ビヨンドのバッファー&ブースターが進化!

2019年に創業した株式会社シングスが手がけるアナログ・エフェクター・ブランドのビヨンド。真空管の搭載や国産ならではの品質の高さで注目を集めている。
WeROCK 082の“マニアック・ペダル特集”でも試奏レポートをお届けしたが、その中のバッファーとブースターがヴァージョン・アップしたという。さっそく、そのサウンドを探ってみよう!

試奏動画をチェック!!


beyond
tube buffer 2S
¥29,700(税込)

【仕様】
●真空管:12AU7 EH
●電源:入力電圧 DC9v(2.1mm DC ジャック、センター・マイナス)
●入出力端子:インプット、アウトプット
●外形寸法:約49.5(幅)×77.5(高さ)×99.5(奥行き)mm
●重さ:約200g

WeROCK 082で絶賛させていただいたビヨンドというブランドの真空管搭載エフェクター。その際、“まだまだ日本では馴染みのないブランド”と書いてしまったが、たいへん失礼しました。ビヨンドは、企画も製作も国内で行なっている純国産のブランドなのだ。あまりにもクオリティも高いしマニアックなルックスから、すっかり輸入エフェクターだと思ってしまった……。
そのビヨンドのモデルが2機種、リニューアルされた。まずは、前モデルの試奏記事をダイジェストで再掲載すると……。
「Tube Buffer+=接続して音を出してみると、原音よりもクリアになり音を前に出してくれるのがわかる。Tube Buffer+を通すとアンプ直よりケーブルの長さが長くなり音質的には不利になるはずだが、通したほうが明らかに音が明瞭になってくれて抜けもよくなる。真空管を搭載しているので暖かみが加わるのかと思っていたが、それよりもクリアになってくれる印象だ。バッファーというだけでマニアックな印象を受けるかもしれないが、これはエフェクターを多く使う人はもちろんのこと、アンプ直のギタリストにもぜひ試してほしいモデルだ」。といい感じでリポートさせていただいた。
ただし、じつは、ひとつ気になる点があったのだ。真空管アンプを使って、かなりの大音量で弾くとノイズが目立ってしまっていた。“そこが改良されたら最高”と思ってたところにモデル・チェンジされたtube buffer 2Sが発売! 試してみると、気になるノイズがなくなっている。
ビヨンドからコメントをいただいたので、お送りしよう。
前作は、「真空管ペダル」としてオーソドックスな60〜70年代のクランチ・サウンドを前提として開発しました。フェンダーやマーシャルといった真空管アンプを、さらにもう一段ドライヴさせる、音圧を加える、うねり・粘りを加える。これには「AU管x低電圧」がもっとも適してると判断したものの、その代償としてノイズ問題などがありました。今作は、モダンなトーンを意識し、同じ真空管サウンドでも、「より解像度を高く、きらびやかに」をテーマとしています。
前作とのもっとも大きな違いは、内部昇圧により真空管に高電圧をかけていることです。これにより解像度の高いトーンを実現しましたが、同時にヴィンテージ感は薄れています。ノイズに対しても大きく改善されています。
とのことだ。音自体は、モデル・チェンジ前と同様に、音のツブにまとまりを出してくれる感じを受けた。真空管搭載だからなのか、わずかなコンプ感もあり、弾きやすさも出してくれる。最近はリアンプ前提でライン・レコーディングをするギタリストも多いと思うが、そんなギタリストが使ってみるのもおもしろいだろう。

本体右側のチューブ・ブースト・コントロールで真空管ゲインの設定が可能だ

▲ビヨンドの真空管搭載モデルは、オンにすると真空管の下のLEDが点灯するようになっている

■tube buffer 2Sが通販で購入可能■
○ミュージックランドKEY
https://www.musicland.co.jp/fs/musiclandkey/byndtube-tube-buffer-2s

■製品の詳細
http://www.electroharmonix.co.jp/beyond/beyond-tube-buffer-2s.html


beyond
tube booster 2S
¥30,800(税込)

【仕様】
●真空管:12AU7 EH ●コントロール:ゲイン
●電源:入力電圧 DC9v(2.1mm DC ジャック、センター・マイナス)
●入出力端子:インプット、アウトプット
●外形寸法:約60.5(幅)×77.5(高さ)×112(奥行き)mm
●重さ:約200g

同じくマイナー・チェンジされたのが、ブースターだ。ノイズ対策が取られているようで、ノイズが減っている。音は、とにかくレスポンスが速い! ミッドをふくよかにしてくれて、音をボンっと前に出してくれる。ツマミを上げていくと適度にコンプレッション感と倍音が増えていき、弾きやすさを増してくれるモデルだ。ビヨンドは、なぜ、真空管を搭載したのか、そのあたりを尋ねると……。
「効果」については、3つ考えられます。
①音圧=ゲインをあげても埋もれず、前に主張します。
②音色=真空管アンプの音色を損なわず、ゲイン、粘り、ドライヴを付加します。
③スピード=ピッキング・レスポンスの速さは真空管ならではです。
まさに、そのとおりだった。トランジスタ・アンプに使って真空管のテイストをプラスする使い方もありだが、ビヨンドのモデルは真空管アンプに使うとさらに効果的だとも思える。

今回のモデル・チェンジの最大のテーマはなんだったのだろう?
ノイズ問題は最大のテーマでした。昇圧することで解決することはわかっていたのですが、「ヴィンテージ・ペダルなんかそんなもんだぜ!」的な勢いで、前作はノイズよりも、「AU管x低電圧」モデルのヴィンテージ感を選択しました。今作は、モダンがテーマですので、解像度とロー・ノイズに注力しています。

国産ならではのこだわり抜いた、そのトーン。ぜひ、一度、試奏してみてほしい!

コントロールはゲインのみとシンプル。効きもはっきりしていて音作りしやすい!

内部トリムでは音量の調整が可能だが、変更は自己責任でとのことだ(高電圧部分あり)

■tube booster 2sが通販で購入可能■
○ミュージックランドKEY
https://www.musicland.co.jp/fs/musiclandkey/byndtube-tube-booster-2s

■製品の詳細
http://www.electroharmonix.co.jp/beyond/beyond-tube-booster-2s.html

その他にもギター用ペダルが3機種発売中!

今回、試奏レポートをお届けしたバッファーとブースターの他に、ビヨンドからは3種類のギター用ペダルが発売されている。それぞれの特徴を簡単に紹介しよう。
Tube PreAmpは、Tube Buffer +で開発した“原音を変えない増幅”をもとに、フラットの位置では原音に忠実なサウンドを実現。ギターやアンプ本来のサウンドはそのままに、真空管サウンドを加えられる。tube over driveは、60年代〜70年代のロックを思い起こさせる、“真空管アンプをただ飽和させた、荒削りな歪み”が得られる。tube distortionは、幅広い歪みとともに真空管ならではの音圧を生む1台。全モデルともトゥルー・バイパスだ。

左よりTube Preamp(¥34,980/税込)、tube overdrive(¥30,800/税込)、tube distortion(¥30,800/税込)

■beyondの詳細
http://www.electroharmonix.co.jp/beyond/index.html