真空管ならではのトーンを生むレヴの小型アンプ

WeROCK 090で試奏レポートをお届けしたレヴ・アンプリフィケーションの歪み系ペダル。
そのレヴから新たに届いたのが小さなギター・アンプだ。
このG20、見た目は小さいが中身はガチのチューブ・アンプ。試奏レポートとレヴの担当者によるコメントを合わせてお届けしよう!


REVV AMPLIFICATION
G20
¥オープン

【仕様】
●出力:20w / 4w
●真空管:ECC83 × 3本(プリ管)、6V6 × 2本(パワー管)
●コントロール:ゲイン、トレブル、ミッド、ベース、ヴォリューム、ヴァーチャル・キャビネット、レベル、ワイド・スイッチ、20w / 4wスイッチ、チャンネルスイッチ、アグレッション・スイッチ、プリ/ポスト・スイッチ、ストア・スイッチ、グラウンド/リフト・スイッチ、インピーダンス・スイッチ、インターナル・ロード/スピーカー・スイッチ、スタンバイ・スイッチ
●入出力端子:インプット、ヘッドフォン・アウト、キャビネット・ライトニング、MIDIイン、USB、バイアス・テスト、XLRバランスド・アウト、フットスイッチ・イン、エフェクト・ループ、スピーカー・アウト
●外形寸法:308(幅)×168(高さ)×165(奥行き)mm ※突起物含む、高さはハンドルを折りたたんだ状態
●重さ:約4kg

これはいい! すごくいい!
今回の試奏、リハスタにあるくたびれてしまっている100wの真空管アンプと弾き比べてみたのだが、たった20wなのに、その100wよりも格段に素晴らしい音が出るのだ。もちろん、リハスタにあるアンプも新品時はすごい音が出ていたと予想できるので、同じ条件での比較はできないが、今の時点でその差は明らかなのだ。
音的には、マーシャル系の歪みを基本にモダンなトーンまで作れる幅広さ。プリもパワーも真空管で、これはぜったいにデジタルでは出せない音だと思える音圧感。20wなのに、とにかくパワフル! マーシャルのキャビネットで鳴らしてみたのだが、相性もバッチリで20wでどこまでバンド・サウンドに対抗できるか試してみたいと思うぐらい、かなり音圧が出る。
そして、トーンの幅もかなり広く、EQはトレブル、ミドル、ベースと3つなのだが、トレブルの効きが抜群でセンターより上げていくとプレゼンスが強調される感じだ。そのため、プレゼンスいらずで、トレブルでヌケ感を調整できそうだ。センターぐらいで充分な高域が得られるので、ここから適度に上げ下げしていくといいだろう。ミドルは、ミッド・ハイあたりの帯域をコントロールしてくれる印象。上げていってもコモることなく、太さが増していく。ここはセンターより、少し上げ気味がオススメ。そして、ベースは、6弦のゴンゴンっとくる部分を調整してくれる帯域といえばわかりやすいだろうか。アグレッション・スイッチというのが搭載されており、3つのキャラクターからヴォイシングを選択できるのも特徴だ。
チャンネル2のオーバードライブ・チャンネルだと、ゲインが0でもクランチより歪む。フルにしても音が潰れることなく、かといって充分に歪んでくれるので、歪み系エフェクターなしでもいけるぐらいだ。ちなみに、適度に歪ませてオーバードライブなどでブーストさせると、これまた極上の真空管トーンが出てくれた。チャンネル1はクリーン・チャンネルで、このチャンネル選択時はゲイン・コントロールは効かない。クリーンは、真空管ならではの暖かみのあるタイプだ。
そして、トゥーノーツのキャビネット・シミュレーターであるトーピドが内蔵されているのも特徴。
こちらは、PCに接続してトーピド・リモートを使用して詳細なセッティングを詰めることもできるし、G20本体にプリセットされている6パターンを選ぶことも可能だ。プリセットされているトーピドを使っても試奏してみたのだが、キャビネットから音を出すより歪みが抑えられる印象だった。トーピド・リモートを使ってキャビネットの種類やマイキングを追い込むことで、キャビネットいらずでレコーディングもできるため、ホントに音のクオリティと便利さを両立したアンプといえるだろう。
べた褒めとなったが、ひとつだけ懸念材料が……実売価格が約25万! 100wのヘッドが買えるという噂もあるが、持ち運びしやすく、自宅でも使える。トーピドも内蔵してるし、そのプラスαをお得ととるか。ただ、この音は買いだと思う!

ワイド・スイッチを押すと広がり感が出て、大型アンプで鳴らしている感じになる

▲4wにしても、トーンは変わらずにそのまま音量を下げてくれるのがうれしい

▲PCに接続して、トーピド・リモートを活用することも可能。スピーカーの種類やマイクの種類やセッティングなどを細かく設定できる

 

▲限定カラー・モデルも登場! 上がショッキング・レッド、下がシーフォーム・グリーンだ

 

今回レポートしているG20とともに、兄弟機種としてD20というモデルも発売されている。
外観は似ているが、こちらはプリ管がECC83 × 2となっていて、クリーン〜クランチに焦点を当てたアンプとなっている
黒、ピンク、白の3色がラインナップ。価格はオープンだ。


G20は、まったく新しいコンセプトのアンプです。

続いては、レヴ・アンプリフィケーションのトラヴィス・ティングレイ氏が語る、メーカーの歴史や今回試奏しているG20などの解説だ。
試奏レポートと合わせて、読んでいただきたい。

