デジテックのペダルで作る個性派サウンド

4月15日発売のWeROCK 058の巻頭試奏レポートで紹介した、デジテックの7種類のコンパクト・エフェクター。

その記事を、このブログでも公開します!

 

ワーミー・ペダルなど数々の革新的なエフェクターを送り出してくれるデジテックだが、ここで紹介するのは、サイケデリックでファッショナブルなフィニッシュが印象的なペダルだ。

そのネーミングもユニークなモデルが多く、本誌の広告に目が止まった読者も多いことだろう。

このシリーズに歪み系がラインナップされていないのは残念だが、気になる全7機種を試奏していこう。

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多彩かつ独創的なコーラス/フランジャー

●Nautila(ノーティラ)/¥30,000+税

 

 

 

まずは、ノーティラという名のコーラス/フランジャーだ。

1台でコーラスとフランジャーを使い分けられるモデルで(同時使用はできない)、小さい筐体ながらも少し試奏しただけでコーラスもフランジャーもかなり幅広い音作りができることがわかる。写真で見ると、4つのコントローラーに見えるが、下段のツマミは2層式になっており、多彩な音色を生み出せるのがすごい。

まずは、コーラス・モードだが、コーラス・エフェクトらしいコーラスといえる音色でありながら、エンファシスというツマミによりトーンの高域部分を変えられるのが魅力的である。

右に回していくと高域が強調されクリスタルなトーンになり、左に絞っていくと暖かみのある音色になってくれる。

そこにヴォイスというツマミで1〜8ヴォイスを選択でき、広がり感が選べる。

コーラスらしいコーラスと記したが、気づいたら1台の中に、マルチ・エフェクターなみに数種類のコーラスを搭載したようなモデルだった。

いっぽうのフランジャーも幅広い。こちらは、ドリフトというフランジングの波を選べるツマミ(360度回転する)があることで、さまざまなフランジャーを作り出せる。

エンファシスというツマミは、フランジャーではフィード・バックを調整する機能になり、フランジングのウネリを強くしてくれる。

全体的な印象としては、いかにも“フランジャー!”というジェット音色のものも作れるが、コーラス的な広がりも感じられるフランジングがおもしろいと思えるモデルだ。

おっと、最大の特徴を言っておかなくてはいけない。このモデル、コーラスの場合もフランジャーの場合も、フット・スイッチを押したままにするとモーメンタリー・スイッチとなり、その間はLEDが緑色になりコーラス/フランジャーのスピード・エフェクトを変化させることができるのだ。

飛び道具として使うか、どこで使うかは、ギタリストの感性しだい!?

▲本体は手のひらに収まるサイズ。製品写真で受ける印象よりも筐体がコンパクトなのがわかるだろうか?

▲オン時にオン/オフ・スイッチを押している間はLEDが緑色に変化、スピード・エフェクトを変えられる。

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4タイプの効果を搭載したステレオ・ディレイ

●Obscura(オブスキュラ)/¥30,000+税

オブスキュラは、アナログ、テープ、ローファイ、リバースという、4つのタイプから選択できるディレイだ。

デジタル・ディレイだがその音色はかなりアナログ・ライク!

アナログとテープというモードはもちろんのこと、ローファイというモードも昔の低いサンプリング・レートのデジタル・ディレイを再現しているというから、そのこだわりようがおもしろい。

さらに、その古きよき時代のディレイを再現してくれるのが、こちらも2層式となっている右下のツマミだ。トーンはディレイ・サウンドを補正してくれるツマミで、絞ると甘いトーンになりどんどんアナログ感が増していく。

ディグレードは、なんとディレイ・サウンドの品質劣化をコントロールするツマミ(笑)。

たとえば、アナログ・モードで右に回していくとトーンの粗さが増えるというこだわりなのだ。

デジタルならではのクリーン・サウンドが弾きにくいというギタリストならば、間違いなく選んでほしいディレイだろう。

▲外側のディグレード・コントロールで、各ディレイ・タイムのクオリティをあえて下げることができるのもユニークだ

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シンセ・ヴォイスを作る超個性派ペダル

●Dirty Robot(ダーティ・ロボット)/¥23,000+税

ダーティ・ロボットは、すさまじい!

なんのエフェクターとは形容し難いぐらいエフェクティヴな音を出してくれる。

シンセ・ヴォイスと見出しを付けてみたが、シンプルな方向で考えるならばオート・ワウ的なエンヴェロープ・フィルターのような使い方からオクターヴァー的な音色が作り出せる。

ただ、このエフェクターは、そんな使い方ではもったいないほど、ギターの音をまさにシンセサイザー的に変えてしまうのだ。

これこそエフェクター!

間違いなく飛び道具だし、使い出すとクセになります!!

