キラーのSAKIモデルに迫る!

キラー・ギターから市販されているSAKIモデル、KG-Fascinator Seven the Empress galaxy black petalsの試奏をお届けしよう。
なんと、編集部ではSAKI本人のモデルでも音を鳴らす機会を頂いてしまった!
本人のコメントとともに、すでに好セールスを記録しているこのモデルに迫ってみた。


キラー KG-Fascinator Seven the Empress galaxy black petals
¥313,500(税込)

【仕様】
●ボディ
:アルダー
ネック:ハード・メイプル(Thin-Uシェイプ)
●指板:エボニー(24フレット)
ネック・ジョイント:セミ・ディープ・インサート (ホイール・トラス・ロッド)
スケール:648mm
ピックアップセイモア・ダンカン SH-10b-7 Full Shred(フロント)+セイモア・ダンカン SH-8b-7 Invader(リア)
●コントロール:ヴォリューム、プックアップ・セレクター、ダイレクト・スイッチ
●ペグ:ゴトー SG360-07-MGT
●ブリッジ:フロイド・ローズ・オリジナル 7ST
●フィニッシュ:ポリエステル
●カラー:Galaxy Black Petals(GBP)
●付属品:Killer soft case(KF-90G)

“もともとは、KG-FascistのGalaxy blackフィニッシュが錦っぽいというか蒔絵っぽいと思ったので、それに桜の柄を入れたいですというオーダーで作ってもらいました”(SAKI)という、キラーの7弦モデル。
形状的にはSAKIの言うとおりファシストを元にしたモデルで、そこにSAKIならではのアイディアを盛り込んでいる。
7弦仕様で、ピックアップもセイモア・ダンカンのインヴェイダーを搭載するなど、通常のファシストとは印象が異なっている。
“メアリーズ・ブラッドの『FATE』というアルバムを作った時に7弦を必要とする曲があって、その時にまったく違う形だったんですがキラーさんにお借りしたんです。そこから、1本製作していただくという話になりましてこのモデルをリクエストさせて頂きました”(SAKI)。

弾いてみると、6弦しか弾いたことがないギタリストにとっては、もちろん違和感があるだろう。しかし、通常の7弦よりも慣れてくるのが早い! ポジショニングさえ身体に入ってくれば、弾きにくさは感じないのだ。
“最初に借りた7弦の時から、一般的な7弦よりもネックも弾きにくさを感じなかったんです。ネックに太さを感じないというか、女性の手でもしっかりと握り込めるから、たとえば通常の6弦でドロップDの曲があっても、この7弦で対応できるなって思いました。なので使い勝手がよくて、チューニングによってギターを持ち替えたりせずに7弦のみでワン・ステージやれたりするんです”(SAKI)。
ネックが太くなる7弦を女性でも弾きやすくしてほしいというリクエストはしたのだろうか?
“お願いしましたね。持ちやすくて握りやすいのがうれしいですって。基本的には、それまで使ってたファシスト・ヴァイスを元にしてほしいと”(SAKI)。

ファシスト・ヴァイスではEMGのアクティヴ・ピックアップが搭載されていたが、このモデルではパッシヴを選択。試奏してみると、ひじょうにパワフルに感じられ、7弦目のローBの太さがドンっと前に出てくる印象だ。かといって、低域が潰れずに輪郭もある。存在感のあるヘヴィなリフにピッタリの音を出してくれるのが頼もしい。アルダー・ボディとのことで、ピックアップとの相乗効果で、これまでのファシストとも違う面も感じられた。
“すぐにアクティヴに変えたくなるかもしれないですと話したら、あらかじめ電池を入れるザグリも設けて頂いたんです。パッシヴにした理由ですか? EMGも好きだったんですけど、やはりアンプを鳴らしてる感じがパッシヴのほうが好きで、今はパッシヴに落ち着いてます”(SAKI)。

すぐにピックアップがアクティヴ・タイプに換装できるように、初めから電池用のザグリが設けられている

 

今回、SAKI自身が使用しているモデルも試奏させて頂いたのだが、リア・ピックアップが、かなり弦から離れているセッティングになっていた。
“こうすることで、音が暴れすぎずコントロールしやすいんです。7弦なのでローが暴れがちじゃないですか。なので、この高さがベストかなって”(SAKI)。

こちらは、SAKI自身のモデルのピックアップ・セッティング。
ちょっとわかりにくいが、かなり弦から離れていた

 

先ほどの存在感のある音というのは、このセッティングも起因しているかもしれない。アンプで歪ませて鳴らしても、7弦目が潰れずに出てくれるのはピックアップを弦に近づけすぎないセッティングだからなのだろうか。また、パワーのあるピックアップだからこそ、弦から離れ気味にセッティングしても、しっかりと音を拾ってくれているのだろう。かなり倍音豊かで、サスティンも抜群だ。フレットは幅広で、それほど高さがあるタイプではないが、速弾きにも追従してくれる。また、24フレット仕様というのも注目だ。

“7弦となると、やっぱり購入を躊躇してしまう人もいると思うんですよ。でも、このモデルは、ホントに弾きやすいんです。他の7弦とは違い、違和感なく弾けると思うので、私のモデルとかは関係なくオススメできますね”(SAKI)。

ペグはロック式のタイプを使用。弦交換が容易にできるのがうれしい

■キラー KG-Fascinator Seven the Empress galaxy black petalsの詳細■
https://www.killer.jp/guitar/kg-fascinator-seven-the-empress.html


▲ネモフィラ/アルバム『Seize the Fate』(通常盤)