シミュレーターの革命児、Torpedoの2台を比較!
何号かにわたって紹介しているトゥーノーツのキャプターXとC.A.B. M+。
どちらも、アンプとの組み合わせて使用する機材だが、いったいどこが違うのだろう!? すでに好調な売れ行きを示している2製品の違いに、ここで改めて迫ってみようと思う。
アンプで使用する機材と言っても、そこは似て非なるもの。それぞれの用途に合わせて、おうちでも最高の音を作ろう!
※WeROCK 080の掲載記事より。
▲上の図は、“おうちでPCと接続するなら!”という2台の接続例だ。
どちらも、一例であるが、いちばんわかりやすい接続方法だろう。上は、キャプターXの場合。こちらは、基本がロードボックスなので、アンプ・ヘッドまたはパワー・アンプから、直接、接続することができる。そのままオーディオ・インターフェイスにつなげることが可能だ。
下はC.A.B. M+の場合。ヴァージョン・アップされてプリアンプのシミュレーターも内蔵されたが、基本はプリアンプから接続し、C.A.B. M+内でパワー・アンプとキャビネットのシミュレーションをしてPCに持っていく接続法だ
DAWに入っているプラグインによるアンプ・シミュレートでは、どうも納得いかない、あるいは自分のアンプを使いたいというギタリストは多いことだろう。しかし、自宅でアンプを鳴らすというのは、昨今の家庭事情を考えると、なかなか難しいもの。そこで活躍するのが、ここで紹介するトゥーノーツの2台のトーピドだ。
これまで、WeROCKでもプロ・ギタリストによる試奏で大絶賛されてきた2台だが、その使用方法がいまひとつわからないと思っている方も多いようだ。ここでは、2台それぞれの特徴と使い勝手を紹介したいと思う。
まず、最初に紹介したいのがキャプターX。これは、いわゆるアンプ・ヘッドから直接、接続できるロードボックスに、キャビネット・シミュレーターを搭載してしまった機材といえばわかりやすいだろうか。ちなみに、アンプの出力を上げながら、キャビネットからの音量を落としてくれるアッテネーター機能も搭載しているが、キャビネットがなくてもシミュレートして音を作ってしまおうというものなのだ。これを使えば、自分のアンプ・ヘッドを使用してキャビを鳴らさずにレコーディングも可能。搭載されているキャビネットは、ギター用が26種類。さらに、ベース用も6種類、用意されている。マイク・シミュレーターも8種類入っており、キャビネットとそこにマイキングしなくても、レコーディング環境のようにセッティングできてしまうのだ。
「追加の機能も秀逸なので、より好みの音に迫ることが簡単にできるかと思いますね。レコーディングにおいても問題なく使えると思います」SYU(ガルネリウス)/WeROCK 078より。
「これは優秀、すごいな、これ。キャビをマイクで録った時の空気が揺れるニュアンスが違うぐらいで、それは弾いている人間にしかわからないぐらい限りなく違いがない。あきらかにキャビを鳴らしてるニュアンスがある。もちろん、真空管のヘッドを使えるというのは大きい」島 紀史(コンチェルト・ムーン)/WeROCK 079より。
続いて、“アンプ・ヘッドは持っていないけど、プリアンプの音を使いたい”というギタリストにピッタリなのがC.A.B. M+だ。たとえば、マーシャルの名機JMP-1を使って宅録したいというギタリストに最適なモデルがこちら。キャプターXがキャビネットとマイク&マイキングのみに特化したモデルだったのに対し、C.A.B. M+はパワー・アンプ→キャビネット、そしてマイク&マイキングのシミュレートを担当してくれる。“アンプ・ヘッドをつないではダメなの?”という方もいると思うが、もしヘッドを接続して使いたい場合は、Speaker out端子に必ずスピーカー・キャビネットかロードボックスを繋ぐ必要がある。そうしないと壊れます!
