【試奏動画連動】メタルを録る!!〜SAKI×マーシャル CODE

Stay Homeする機会が多くなってきた昨今だが、そこで楽しくなってくるのが自宅録音、いわゆるDTMではないだろうか!?
プロ/アマ問わず、もはやDTMも当たり前の時代になってきており、WeROCK読者のみなさんも宅録用の気になる機材が、どんどん多くなってきていることだろう。そこで、そんなみなさんに“メタルを録る”ということに焦点を当てたのが、この企画。その記念すべき第1回をお届けしよう!
まず、お送りするのは、マーシャルから発売されているデジタル・モデリング・アンプ、CODEでの宅録挑戦企画だ。挑戦してもらうのは、メアリーズ・ブラッド&ネモフィラで活躍中のギタリスト、SAKI! ふだんからマーシャル:JVMを愛用している彼女に、はたしてCODEは応えてくれるだろうか!?
※WeROCK 078の掲載記事より。

■SAKIによる試奏動画


マーシャル CODE25
¥オープン

スペック】
●出力(RMS)
:25w
●コントロール:ゲイン、ベース、ミドル、トレブル、ヴォリューム、マスター
●プリセット:ユーザー編集可能な100個のプリセット
フットコントローラー:4 ウェイ・プログラム可能 (PEDL-91009、別売り)
ストンプ・ボックスFX:コンプレッサー、ディストーション(3種類)、オート・ワウ、ピッチ・シフター
プリアンプ・モデル:クリーン×5、クランチ×5、オーバードライブ×4、ナチュラル、ゲート
モジュレーション系FX:コーラス、フランジャー、フェイザー、トレモロ
●空間系FX:ディレイ×4、リバーブ×4
パワー・アンプ・モデル:クラシック・マーシャル100w、ヴィンテージ・マーシャル30w、イギリス製クラスA、アメリカ製クラスA/B
キャビネット・タイプ:全8種類
●接続:Bluetooth 4.0 および USB 2.0
外形寸法:340(高さ)×350(幅)×215(奥行き)㎜
重量:6.1㎏

