【試奏動画連動】おうちで楽器!!〜yuri × ヤマハ DTX6シリーズ

WeROCK 080でお届けした楽器特集“おうちで楽器!!”。
コロナ禍の中、自宅で楽しめるロックな楽器の魅力をレポートしたが、おかげさまで好評でした!
そこで、その第2弾!! まずは、ヤマハの電子ドラム・シリーズ、DTXの最新モデルを紹介しよう。試奏してくれたのは、ガチャリックスピンのyuriだ!!
※WeROCK 081の掲載記事より。

■yuriによる試奏動画をWeROCK公式ツイッターで先行公開中!


ヤマハ DTX6K3-XUPD
¥オープン

【仕様】
〈DTX6K3-XUPD〉
●パッド(カッコ内の数字は直径サイズ):バス・ドラム(7.5)、スネア・ドラム(8)、タムタム(7)×2、フロア・タム(7)、ハイハット(13)、クラッシュ(13)×2、ライド(13)
●その他の付属品:ハイハット・スタンド、ラック、ツイン・ペダル、ドラム・スツール、他
〈音源モジュール/DTX-PRO〉
●キット数:40(プリセット)、200(ユーザー)
●音色数:712(ドラム、パーカッション)
●最大同時発音数:256
●エフェクト・タイプ:インストごと=EQ/Comp/Transient/Insertion(Insertionは特定のインストのみ)。キットごと=Ambience/Effect 1/Effect 2/Master Comp/Master Effect。セット全体=Mater EQ/Phones EQ
●録音時間:最大90秒(内蔵メモリー)、1ファイルあたり最大90分(USBフラッシュ・メモリー)
●録音/再生フォーマット:WAV
●入出力端子:トリガー入力×10(最大パッド接続可能数=14 ※Y字ケーブル接続時)、外部入力、外部出力(L/MONO、R)、USB、MIDIアウト、ヘッドフォン・アウト
●外形寸法:303(幅)×66(高さ)×196(奥行き)mm
●重量:1.5kg
●その他の機能:クリック、トレーニング、他

——じつは、以前にこのDTX6シリーズを試したことがあったとか?
yuri:はい。自宅で叩ける電子ドラムを探していたんですけど、2020年秋にこのDTX6シリーズが発表されて、すぐにチェックしに行ったんです。実際の叩き心地とかの他、サイズ感とかも気になったので。
——その時の第一印象や今日、あらためてじっくりと叩いてみてどうだった?
yuri:私のドラム・セットは、ヤマハのアブソルート・ハイブリッド・メイプルというシリーズなんですけど、その音がプリセットの最初に入っているんですね。まず、その音を試してみたんですが、ホントにリアルで。他の音色もきれいだし、ニュアンスも細かく叩きわけることができるんですよね。
——各パートについて細かく聞いていくと、まずバス・ドラムはどう?
yuri:以前、私が使ったことがある電子ドラムは、キックのパッドの打面が硬いゴムだったんですね。でも、このキック・パッドは3層構造になっているらしくて、打面をグッと踏み込んだ時の感覚も実際の生ドラムに近いんです。踏みやすいですね。ツイン・ペダルでの速いフレーズにもしっかりと反応してくれます。あと、セットにはペダルも付いているんですけど、いつも自分が使っているペダルも使えるのもポイントだと思います。
——スネア・パッドの打感もリアルだよね。
yuri:そうですね。タムタムも含めて、スティックのリバウンドも自然です。強弱の反応もリアルだし、ロールもきれいに叩けます。オープン・リム・ショットもクローズド・リム・ショットも叩けますし、生のドラムと変わらない表現ができます。

スネア・パッドは打面と2ゾーンのリム部からなる3ゾーン・パッドだ。ヘッド部とリム部を同時に叩くことでオープン・リム・ショットのサウンドが出せる(写真上)。また、スティックのチップ側を打面で固定してのクローズド・リム・ショットも可能だ(写真下)

 