ちなみに、C.A.B. Mは、“+”というヴァージョン・アップがなされ、クリーン・トーンのプリアンプ・シミュレーターも内蔵されたので、ディストーション・サウンドでなければアンプいらずで使用できるようになった。パワー・アンプ部の真空管モデリングは8種類、キャビネットはギターとベース合わせて32種類、マイクには8種類のシミュレートが搭載されている。
「気に入った(プリ)アンプを持っているならば、これにつなげば問題なくレコーディングでも使えると思います。真空管やキャビを一瞬で変更できるという、普通ではなかなかできないことが、手軽にできるのがいいんですよね」SYU(ガルネリウス)/WeROCK 073より。
アンプ・ヘッドを持っているけどキャビを鳴らせない環境ならキャプターX、プリアンプのみで音を作りたいならC.A.B. M+……おうち楽器隊にわかりやすく分けてみました!
▲キャプターXとC.A.B. M+の違いを表にしてみた。これなら、一目瞭然だろう。
なお、アンプ・ヘッドからC.A.B. M+に接続することも可能で、その際はSpeaker out端子に必ずスピーカー・キャビネットかロードボックスを接続すればOK
Two notes Torpedo Captor X
¥オープン
【仕様】
●インプット(スピーカー入力端子):6.35mm(1/4″)アンバランス(TS)。IN LEVELスイッチで入力感度を設定(HIGH:0 dB/LOW:−15 dB)
●アウトプット(スピーカー出力端子):6.35mm(1/4″)アンバランス(TS)
●ロードボックス・インピーダンス:8Ω(16Ω仕様もあり)
●左/右出力端子:XLRバランス
●最大出力レベル:15 dBu @ 600Ω
●ヘッドフォン端子:6.35mm(1/4″)ステレオ(TRS)
●MIDI入力端子:1/8″バランスTRS、1/8″ to MIDI変換ケーブル付属
●USB端子:Micro USB Type B、Micro USB Type B to USB Type A変換ケーブル付属
●ADC/DAC:サンプリング周波数=96 kHz、解像度=24ビット
●最小レイテンシー:2.2 ms(スピーカー入力 to 左/右出力)
●電源:AC100〜240 v、出力:DC12 v @ 1A
●外形寸法:128(幅)×175(奥行き)×64(高さ)mm
●重量:1.3kg
■Torpedo Captor Xが通販で購入可能■
○イケベ楽器
8Ωモデル
https://www.ikebe-gakki.com/ec/pro/disp/1/679611
16Ωモデル
https://www.ikebe-gakki.com/ec/pro/disp/1/688166
○ミュージックランドKEY
8Ωモデル
https://www.musicland.co.jp/fs/musiclandkey/twonotes-tncapx
16Ωモデル
https://www.musicland.co.jp/fs/musiclandkey/twonotes-tncapx-16ohm
■製品の詳細■
http://www.electroharmonix.co.jp/twonotes/torpedo-captor-x.html
Two notes Torpedo C.A.B. M+
¥オープン
【仕様】
●インプット:アンプ・イン=バランス:TRS 1/4″フォン端子(IN LEVELスイッチで入力感度とインピーダンスを設定)、AUXイン(ミニフォン・ステレオ端子。モノラルに変換)
●アウトプット:スピーカー・アウト(アンバランスTS 1/4″フォン端子)、ライン・アウト(バランスTRS 1/4″フォン端子)、DI OUT(XLRバランス)、ヘッドフォン出力(ミニフォン・ステレオ端子)
●最小レイテンシー:2.2ms(ライン・イン〜ライン・アウト)
●電源:専用電源アダプター付属(2.1mm、センター・マイナス)、12V DC
●外形寸法:100(幅)×121(奥行き)×60(高さ)mm(突起物含)
●重量:450 g
■Torpedo C.A.B. M+が通販で購入可能■
○イケベ楽器
https://www.ikebe-gakki.com/ec/pro/disp/1/687229
○ミュージックランドKEY
https://www.musicland.co.jp/fs/musiclandkey/twonotes-tncabm
■製品の詳細■
http://www.electroharmonix.co.jp/twonotes/torpedo-cab-m-plus.html