▲レヴ・アンプリフィケーションのセールス&アーティスト・リレーションズ・ディレクターであるトラヴィス氏

——レヴ・アンプリフィケーションは2014年にダン・トルドー氏とデレク・イーストヴェルド氏が中心になって設立されたそうですが、どういう製品を作ろうとして立ち上げられたんですか?
トラヴィス・ティングレイ
:ダンはギタリストとして、自分の頭の中にある理想のサウンドを見つけるべく、さまざまなハイ・ゲイン・アンプを試していたんですが、なかなか満足できるサウンドが見つけられなかったんですね。それで、彼は自前でアンプを設計することに決めて、2年以上の試行錯誤の末、Generator 120というアンプを作り上げました。
ダンがそのGenerator用のフェイス・プレートやプリント・パーツを製造する会社を探している中で、デレクと出会ったんです。デレクは、Generator 120 の汎用性と音の明瞭さに圧倒されて、ダンとともにオリジナルのアンプの設計や製造、販売をするレヴを設立したんです。

▲レヴの創始者である、Derek Eastveld(デレク・イーストヴェルド氏/左)とDan Trudeau(ダン・トルドー氏/右)


——カナダやアメリカでは、レヴはどういう評価を受けているんですか?
トラヴィス
:カナダとアメリカでは、最初にメタル・コミュニティから多くの支持を得たんです。
私達は、“ミックスにすぐに使える”という、現実にはありえないほどのいいサウンドを生み出すことに多大な努力を払いました。
——そのサウンドとは?
トラヴィス
:激しいゲイン、快適な演奏性、かつひじょうにタイトで、すべての音が聴こえるような音ですね。
スタジオで通常はカットする多くの悪い周波数が、アンプ自体からすでにカットされたサウンドです。メタル・コミュニティのプレイヤー達は特に(上位モデルのGeneratorに搭載されたハイ・ゲイン・チャンネルの)パープル・チャンネルを気に入ってくれました。パープル・チャンネルは、ダウン・チューニングに最適なんです。
——そして、日本では、まずG2とG3、G4、G8というペダルが発売されました。
トラヴィス
:G3は、今お話しした、タイトでクリアなレヴのパープル・チャンネルをベースにした、私達にとって最初のペダルです。ブティック・アンプのようなレスポンスを持つペダルにすることに重点を置いて開発し、いい反応を得ましたね。何年もたった今でもベストセラーです。
G4は、大量のゲインを備え、ひじょうにファットなレヴのレッド・チャンネルをベースにしています。ソロでも素晴らしく、新しいトーンを追加するのにも最適です。
そして、G2の開発は私達にとって素晴らしい機会となりました。クラシック・ロックやブルースのプレイヤーに最適な、よりオールドスクールなロー・ゲイン・トーンへと幅を広げることができたからです。
G8は、理想的なノイズ・ゲートのペダルです。タイトでゲートのかかったメタル・トーンが好きな方にも、ノイズを取り除きつつ完全に透明で邪魔にならないゲートを求める方にもオススメです。
——そのペダルに続いて、日本にG20とD20が届きました。
トラヴィス
:G20とD20は、自身のトーンをさまざまなシーンに持ち出す必要があるギタリストに最適です。狭いアパートでの録音からフェスでのパフォーマンスまで、任意のキャビネットで、なんでもこなせます。
D20を開発する際、トゥーノーツ・トーピドの技術を実装しつつ、ノイズを抑え、小さな筐体に収めるために、さまざまな技術を投入しました。これまでのアンプにはないまったく新しいコンセプトだったからですね。D20は、G2ペダルや最新のTilt Overdrive(日本での発売予定あり)などのペダルとともに、クリーンからややクランチなサウンドが好きなギタリストに最適です。
いっぽうでG20は、レヴの象徴であるブティック・カナディアン・パープル・チャンネル・ハイ・ゲイン・サウンドをコンパクトなアンプに収めたものです。
——今後のヴィジョンや日本のギタリストに向けてのメッセージをお願いします。
トラヴィス
:私達は、ポータブルかつプログラム可能なリアクティヴ・ロードとインパルス・レスポンスを搭載したアンプを打ち出し、デジタル・リグの利便性を実際の真空管アンプにもたらすことで、その一部になりたいと考えています。
レヴの使命は、機能的で、創造性を刺激するユニークなサウンドをもたらすギアを通じて、より多くの人々が音楽を作り、演奏することの力添えとなることです。すでに存在するものや私達ミュージシャンとして使わないものは、作りたくありません。そして、レヴは、ギターに基づいた音楽は今も健在だと思っています。 そして、多くの魅力的なギタリストやバンドが日本から生まれているのを知っています。私達は、ギターをプレイする理由、方法、場所に関わらず、ロックできるツールを提供していきます。

手作業にこだわるレヴ・アンプリフィケーション

 

■REVV AMPLIFICATION:G20が通販で購入可能
○神田商会 オンライン・ストア
ブラック
https://store.kandashokai.co.jp/c/gr9812/gr1493/gr1494/00153-00109578
ショッキング・レッド
https://store.kandashokai.co.jp/c/gr9812/gr1493/gr1494/00153-00109981
シーフォーム・グリーン
https://store.kandashokai.co.jp/c/gr9812/gr1493/gr1494/00153-00109982

○御茶ノ水楽器センター
ブラック
https://www.gakkicenter.com/SHOP/00153-00109578.html
ショッキング・レッド
https://www.gakkicenter.com/SHOP/00153-00109981.html
シーフォーム・グリーン
https://www.gakkicenter.com/SHOP/00153-00109982.html

■REVV AMPLIFICATION:G20の詳細
https://www.kandashokai.co.jp/flos/revv_amplification/products/g20.html

■REVV AMPLIFICATIONについて
https://www.kandashokai.co.jp/flos/revv_amplification/