——生ドラムと比べて、口径が小さめでしょ? あえて、ネガティヴな聞き方になるけど、そこで叩きにくさはない?
yuri:そうですね。ドラムって、ヘッドの中心がスウィート・スポットというか、真ん中を叩くのがいちばんいいじゃないですか。あえて、リム寄りを叩いて違う音色を出すこともありますけど。だから、口径が小さいから叩きにくいということはないし、ヘッドの真ん中を叩くということが身に付くことにもなると思います。
——シンバル類はどうだった?
yuri:まず、ハイハットですね。スタンドが、生ドラムと同じものなんですね。だから、ペダルの開け閉めなどのニュアンスも同じようにできるのがいいです。ペダルを少しずつ開けていくと、生のハイハットと同じように音が変わっていきます。音そのものも、キックやスネアと同じように本物のシンバルの音が入っているので、すごいリアルです。叩く強さによって、音量もコントロールできるし、いいですね、これ。スタンド自体は、自分が踏み慣れているものが使えるのもいいと思います。
——クラッシュ・シンバルやライド・シンバルについては?
yuri:まず、サスティンが長いというか、本物のシンバルと同じ鳴りがするんですよ。ヤマハのスタッフさんに聞いたんですが、最新の電子ドラムは音源部の容量が大きくなっていて、サスティンも長くて豊かなんです。このシンバルは最後まできれいに鳴ってくれます。普通のシンバル・スタンドと同じなので、締め具合を調整できるし、叩いた時の揺れ具合もいい感じだと思います。
——叩くエリアで音も変えられるし。
yuri:そうなんです。生のシンバルでもエッジとボウ、カップで叩きわけるんですが、同じことがこのシンバルでできます。音の違いもリアルです。あと、シンバルはチョークにも対応してくれますね。叩いた後にシンバルを触ると音がパシッと止まるし、先にシンバルを持ったまま叩く奏法も大丈夫なんです。その音も、リアルですよ。

クラッシュやライドは、生のシンバルと同じように叩くエリアによってサウンドが変わる(写真上、写真中)。
シンバルを叩いた後、手で押さえて音を止めるチョーク奏法もOK。また、あらかじめ手で押さえた状態で叩くと奏法も可能だ(写真下)

 

——音源部でいろいろ好みの音作りができるのも電子ドラムならではだよね。
yuri:まず、ドラム・セット自体の音色を簡単に切り替えられるのが楽しいですよね。
——気に入った音色は?
yuri:やっぱり私が使っているアブソルート・ハイブリッド・メイプルの音ですね。もともと好きで使っているセットだし、いつも叩いているその音がリアルに出てくれます。あと、電子ドラムならではのエレクトリックな音とかパーカッションの音とかも叩いていて楽しくなりますね。プリセットの名前もわかりやすいし、ロック系の音とかちょっとヴィンテージっぽい音とか、パッとわかるのもいいと思います。
——スネアのチューニングを変えたりシンバルのサイズ違いのサウンドも出せるし。
yuri:そうなんですよ! その変わり具合もリアルだし、シンバルはサイズの違いだけでなく、サスティンの長さも調整できるし、自分だけのセットを組むことができるんです。
——さらに、エフェクトも入っている。
yuri:まず、アンビエンスとコンプですね。アンビエンスは自然な空気感とか、かなり効いてくれます。アンビエンスもコンプも上げていくと、デジタルっぽい感じになります。しかも、もっとこだわりたい時は、例えばスネアだけにリバーブをかけたり、ミキサーで各パッドの音量バランスを変えたりできるんですよね? すごくないですか。じっくりと試してみたいですね。
——そして、電子ドラムの特徴として、練習機能も充実しているよね。
yuri:メトロノームとかリズム・トレーニング、合わせて叩く、いろんなジャンルの練習曲も約40曲も入っていますね。外部の曲を鳴らして一緒に叩くこともできるそうなので、楽しく練習できると思います。練習フレーズはレコーディングもできるし、アプリを使って簡単に動画も撮れてSNSにアップもできるし、本当に気に入りました。
ヤマハ:練習機能では、リズム・ゲートというのもありまして、これはプロの方でも難しいと言われますね。
yuri:それは何ですか?
ヤマハ:クリックに合わせて正確に叩かないと、音が鳴らないというものですね。試してもらえますか?
yuri:あ、ずれると鳴らない! 難しいかも。
——おうちで叩くというところでのポイントとなるのが、静けさやサイズだけど、その点はどうかな?
yuri:かなり静かだと思います。あと、おうちでドラムを叩く時に気になるのが、音だけでなく振動なんですね。でも、今回のラックは下の支えるところがT字型になってるじゃないですか。これが振動をうまく分散してくれるらしくて、その点もいいと思います。サイズも叩きやすさとコンパクトさがうまくまとめられていると思います。
ヤマハ:じつは隠れたポイントとして、音源部をドラマーから見て右側にセットしたことも大きいんですよ。
yuri:あ、自然すぎて気がつかなかった!
ヤマハ:多くの電子ドラムは音源部をドラマーから見て左側に置くものが多いんですが、ドラマーにとっては右側のほうが扱いやすいというのと、左側に音源があるとスネアとハイハット・スタンドを生のドラム・セットの感覚でセッティングしづらいというのがあって。音源部を右に置くことで、自分の好きなセッティングにしやすくなったんです。

