスなどに簡単に持っていける小型のボード”ということをテーマに製作しています。
——パワー・サプライはどこに?
伊藤:ボードの裏側に配置しています。VA-05 Mkは小さくて薄いので、こういうセットが可能なんです。持ち運びに便利なように小さいボードを作る時、表側にパワー・サプライがあると邪魔になったりするのですが、VA-05 Mkだとそこを避けられるというのもポイントだと思います。配線作業を含めても、30分程度で製作できました。
——サイズ感も含めて、小さいボードを組みたいプレイヤーに最適ですね。
伊藤:ええ。あとは、大きなボードを組んだ時に、追加のパワー・サプライとして使うのもオススメです。

①小さくて薄いというVA-05 MkⅡの利点を生かして、ボードの裏側にセット。
今回はマジック・テープで固定しているが、よりしっかりと固定したい時はゴム・バンドなどを使うのもありだ

②ボードの表側にセットしたいエフェクターを間隔も考えながら仮に置いていく。今回は直列に接続するので、もっとも右側にはコンプ、その次に歪み系……とセットした

③各エフェクターの位置が決まったら固定し、パッチ・ケーブルでつなぐ。
今回はヴァイタル・オーディオのVA-Patch-Fというケーブルを使用。長さは15cm、20cm、30cm、40cm、50cmの5種類があり、それぞれS/S、S/L、L/L、クランクが発売されている

VA-05 MkⅡを裏面にセットし、さらなる省スペース化を実現。
セット内容は、左からユニバーサル・オーディオのUAFX Del-Verb Ambience Companion(リバーブ/ディレイ)、ユニバーサル・オーディオのUAFX Dream ’65 Reverb Amplifier(アンプ・シミュレーター)、カール・マーティンのDC Drive(オーバードライブ)、カール・マーティンのHoney Comp(コンプレッサー)だ

VA-08 MkⅡにスイッチャーも加えてのボードを製作!

——VA-08 MkⅡを組み込んだ、こちらのボードのテーマは?
伊藤:“こだわりのボードを組み込む”ということをイメージして製作してみました。
各エフェクターをコントロールするスイッチャーのENCOUNTERを基軸にして、歪み系を2台、デジタル・ディレイとしてAmpliTube X-TIMEを入れています。
リバーブなどはズームのマルチ・エフェクターでカヴァーするという形ですね。最近のトレンドとして、空間系などはマルチ・エフェクターで代用する方が多いイメージがありますし、マルチがあるとノイズ・ゲートなどにも対応できます。デジタル・マルチが1台あるといろいろカヴァーできて省スペースとなり、そのぶん、こだわりの歪み系ペダルを複数置くことができますしね。そして、コンプレッサーをスイッチャーの前段に繋げてみました。
——製作時に気を配ったポイントは?
伊藤:電源供給はおもにVA-08 Mkで行なっているんですが、ENCOUNTERにはパワー・サプライも内蔵しているんですね。そこも活用して、VA-08 Mkから届かないペダルはENCOUNTERから電源を供給しています。VA-08 MkもENCOUNTERもフル・アイソレートされているので、アナログ・ペダルとデジタル・ペダルを同時に使ってもデジタル・ノイズが発生しないのも特徴です。
——製作時間はどれぐらいかかったんですか?
伊藤:このボードは1時間ぐらいですね。こちらのパターンは、エフェクターのサイズもかなり違うし、形もそれぞれだったので、何をどこに置くのかとかエフェクター間のパッチ・ケーブルの長さなどを考えながらの製作でした。ケーブル類をまとめたり、配線を整える作業をすると2〜3時間はかかるのではないでしょうか。どのペダルをどこにセットしようかと悩むのもボード作りの楽しさなんですよね(笑)。

①伊藤氏の場合はまずスイッチャー(左に見えるENCOUNTER)の位置を決めてから各ペダルの位置を考えていく。
PlexiRangerはブーストのオン/オフをすることを考えて、手前側にセット

②続いて、大きなサイズのエフェクターの位置を決めていく。これでスムーズに組めるとのこと

▲歪み系ペダルを2台セットした、こだわりのボード。
左上より右にかけて、ズームのG2 FOUR(マルチ・エフェクター)、IKマルチメディアのAmplitube X-TIME(ディレイ)、カール・マーティンのDC Drive(オーバードライブ)、ヴァイタル・オーディオのVA-08 MkⅡ。左下より右にかけて、ヴァイタル・オーディオのENCOUNTER / VAPS-4(スイッチャー)、カール・マーティンのPlexiRanger(ブースター/オーバードライブ)、カール・マーティンのHoney Comp(コンプレッサー)


KAOЯI(カオリ)2021年に始動した女性5人組バンドのパラドックス。そのリーダーを務めるのがKAOЯI(g)。バンドは、これまで都内を中心に活動を続け、今年2月には3枚目のシングル「Day’s eye」を発表。ツイン・ギターを活かしたメロディアス・メタルを聴かせてくれる。

シングル「Day’s eye」

■パラドックス 公式サイト
https://paradoxx.tokyo/