【試奏動画連動】ケリー・サイモン×カール・マーティン!

国内外のトップ・プロが愛用するデンマークのカール・マーティン。
マニア心を刺激するモデルも数多くラインナップされているが、今回はその中から“プレキシ・サウンド”に焦点を当てた3機種と80’sメタル・サウンドが得られる1台に注目!
チェックしてくれたのは、自身もプレキシ・アンプを愛用するケリー・サイモン!!はたして、そのサウンドはいかに!?
2本の試奏映像とともにチェックしてほしい!

ケリー・サイモンによる試奏動画
(前編 PLEXIRANGER編)


カール・マーティン
PLEXIRANGER

¥19,800(実勢価格/税込)

仕様】
●コントロール
:ドライヴ・サイド=ゲイン、トーン、レベル ブースト・サイド=ロー・カット・スイッチ、ブースト、フリーケンシー、レンジ
●入出力端子:インプット、アウトプット、リモート・イン
●外形寸法95(幅)×56(高さ)×120(奥行き)㎜
●重量420g

——まずは最新モデルのPLEXIRANGERから試してもらいました。第一印象として、いつの時代のマーシャルを感じましたか?
ケリー:この後で紹介するPLEXITONEの2モデルは、70年代初期のマーシャル・サウンドを再現するというコンセプトだと思うんですが、このPLEXIRANGERは、ブーストというモードが付いているので、モダンなトーンにも対応できるオールド・マーシャルなのかなと。改造されたオールド・マーシャルもよくありますけど、そうしたサウンドをシミュレートするためにブースト部分が加えられているのだと思います。周波数帯域を膨らませたり減らしたりできるし、少しモダン寄りの印象ですね。
——歪みの質感についてはどうですか?
ケリー:僕がプレキシ・マーシャルを愛用している理由は歪みすぎないところなんです。クランチ・トーンと言われるものですね。歪みにもいろいろなタイプがありますけど、僕のイメージではクランチというのはガラスのようなキレイな面に細かい砂の粒が浅く敷かれている感じで、この砂の層が厚くなるとキメが細かいまま歪みが強くなるというイメージなんです。
僕は、あくまでも砂の粒の下にガラス面が透けて見えるようなクランチが好きなんですね。このPLEXIRANGERのクランチは、後で紹介するPLEXITONEのロー・ゲインと比べるとモダンなクランチが出せます。
——ブーストはどのように使いますか?
ケリー:基本的にはクリーンなトレブル・ブースターですよね。フリーケンシーでブーストしたい帯域を決めて、レンジでそのブースト量が調整できるんですが、僕はロー・ミッドのあたりで広めにブーストさせるのが好みです。右上のブースト・コントロールでは、クリーンに音量を上げられますね。ライヴなど大音量の環境では、より有効だと思います。
——60年代や70年代のロック・サウンドではアンプとトレブル・ブースターの組み合わせも多かったんですよね。
ケリー:僕もいつもプレキシ・アンプに1台ブースターをかませて使うんですね。プレキシ単体だと歪みが弱いのでそれを補うためとサスティンを稼ぐためです。リードの時に、このブーストをオンにするのがいいと思います。最近、バッファーとかクリーン・ブースターが人気だと思いますが、PLEXIRANGERはかなり便利だと思います。
——本体中央のロー・カット・スイッチの効きはどうですか?
ケリー:マーシャルはとにかくローが出るんですね。僕のプレキシ・マーシャルもそうなので、ライヴ・ハウスなどではローを2以下にしているんです。自宅で使うならローをカットしない0のポジションでいいと思いますが、音量が大きくなるライヴなどでは環境に合わせて1か2を選んでローをカットすればいいと思います。

▲ブースト・セクションのロー・カット.スイッチ。
0ポジションでオフになり、1と2で異なるロー・カットが選べる

ケリー・サイモンのサウンド判定グラフと
オススメ・セッティング

ギター・ソロで右側のブーストをオンにする。ロー・カットは0ポジションだ

 

■PLEXIRANGERが通販で購入可能■
○ミュージックランドKEY
https://www.musicland.co.jp/fs/musiclandkey/carlmtn-plexiranger

■製品の詳細■
https://hookup.co.jp/products/carl-martin/plexiranger


ケリー・サイモンによる試奏動画
(後編)