▲プリセット・チェンジはもちろん、エフェクト・セクションのオン/オフも設定可能となる多機能な専用フットスイッチ

■今回の宅録方法:CODE25→USB接続→MAC

——これまでに、CODE自体を弾いたことはある?
SAKI
:3年ぐらい前に、少し鳴らしたことはあるんですが、今回はひさびさに触った感じです。
——これまでにもデジタル・アンプを使ったことはあると思うんだけど、マーシャルのデジタルということで他のメーカーとの違いは感じた?
SAKI
:これまでにも、いろいろなアンプ・シミュレーターを試してみたんですけど、どれもマーシャルのモデリングでも、実際のマーシャル感はないんですよ。マーシャルのシミュレートと言いつつ、マーシャルならではのヌケ感だったり生っぽさをあまり感じたことがなかったんです。私、マーシャルのJVMを愛用していますが、そのJVMをシミュレートしてるという音でも、実際のライヴではやはり感じが違うんですよね。ところが、今回、CODEを試してみると、あたりまえですけどマーシャルらしさの再現度が、ぜんぜん違うなと思いました。アンプ・シミュレーター系のマーシャルの特徴なんですけど、ヘンに低域が出てくるんですね。そうすると、アンプと同じ感覚でエディットしていくと、どんどんいらない低域が出がちなんです。それがCODEにはなくて、実機を触っているのと同じ感覚でツマミをコントロールできますね。
——今回の試奏は、CODEからUSBでコンピューターに接続していて、CODEのスピーカーからは音を出していないわけで、その感じはどう?
SAKI
:これも実機に近い感じでした。マーシャルって、ヴォリュームを上げていくと音が変わるじゃないですか。単純に音量が上がっていくわけではなく、ヴォリュームを上げていくと音が前に出てくるんです。そのマーシャルならではの感じが、PCに接続して音を出してもシミュレーションされてるんですね。
——具体的に、トーンの印象を教えてほしいんだけど、まずプリアンプ・セクションだけでも数種類のマーシャルが入ってるでしょ。JCM800 2203のモデリングは、どう感じたかな?
SAKI
:800ならではのミッド感のあるヌケてくるトーンで、すごくしっかり再現されてますね。JCM2555 Silver Jubileeのモデリングは、実機にある枯れたような感じというか、歪ませても芯の残るトーンがそのまま再現されてます。それは、どのモデリングに関してもそう思いました。
——JCM2000 DSL100や、SAKIちゃん愛用のJVM410Hに関しては、どうでしょう?
SAKI
:そこから歪みの質が変わりますね。それは、実機も一緒ですね。とくに、便利だなと思ったのはゲートがすぐにエディットできること。JVMは、もしかしたら実機よりも使いやすいかもしれないです(笑)。自分の410も別でゲートを足したりしてるんですが、CODEはその場ですぐにできるし、ゲート自体の効きがかなりいいので、歪みをすごく上げても、ノイズもなくしっかりと芯が残ってくれます。それは、2000も同じくですね。JVMとはまた違った帯域で歪んでくれます。もちろん800よりも歪むし、使いやすいですね。
——他にも気になるプリアンプはあった?
SAKI
:「OD American」というのが、好みの音を作るにはピッタリだと思いました。JVMとキャラが違うトーンですけれど、私の好みの音を作れるかなって。
——CODEならではの使い方で、たとえばプリはJVMでパワー・アンプは6L6の真空管を使ってみる、という音も作れるじゃない? そのあたりも便利だよね?
SAKI
:パワー・アンプで言うと、「Classic Marshall 100W」(EL34×4の一般的なマーシャルのタイプ)は、オーソドックスで上から下までキッチリと出てくれます。「Vintage Marshall 30W」(5881×2+整流管のJTM45やBluesbreakerのタイプ)は、ミッドの感じがヴィンテージのマーシャルらしく強いですね。800のプリアンプと組み合わせてみると、“鳴ってる800”の音になるんです。JVMとそういうのを組み合わせるのも、なかなかデジタル上じゃないとできないじゃないですか? それはそれでミッド感が出ておもしろいです。「British Class A」(EL84×2タイプ)は、プリアンプを変えても、どれも音が前に出てくる感じが強いですね。「American Class A/B」(6L6×4本のタイプ)は、「British Class A」に似ているんですが、より上の帯域を強く感じてキラっとします。それに比べると、「British Class A」のほうが落ち着いたトーンに感じますね。
——キャビネットのモデリングはどうだった?
SAKI
:プリとパワーの組み合わせはもちろんだけど、DAWで録音するとキャビでキャラがいちばん強く変わりますね。「1960」はいつも使ってる感じで、「1960V」になるとギュっとして、「1960X」はもっと広がりがあって、「1960HW」だと歪みがキャビ自体で増す印象でした。「1936」は「1960」よりもっと低域が鳴る感じで、「1936V」はハイ・ミッドが強めです。「1912」はクリスピーな方向性なので「OD American」と組み合わせると、前に来るミッド感があります。気に入ったのは、「1974CX」ですね。これと、JVMを組み合わせると、どのパワー・アンプを使っても解像度がすごく上がるんですよ。これで録音してみたら、音のそれぞれの帯域が、いちばんキレイに録れました。新たな発見でおもしろかったです。
——エフェクターに関しては、どうだった?
SAKI
:ディストーションは、ゲインの振り幅が広いですね。かなり強い歪みからオーバードライブ的な軽いブーストもできます。どれも、よく効いてくれるエフェクトが入っていて、ワウに関してはオート・ワウなのでコントロールするのがペダルとは違いますけど、箇所箇所で使えます。フランジャーを足したりもできるし、まったく問題ないです。
——さて、じっさいに宅録してみて、使える音が出たかな?
SAKI
:これは、もう組み合わせしだいだとは思いますが、かなり使えますよ。キッチリ作り込めば、100wのマーシャルを鳴らしてる音を録音してる感じになります。エアー感を出したいのであればレゾナンスのツマミだったりを上げていけばいいし、リアンプを想定した音が作れます。

 

■SAKI直伝! CODEで音作り!!

ベーシックなSAKI歪みサウンド

▲プリアンプ(左上)とパワー・アンプ(右上)

▲FXセクション

SAKIならではのソロ・サウンド

▲プリアンプ(左上)とパワー・アンプ(右上)

▲FXセクション

※エディット写真は、iPhoneアプリ画面です。

 

■製品の詳細■
http://www.marshallamps.jp/products/amplifiers/code/

 

◎SAKI:メアリーズ・ブラッド、そしてネモフィラのギタリスト。キラー・ギターとマーシャルを操り、スラッシーなリフからヘヴィなリフ、テクニカルなプレイから速弾きまでこなし、メタル・ファンから熱い支持を得ている。メアリーズ・ブラッドとしては8月26日にアニメ・ソングのカヴァー・アルバム『Re>Animator』を、ネモフィラとしては、8月22日にシングル「雷霆 -RAITEI-」をリリースしている。また、11月27日には元ドラゴンフォース/現クリエイターのフレデリク・ルクレールとのプロジェクト、AMAHIRU(アマヒル)としてアルバム『AMAHIRU』を発表する!

8月26日リリース:『Re>Animator』(メアリーズ・ブラッド)※写真は限定盤

メアリーズ・ブラッド  公式サイト
https://marysblood.futureartist.net/

 

8月22日リリース:「雷霆 -RAITEI-」(ネモフィラ)

ネモフィラ  公式サイト
https://nemophila.tokyo/

 

11月27日リリース:『AMAHIRU』(アマヒル)

アマヒル  公式サイト
https://dreamusic.co.jp/artist/amahiru/