SYUが気になる機材を斬る!!〈KRK編〉

“SYUが斬る”、続いては、DTMの制作に欠かせないモニター・スピーカーを試聴してもらった。試してもらったのは、KRKの注目モニター・スピーカーのRP5G4だ。ニュー・アルバムでは、ついにマスタリングまで担当したというSYUの耳に、このモデルはどう聴こえただろう!?
※WeROCK 076の掲載記事より。

SYUが求めるモニター・スピーカーの要素とは?

KRK
RP5G4
市場想定価格¥18,000+税

〈仕様〉
●ウーハー:5インチ
●周波数特性:43Hz – 40kHz
●最大SPL:104dB
●最大出力:55w
●入力インピーダンス:5.12kΩ バランス
●コンボ入力:バランスTRS/XLR
●外形寸法
190(幅)×241(奥行き)×285(高さ)mm
●重量:4.85kg

——SYU自身、モニターには、どういう性能を求めている?
SYU:できるだけフラットな特性でリファレンスしたいとは思ってます。各メーカーからいろいろなタイプが出ていて、最終的に慣れればいいわけなんですが、自分の気に入る音かどうかというところが重要ですね。一聴して好きだと思える音がいいですね。あとは、各帯域の問題。ロー、ミッド、ハイが、自分で聴きとれるモニターであればうれしいです。
——最新アルバムは、みずからマスタリングまで手掛けているけど、そうなるとモニター・スピーカーも重要になってくるよね?
SYU:アルバムのマスタリングは、まずヘッドフォンでの作業が基本になります。ローだったら足元にいてくれるか、ミッドだったらお腹のあたりで響いてくれるか、その感じで音を聴くことができるシステムであるとうれしいです。
——自宅でもヘッドフォンで作業することが多い?
SYU:大きな音を出せないという環境もあるので、イヤフォンを中心に聴くことが多いですね。これも慣れなんですよ。僕の場合は、イヤフォンとモニター・スピーカーで作っていって、その後、自分の車で聴きます。それを繰り返してプロデューサーに送って意見を聞いて、さらにその作業を繰り返すパターンですね。
——そんなSYUにとって、今回、試聴してもらった、KRKのモデルはどう感じた?
SYU:めっちゃよすぎるスピーカーでした。今回、ギターを弾きながら聴いた他に、ガルネリウスの曲でも聴いてみたんですよ。そうすると、バス・ドラムとベースが、ちゃんと足元にいて、ギターがキチンと左右から聴こえ、ヴォーカルがセンターにいる。その感覚が立体的に把握できました。ものすごく立体的に聴こえるんですよ。かなりイケてますし、欲しいです(笑)! 帯域がしっかりわかって、ローの感じも細かく確認できるのがいい。すごくキレイな音をしていますね。
——ちょうど、スタジオにあったモニター・スピーカーとも比べてみたけど、その違いはどうだった?
SYU:すごく音が濃密に凝縮されていて、全帯域、聴きやすいと感じました。オーディオ・グレードというかね。これは、リファレンスだけではなく、オーディオ再生用にも特化してるモニター・スピーカーなんじゃないですか。奥行きがあります。マスタリングで使っても、すぐに慣れることができる音だし、EQが付いてて細かい補正もできるから、自分なりの好きな音に調整もできますよね。“こういう聴こえ方にしたい”という設定にできるというのは、すごいスピーカーですよ。あとは作業する人の好みだと思いますが、オーディオを再生するには“ここまで必要ないだろう”というぐらいいい音がします(笑)。

リアには、各スピーカーごとにEQやレベルを調整できる液晶ディスプレイが搭載されている

■RP5G4が通販で購入可能■
○イケベ楽器
https://www.ikebe-gakki.com/ec/pro/disp/1/655317

問:株式会社エレクトリ
https://www.electori.co.jp/krk/index.html

SYU:ガルネリウスのギタリスト。もはや説明不要のギター・ヒーローであり、高度なテクニックを駆使した速弾きから泣きのフレーズ、タッピングなど、日本のハード・ロック/ヘヴィ・メタルを代表するギタリストのひとりだ。ガルネリウスは、昨年10月にアルバム『INTO THE PURGATORY』をリリース。期待を裏切らない、メロディアスでドラマティックなサウンドを炸裂させている。

最新アルバム:『INTO THE PURGATORY』/ガルネリウス
ワーナーミュージック・ジャパン
WPCL-13137

ガルネリウス 公式サイト
https://www.galneryus.jp/