▲音源部はドラマーから見て右側にセットされている。これも使いやすさを考慮してのことだ

キック・パッドはコンパクトだが、ツイン・ペダルが踏めるサイズだ

 

——最後に全体的な感想を。
yuri:すごく気に入りました。おうちで叩くには充分すぎると思います。生ドラムに近い感覚で叩けるし、音源部は初心者でもわかりやすいし、音のクオリティは上級者にも納得がいくものだと思います。レコーディングもできるから、バンド・メンバーにドラム・トラックを送るという音楽制作にも使えますね。音色も簡単に変えられるし、ライヴで使うのもおもしろいかなと思います。あと、木のスティックを使っても木屑が出ないんですよ(笑)。これ、じつは大きなポイントかなと思っています。本気で欲しくなりました。これから買いに行きます!

※実際、試奏取材の直後に、yuriはDTX6K3-XUPSを購入! yuriが一目惚れしたDTX6シリーズは、椅子やペダルもセットされ、すぐに始められるのも特徴だ。みなさんの“おうちドラム”としてオススメです!!

サウンドのクオリティだけでなく、使いやすさも追求した音源部。
左側はサウンドをコントロールするセクション。残響感を調整するアンビエンス、コンプ、エフェクトというツマミが並び、簡単に好みの音色を作り出せる。また、中央ではスネアのピッチやハイ・ハットのサイズ変更など、よりこだわりの音作りが可能。右側は練習に役立つクリックなどをコントロールするセクションだ

音源部のリア・パネル。各パッドの入力端子や外部スピーカーへの接続端子の他、MIDIアウトなど豊かな入出力端子を装備

 


■DTX6シリーズのラインナップ

DTX6シリーズとして、yuriが試奏してくれたDTX6K3-XUPDの他に3モデルが発売されている。タム類が7インチのラバー・パッドとなりハイハット、クラッシュが10インチ、キック・パッドが5インチのDTX6K-XFS(写真左上)、タム類が同じく7インチのラバー・パッドだが、スネア・パッドやキック・パッドがDTX6K3-XUPDと同じDTX6K2-XFS(写真中)、そしてDTX6K3-XUPDのシングル・ペダル・ヴァージョンのDTX6K3-XUPS(写真右上)だ。音源部はすべて共通。すべて、オープン価格となっている。

■DTX6シリーズの詳細■
https://jp.yamaha.com/products/musical_instruments/drums/el_drums/drum_kits/dtx6_series/index.html

 


■無料のアプリ“Rec’n’Share”で、DTXをもっと楽しく!

DTXとともにチェックしてほしいのが、ヤマハの無料アプリ“Rec’n’Share”だ。アプリ上で楽曲を読み込めば、クリックを加えたりテンポを変えたりなどが行なえる。そして、楽曲と合わせた演奏を録音/録画したり、録画データを編集したり、さらに簡単にSNSでシェアしたりもできるのだ。iOS版、Android版ともに配布されている。

■Rec’n’Shareの詳細■
https://jp.yamaha.com/products/musical_instruments/drums/el_drums/apps/rec_n_share/index.html

 

◎yuri:LAGOONをへて、2019年3月にガチャリックスピンに加入。多彩なガチャピンの楽曲を確固たるリズムで支える実力派だ。なお、先日結婚を発表。そして、バンドは3月6日から延期となっていた47都道府県ツアーを再開! yuriは産休のため、ツアーには参加しないが、ガチャリックスピンは走り続ける!

最新作品:アルバム『Gold Dash』/2020年3月11日リリース

ガチャリックスピン  公式サイト
https://www.gacharicspin.com/