SYUが気になる機材を斬る!!〈XTONE編〉

今やデジタル・アンプも当たり前の時代になってきたが、さらにスマホ用のアンプ&エフェクター・アプリもすごいことになってます!
そこで、本誌の試奏取材でおなじみのSYU(ガルネリウス)に登場してもらい、便利なオーディオ・インターフェイスであるXTONEを試してもらった! これさえあればライヴもスタジオもアンプいらず!?
※WeROCK 076の掲載記事より。

モバイル・アプリを
フット・スイッチで操作!!
〜XTONEはアンプいらずの最強アイテム

XSONIC
XTONE
¥オープン(実勢価格¥16,500+税)

■動作条件■
●iOS:iOS 10.6 以上で、Lightning または USB Type-C interfaceを搭載したiPhone、iPad
●Mac:OS X 10.6 以上
●Android:Android:非推奨 ※Samsung Professional Audio technologyでサポートされているデバイスのみ
●Windows:Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、Windows 10
※動作条件は予告なく変更になる場合がある。
■仕様■
●コントロール:ヴォリューム、フットスイッチ×3、グランド・スイッチ
●入出力端子:楽器インプット、エクスプレッション・ペダル端子、9v電源端子(センター・マイナス)、ヘッドフォン・アウト、USB端子、バランス・アウト、ステレオ・ライン・アウト
●外形寸法
129(幅)×98(奥行き)×57(高さ)mm(突起物含む)
●重量:355g
※USBケーブル、USB-Lightningアダプター、ポーチ付属

——これまで、ギター・アンプやエフェクターのスマホ用アプリを使ったことはある?
SYU:以前、iPadを使ったエフェクト・ボードを試したりはしましたけど、完全にアプリに頼ったアンプとかエフェクターというのは、ちょろっと触ったことがあるぐらいですね。その時代は、まだ“こんなこともできる世の中になったんだ!”ぐらいな感じでしたが、今や当たり前の世の中になってきましたよね。もちろん、PCのほうでのプラグ・インは使ってますけど。
——今回、XTONEで、BIAS FXやAmplitubeというモバイル専用アプリを試奏してもらったけど、率直な感想は?
SYU:かなり生でアンプを鳴らしている感覚に肉薄してはきましたね。昔のデジタルで作ったような特有のペタペタなイメージはないです。どれだけガンバっても真空管で歪ませてるわけではないので仕方のない部分があったじゃないですか? そんななかでも、今回、試したアプリはギュっという歪みをガンバって出す圧がすごいです。最近の音楽って、デジタルで作ることも多いから、より相性のいい歪みサウンドを作りやすい音になってますね。
——“SYU撃”など、ギター1本で弾く時など、このアプリでいけそうな感じはある?
SYU:じっさいに現場で鳴らしてみないとわからないですけど、そういうレベルに達してきているかとは思います。
——そういう現場でこそ、このXTONEは威力を発揮しそうだけど。
SYU:iPhoneかiPadとXTONEさえあれば、自分の好きな音を再生することができちゃう世の中になってしまったということですよね。フットスイッチで音色を切り替えられるからプレイしながらもOKなわけで。もう、フットタイプのマルチ・エフェクターの使い方と同じ。
僕、今でも、家で曲作りをする時でさえ本物のアンプを鳴らしてるんですね。そう考えると、ここまでできるんだってビックリしちゃいます。アプリのほうのサウンドが、バンド内では、どれだけ音がヌケてくれるかわからないけど、ひとりで弾いてるぶんには気持ちよく弾けます。あとは、ギターレスのオケと合わせてみて自分のヌケを作っていけさえすれば、ふつうに使えるんじゃないですかね。
——XTONEは、3つのスイッチをバンクと組み合わせることで9個のプリセットを記憶できるわけで、さらにエクスプレッション・ペダルを使えば、もうホントにマルチ・エフェクターというかスイッチャーの感覚で使えるよね?
SYU:すごいですよね、こんな小さい箱でそんなたくさんの制御ができるというのは。卓上に置いても、足元でも、フットスイッチも使いやすい配置になってるのもいいですね。
——気になるのはレイテンシーだと思うんだけど、そのあたりは?
SYU:感じなかったです。ダイレクト・モニタリングしてるのかなという感じで弾いてました。僕、少しでもレイテンシーがあると、すぐにわかるんです。ふだんのレコーディングでも、すごい気にして弾いてますし、遅れが少ないのが売りのオーディオ・インターフェイスでも気づくんですけど、XTONEを使って弾いた今回の環境下では、ほぼ感じませんでした。
これは、すごい重要な話なんですよ。しかも、これ、アダプターをつないでなくて、バスパワーで弾いてたんですよね? ビックリです。今回は、iPhoneとiPadでの試奏でしたけど、ふつうにPCに接続してオーディオ・インターフェイスとしても試してみたいですね。かなり、いいってなる可能性が高い。ノートPCといえども、持ち出すとなるとオーディオ・インターフェイスも必要で、けっきょく大掛かりになるじゃないですか? それが、XTONEなら、ノートPCとこれだけで済むということですからね。もちろん、XTONEを使うんだったら、iPhoneやiPadと使うのがいいですけどね。これでライヴもできるし、家で練習もできるし便利すぎます。
——たとえば、最近はケンパーをはじめとしたデジタル・アンプがあるけど、そういったアンプと比べるとどうなんだろう?
SYU:ケンパーは、外音至上主義のアンプだと思うんです。PAさんが外音を作るには便利なんですよ。ギタリストはイヤモニしながら弾くみたいな感覚で、そうやって分けて考えるものだと認識してます。このXTONEとモバイル・アプリで鳴らすというパターンも、同じ括りだと思うんですよね。となると、これまでのデジタル・アンプより、さらに小さくなってしまったと(笑)。この組み合わせは、これまで本物のアンプより手軽だったデジタル・アンプの、さらに1/10以下の重量になってるわけで、ヤバイな〜と思いますね(笑)。

