アーニーボールの新製品で歪みやディレイを足下で操作
6月15日発売のWeROCK 059の巻頭試奏レポートで紹介した、アーニーボールの新しいペダル。
その試奏記事を、このブログでも公開します!
原音を大切にした歪み。その歪みをリアル・タイムでコントロール
EXPRESSION OVERDRIVE
¥オープン
●コントロール:ドライヴ、トーン、ブースト ●入出力端子:インプット、アウトプット ●外形寸法:92(幅)×55(高さ)×192(奥行き)mm ●重量:894g
これまでのオーバードライブといえば、スイッチでオン/オフ、あったとしても、もうひとつのスイッチでさらにブーストというのが定番だった。
ドライヴ・レベルはツマミを回す以外にコントロールするのは難しく、弾きながらなんていうことはそれこそ不可能に近かったのだ。
ところが、このEXPRESSION OVERDRIVEは、今までありそうでなかった機能を搭載!
なんと、ペダルで歪みとブースト量をコントロールできるのだ。
アーニーボールと言えば、多くのプロ・ギタリストがヴォリューム・ペダルを使用していることからもわかるとおり、ペダル自体の踏み心地や使いやすさには定評がある。
そのエクスプレッション・ペダルとオーバードライブを合体させてしまったと言えばわかりやすいだろうか。
これはかなり画期的なエフェクターと言えるだろう。
と言いつつ、肝心のオーバードライブ自体の音がよくなかったら意味はないので、さっそく試奏してみよう。
コントロール類が特徴的で、ヴォリューム・ツマミはなく、ブースト、トーン、ドライヴの3つとなっている。
まずはアンプをクリーンにして試してみると、ペダルを戻している状態でも、通すだけで音にクリアなコシを与えてくれているのがわかる。
独自のバッファーを搭載しているようで、通すだけで音が蘇る感覚だ。
ペダルを踏み込んでみると、クリーンからクランチに変化していく!
ディストーションではないので、オーバードライブをフルにしてもクランチぐらいまでなのだが、クリーンなトーンをキープしたまま、クランチをミックスしていくようなサウンドになる。
続いては、アンプを歪ませてブースター的に使ってみた。
これもいい!
オーバードライブ自体の質は、原音を大切にしているサウンドで(もともとのバッファーがいい効きをしているようだ)、アンプの歪みにプラスαをペダルの量で調整できる。
ブーストとドライヴの組み合わせがキモになるのだが、トーンを含めて劇的に音を変化させるわけではないので、プロ・ギタリストが気に入るサウンドと言えるのではないだろうか。
◎ペダルを上げると歪みはゼロに、踏み込めばツマミで設定したドライヴやトーン、ブーストになっていく。後に紹介するAMBIENT DELAYも同様だ。
◎ブースト・ツマミで最大5dBのブーストを設定できる。ドライヴ・ツマミとの組み合わせで活用したい。
ディレイの音量やリバーブ量を自在に可変して、ユニークな音を!
AMBIENT DELAY
¥オープン
●コントロール:リバーブ、フィードバック、タイム、ディレイ音量(※本体内部のトリムポット) ●入出力端子:インプット、タップ・テンポ、アウトプット ●外形寸法:92(幅)×55(高さ)×192(奥行き)mm ●重量:913g
こちらは、エクスプレッション・ペダルにディレイを搭載したAMBIENT DELAY。
ディレイ+リバーブの音量をエクスプレッション・ペダルを使って調整できるというモデルだ。
踏み込まない状態ではノン・ディレイだが、こちらも独自のバッファーが搭載されていて、音が一段クリアにアップされた印象だ。
そこからペダルを踏み込んでいくと、リバーブとディレイが深くなってくる。
この感覚はレコーディングのミックスで、フェーダーを調整している感覚とでもいおうか。
それを弾きながら足下で行なうので、現実逃避してしまいそうなおもしろい感覚だ。
ギター・ソロなどで使うと個性的な効果を出せそうだが、レコーディングでやってもミキサーでやっているとカン違いされるので、ライヴでやったほうが目立てそうだ。
もちろん、それでもPA側でやっていると思われるかもしれないが、それほどナチュラルに変化してくれるのが特徴といえる、おもしろいエフェクターだ。
なお、基本的にはデジタル・ディレイとなっており、そこにプレート・リバーブを乗せた方向の空間系エフェクターだ。
◎本体内部に備えられたトリムポットで、基本となるディレイの音量を設定できる。
◎タップ・テンポ端子に市販のモーメンタリー・スイッチをつなげば、足下でディレイ・タイムを設定できる。
合わせて、アーニーボールからの新製品である、CradleTune 4113(¥4,600+税)も紹介しよう。
このCradleTuneは、クリップ・チューナーに取り外しができる三脚が付いたものと考えていい。
この三脚が付いたことで、弦交換やオクターヴの調整などをギターを置いた状態でできるようになっている。
ギターのヘッド角度やサイズに合わせて、三脚の角度の調整も可能でチューナーの取り外しも簡単。
チューナー部も見やすい2インチの大型LCDディスプレイが採用され、360度回転するピボット・アームにより、どんな角度からでもチューニングを確認できる。
入力方法はマイク/クリップの2種類で、モードはクロマチック/ギター/ベース/ウクレレ/ヴァイオリンの5種類を切り替えられる。
◎クリップでヘッドをはさみ、下の三脚でヘッドを支える。ディスプレイ部も見やすい!
◎チューナー部と三脚部は簡単に取り外しができる。
問い合わせ:株式会社神田商会