▲ストレート・スタイルのシンセ・サウンドを作るV1とレンジを可変できるV2という2種類のモードを切り替え可能

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7種類のリバーブを自在にコントロール

●Polara(ポラーラ)/¥30,000+税

ここまで、3機種を試してみたが、そのルックスどおりの個性的なモデルから、見かけとは裏腹(!?)にナチュラルな音も作れるモデルもあった。

そんななか、これまた、すごいイラストが描かれているリバーブのポラーラにいってみよう。

世界的に名高いレキシコン社のリバーブ・アルゴリズムを用いた7種類のリバーブ・モードが搭載されており、これまでのエフェクターから想像していると、あまりにも普通で高品質なリバーブに、違う意味で驚かされる(笑)。

ディケイというリバーブの長さを調整するツマミと、ライヴライネスという高域のトーンをコントロールするツマミの幅が広く、シンプルでいながらギタリストが必要とする機能を搭載しているのがうれしい。

なお、前出のオブスキュラとこちらのポラーラは、テール・スイッチというスイッチが付いており、選択することでエフェクトをオフにした際のエフェクト音をすぐにミュートするか、残響音を残すかを選べる。

▲高域をコントロールするライヴライネス。右に回すと音色が明るく、左に回すと暗くなるというコントロールだ

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3タイプのキャラクターを選べるロータリー/ヴィブラート

●Ventura Vibe(ヴェンチュラ・ヴァイブ)/¥30,000+税

今度は、道化師のイラストが描かれているロータリー/ヴィブラート・エフェクトのヴェンチュラ・ヴァイブ

こちらは、3タイプのエフェクターが搭載されていると思えばわかりやすいだろうか。

上方のスイッチでモードを選択するわけだが、ヴィンテージは、あの名機ユニ・ヴァイブをベースにしたヴィンテージ・ヴィブラート・エフェクト、モダンはデジテック最新のヴィブラート・エフェクト、ロータリーはレズリー・スピーカーをシミュレーションしたロータリー・エフェクトとなっている。

ユニ・ヴァイブやレズリーのシミュレートは、アナログ・テイスト満載なかかり方が印象的で、右下の2層式ツマミにあるドライヴ・コントローラーでエフェクト音の歪みを調整でき、よりアナログ・ライクなトーンを作り出せる。

ロータリー・モードは、一般的なフェイザーよりも、かなりナチュラルにかかってくれるのでソロなどで使うと気持ちよく弾ける。

このモードでドライヴを上げると、その歪み感が心地いい。

おもしろいのは、モダン・モードだ。

かなりエグくトレモロがかかってくれ、トレモロ・アームを動かしながら弾いているような変態的な(笑)効果も得られる。

なお、このモデルも、フット・スイッチがモーメンタリー・スイッチとなっており、踏み続けると選択されているエフェクト・タイプが持つ最速のスピードになり、こちらも飛び道具として使うとおもしろそうだ。

▲外側がドライヴ・コントロール。歪みを調整することで、よりアナログ・ライクなキャラクターが得られる

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デチューン機能に特化

●Luxe(ラックス)/¥23,000+税

残る2モデルは、コントローラーが2つというシンプルなモデルとなっている。

ラックスは、ワーミー・ペダルに搭載されているデチューン・エフェクトを抜き出して1台のエフェクトにしてしまったモデルだ。

そもそもデチューンというエフェクト自体がどういう効果かというと、コーラス・エフェクトに近いのだが、少しだけピッチをズラして重厚感を得るエフェクターだ。

こちらのモデルは、ピッチの変調を伴わないのでギター・サウンドにつねに安定した厚みを加えてくれるという。

ワーミー搭載時はシャロウとディープという2種類の選択肢だったが、デチューンというツマミで多彩になりプラス/マイナス50centの範囲で音を加えて厚みを出すことが可能。

デチューン・ツマミを、ほんの少しだけプラスに動かして、ダブリングのようなニュアンスで弾くと、ギター1本のバンドでも重厚なギター・サウンドが演出できる。

▲デチューン・コントロールで加える厚みの量を調整でき、ギター・サウンドを重厚にできる

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12弦ギターのサウンドを作るペダル

●Mosaic(モザイク)/¥30,000+税

最後のモザイクは、どんな6弦ギターでも12弦ギターにしてしまうというエフェクターだ。

今回はエレキ・ギターでの試奏だったのだが、クリーン・セッティングで弾いてみると複弦の音が加わり、たしかに12弦ギターのサウンドになってくれる。

コントロールはシンプルに2つだけで、トーンは12弦の音の高音域を強調してくれるツマミで、レベルはエフェクト音の音量を調整するツマミ。

ハムバッキングのエレキで弾いてみると、トーンを上げ目にセッティングしたほうが12弦の雰囲気が出たが、これは使用するギターにもよるだろうし、エレキで弾くならばアコースティック・シミュレーターも使いたいところだろう。

ちなみに、歪ませて弾いてみたのだが、4〜6弦に重厚感を加えてくれ、おもしろい効果が得られた。

しかし、そんな邪道な使い方ではなく、ぜひエレアコで使用することをオススメしたい!

▲トーン・コントロールで高音域に強弱を付けられる。エレアコで使いたいペダルだ

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さて、今回、ここで試奏した7機種は、すべてトゥルー・バイパス仕様となっているが、原音に影響を与えない具合はかなりのものだった。飛び道具的や短い箇所で効果的に使いたいモデルが多いので、この部分も大切な機能だ。

問:株式会社神田商会

https://www.kandashokai.co.jp/flos/digitech/