iPhoneやiPadはもちろん、PCとも接続可能。ヘッドフォンだけではなく、アクティヴ・モニター・スピーカーにも直接接続できるので、ふつうにオーディオ・インターフェースとしても使用可能だ

エクスプレッション・ペダルを接続すれば、ワウとしての機能はもちろんのこと、ゲインのレベルを調整するなど足元でも各コントローラーを操作できる

さらに拡張性のあるX TONE PRO!!

▲今回、紹介しているXTONEの、さらに拡張性などをプロ仕様にしたXTONE PROも発売されている。
こちらは、フットスイッチを倍の6個搭載し、マイク入力やMIDIイン/アウト、マイク・プリアンプと48vファンタム電源も装備している。
実勢価格は、¥26,000+税となっている

BIAS FX Mobile Essentialのライセンスが付属!

▲現在、XTONEシリーズを購入すると、人気のiOSアプリであるBIAS FX Mobile Essential(写真)のライセンスとPC用ギター・チューナー・プラグインであるHot Tuneが付属する!

■XTONE、XTONE PROが通販で購入可能■
○イケベ楽器
(XTONE)
https://www.ikebe-gakki.com/ec/pro/disp/1/673822
(XTONE PRO)
https://www.ikebe-gakki.com/ec/pro/disp/1/673823
○ミュージックランドKEY
(XTONE)
https://www.musicland.co.jp/fs/musiclandkey/xsonic-xtone
(XTONE PRO)
https://www.musicland.co.jp/fs/musiclandkey/xsonic-xtone-pro

問:株式会社フックアップ
https://hookup.co.jp/products/xsonic

SYU:ガルネリウスのギタリスト。もはや説明不要のギター・ヒーローであり、高度なテクニックを駆使した速弾きから泣きのフレーズ、タッピングなど、日本のハード・ロック/ヘヴィ・メタルを代表するギタリストのひとりだ。ガルネリウスは、昨年10月にアルバム『INTO THE PURGATORY』をリリース。期待を裏切らない、メロディアスでドラマティックなサウンドを炸裂させている。

最新アルバム:『INTO THE PURGATORY』/ガルネリウス
ワーナーミュージック・ジャパン
WPCL-13137

ガルネリウス 公式サイト
https://www.galneryus.jp/