カールマーティン
PLEXITONE SINGLE CHANNEL / LO-GAIN,
PLEXITONE SINGLE CHANNEL
ともに¥19,800(メーカー希望小売価格/税込)

仕様】※2モデルとも共通
●コントロール
ゲイン、レベル、トーン、ドライヴ
●入出力端子:インプット、アウトプット
●外形寸法72(幅)×57(高さ)×112(奥行き)㎜
●重量280g

——続いては、PLEXITONEの2モデルです。
ケリー:プレキシ・マーシャルって、年代や真空管によってそれぞれ個性があるんですけど、僕の好みとしてはあまりギンギンしていないほうがいいんですね。
で、以前、PLEXITONEを試した時は、そうした好みに対して少しモダン寄りかなと感じたんです。実際の70年代のプレキシってここまで歪んでくれないんです。でも、右上のドライヴ・コントロールを絞れば、プレキシらしい歪みになりますよ。フルに上げればリードにも対応した歪みを作れますしね。
——そのPLEXITONEのロー・ゲイン・モデルも発売されました。
ケリー:歪みの感じは今回の3台のプレキシ系ペダルの中でもっともプレキシらしいです。ドライヴをフルに上げてもそこまで歪まないですが、この歪みがプレキシらしい。クリーンなアンプにこのロー・ゲイン・モデルをかますとオールド・マーシャル感が出せると思います。オーバードライブ単体で使ってもいいですが、ブースター的に使うのもいいと思います。
——ケリーさんのオススメの方法ですね。
ケリー:せっかく2台ありますからね(笑)。まずはPLEXITONEはドライヴを絞ってプレキシ・マーシャルらしいバッキング・サウンドを作って、リード用のブースター的にロー・ゲインを使うというセッティングです。2台ともそれぞれ効きがいいから音作りもしやすいし、オススメですよ。

両モデルともコントロールは共通。そのツマミも効きがハッキリしていて好みの音色を作りやすい

ケリー・サイモンのサウンド判定グラフと
オススメ・セッティング

PLEXITONE SINGLE CHANNEL / LO-GAIN

PLEXITONE SINGLE CHANNEL

バッキングでは右のモデルのみ、リードで左のLO-GAINペダルをオンにするのがオススメとのこと

 

■製品の詳細■
○PLEXITONE SINGLE CHANNEL / LO-GAIN
https://hookup.co.jp/products/carl-martin/plexitone-single-channel-lo-gain
○PLEXITONE SINGLE CHANNEL
https://hookup.co.jp/products/carl-martin/plexitone-single-channel


カール・マーティン
PANAMA
¥19,800(メーカー希望小売価格/税込)

仕様】
●コントロール
ゲイン、レベル、ダンピング、トーン
●入出力端子:インプット、アウトプット
●外形寸法60(幅)×50(高さ)×115(奥行き)㎜
●重量340g

プレキシ系の3台とともに注目したいのが、Panama。ヴァン・ヘイレンの曲名にちなんだモデル名からも想像できる歪みが得られる。こちらも試奏してもらった。
ケリー
:モデル名がわかりやすいです。カラっとしたリズム・ギター・サウンドにふさわしいですね。JCM800以降のマーシャルのサウンドです。ゲインも高いし、音量も音圧が稼げると思います。
ポイントはダンピングというコントロールですね。上げていくとブライトになっていきます。ロー・ミッドのあたりを膨らませたり絞ったりできます。ここもモダンなアンプ寄りですね。細かい音作りができます。

ケリー・サイモンのサウンド判定グラフと
オススメ・セッティング

ゲインはフル! ダンピングのツマミをセンターよりやや上げて、ブライト感も加えるのがケリーの好みだ

 

■製品の詳細■
https://hookup.co.jp/products/carl-martin/panama

 

◎ケリー・サイモン:ケリー・サイモンズ・ブラインド・フェイスやソロとして活躍。“超絶”と称されるテクニックで注目を集める。最新作はアルバム『OVERTURE OF DESTRUCTION』(17年4月発表/写真)。現在は、マーク・ボールズとのプロジェクトを進行中。こちらにも期待が高まる!

最新アルバム:『OVERTURE OF DESTRUCTION』

ケリー・サイモン  公式サイト
https://www.kellysimonz.com/